2021/05/15(土) - 10:51
残り2km地点の急坂がスプリンターたちの運命を分けたジロ第7ステージ。勝利とともにグランツールで初めてのポイント賞ジャージを獲得したカレブ・ユアンや、一歩届かなかったチモライ、昨日のピーター・セリーとの衝突事故について語るバイクエクスチェンジのホワイト監督などのコメントを紹介します。
ステージ1位&ポイント賞 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
賢さとチームワークがもたらした勝利だ。残り10kmからチーム全員で集団先頭に位置取る必要があり、チームメイトには最後(残り1.7kmから最大勾配12%)の登りで前にいることが最も重要だと伝えていた。そこで後ろにいたら力を使って前に出なければならず、それでなくてもスーパーハードなフィニッシュが待っているのだからね。
約450mからのスプリントは脚が燃えるほど厳しかったよ。正直ガヴィリアが早めに仕掛けるとは予想していたが、飛び出すなら登りでだと思っていた。他の選手であればもうしばらく待っていたかもしれないが、彼にはあのスピードを維持できる力があると思ったので、戦略的に追わなければならなかった。彼のアタックを最初から全力で追わず、残り200mまで距離を少し空けたままスリップストリームに入った。そこから加速し、完璧なスプリントで2度目のステージ勝利を挙げることができたんだ。
グランツールで初のポイント賞ジャージだ。このマリアチクラミーノを誇りに思う。できるだけ長くこのジャージを着用できるよう走りたいが、一日一日に集中して来る集団スプリントに向けて頑張りたい。
ステージ2位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)
勝利を挙げたぐらい嬉しい。また2位になってしまったが、今日はベストを尽くたので満足している。最後の登りでユアンの後ろにつきその位置を全力で守った。絶好調の彼に勝つのは難しいが、必ずまた挑戦するよ。
ステージ3位 ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
少し後ろにポジションを取ってしまった。正直今日はあまり調子が良くなく、少し疲れもあった。でもチームメイトたちは素晴らしい働きを見せてくれたよ。
ステージ4位 マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)
今日の4位という結果は、走りが上向きということを表している。一日を通して感覚はよく、調子も悪くはなかった。とてもチャレンジングなフィニッシュだったが、僕の適性には合っており、何よりリードアウトのいないスプリンターには絶好のコースだった。結果には満足しているが、もちろん悔しさもある。思っていたよりも先頭2人との差を埋めるのに時間がかかってしまったが、自分のスプリントを見せることはできた。
ステージ6位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
チームメイトの素晴らしい働きのおかげでトラブルを回避することができた。有力スプリンターたちと勝負ができるぐらいコンディションも上がってきている。ステージ勝利を目指して引き続き挑み続けていくよ。
ステージ7位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
もちろん勝ちたかったが、今日のようなフィニッシュではまだリズムと強度が足りていない。今日もチームは強く、よい仕事を見せてくれた。チームと話し合った通り最後の登りを良い位置で入ったのだが、スプリントをする力は残っていなかった。しかし、この反省を前向きに捉え次のステージに繋げていきたい。僕もチームも着実に良くなってきている。プロトンに戻ってくることができ、再び自転車選手になった気分だよ。次のスプリントを楽しみにしている。
ステージ14位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
ほろ苦いステージになった。脚と調子は良く、チームの働きも素晴らしかった。特に最後の難しい1kmで僕を安全な場所で完璧に守ってくれた。スプリントでは良いポジションにいたのだが、前にいた選手とフェンスに挟まれてしまいどうすることもできなかった。
マリアローザ&ヤングライダー賞 アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
チームには全幅の信頼を置いていて、素晴らしいアシストで僕を守ってくれた。明日、再びこの美しいジャージを来てスタートできるなんて夢のようだ。どんな展開になるかはわからないが、トリッキーで天候も味方してくれないかもしれない。脚があれば有力選手たちについていくことができると思うが、エヴェネプールに11秒、ベルナルに16秒しかタイム差がない。こんな差はすぐに縮められてしまうが、明日はとにかく楽しんで美しいマリアローザを守れるよう頑張りたい。
ステージ62位 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
今日は向かい風で、逃げにも不利なので集団で温存できた1日だった。昨日の寒さから、スタートは暖かくなったが、ゴールになるつれてまた気温が下がり始めた。少しでも風向きが違っていたら、違うレースになっていたと思う。
今日みたいなスプリントステージは総合タイムを失わないことと、チーム総合のタイムを失わないのが目標。明日は逃げが決まるか、総合が動くか。簡単な1日にならない事は確かだ。
第5ステージで落車リタイアしたミケル・ランダの状態についてチームドクターのダニエレ・ザッカリア氏
彼は気胸やその他内部の傷害の検査を受けたが全て陰性だった。そのため飛行機での帰国が許可され、プライベートジェットでリミニからビトリアまで移動し14日の朝に手術。その後は迅速かつ安全な回復のためあらゆる治療を開始する予定だ。
第6ステージでの衝突事故について語るバイクエクスチェンジのマシュー・ホワイト監督
我々は起こしてしまった行動の責任を取らなくてはならない。不幸な事故だったがピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)に怪我がなくて何よりだ。(チームカーを運転していた)ジーン・ベイツが電話で彼と直接話すことができ、両チームの間に険悪な雰囲気は一切なくなった。
我々は年間250日この厳しい状況のなか運転している。多くは優秀なドライバーでこれが我々の仕事だ。ピーター・セリーが無事だということが最も重要なことだが、個人的には誰も負傷していない事件に対して(失格処分は)とても厳し過ぎるペナルティだと思っている。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
