2021/04/05(月) - 19:49
SDワークス勢を抑え、欧州王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が與那嶺恵理(チームティブコSVB)も参戦したロンド女子レースを制覇。38歳のベテランが2011年に続く2度目の勝利を掴んだ。
男子レースの一部区間をカットした152kmで争われたロンド・ファン・フラーンデレン女子レース。終盤にはターインベルグ、クルイスベルグ、オウデ・クワレモント、そしてパテルベルグと男子レースと同じ順序で石畳急坂が連続する、ワールドツアー内も屈指の難易度を誇るレースだ。
UCI女子ワールドツアー第5戦に数えられるレースには、前回大会覇者シャンタル・ブラーク(オランダ、SDワークス)を始め、世界王者アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)や、4日前の前哨戦ドワーズドール・フランデレンを制したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)などトップオブトップのメンバーがずらりと勢揃い。
與那嶺恵理(チームティブコSVB)は昨年大会前に所属チーム内でPCR検査の陽性反応者が出たことで参加を見送っていたため、2大会ぶりに「クラシックの王様」に挑むこととなった。
UCIウィメンズワールドツアーランキングリーダーのマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)たちを先頭に、141名が曇り空のオウデナールデを出発。フレミッシュ・アルデンヌの丘陵地帯を駆け巡るコースでは次々と抜け出しが試みられたものの、そのいずれも高速巡航するメイン集団からリードを奪うことはできず。集団一つのまま距離を消化していった。
優勝候補たちが動いたのはフィニッシュまで45kmを残した「カナリベルグ」だった。最大勾配14%の登坂区間でファンフルーテンが2度加速してメイン集団を絞り、続いてオードリー・コードンラゴ(フランス、トレック・セガフレード)が独走に持ち込んだ。最大50秒差を得たフランスチャンピオンは残り18kmの「オウデ・クワレモント」で捕まるまでライバルチームの足を削り取っていく。
アルカンシエルを纏うファンデルブレッヘンのペースメイクで優勝候補たちだけ(ピーターズ、ルドヴィグ、カヴァッリ、ファンフルーテン、ブラウン、ロンゴボルギーニ、ブレナウアー)に絞り込まれ、続く最終登坂「パテルベルグ」では「もうアタックするチャンスが少なくなっていたので仕掛けた」と振り返るファンフルーテンがこの日2度目のアタックを繰り出した。
前々日に真新しいヨーロッパチャンピオンカラーのバイクを受け取っていたファンフルーテンは、それまで一緒に逃げていた7名を引き離して独走体制に。10秒強という僅かなリードだったものの、過酷な長丁場を走ってきた後続グループにとって数的有利は味方しなかった。
2度個人タイムトライアル世界チャンピオンに輝いた独走力を武器に、西日を浴びながらフィニッシュまでの平坦路を駆け抜けたファンフルーテン。残り3kmまでタイム差は拮抗していたものの、それ以降は拡大傾向に。一直線のホームストレートを駆け抜けたファンフルーテンが、得意の勝ちパターンで2011年に続く自身2度目のロンド優勝を遂げた。
「まだ信じられない。何年も2勝目を狙ってきたけれど、ようやく今日それが叶った。本当はカナリベルグから独走に持ち込みたかったけれど、向かい風が強くリードを維持するのは難しいだろうと判断した。パテルベルグでは一番最初に入って一番最初にクリア。疲れていたけれどそこからフィニッシュまでは全速力。簡単ではなかったけれど、やっと勝つことができた」と振り返るファンフルーテン。所属チームを変えてもなお勝てることを証明したベテランが10年越しの勝利を手に入れた。
ドイツチャンピオンのリサ・ブレナウアー(セラティツィット・WNTプロサイクリング)が「もちろん勝ちたかったけれど、嬉しい2位」を射止め、3位はグレース・ブラウン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)。SDワークスはレースを掌握しながらも表彰台にメンバーを送り込むことはできなかった。
また、10位クリステン・フォークナー(アメリカ、チームティブコSVB)のアシストを担った與那嶺は5分半遅れの39位でフィニッシュ。「(102km地点の)ベルグ・テン・オウトで前の選手が突然止まり、足を着いてしまい中切れに。前を追いかけるのが私たちしかいなかったのでローテーションを回しました。アルデンヌは違うレースですから、切り替えて臨みたいと思います」と振り返っている。
男子レースの一部区間をカットした152kmで争われたロンド・ファン・フラーンデレン女子レース。終盤にはターインベルグ、クルイスベルグ、オウデ・クワレモント、そしてパテルベルグと男子レースと同じ順序で石畳急坂が連続する、ワールドツアー内も屈指の難易度を誇るレースだ。
UCI女子ワールドツアー第5戦に数えられるレースには、前回大会覇者シャンタル・ブラーク(オランダ、SDワークス)を始め、世界王者アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ)や、4日前の前哨戦ドワーズドール・フランデレンを制したアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)などトップオブトップのメンバーがずらりと勢揃い。
