2021/06/26(土) - 13:27
白地に赤い水玉模様のマイヨアポワをかけたクライマーのバトル。2020年ツールはポガチャルが総合優勝と共に獲得した山岳賞の栄冠を、今年は誰が掴み取るのか。ポイントシステムと有力選手を紹介します。
プロトンの中でも一際目立つマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(略してマイヨアポワ)は山岳最強クライマーの証。山岳賞が始まったのは1933年だが、特徴的な白地に赤の水玉模様が採用されたのは1975年のことで、ジャージスポンサーはフランスの大手スーパーチェーンのルクレール社から、2年振りに同じく大手スーパーチェーンのカルフールに戻ってきた。
カテゴリー山岳に到達した順に加算されるポイントで争われる山岳賞だが、4級山岳をトップ通過してもわずか1ポイントしか得られないため、1級や超級山岳でいかにポイントを積み重ねるかが重要になってくる。特に今年のツールは超級山岳の2倍のポイントが獲得できる山岳が3つ(第11、17、18ステージ)が設定されているため、昨年以上に総合上位の選手たちが山岳賞争いに絡んでくるだろう。
カテゴリー山岳のポイント配分
モンヴァントゥー(2度目の登坂)、サンラリ=スラン/ポルテ峠、リュズ・アルディダン
40pts, 30pts, 24pts, 20pts, 16pts, 12pts, 8pts, 4pts
超級山岳
20pts, 15pts, 12pts, 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts
1級山岳
10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts, 1pt
2級山岳
5pts, 3pts, 2pts, 1pt
3級山岳
2pts, 1pt
4級山岳
1pt
総合優勝者か、それともピュアクライマーか
例年であれば総合争いから脱落したオールラウンダーや、その山岳アシストたちが狙いを変えることが多いマイヨアポワだが、2020年ツールは総合優勝者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)がマイヨアポワを獲得。2015年のクリストファー・フルーム(イギリス、当時チームスカイ)以来となるこの事態に、山岳ポイントを順調に加算していたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が第20ステージの個人タイムトライアルで優勝したポガチャルに逆転され辛酸を嘗めた。
今年はポイントが2倍の超級山岳が3度登場することから、再びポガチャルやプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)といった総合優勝を争う選手が、そのまま山岳賞を獲得することが濃厚と見られる。
過去に受賞した選手では、2017年のワレン・バルギル(フランス、チーム アルケア・サムシック)と2018年のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がともに出場。バルギルの第一使命はナイロ・キンタナ(コロンビア)のアシストだが、展開によっては自由な動きが許されるかもしれず、アラフィリップは大会前半にマイヨジョーヌを狙い、本格的な山岳ステージに入る後半からマイヨアポワに目標を切り替えることも考えられる。
有力なクライマーの中で総合順位ではなくステージ優勝狙いを宣言しているサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)も候補の1人だ。総合3位に入ったジロ・デ・イタリアからの連戦で、チームの総合エースであるルーカス・ハミルトン(オーストラリア)のアシスト業務をしながら、自身の勝利を目指し山岳ポイントを量産するかもしれない。
またセカンドエースと見られるエスデバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ)やエンリク・マス(スペイン、モビスター)といったピュアクライマーの他、「逃げ屋」のトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)も山岳賞に参戦しても不思議ではない。
プロトンの中でも一際目立つマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(略してマイヨアポワ)は山岳最強クライマーの証。山岳賞が始まったのは1933年だが、特徴的な白地に赤の水玉模様が採用されたのは1975年のことで、ジャージスポンサーはフランスの大手スーパーチェーンのルクレール社から、2年振りに同じく大手スーパーチェーンのカルフールに戻ってきた。
カテゴリー山岳に到達した順に加算されるポイントで争われる山岳賞だが、4級山岳をトップ通過してもわずか1ポイントしか得られないため、1級や超級山岳でいかにポイントを積み重ねるかが重要になってくる。特に今年のツールは超級山岳の2倍のポイントが獲得できる山岳が3つ(第11、17、18ステージ)が設定されているため、昨年以上に総合上位の選手たちが山岳賞争いに絡んでくるだろう。
カテゴリー山岳のポイント配分
モンヴァントゥー(2度目の登坂)、サンラリ=スラン/ポルテ峠、リュズ・アルディダン
40pts, 30pts, 24pts, 20pts, 16pts, 12pts, 8pts, 4pts
超級山岳
20pts, 15pts, 12pts, 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts
