2021/09/03(金) - 12:17
中間スプリントのボーナスタイム争いが激化したベネルクスツアー第3ステージ。フィニッシュは大集団スプリントで決着し、ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が今大会2勝目を収めた。
アールテルの街を出発していくプロトン photo:CorVos
北オランダを出発し、3日間ベルギーにかけての海沿いコースを走り抜けたプロトンは、ベルギーの西フランダース地方へと移動する。ベネルクスツアー(UCIワールドツアー)第4ステージはアールテルからアルドーイェの周回コースを目指す166.1kmのフラットコースだ。
フランドル地方の平野部をサム・ビューリー(ニュージーランド、バイクエクスチェンジ)とトマス・スプレンヘルス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)、アリエン・リヴィンス(ベルギー、ビンゴール・パウェルズソースWB)が逃げたものの、スプリンターチームの射程圏内から抜け出すことはできず、フィニッシュまで約50kmを残して飲み込まれる。混沌とする集団内ではアルベルト・トーレス(スペイン、モビスター)が落車し、鎖骨と肋骨3本を折る怪我を負ってしまった。
逃げグループを形成するトマス・スプレンヘルス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)たち photo:CorVos
スプリントに向けて集団をコントロールするドリス・デボンド(ベルギー、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)らも加わったアタック合戦が続いた末に、昨年パリ〜ルーベのエスポワールレースを制したルネ・ヘルゴー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)が独走するも、集団スプリントを目指す集団を振り切るには至らない。アルドーイェの周回コースに入ると、合計3回通過する中間スプリントに懸けられたボーナスタイム(先頭通過者に3秒)獲得を目指す熾烈なスプリント争いが行われた。
1回目と3回目を先頭通過し、合計6秒を稼いだのは総合2位につけるカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)。総合4位ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)も2秒を稼いだ一方、シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)は防戦一方に。この後はスプリンターチームが主導権を握り、フィニッシュまでの距離を減らしていった。
市街地を駆け抜ける、曲がりくねったアルドーイェの周回コースで集団は長く縦に伸びきった。ロット・スーダルやバーレーン・ヴィクトリアスが主導権を握りかけたものの、人数を残しきることができず、スピードが上がりきらない状態から各チーム入り乱れてスプリントがスタート。マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)を従えたヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)先導で緩い最終コーナーを回り、各スプリンターが飛び出しを図った。
マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)を、急加速でティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)がパス photo:CorVos
持ち前の加速力で大会2勝目を挙げたティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) photo:CorVos
ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が先行してガビリアを抑え続けたものの、トップスピードには到達できずピーダスンが追い抜いていく。中央でもがき続けたピーダスンが勝利まであと僅かに迫ったが、残り100mを切ってから急加速したティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)がファンポッペルを追い抜き、ハンドルを投げ込む接戦の末ピーダスンを交わして先着。シクロクロス上がりの元ベルギーチャンピオンが得意のダッシュで今大会2勝目を飾った。
「この勝利はずっと風から僕を守り続けてくれたチームのものだ。勝負所の狭い道では彼らの助けが命綱だったんだ。最後は右から仕掛けようとしたけれど少しブロックされてしまった。けれど突然視界が開け、そこからまだ勝負に間に合わせることができた。再び勝利できて本当に嬉しいよ」とメルリールは加えている。
リーダージャージを守ったシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO) photo:CorVos
ビッセガーはボーナスタイムでアスグリーンに13秒差まで、ダーブリッジに20秒差まで詰め寄られながらも首位をキープ。ベネルクスツアーは総合10位ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)まで40秒差という僅差をもって、登坂が連続するアルデンヌ地方のステージに入っていく。
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北オランダを出発し、3日間ベルギーにかけての海沿いコースを走り抜けたプロトンは、ベルギーの西フランダース地方へと移動する。ベネルクスツアー(UCIワールドツアー)第4ステージはアールテルからアルドーイェの周回コースを目指す166.1kmのフラットコースだ。
フランドル地方の平野部をサム・ビューリー(ニュージーランド、バイクエクスチェンジ)とトマス・スプレンヘルス(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)、アリエン・リヴィンス(ベルギー、ビンゴール・パウェルズソースWB)が逃げたものの、スプリンターチームの射程圏内から抜け出すことはできず、フィニッシュまで約50kmを残して飲み込まれる。混沌とする集団内ではアルベルト・トーレス(スペイン、モビスター)が落車し、鎖骨と肋骨3本を折る怪我を負ってしまった。
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フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)らも加わったアタック合戦が続いた末に、昨年パリ〜ルーベのエスポワールレースを制したルネ・ヘルゴー(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)が独走するも、集団スプリントを目指す集団を振り切るには至らない。アルドーイェの周回コースに入ると、合計3回通過する中間スプリントに懸けられたボーナスタイム(先頭通過者に3秒)獲得を目指す熾烈なスプリント争いが行われた。
1回目と3回目を先頭通過し、合計6秒を稼いだのは総合2位につけるカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)。総合4位ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)も2秒を稼いだ一方、シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO)は防戦一方に。この後はスプリンターチームが主導権を握り、フィニッシュまでの距離を減らしていった。
市街地を駆け抜ける、曲がりくねったアルドーイェの周回コースで集団は長く縦に伸びきった。ロット・スーダルやバーレーン・ヴィクトリアスが主導権を握りかけたものの、人数を残しきることができず、スピードが上がりきらない状態から各チーム入り乱れてスプリントがスタート。マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)を従えたヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)先導で緩い最終コーナーを回り、各スプリンターが飛び出しを図った。
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ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が先行してガビリアを抑え続けたものの、トップスピードには到達できずピーダスンが追い抜いていく。中央でもがき続けたピーダスンが勝利まであと僅かに迫ったが、残り100mを切ってから急加速したティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)がファンポッペルを追い抜き、ハンドルを投げ込む接戦の末ピーダスンを交わして先着。シクロクロス上がりの元ベルギーチャンピオンが得意のダッシュで今大会2勝目を飾った。
「この勝利はずっと風から僕を守り続けてくれたチームのものだ。勝負所の狭い道では彼らの助けが命綱だったんだ。最後は右から仕掛けようとしたけれど少しブロックされてしまった。けれど突然視界が開け、そこからまだ勝負に間に合わせることができた。再び勝利できて本当に嬉しいよ」とメルリールは加えている。
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ビッセガーはボーナスタイムでアスグリーンに13秒差まで、ダーブリッジに20秒差まで詰め寄られながらも首位をキープ。ベネルクスツアーは総合10位ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)まで40秒差という僅差をもって、登坂が連続するアルデンヌ地方のステージに入っていく。
ベネルクスツアー2021第4ステージ結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 3:36:29 |
2位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
3位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
4位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
6位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、クベカ・ネクストハッシュ) | |
9位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
10位 | ファビアン・リーンハルト(スイス、グルパマFDJ) | |
81位 | 別府史之(EFエデュケーション・NIPPO) |
個人総合成績
1位 | シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーション・NIPPO) | 11:01:24 |
2位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:13 |
3位 | ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 0:20 |
4位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | 0:20 |
5位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、クベカ・ネクストハッシュ) | 0:22 |
5位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | 0:26 |
6位 | ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・ネクストハッシュ) | 0:26 |
8位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:36 |
9位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 0:40 |
10位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:40 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) |
チーム総合成績 | クベカ・ネクストハッシュ |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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