與那嶺恵理(チームティブコSVB)は昨年大会前に所属チーム内でPCR検査の陽性反応者が出たことで参加を見送っていたため、2大会ぶりに「クラシックの王様」に挑むこととなった。
UCIウィメンズワールドツアーランキングリーダーのマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)たちを先頭に、141名が曇り空のオウデナールデを出発。フレミッシュ・アルデンヌの丘陵地帯を駆け巡るコースでは次々と抜け出しが試みられたものの、そのいずれも高速巡航するメイン集団からリードを奪うことはできず。集団一つのまま距離を消化していった。
優勝候補たちが動いたのはフィニッシュまで45kmを残した「カナリベルグ」だった。最大勾配14%の登坂区間でファンフルーテンが2度加速してメイン集団を絞り、続いてオードリー・コードンラゴ(フランス、トレック・セガフレード)が独走に持ち込んだ。最大50秒差を得たフランスチャンピオンは残り18kmの「オウデ・クワレモント」で捕まるまでライバルチームの足を削り取っていく。
アルカンシエルを纏うファンデルブレッヘンのペースメイクで優勝候補たちだけ(ピーターズ、ルドヴィグ、カヴァッリ、ファンフルーテン、ブラウン、ロンゴボルギーニ、ブレナウアー)に絞り込まれ、続く最終登坂「パテルベルグ」では「もうアタックするチャンスが少なくなっていたので仕掛けた」と振り返るファンフルーテンがこの日2度目のアタックを繰り出した。
前々日に真新しいヨーロッパチャンピオンカラーのバイクを受け取っていたファンフルーテンは、それまで一緒に逃げていた7名を引き離して独走体制に。10秒強という僅かなリードだったものの、過酷な長丁場を走ってきた後続グループにとって数的有利は味方しなかった。
2度個人タイムトライアル世界チャンピオンに輝いた独走力を武器に、西日を浴びながらフィニッシュまでの平坦路を駆け抜けたファンフルーテン。残り3kmまでタイム差は拮抗していたものの、それ以降は拡大傾向に。一直線のホームストレートを駆け抜けたファンフルーテンが、得意の勝ちパターンで2011年に続く自身2度目のロンド優勝を遂げた。
「まだ信じられない。何年も2勝目を狙ってきたけれど、ようやく今日それが叶った。本当はカナリベルグから独走に持ち込みたかったけれど、向かい風が強くリードを維持するのは難しいだろうと判断した。パテルベルグでは一番最初に入って一番最初にクリア。疲れていたけれどそこからフィニッシュまでは全速力。簡単ではなかったけれど、やっと勝つことができた」と振り返るファンフルーテン。所属チームを変えてもなお勝てることを証明したベテランが10年越しの勝利を手に入れた。
ドイツチャンピオンのリサ・ブレナウアー(セラティツィット・WNTプロサイクリング)が「もちろん勝ちたかったけれど、嬉しい2位」を射止め、3位はグレース・ブラウン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ)。SDワークスはレースを掌握しながらも表彰台にメンバーを送り込むことはできなかった。
また、10位クリステン・フォークナー(アメリカ、チームティブコSVB)のアシストを担った與那嶺は5分半遅れの39位でフィニッシュ。「(102km地点の)ベルグ・テン・オウトで前の選手が突然止まり、足を着いてしまい中切れに。前を追いかけるのが私たちしかいなかったのでローテーションを回しました。アルデンヌは違うレースですから、切り替えて臨みたいと思います」と振り返っている。
ロンド・ファン・フラーンデレン2021女子結果
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 4:01:11 |
2位 | リサ・ブレナウアー(ドイツ、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | 0:26 |
3位 | グレース・ブラウン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | |
4位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
5位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | |
6位 | マルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | |
7位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJヌーヴェルアキテーヌ・フチュロスコープ) | 0:27 |
8位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス) | 0:35 |
9位 | マーレン・ローセル(スイス、アレBTCリュブリャナ) | 0:51 |
10位 | クリステン・フォークナー(アメリカ、チームティブコSVB) | 0:55 |
39位 | 與那嶺恵理(チームティブコSVB) | 5:22 |
text:So Isobe
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