1級山岳
10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts, 1pt
2級山岳
5pts, 3pts, 2pts, 1pt
3級山岳
2pts, 1pt
4級山岳
1pt
総合優勝者か、それともピュアクライマーか
例年であれば総合争いから脱落したオールラウンダーや、その山岳アシストたちが狙いを変えることが多いマイヨアポワだが、2020年ツールは総合優勝者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)がマイヨアポワを獲得。2015年のクリストファー・フルーム(イギリス、当時チームスカイ)以来となるこの事態に、山岳ポイントを順調に加算していたリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)が第20ステージの個人タイムトライアルで優勝したポガチャルに逆転され辛酸を嘗めた。
今年はポイントが2倍の超級山岳が3度登場することから、再びポガチャルやプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)といった総合優勝を争う選手が、そのまま山岳賞を獲得することが濃厚と見られる。
過去に受賞した選手では、2017年のワレン・バルギル(フランス、チーム アルケア・サムシック)と2018年のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がともに出場。バルギルの第一使命はナイロ・キンタナ(コロンビア)のアシストだが、展開によっては自由な動きが許されるかもしれず、アラフィリップは大会前半にマイヨジョーヌを狙い、本格的な山岳ステージに入る後半からマイヨアポワに目標を切り替えることも考えられる。
有力なクライマーの中で総合順位ではなくステージ優勝狙いを宣言しているサイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ)も候補の1人だ。総合3位に入ったジロ・デ・イタリアからの連戦で、チームの総合エースであるルーカス・ハミルトン(オーストラリア)のアシスト業務をしながら、自身の勝利を目指し山岳ポイントを量産するかもしれない。
またセカンドエースと見られるエスデバン・チャベス(コロンビア、バイクエクスチェンジ)やエンリク・マス(スペイン、モビスター)といったピュアクライマーの他、「逃げ屋」のトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)も山岳賞に参戦しても不思議ではない。
歴代のマイヨアポワ受賞者
2020年 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
2019年 | ロマン・バルデ(フランス) |
2018年 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス) |
2017年 | ワレン・バルギル(フランス) |
2016年 | ラファウ・マイカ(ポーランド) |
2015年 | クリストファー・フルーム(イギリス) |
2014年 | ラファウ・マイカ(ポーランド) |
2013年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) |
2012年 | トマ・ヴォクレール(フランス) |
2011年 | サムエル・サンチェス(スペイン) |
2010年 | アントニー・シャルトー(フランス) |
2009年 | フランコ・ペッリツォッティ(イタリア)※ドーピング違反により失格 |
2008年 | ベルンハート・コール(オーストリア)※ドーピング違反により失格 |
2007年 | マウリシオ・ソレール(コロンビア) |
2006年 | ミカエル・ラスムッセン(デンマーク) |
2005年 | ミカエル・ラスムッセン(デンマーク) |
2004年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
2003年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
2002年 | ローラン・ジャラベール(フランス) |
2001年 | ローラン・ジャラベール(フランス) |
2000年 | サンティアゴ・ボテーロ(コロンビア) |
1999年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1998年 | クリストフ・リネロ(フランス) |
1997年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1996年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1995年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1994年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1993年 | トニー・ロミンガー(スイス) |
1992年 | クラウディオ・キャプッチ(イタリア) |
1991年 | クラウディオ・キャプッチ(イタリア) |
1990年 | ティエリー・クラヴェロラ(フランス) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos