2021/07/29(木) - 08:36
「幸せな気持ちで満ち溢れている」とは、東京五輪個人タイムトライアルで金メダルに輝いたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)の言葉。涙を流し喜んだ2位のデュムランや3位のデニス、キュング、ガンナなどレースを終えた選手たちのコメントを紹介します。
第1位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)
困難な時期を越え、このレースで優勝することができてとても嬉しい。難しい時に冷静でいることは大変で、そんな中でも支えてくれた家族や親しい友人、僕を信じる続けてくれた人たちのおかげだ。それら全てがこのメダルとなって報われた。
スタートから全力で踏み、一瞬たりとも手を抜くことなく戦い続けた。それが僕を金メダルまで導いてくれたんだ。全てのレースが特別であるように、ここでの走りもまた僕の中で特別な記憶として刻まれた。いま、とても幸せな気持ちで満たされているよ。
第2位 トム・デュムラン(オランダ)
メダルを獲得するのが目標だった。この数ヶ月、それが可能かどうか検討すらつかない状態だった。ここまでの道のりを楽しもうと心がけ、それが上手くいったみたいだ。走り自体はとても良く、1周目に自分の走りに強さを感じた。2周目に身体のエネルギーが徐々に抜け出していく感覚があったものの、残り10kmを過ぎたら力が再び戻ってきたんだ。銀メダルが今日望むことのできた最良の結果だ。僕にはこの銀メダルの縁が金色に見えるよ。
第3位 ローハン・デニス(オーストラリア)
コンディションは良く、力の限りを尽くした。調子は良かったのが、2人が今日僕より強かっただけだ。メダルを獲得できて嬉しいし、とても誇りに思うよ。1周目を楽に走り、2周目でG(ゲラント・トーマス)を捉えるのに時間がかかった。レース中盤の登りは厳しく、あそこで僕ら全員からプリモシュ(ログリッチ)はタイムを稼ぎ、勝利を決めたのだろう。そして彼よりも遅い選手たちは、タイムが僅差の乱戦に巻き込まれた。
メダルの喜びと当時に、延期となったこの1年間でこの世界では様々なことが起きた。しかし、延期されたおかげでより長く新しい機材に慣れる期間がとれた。これがもし(世界選手権を制した)2019年の終わりに開催されていたらとも思うが、この結果に満足している。何よりもプリモッシュとトムを祝福したい。
第4位 シュテファン・キュング(スイス)
できるだけ早くこの五輪を忘れたい。そうでないと1週間は眠れないだろう。1時間を全力で走り、たった3秒差で銀メダルを逃してしまったんだ。正直、僕の優勝候補にプリモシュ・ログリッチとトム・デュムランは入っていなかった。こういったタイムトライアルでは僕の順位が変わらず、前後の選手が入れ替わっていくんだ。
できる限りの走りをして、それはメダルにも相当する走りだったと思う。タイムトライアルを上手く走れている時は、自分の限界に無自覚なんだ。だが今日、僕は自分の限界を感じていた。次のパリ五輪まで3年もあるが、まだ諦めたわけではない。
第5位 フィリッポ・ガンナ(イタリア)
この五輪が予定通り1年前に開催されていたら、僕は(トラック競技の)チームパシュートに専念していただろう。昨年の世界選手権以降、タイムトライアルも走るようになり、結果も悪いものではなかった。いまは回復に務め、トラックに向けて備えるよ。
今日、あれ以上の走りは不可能だった。たしかにペース配分に後悔はあるが、概ね上手くいっていた。スタート後から調子は良く、下りやテクニカルな区間も上手くこなすことができた。だが、登りでクライマーたちと渡り合えるほど脚の調子は良くなかった。パリ五輪はもっと僕に合ったコースであることを願っているよ。
第6位 ワウト・ファンアールト(ベルギー)
もちろんもっと良い結果を願っていたが、レースの途中でメダル争いに絡むのは難しいと分かっていた。当然の結果だが、残念だ。1周目こそメダルのペースで走っていたが、それを繰り返さなければならなかった2周目でペースを失い、急勾配区間で脚をつりかけてしまった。メダルを逃したことを知らされる中間計測のタイムが雑音に聞こえた。土曜日に五輪のメダルを獲得し、その前は素晴らしいツール・ド・フランスを走った。だからこの数週間走ったレースに後悔はない。
第9位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー)
スタートからフィニッシュまでできる限りの速さで走った。だが、いくつかミスを犯してしまい、何よりも僕より速い選手たちがいたまでだ。完全な平坦なコースで争われる世界選手権を僕が勝つのは難しいだろう。ワウト(ファンアールト)やイヴ(ランパールト)に向いているレイアウトだ。それよりもヨーロッパ選手権に出場するつもりだ。
第12位 ゲラント・トーマス(イギリス)
スタートからメダルも可能だと思われるペースで踏んでいたのだが、ログリッチから50秒遅れと聞かされ、やる気が削がれてしまった。2周目の登りのリズムは悪く、出力も十分に出なかった。推進力と集中力がなかったせいで、後ろからローハン(デニス)に抜かれてしまった。
問題は身体ではなくメンタルにあるのだろう。ここまで困難の連続だった。シーズン序盤から調子はよかったのだが、ツールで肩を脱臼してから崩れていった。でも前向きに考え、これからも戦い続けていく。いまは少し自転車競技から離れ、休息を取るのが楽しみだよ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
