2021/05/29(土) - 21:01
ツアー・オブ・ジャパンの第2ステージ相模原は、スタート直後に形成された先頭集団が最後まで逃げ切り、スプリントを制したホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が優勝した。総合首位は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が維持し、最終日を迎える。
ツアー・オブ・ジャパン第2ステージは、神奈川県の相模原市が舞台。本来であれば昨年大会で新たに組み込まれたステージだが、中止となったため今年初開催となる。
コースは、JR橋本駅近くにある橋本公園をスタートし、東京五輪のロードレースコースにも使用される市内道路をパレード走行したのち、宮ヶ瀬湖畔を通る周回コースを7周する計108.5km。1周13.8kmの周回コースは道幅が狭く、アップダウンとカーブが続き、トンネルが連続する区間もある変化に富んだレイアウト。途中、スプリントポイントと2級山岳ポイントが3回ずつ設定される。
前日に続き、この日の天気も薄雲が広がる晴れとは言い難い天気。それでも時々陽が差し、夏の暑さを感じさせる陽気だ。
相模川にかかる旧小倉橋でリアルスタートが切られ、周回コースに入ると16名の集団が先行する。この中には、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックス・パワータグ)、畑中勇介、山本元喜(キナンサイクリングチーム)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、谷順成(那須ブラーゼン)、小石祐馬(チーム右京 相模原)、沢田時(チームブリヂストンサイクリング)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、平井光介(日本ナショナルチーム)、小出樹(京都産業大学)、仮屋和駿(日本大学)らが含まれる。
メイン集団はリーダージャージを着る増田成幸を擁する宇都宮ブリッツェンがコントロール。しかし人数が多く、強力なメンバーが揃った先頭集団に対して差は開いていき、落車の影響もあって4分以上まで開く。この時点で、2分51秒差の7位につける谷がバーチャルリーダーとなる。
残り3周となる5周目、先頭集団から入部が飛び出し、平井が追いついて先行。ほどなく他の先頭集団メンバーも合流するが、この動きで10名未満まで絞られる。一方、メイン集団では愛三工業レーシングチームなどが集団コントロールに加担し始め、先頭集団との差を徐々に縮めていく。しかしカーブが連続するコース特性もあってか、差を縮めきれない。
先頭集団では、最終周回に入る直前に小石が単独で飛び出して先行。小出、トリビオ、山本元喜、仮屋らが追走していく。相模原を本拠地とするチームとしてステージ優勝が期待された小石だが、残り5kmで追走の4名が捕まえ、勝負はスプリントに持ち込まれた。
残り100m、山本元喜の背後からトリビオがまくりにかかり、フェンスぎりぎりのスペースから差し切ったトリビオが先着。しかしトリビオは山本が寄せてきたとして、フィニッシュ後に不満を露わにした。審議の結果、山本の走路妨害があったとして3位に降格となり、仮屋が繰り上がりの2位となった。
「調子が良かったのでステージ優勝を狙えると思っていた。昨日の第1ステージでタイム差を付けられてしまったので、その分自由に動くことが出来た。最後のスプリントは危険な状況だったが、勝機はここしかないと思って引く気は無かった」と、コメントしたトリビオ。明日はポイント賞ジャージを着てスタートする。
リーダージャージの増田はメイン集団内でフィニッシュ。最後はトップから1分30秒差まで詰め、総合首位を守った。総合2位のトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)も同じ集団内でフィニッシュし、総合上位3名の順位に動きはなく終えた。
増田は「自分が見ていたのは総合上位勢で、トマ(・ルバ)選手だったり、(山本)大喜の動きは自分でチェックしていたが、選別しきれなかった部分があったと思う。トンネルの照明が落ちていた時にうちのチームが落車の原因を作ってしまい、厳しい展開になってしまった。利害関係の一致する他チームの協力もあって、なんとか差を縮めて首位を守ることが出来たが、危ないレースだった」と、反省を交えてレースを振り返った。
最終日は東京都の大井埠頭でのレース。総合順位はまだボーナスタイムで逆転可能な範囲とは言え、フラットコースでのステージ優勝を狙うスプリンターも黙って見てはいないだろう。最後まで目が離せない。
主催者は重ねて観戦自粛を呼びかけ
土曜日ということもあり、相模原ステージは現地で観戦された方が少なくなかった。しかしツアー・オブ・ジャパンの主催者は現地観戦の自粛を呼びかけており、ライブ中継での観戦を推奨している。明日は大井埠頭に出向くことなく、自宅などでライブ中継での観戦をお楽しみ頂きたい。
ツアー・オブ・ジャパン第2ステージは、神奈川県の相模原市が舞台。本来であれば昨年大会で新たに組み込まれたステージだが、中止となったため今年初開催となる。
コースは、JR橋本駅近くにある橋本公園をスタートし、東京五輪のロードレースコースにも使用される市内道路をパレード走行したのち、宮ヶ瀬湖畔を通る周回コースを7周する計108.5km。1周13.8kmの周回コースは道幅が狭く、アップダウンとカーブが続き、トンネルが連続する区間もある変化に富んだレイアウト。途中、スプリントポイントと2級山岳ポイントが3回ずつ設定される。
前日に続き、この日の天気も薄雲が広がる晴れとは言い難い天気。それでも時々陽が差し、夏の暑さを感じさせる陽気だ。
