2021/08/14(土) - 13:44
3つの1級山岳が登場したクイーンステージのツール・ド・ポローニュ5日目。ラストは集団スプリントに持ち込まれ、ニキアス・アルント(ドイツ、チームDSM)がマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)を下し勝利した。
ホホウフからビエルスコ・ビャワまでの173kmで行われたツール・ド・ポローニュ第5ステージ。3つある1級山岳はいずれも勾配が緩いことに加え、レース中盤に設定されているため、総合争いに影響することはない。残り22kmから7kmの周回コースを3周して登りフィニッシュに向かう終盤は、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が勝利した2018年第5ステージと同じレイアウトになっている。
スタート後10kmほどで形成されたのは、ロブ・パワー(オーストラリア、クベカ・ネクストハッシュ)やダニエル・アロヤベ(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)を含む6名の逃げ集団。メイン集団と4分差をつけて先行するなか、逃げに乗った山岳賞ジャージのルーカス・オウシアン(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)とそれを狙うエミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード)との山岳ポイント争いが勃発した。
序盤2つの1級山岳をトップで通過したのはリエピンスだったが、オウシアンも2位と着実にポイントを重ねる。そして今大会唯一得点が2倍(20ポイント)与えられる1級山岳に入ると、逃げ集団から飛び出したジョナス・リカールト(ベルギー、アルペシン・フェニックス)にオウシアンが反応し、トップ通過で山岳賞ジャージを守った。なお翌日以降は平坦の個人タイムトライアルと、2級山岳しかない最終日の第7ステージため、これにより2位のリエピンスに20点差をつけたオウシアン山岳賞が事実上確定している。
メイン集団はクフィアトコフスキで2018年の再現を狙うイネオス・グレナディアーズが積極的な牽引で、逃げていた選手たちを吸収していく。残り30km地点の1級山岳の下りから単独走行になったリカールト。そこにメイン集団から飛び出したローレンス・ワーバス(アメリカ、AG2Rシトロエン)とショーン・ベネット(アメリカ、クベカ・アソス)、トーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)の3名が合流した。
4名の先行集団が40秒差で周回コースに突入。しかし、相変わらずイネオスが積極的に牽引するメイン集団に残り3km地点で吸収されると、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を先頭にフラムルージュ(残り1km)を通過する。
ゲイガンハートの引きが終わり、コースいっぱいに広がった集団の中央付近でミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)を含む4名程度の落車が発生。それにより人数の絞られた先頭集団の右側から、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)がステファノ・オルダーニ(イタリア)を引き連れ加速した。
残り200mでオルダーニの番手についていたクイントン・ヘルマンス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が飛び出し、オルダーニとの一騎打ちかと思われたがこの2人の加速が伸びない。ニキアス・アルント(ドイツ、チームDSM)とマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)の猛追が届き、2人がフィニッシュラインを目がけてハンドルを投げた。勝負の行方は写真判定に託され、アルントが僅かの差で勝利を掴んだ。
「一日を通して調子が良く、特に最終周の感触は素晴らしいものだった。だが選手が右から左から入り乱れるとても厳しいスプリントだった。それでもなんとか加速し、長いスプリントの末に最後はモホリッチとどちらが勝ったのか分からなかった。チームに勝利を届けることができ本当に嬉しいよ」と、プロデビューから今年で同じチームで9シーズン目を迎えたアルントは語る。「僕はいつもチームメイトのサポートという役割を楽しみながら全うしているのだが、今日は僕が勝利を託された。何よりもチームが僕の勝利を信じてくれたのが嬉しかった」。
リーダージャージはステージ4位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)がキープ。ステージ2位で総合でも2位につけるモホリッチはそのタイム差を2秒に縮めた。総合は明日の平坦な19km個人タイムトライアルで激しく争われそうだ。
ホホウフからビエルスコ・ビャワまでの173kmで行われたツール・ド・ポローニュ第5ステージ。3つある1級山岳はいずれも勾配が緩いことに加え、レース中盤に設定されているため、総合争いに影響することはない。残り22kmから7kmの周回コースを3周して登りフィニッシュに向かう終盤は、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)が勝利した2018年第5ステージと同じレイアウトになっている。
スタート後10kmほどで形成されたのは、ロブ・パワー(オーストラリア、クベカ・ネクストハッシュ)やダニエル・アロヤベ(コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO)を含む6名の逃げ集団。メイン集団と4分差をつけて先行するなか、逃げに乗った山岳賞ジャージのルーカス・オウシアン(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)とそれを狙うエミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード)との山岳ポイント争いが勃発した。