第1位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)
困難な時期を越え、このレースで優勝することができてとても嬉しい。難しい時に冷静でいることは大変で、そんな中でも支えてくれた家族や親しい友人、僕を信じる続けてくれた人たちのおかげだ。それら全てがこのメダルとなって報われた。
スタートから全力で踏み、一瞬たりとも手を抜くことなく戦い続けた。それが僕を金メダルまで導いてくれたんだ。全てのレースが特別であるように、ここでの走りもまた僕の中で特別な記憶として刻まれた。いま、とても幸せな気持ちで満たされているよ。
第2位 トム・デュムラン(オランダ)
メダルを獲得するのが目標だった。この数ヶ月、それが可能かどうか検討すらつかない状態だった。ここまでの道のりを楽しもうと心がけ、それが上手くいったみたいだ。走り自体はとても良く、1周目に自分の走りに強さを感じた。2周目に身体のエネルギーが徐々に抜け出していく感覚があったものの、残り10kmを過ぎたら力が再び戻ってきたんだ。銀メダルが今日望むことのできた最良の結果だ。僕にはこの銀メダルの縁が金色に見えるよ。
第3位 ローハン・デニス(オーストラリア)
コンディションは良く、力の限りを尽くした。調子は良かったのが、2人が今日僕より強かっただけだ。メダルを獲得できて嬉しいし、とても誇りに思うよ。1周目を楽に走り、2周目でG(ゲラント・トーマス)を捉えるのに時間がかかった。レース中盤の登りは厳しく、あそこで僕ら全員からプリモシュ(ログリッチ)はタイムを稼ぎ、勝利を決めたのだろう。そして彼よりも遅い選手たちは、タイムが僅差の乱戦に巻き込まれた。
メダルの喜びと当時に、延期となったこの1年間でこの世界では様々なことが起きた。しかし、延期されたおかげでより長く新しい機材に慣れる期間がとれた。これがもし(世界選手権を制した)2019年の終わりに開催されていたらとも思うが、この結果に満足している。何よりもプリモッシュとトムを祝福したい。
第4位 シュテファン・キュング(スイス)
できるだけ早くこの五輪を忘れたい。そうでないと1週間は眠れないだろう。1時間を全力で走り、たった3秒差で銀メダルを逃してしまったんだ。正直、僕の優勝候補にプリモシュ・ログリッチとトム・デュムランは入っていなかった。こういったタイムトライアルでは僕の順位が変わらず、前後の選手が入れ替わっていくんだ。
できる限りの走りをして、それはメダルにも相当する走りだったと思う。タイムトライアルを上手く走れている時は、自分の限界に無自覚なんだ。だが今日、僕は自分の限界を感じていた。次のパリ五輪まで3年もあるが、まだ諦めたわけではない。
第5位 フィリッポ・ガンナ(イタリア)
この五輪が予定通り1年前に開催されていたら、僕は(トラック競技の)チームパシュートに専念していただろう。昨年の世界選手権以降、タイムトライアルも走るようになり、結果も悪いものではなかった。いまは回復に務め、トラックに向けて備えるよ。
今日、あれ以上の走りは不可能だった。たしかにペース配分に後悔はあるが、概ね上手くいっていた。スタート後から調子は良く、下りやテクニカルな区間も上手くこなすことができた。だが、登りでクライマーたちと渡り合えるほど脚の調子は良くなかった。パリ五輪はもっと僕に合ったコースであることを願っているよ。
第6位 ワウト・ファンアールト(ベルギー)
もちろんもっと良い結果を願っていたが、レースの途中でメダル争いに絡むのは難しいと分かっていた。当然の結果だが、残念だ。1周目こそメダルのペースで走っていたが、それを繰り返さなければならなかった2周目でペースを失い、急勾配区間で脚をつりかけてしまった。メダルを逃したことを知らされる中間計測のタイムが雑音に聞こえた。土曜日に五輪のメダルを獲得し、その前は素晴らしいツール・ド・フランスを走った。だからこの数週間走ったレースに後悔はない。
第9位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー)
スタートからフィニッシュまでできる限りの速さで走った。だが、いくつかミスを犯してしまい、何よりも僕より速い選手たちがいたまでだ。完全な平坦なコースで争われる世界選手権を僕が勝つのは難しいだろう。ワウト(ファンアールト)やイヴ(ランパールト)に向いているレイアウトだ。それよりもヨーロッパ選手権に出場するつもりだ。
第12位 ゲラント・トーマス(イギリス)
スタートからメダルも可能だと思われるペースで踏んでいたのだが、ログリッチから50秒遅れと聞かされ、やる気が削がれてしまった。2周目の登りのリズムは悪く、出力も十分に出なかった。推進力と集中力がなかったせいで、後ろからローハン(デニス)に抜かれてしまった。
問題は身体ではなくメンタルにあるのだろう。ここまで困難の連続だった。シーズン序盤から調子はよかったのだが、ツールで肩を脱臼してから崩れていった。でも前向きに考え、これからも戦い続けていく。いまは少し自転車競技から離れ、休息を取るのが楽しみだよ。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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