相模川にかかる旧小倉橋でリアルスタートが切られ、周回コースに入ると16名の集団が先行する。この中には、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックス・パワータグ)、畑中勇介、山本元喜(キナンサイクリングチーム)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、谷順成(那須ブラーゼン)、小石祐馬(チーム右京 相模原)、沢田時(チームブリヂストンサイクリング)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、平井光介(日本ナショナルチーム)、小出樹(京都産業大学)、仮屋和駿(日本大学)らが含まれる。
メイン集団はリーダージャージを着る増田成幸を擁する宇都宮ブリッツェンがコントロール。しかし人数が多く、強力なメンバーが揃った先頭集団に対して差は開いていき、落車の影響もあって4分以上まで開く。この時点で、2分51秒差の7位につける谷がバーチャルリーダーとなる。
残り3周となる5周目、先頭集団から入部が飛び出し、平井が追いついて先行。ほどなく他の先頭集団メンバーも合流するが、この動きで10名未満まで絞られる。一方、メイン集団では愛三工業レーシングチームなどが集団コントロールに加担し始め、先頭集団との差を徐々に縮めていく。しかしカーブが連続するコース特性もあってか、差を縮めきれない。
先頭集団では、最終周回に入る直前に小石が単独で飛び出して先行。小出、トリビオ、山本元喜、仮屋らが追走していく。相模原を本拠地とするチームとしてステージ優勝が期待された小石だが、残り5kmで追走の4名が捕まえ、勝負はスプリントに持ち込まれた。
残り100m、山本元喜の背後からトリビオがまくりにかかり、フェンスぎりぎりのスペースから差し切ったトリビオが先着。しかしトリビオは山本が寄せてきたとして、フィニッシュ後に不満を露わにした。審議の結果、山本の走路妨害があったとして3位に降格となり、仮屋が繰り上がりの2位となった。
「調子が良かったのでステージ優勝を狙えると思っていた。昨日の第1ステージでタイム差を付けられてしまったので、その分自由に動くことが出来た。最後のスプリントは危険な状況だったが、勝機はここしかないと思って引く気は無かった」と、コメントしたトリビオ。明日はポイント賞ジャージを着てスタートする。
リーダージャージの増田はメイン集団内でフィニッシュ。最後はトップから1分30秒差まで詰め、総合首位を守った。総合2位のトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)も同じ集団内でフィニッシュし、総合上位3名の順位に動きはなく終えた。
増田は「自分が見ていたのは総合上位勢で、トマ(・ルバ)選手だったり、(山本)大喜の動きは自分でチェックしていたが、選別しきれなかった部分があったと思う。トンネルの照明が落ちていた時にうちのチームが落車の原因を作ってしまい、厳しい展開になってしまった。利害関係の一致する他チームの協力もあって、なんとか差を縮めて首位を守ることが出来たが、危ないレースだった」と、反省を交えてレースを振り返った。
最終日は東京都の大井埠頭でのレース。総合順位はまだボーナスタイムで逆転可能な範囲とは言え、フラットコースでのステージ優勝を狙うスプリンターも黙って見てはいないだろう。最後まで目が離せない。
主催者は重ねて観戦自粛を呼びかけ
土曜日ということもあり、相模原ステージは現地で観戦された方が少なくなかった。しかしツアー・オブ・ジャパンの主催者は現地観戦の自粛を呼びかけており、ライブ中継での観戦を推奨している。明日は大井埠頭に出向くことなく、自宅などでライブ中継での観戦をお楽しみ頂きたい。
ツアー・オブ・ジャパン 第2ステージ相模原 結果(108.5km)
1位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ) | 2時間38分44秒 |
2位 | 仮屋和駿(日本大学) | +0秒 |
3位 | 山本元喜(キナンサイクリングチーム) | |
4位 | 小出 樹(京都産業大学) | +2秒 |
5位 | 小石祐馬(チーム右京 相模原) | +9秒 |
6位 | 畑中勇介(キナンサイクリングチーム) | +1分4秒 |
個人総合順位(第2ステージ相模原終了時)
1位 | 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) | 5時間16分11秒 |
2位 | トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) | +11秒 |
3位 | 山本大喜(キナンサイクリングチーム) | +44秒 |
4位 | フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ) | +1分24秒 |
5位 | 小石祐馬(チーム右京 相模原) | +1分31秒 |
6位 | 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) | +2分2秒 |
ポイント賞(第2ステージ相模原終了時)
山岳賞(第2ステージ相模原終了時)
チーム総合順位
text:Satoru Kato
photo:Satroru Kato, Kensaku SAKAI, Tour of JAPAN
photo:Satroru Kato, Kensaku SAKAI, Tour of JAPAN
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