2021/05/09(日) - 13:26
ヨーロッパでも多くのライダーから支持を集めるスコットのE-MTB"eRIDE"シリーズ。その中でもオールマウンテンモデルに位置づけられるフルサスE-MTB"GENIUS eRIDE"をインプレッション。
スコット GENIUS eRide
2020年モデルから本格的な国内展開を開始したスコットのE-MTB、"eRIDE"シリーズ。XCOの絶対王者ニノ・シューターとの長きに渡るパートナーシップを見ればわかるように、MTBに対する深い造詣を有したスコットが手掛けるE-MTBとして、欧州を中心に"eRIDE"シリーズは高い支持を受けてきた。
そんな"eRIDE"シリーズの中でもエンデューロ/オールマウンテン向けに用意されるのが、"GENIUS eRIDE"。その名の通り、AMバイクとして高い評価を得てきたGENIUSシリーズをベースとするモデルである。
リアショックを反転させることで低重心化とスムースな動きを両立する
もちろんドロッパーポストは標準装備
フロントサスはロックショックス 35 Gold RLを採用する
フロントには150mmトラベルのロックショックス 35 Gold RL(※21モデルではFOX 36 Rhythm)、リアにはX-Fusion NUDE(※21モデルではFOX Float EVOL performance)が装備され、しっかり下りを楽しめるキャパシティーを備えている。
フレームは圧倒的な安定性を誇る4バーリンクに、スコット独自のトラニオンマウントをダウンチューブに設ける倒立リアサスシステムを採用。可能な限り重量物を下側に配置することで、E-MTBの課題である軽快なスイングウェイトとリアユニットのストレスフリーな動きに貢献しているという。
フロントサスはE-BIKEアプルーブドモデルを採用している
ダウンチューブに内蔵されるバッテリーは2段階のロック機構で固定されている
ドライブトレインはスラムを採用
アシストユニットはボッシュのPerfomance line CX
堅牢な作りのアルミフレームに搭載されるのは、ボッシュのハイエンドユニットであるPERFORMANCE LINE CX GEN4。2021モデルから、最大トルクがNmから85Nmへと引き上げられるとともに、バッテリー容量も500Whから625Whへと大容量化を果たしている。より激しいコースをより長い時間楽しめるタフなバイクへと進化した"GENIUS eRIDE"をENS-eのレースシーンでテストした。
―編集部インプレッション
スコットの注目E-MTBをダイナコパークでテストした
アルミフルサスE-MTBというカテゴリーの中でも、相当練りこまれた一台だ。ベースとなったGENIUSの素性の良さもあり、その重量を感じさせないオールマウンテンなバイクに仕上がっている。
同クラスのE-MTBと比べても、操りやすさはかなりのもの。アルミフルサスE-MTBとしては標準的な20kgを軽く超える車体重量は、コーナーやブレーキ時に大きくデメリットとして顔を出してきそうなものだが、実際に乗ってみるともっと軽いバイクを操っているような感覚を覚える。
それはひとえにしっかりとしたシャシー剛性によるものだろう。特に横方向に大きくボリュームを持たされたフロントトライアングルがこの乗車感に大きく貢献していると感じた。車体が重く、また重量物がダウンチューブからBBにかけて集中しているE-MTBは、ヘッド周りの剛性に対してシビアな要求を突き付けてくるが、このバイクでは低速のスイッチバックからGのかかるバームセクションやドロップオフなどでも不快な撓みを感じることは無かった。
横に大きく扁平した造形が特徴的なトップチューブ。フロントのねじれ剛性の向上に大きく貢献しているのではないだろうか
特にコーナーの切り返しなどで、その恩恵は顕著に感じられる。ねじれる力が大きくかかる瞬間でも、ハンドルからヘッドチューブ、フォークからホイールに至るラインが常にズレることなくビシッと直線上にあり続けるため、思い通りのラインをトレースしやすく、安心してフロントタイヤに荷重をかけられる。
また、ボッシュのPerfomance Line CXの生み出すトルクフルな走りもしっかり受け止め、激坂においても安定して走ることが出来るのは、バランスの取れた剛性感に信頼を預けライン選択と荷重バランスに集中できるからこそ。
バームが連続するセクションでも嫌なたわみを感じることなく走り抜けられる
GENIUS譲りの反転サスレイアウトや、フロントフォークとリアサスを同時にコントロール出来るツインロックシステム等、スコット独自のテクノロジーもこのバイクならでは。より多くのマスがバイク下部にあり、また登りでも多少のパワーロスを気にする必要が無いE-MTBにとって、実際にその効果を体感できるシーンが少なくなってしまうのは確かだが、それでもゼロではない。例えば、トレイルヘッドまでのアプローチが舗装されているようなコースではツインロックテクノロジーは大きなメリットとなるはずだ。
今回テストしたバイクは2020モデルだが、(※ユニットのみ最新バージョンにアップデート)2021モデルではフォーク/リアショックともにフォックスとなり、更にその性能に磨きがかかっているはずだ。
MTBへの造詣深いスコットのノウハウが光るフルサスE-MTBとして恥じない仕上がりを見せるGENIUS eRIDE。堅牢なアルミフレームに、アップデートが加わったばかりのボッシュの最新ユニットを搭載し、初めてのE-MTBとしても長く付き合っていける一台と言えるだろう。
スコット GENIUS eRIDE JAPAN SPEC LIMITED
フレーム:Alloy Frame Virtual 4 link kinematic VLK 27.5" and 29 compatible geo adj. Boost 148x12mm 150mm travel Bosch Gen4 integr. DT Battery Tapered Headtube E2 Forkstop, Central Kickstand Mount Range Booster Ready
フォーク:ロックショックス 35 Gold RL DebonAir 15x110mm QR axle Tapered Steerer Reb. Adj. 2 Modes Lockout 150mm travel E-Bike
リアショック:X-フュージョン NUDE Trunnion SCOTT custom w. travel geo
コンポーネント:スラム SX EAGLE 12 Speed
サイズ:S,M,L
価格:580,000円(税抜)

