2021/09/06(月) - 14:20
ミュール・ファン・ヘラールツベルヘンを3回駆け上がるベネルクスツアー最終日にマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が圧巻の独走勝利。ステージ2位に入ったソンニ・コルブレッリ(イタリア)が総合首位を守り、バーレーン・ヴィクトリアスが最良の形で1週間を締めくくった。
前日25kmに渡る逃げ切りを演じたソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) (c)CORVOS
ここまで6日間、平坦スプリントステージとアルデンヌクラシック、そしてフランドルクラシックの要素を混ぜながら続いたベネルクスツアー(UCIワールドツアー)も最終日を迎えた。
前日25kmに渡る逃げ切りを演じたソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がチームメイトのマテイ・モホリッチ(スロベニア)に51秒、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ)に53秒リードを付けたものの、カンペナールツ以降は総合10位カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)まで1分以内という僅差だ。
180kmコースの後半戦はロンド・ファン・フラーンデレンでお馴染みのミュール・ファン・ヘラールツベルヘン(=ミュール・カペルミュール:登坂距離600m/平均7.6%/最大9.8%)やボスベルグを含む周回コース。フィニッシュラインはかの有名な教会の手前にあり、ミュール・ファン・ヘラールツベルヘンを3回と半分登る「ザ・フランドル」なレイアウトだ。昨年はマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が50kmに渡るソロエスケープで逆転総合優勝を叶えているため、最終日であっても息をつかせない緊張感ある戦いが繰り広げられた。
ミュール・ファン・ヘラールツベルヘンを駆け上がる (c)CORVOS
この日は一向に逃げが生まれず、スタート後1時間の平均速度が50km/hを超える中ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)を含む11名が先行。1回目のミュール・ファン・ヘラールツベルヘンではメイン集団からモホリッチとカンペナールツ、アスグリーンが飛び出し、20秒前の先頭グループへと飛びついた。
2回目のミュールでは上記3名と、東京五輪ロードで活躍したブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が先行。スピードに長ける選手ばかりが揃った先頭グループは、登坂でバラけ、平坦で人数を増やすメイン集団から約1分リードを得て逃げ続けたものの、やがてマクナルティが脱落し、メイン集団も追撃ペースを早めたことでリードが失われていった。
ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)を含む11名が先行 (c)CORVOS
レースが動いたのは再びミュール・ファン・ヘラールツベルヘンだった。3回目のミュール序盤区間で逃げとメイン集団が合流したものの、「(逃げている最中も)終盤戦、もしくはソンニをアシストするために脚を残しながら走っていた。すると最後のミュールでチャンスが見えたんだ」と言うモホリッチが再加速。石畳が荒れた後半区間で一気に踏み込み、今度は単独となって逃げを継続した。
逃げるモホリッチを追ったのは総合6位ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)とアスグリーン、そして首位コルブレッリの3名。ウェレンスは総合3位浮上を視界に捉えていたものの続く登坂区間でドロップし、絶好調を維持するモホリッチは1km区間に3箇所のボーナスタイムが懸けられた大会名物の「ゴールデンキロメートル」を先頭通過して合計9秒を獲得。首位コルブレッリは(チームメイトのモホリッチが逃げているため)アスグリーンの背中をマークするばかりとなり、第3グループも牽制によってスピードが落ちていく。バーレーン・ヴィクトリアスが2日連続で絶好のシナリオに持ち込んだ。
マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が圧巻の独走勝利 (c)CORVOS
やがてアスグリーンとコルブレッリは第3グループと合流。モホリッチとのタイム差は残り10kmで30秒とまだチャンスも残されていたものの、牽制が続いたことで次第にリズムを失ってしまう。諦めムードを漂わせながら走る集団を尻目に、最後までペースを貫いたモホリッチがフィニッシュラインに到着。
その背後ではトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)のアタックに合わせ、最後に置き去りにしたコルブレッリが2位フィニッシュし、バーレーン・ヴィクトリアスが2日連続のステージワンツー勝利を挙げると共に、総合成績でもワンツー確定という、絵に描いたような完璧なレース運びで1週間を締めくくった。
総合成績でもワンツーを占めたバーレーン・ヴィクトリアス (c)CORVOS
「連日ワンツー、総合でもワンツーだなんて途方もないことだ。今日はリーダージャージを守る立場だったけれど、同時にチームとしてステージ優勝も目指していたんだ。マテイが逃げている背後で、僕は複数のアタックに対応してレースをコントロールできていた」とは総合優勝を遂げたコルブレッリ。
「正直に言えばデュムランが加速した時かなり苦しめられた。でも最後は作戦通りに運んだんだ。アメージングだよ」と話すイタリアチャンピオンは、これまでベルギー/オランダ勢が優勝者リストの多数を占めてきた今大会でイタリア勢初の総合優勝者に。歴史に名を刻むと共に、モホリッチと共に直近に迫ったヨーロッパ選手権とフランドルを舞台とする世界選手権に向けて大きな弾みを付けている。
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ここまで6日間、平坦スプリントステージとアルデンヌクラシック、そしてフランドルクラシックの要素を混ぜながら続いたベネルクスツアー(UCIワールドツアー)も最終日を迎えた。
前日25kmに渡る逃げ切りを演じたソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)がチームメイトのマテイ・モホリッチ(スロベニア)に51秒、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ)に53秒リードを付けたものの、カンペナールツ以降は総合10位カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)まで1分以内という僅差だ。
180kmコースの後半戦はロンド・ファン・フラーンデレンでお馴染みのミュール・ファン・ヘラールツベルヘン(=ミュール・カペルミュール:登坂距離600m/平均7.6%/最大9.8%)やボスベルグを含む周回コース。フィニッシュラインはかの有名な教会の手前にあり、ミュール・ファン・ヘラールツベルヘンを3回と半分登る「ザ・フランドル」なレイアウトだ。昨年はマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)が50kmに渡るソロエスケープで逆転総合優勝を叶えているため、最終日であっても息をつかせない緊張感ある戦いが繰り広げられた。