序盤2つの1級山岳をトップで通過したのはリエピンスだったが、オウシアンも2位と着実にポイントを重ねる。そして今大会唯一得点が2倍(20ポイント)与えられる1級山岳に入ると、逃げ集団から飛び出したジョナス・リカールト(ベルギー、アルペシン・フェニックス)にオウシアンが反応し、トップ通過で山岳賞ジャージを守った。なお翌日以降は平坦の個人タイムトライアルと、2級山岳しかない最終日の第7ステージため、これにより2位のリエピンスに20点差をつけたオウシアン山岳賞が事実上確定している。
メイン集団はクフィアトコフスキで2018年の再現を狙うイネオス・グレナディアーズが積極的な牽引で、逃げていた選手たちを吸収していく。残り30km地点の1級山岳の下りから単独走行になったリカールト。そこにメイン集団から飛び出したローレンス・ワーバス(アメリカ、AG2Rシトロエン)とショーン・ベネット(アメリカ、クベカ・アソス)、トーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)の3名が合流した。
4名の先行集団が40秒差で周回コースに突入。しかし、相変わらずイネオスが積極的に牽引するメイン集団に残り3km地点で吸収されると、テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を先頭にフラムルージュ(残り1km)を通過する。
ゲイガンハートの引きが終わり、コースいっぱいに広がった集団の中央付近でミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)を含む4名程度の落車が発生。それにより人数の絞られた先頭集団の右側から、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)がステファノ・オルダーニ(イタリア)を引き連れ加速した。
残り200mでオルダーニの番手についていたクイントン・ヘルマンス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が飛び出し、オルダーニとの一騎打ちかと思われたがこの2人の加速が伸びない。ニキアス・アルント(ドイツ、チームDSM)とマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)の猛追が届き、2人がフィニッシュラインを目がけてハンドルを投げた。勝負の行方は写真判定に託され、アルントが僅かの差で勝利を掴んだ。
「一日を通して調子が良く、特に最終周の感触は素晴らしいものだった。だが選手が右から左から入り乱れるとても厳しいスプリントだった。それでもなんとか加速し、長いスプリントの末に最後はモホリッチとどちらが勝ったのか分からなかった。チームに勝利を届けることができ本当に嬉しいよ」と、プロデビューから今年で同じチームで9シーズン目を迎えたアルントは語る。「僕はいつもチームメイトのサポートという役割を楽しみながら全うしているのだが、今日は僕が勝利を託された。何よりもチームが僕の勝利を信じてくれたのが嬉しかった」。
リーダージャージはステージ4位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)がキープ。ステージ2位で総合でも2位につけるモホリッチはそのタイム差を2秒に縮めた。総合は明日の平坦な19km個人タイムトライアルで激しく争われそうだ。
ツール・ド・ポローニュ2021 第5ステージ結果
1位 | ニキアス・アルント(ドイツ、チームDSM) | 4:02:20 |
2位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
3位 | ステファノ・オルダーニ(イタリア、ロット・スーダル) | |
4位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
5位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | クイントン・ヘルマンス(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
7位 | ダヴィド・デッケル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマFDJ) | |
9位 | アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン) | |
10位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
124位 | 別府史之(EFエデュケーション・NIPPO) | 14:03 |
個人総合成績
1位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ | 22:54:44 |
2位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:02 |
3位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:14 |
4位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) | 0:21 |
5位 | ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | 0:32 |
6位 | ジョヴァンニ・アレオッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | 0:36 |
9位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | |
10位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:37 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) |
山岳賞 | ルーカス・オウシアン(ポーランド、ポーランドナショナルチーム) |
チーム総合成績 | アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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