2020年モデルから本格的な国内展開を開始したスコットのE-MTB、"eRIDE"シリーズ。XCOの絶対王者ニノ・シューターとの長きに渡るパートナーシップを見ればわかるように、MTBに対する深い造詣を有したスコットが手掛けるE-MTBとして、欧州を中心に"eRIDE"シリーズは高い支持を受けてきた。
そんな"eRIDE"シリーズの中でもエンデューロ/オールマウンテン向けに用意されるのが、"GENIUS eRIDE"。その名の通り、AMバイクとして高い評価を得てきたGENIUSシリーズをベースとするモデルである。



フロントには150mmトラベルのロックショックス 35 Gold RL(※21モデルではFOX 36 Rhythm)、リアにはX-Fusion NUDE(※21モデルではFOX Float EVOL performance)が装備され、しっかり下りを楽しめるキャパシティーを備えている。
フレームは圧倒的な安定性を誇る4バーリンクに、スコット独自のトラニオンマウントをダウンチューブに設ける倒立リアサスシステムを採用。可能な限り重量物を下側に配置することで、E-MTBの課題である軽快なスイングウェイトとリアユニットのストレスフリーな動きに貢献しているという。




堅牢な作りのアルミフレームに搭載されるのは、ボッシュのハイエンドユニットであるPERFORMANCE LINE CX GEN4。2021モデルから、最大トルクがNmから85Nmへと引き上げられるとともに、バッテリー容量も500Whから625Whへと大容量化を果たしている。より激しいコースをより長い時間楽しめるタフなバイクへと進化した"GENIUS eRIDE"をENS-eのレースシーンでテストした。
―編集部インプレッション

アルミフルサスE-MTBというカテゴリーの中でも、相当練りこまれた一台だ。ベースとなったGENIUSの素性の良さもあり、その重量を感じさせないオールマウンテンなバイクに仕上がっている。
同クラスのE-MTBと比べても、操りやすさはかなりのもの。アルミフルサスE-MTBとしては標準的な20kgを軽く超える車体重量は、コーナーやブレーキ時に大きくデメリットとして顔を出してきそうなものだが、実際に乗ってみるともっと軽いバイクを操っているような感覚を覚える。
それはひとえにしっかりとしたシャシー剛性によるものだろう。特に横方向に大きくボリュームを持たされたフロントトライアングルがこの乗車感に大きく貢献していると感じた。車体が重く、また重量物がダウンチューブからBBにかけて集中しているE-MTBは、ヘッド周りの剛性に対してシビアな要求を突き付けてくるが、このバイクでは低速のスイッチバックからGのかかるバームセクションやドロップオフなどでも不快な撓みを感じることは無かった。

特にコーナーの切り返しなどで、その恩恵は顕著に感じられる。ねじれる力が大きくかかる瞬間でも、ハンドルからヘッドチューブ、フォークからホイールに至るラインが常にズレることなくビシッと直線上にあり続けるため、思い通りのラインをトレースしやすく、安心してフロントタイヤに荷重をかけられる。
また、ボッシュのPerfomance Line CXの生み出すトルクフルな走りもしっかり受け止め、激坂においても安定して走ることが出来るのは、バランスの取れた剛性感に信頼を預けライン選択と荷重バランスに集中できるからこそ。

GENIUS譲りの反転サスレイアウトや、フロントフォークとリアサスを同時にコントロール出来るツインロックシステム等、スコット独自のテクノロジーもこのバイクならでは。より多くのマスがバイク下部にあり、また登りでも多少のパワーロスを気にする必要が無いE-MTBにとって、実際にその効果を体感できるシーンが少なくなってしまうのは確かだが、それでもゼロではない。例えば、トレイルヘッドまでのアプローチが舗装されているようなコースではツインロックテクノロジーは大きなメリットとなるはずだ。
今回テストしたバイクは2020モデルだが、(※ユニットのみ最新バージョンにアップデート)2021モデルではフォーク/リアショックともにフォックスとなり、更にその性能に磨きがかかっているはずだ。
MTBへの造詣深いスコットのノウハウが光るフルサスE-MTBとして恥じない仕上がりを見せるGENIUS eRIDE。堅牢なアルミフレームに、アップデートが加わったばかりのボッシュの最新ユニットを搭載し、初めてのE-MTBとしても長く付き合っていける一台と言えるだろう。
スコット GENIUS eRIDE JAPAN SPEC LIMITED
フレーム:Alloy Frame Virtual 4 link kinematic VLK 27.5" and 29 compatible geo adj. Boost 148x12mm 150mm travel Bosch Gen4 integr. DT Battery Tapered Headtube E2 Forkstop, Central Kickstand Mount Range Booster Ready
フォーク:ロックショックス 35 Gold RL DebonAir 15x110mm QR axle Tapered Steerer Reb. Adj. 2 Modes Lockout 150mm travel E-Bike
リアショック:X-フュージョン NUDE Trunnion SCOTT custom w. travel geo
コンポーネント:スラム SX EAGLE 12 Speed
サイズ:S,M,L
価格:580,000円(税抜)
リンク
Amazon.co.jp