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この日は一向に逃げが生まれず、スタート後1時間の平均速度が50km/hを超える中ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)を含む11名が先行。1回目のミュール・ファン・ヘラールツベルヘンではメイン集団からモホリッチとカンペナールツ、アスグリーンが飛び出し、20秒前の先頭グループへと飛びついた。
2回目のミュールでは上記3名と、東京五輪ロードで活躍したブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)が先行。スピードに長ける選手ばかりが揃った先頭グループは、登坂でバラけ、平坦で人数を増やすメイン集団から約1分リードを得て逃げ続けたものの、やがてマクナルティが脱落し、メイン集団も追撃ペースを早めたことでリードが失われていった。
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レースが動いたのは再びミュール・ファン・ヘラールツベルヘンだった。3回目のミュール序盤区間で逃げとメイン集団が合流したものの、「(逃げている最中も)終盤戦、もしくはソンニをアシストするために脚を残しながら走っていた。すると最後のミュールでチャンスが見えたんだ」と言うモホリッチが再加速。石畳が荒れた後半区間で一気に踏み込み、今度は単独となって逃げを継続した。
逃げるモホリッチを追ったのは総合6位ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)とアスグリーン、そして首位コルブレッリの3名。ウェレンスは総合3位浮上を視界に捉えていたものの続く登坂区間でドロップし、絶好調を維持するモホリッチは1km区間に3箇所のボーナスタイムが懸けられた大会名物の「ゴールデンキロメートル」を先頭通過して合計9秒を獲得。首位コルブレッリは(チームメイトのモホリッチが逃げているため)アスグリーンの背中をマークするばかりとなり、第3グループも牽制によってスピードが落ちていく。バーレーン・ヴィクトリアスが2日連続で絶好のシナリオに持ち込んだ。
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やがてアスグリーンとコルブレッリは第3グループと合流。モホリッチとのタイム差は残り10kmで30秒とまだチャンスも残されていたものの、牽制が続いたことで次第にリズムを失ってしまう。諦めムードを漂わせながら走る集団を尻目に、最後までペースを貫いたモホリッチがフィニッシュラインに到着。
その背後ではトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)のアタックに合わせ、最後に置き去りにしたコルブレッリが2位フィニッシュし、バーレーン・ヴィクトリアスが2日連続のステージワンツー勝利を挙げると共に、総合成績でもワンツー確定という、絵に描いたような完璧なレース運びで1週間を締めくくった。
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「連日ワンツー、総合でもワンツーだなんて途方もないことだ。今日はリーダージャージを守る立場だったけれど、同時にチームとしてステージ優勝も目指していたんだ。マテイが逃げている背後で、僕は複数のアタックに対応してレースをコントロールできていた」とは総合優勝を遂げたコルブレッリ。
「正直に言えばデュムランが加速した時かなり苦しめられた。でも最後は作戦通りに運んだんだ。アメージングだよ」と話すイタリアチャンピオンは、これまでベルギー/オランダ勢が優勝者リストの多数を占めてきた今大会でイタリア勢初の総合優勝者に。歴史に名を刻むと共に、モホリッチと共に直近に迫ったヨーロッパ選手権とフランドルを舞台とする世界選手権に向けて大きな弾みを付けている。
ベネルクスツアー2021第7ステージ結果
1位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 3:50:56 |
2位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:11 |
3位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:15 |
4位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | 0:22 |
5位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 0:24 |
7位 | トム・ファンアスブロック(ベルギー、イスラエル・スタートアップネイション) | |
8位 | グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン) | |
9位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | |
10位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) |
個人総合成績
1位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 24:14:29 |
2位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:29 |
3位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ) | 1:14 |
6位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 1:26 |
4位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 1:28 |
5位 | ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 1:30 |
7位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | 1:37 |
8位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | 1:54 |
9位 | トム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 1:55 |
9位 | マイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 2:01 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) |
チーム総合成績 | バーレーン・ヴィクトリアス |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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