ステージ1位&ポイント賞 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
賢さとチームワークがもたらした勝利だ。残り10kmからチーム全員で集団先頭に位置取る必要があり、チームメイトには最後(残り1.7kmから最大勾配12%)の登りで前にいることが最も重要だと伝えていた。そこで後ろにいたら力を使って前に出なければならず、それでなくてもスーパーハードなフィニッシュが待っているのだからね。
約450mからのスプリントは脚が燃えるほど厳しかったよ。正直ガヴィリアが早めに仕掛けるとは予想していたが、飛び出すなら登りでだと思っていた。他の選手であればもうしばらく待っていたかもしれないが、彼にはあのスピードを維持できる力があると思ったので、戦略的に追わなければならなかった。彼のアタックを最初から全力で追わず、残り200mまで距離を少し空けたままスリップストリームに入った。そこから加速し、完璧なスプリントで2度目のステージ勝利を挙げることができたんだ。
グランツールで初のポイント賞ジャージだ。このマリアチクラミーノを誇りに思う。できるだけ長くこのジャージを着用できるよう走りたいが、一日一日に集中して来る集団スプリントに向けて頑張りたい。
ステージ2位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル・スタートアップネイション)
勝利を挙げたぐらい嬉しい。また2位になってしまったが、今日はベストを尽くたので満足している。最後の登りでユアンの後ろにつきその位置を全力で守った。絶好調の彼に勝つのは難しいが、必ずまた挑戦するよ。
ステージ3位 ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)
少し後ろにポジションを取ってしまった。正直今日はあまり調子が良くなく、少し疲れもあった。でもチームメイトたちは素晴らしい働きを見せてくれたよ。
ステージ4位 マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)
今日の4位という結果は、走りが上向きということを表している。一日を通して感覚はよく、調子も悪くはなかった。とてもチャレンジングなフィニッシュだったが、僕の適性には合っており、何よりリードアウトのいないスプリンターには絶好のコースだった。結果には満足しているが、もちろん悔しさもある。思っていたよりも先頭2人との差を埋めるのに時間がかかってしまったが、自分のスプリントを見せることはできた。
ステージ6位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)
チームメイトの素晴らしい働きのおかげでトラブルを回避することができた。有力スプリンターたちと勝負ができるぐらいコンディションも上がってきている。ステージ勝利を目指して引き続き挑み続けていくよ。
ステージ7位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
もちろん勝ちたかったが、今日のようなフィニッシュではまだリズムと強度が足りていない。今日もチームは強く、よい仕事を見せてくれた。チームと話し合った通り最後の登りを良い位置で入ったのだが、スプリントをする力は残っていなかった。しかし、この反省を前向きに捉え次のステージに繋げていきたい。僕もチームも着実に良くなってきている。プロトンに戻ってくることができ、再び自転車選手になった気分だよ。次のスプリントを楽しみにしている。
ステージ14位 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
ほろ苦いステージになった。脚と調子は良く、チームの働きも素晴らしかった。特に最後の難しい1kmで僕を安全な場所で完璧に守ってくれた。スプリントでは良いポジションにいたのだが、前にいた選手とフェンスに挟まれてしまいどうすることもできなかった。
マリアローザ&ヤングライダー賞 アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、グルパマFDJ)
チームには全幅の信頼を置いていて、素晴らしいアシストで僕を守ってくれた。明日、再びこの美しいジャージを来てスタートできるなんて夢のようだ。どんな展開になるかはわからないが、トリッキーで天候も味方してくれないかもしれない。脚があれば有力選手たちについていくことができると思うが、エヴェネプールに11秒、ベルナルに16秒しかタイム差がない。こんな差はすぐに縮められてしまうが、明日はとにかく楽しんで美しいマリアローザを守れるよう頑張りたい。
ステージ62位 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
今日は向かい風で、逃げにも不利なので集団で温存できた1日だった。昨日の寒さから、スタートは暖かくなったが、ゴールになるつれてまた気温が下がり始めた。少しでも風向きが違っていたら、違うレースになっていたと思う。
今日みたいなスプリントステージは総合タイムを失わないことと、チーム総合のタイムを失わないのが目標。明日は逃げが決まるか、総合が動くか。簡単な1日にならない事は確かだ。
第5ステージで落車リタイアしたミケル・ランダの状態についてチームドクターのダニエレ・ザッカリア氏
彼は気胸やその他内部の傷害の検査を受けたが全て陰性だった。そのため飛行機での帰国が許可され、プライベートジェットでリミニからビトリアまで移動し14日の朝に手術。その後は迅速かつ安全な回復のためあらゆる治療を開始する予定だ。
第6ステージでの衝突事故について語るバイクエクスチェンジのマシュー・ホワイト監督
我々は起こしてしまった行動の責任を取らなくてはならない。不幸な事故だったがピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)に怪我がなくて何よりだ。(チームカーを運転していた)ジーン・ベイツが電話で彼と直接話すことができ、両チームの間に険悪な雰囲気は一切なくなった。
我々は年間250日この厳しい状況のなか運転している。多くは優秀なドライバーでこれが我々の仕事だ。ピーター・セリーが無事だということが最も重要なことだが、個人的には誰も負傷していない事件に対して(失格処分は)とても厳し過ぎるペナルティだと思っている。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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