2021/04/05(月) - 10:44
「最後のスプリントに全てを掛けた」と語るのは、E3サクソバンククラシックに続きベルギークラシックで勝利を挙げたカスパー・アスグリーン。残り50mで脚が止まったファンデルプールや、3位に入ったファンアーヴェルマート、パテルベルグで遅れたファンアールトなどのコメントを紹介します。
優勝 カスパー・アスグリーン(デンマーク、エレガント・クイックステップ)
信じられない。僕にとってロンド・ファン・フラーンデレンは世界で一番美しいレースだ。石畳と急坂が素晴らしいレースを演出してくれる。初出場で表彰台に立ってから2年を経て優勝出来るなんて、信じられないほど素晴らしい。
一日を通して順調だった訳ではなかった。残り60km地点で大規模な落車に巻き込まれ、集団に復帰する為に力を使わなければならなかった。でも脚は良く、登りでは全てのアタックについていくことができた。それが自信に繋がった。だからこそ最後の1時間で仕掛け、集団に選別をかけることができたんだ。
最後のオウデ・クワレモントの頂上手前で離されたが全力で追いつき、パテルベルグでマチュー(ファンデルプール)とフルガスで行った。決して後ろを振り向かず、リードを広げるためにペダルを踏んだんだ。
フィニッシュ地点の数km手前からアタック出来るほど脚は残っていなかったので、最後のスプリントに賭けることにした。ベストを尽くす為にも(ファンデルプールの)後ろから勝負したかったんだ。それがスプリントの主導権を得る為には最適な方法だと思ったんだ。脚に力を込め、勝利が分かったのは残り10mを過ぎた辺りだった。
左側でのスプリントに自信があった。チームメイトたちの素晴らしい働きに報いることができて誇りに思うよ。子どもの頃にTVで観ていたこのレースで優勝する事ができ、本当に信じられない気持ちだ。
2位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
残り1kmまで一緒に走り、アスグリーンがスプリントに自信を持っていることが分かった。一方、僕は最後で脚が動かなくなってしまった。残念だが、強い相手に負けただけだ。だからその事実を受け入れることは簡単だ。
良いレースができたと思うのだが、最後に僕よりも強い選手がいたまでだ。登りで彼が最も強い選手の一人であることには気づいていた。僕がアタックした時、常に彼がついてきていたからね。
脚は悪くなかった。勝てない勝負だとも思わなかった。スプリントで5秒間だけスイッチを入れることができたのだが、それ以上は無理だった。彼はあえてフィニッシュ地点までレースを続けたんだ。その心意気が気に入ったよ。
3位 グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)
水曜日のドワーズ・ドール・フラーンデレンのような脚はなかったが、先頭でフィニッシュすることができた。経験を活かして表彰台に上がることができた。254kmにも及ぶロンド・ファン・フラーンデレンのようなクラシックレースであっても、最後まで脚が残っていた。今日の目標はポディウムだったので悔いはない。AG2Rシトロエンの一員として表彰台に上がれたことは嬉しい。この冬、チーム全体が良く働き、一緒にレースを走れることができて幸せだよ。
4位 ヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
今日はスマートに走らなければならなかった。幾つかの登りで調子の良さを感じたのだが、急勾配の区間で少し苦労を強いられた。調子の上がり下がりを感じていたが、最後まで戦い続けられたことに満足している。
スプリントでトライしたのだが、3位に届くほど脚が残っていなかった。4位も悪い順位ではない。フランドルで最も良い順位だ。それにシーズン初めのモニュメントで1位と4位は悪くない。もちろん表彰台に上がりたかったが、この結果に満足しなければいけない。それが現実だからね。
6位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
2度目のオウデ・クワレモントの登りで、もうアタックする力がないことに気がついていた。その時点で適切なポジションにつくことができたのは良かったが、最後は離されてしまった。最後の3度目のオウデ・クワレモントではもうすでに難しかった。脚がなく、特にパテルベルグでは頂上にたどり着くことすら苦労した。
でも、レースを台無しにすることはしなかった。全てを出し切ろうと試みた。しかし、もっと良い結果を期待していた。ブラバンツ・ペイルとアムステルゴールドレースのスタートラインに良い状態で臨むため、今週は休息を取るつもりだ。ロンドは春のハイライトとなるレースだったので、まずは今回のことを反省しなければならない。
42位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
いつものように責任を持って走ることができた。最後もよく走れたし、カスパーは本当に強かった。僕も悪くなかったが、最後まで彼と一緒にいれるほどではなかった。カスパーの勝利はとても嬉しいよ。彼は勝利にふさわしい。僕たちにとって素晴らしいレースになった。このような長く厳しいレースでは、どれだけ脚を残せるかが違いを生むんだ。
現役最後のレースとなったマールテン・ワイナンツ(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
パリ〜ルーベが最後のレースとなる予定だったので、秋に延期されてしまい残念だ。しかし、ロンド・ファン・フラーンデレンで別れを告げるのも悪くはない。
ワウトが強くなってくれたおかげで、ロードキャプテンとしてキャリアを数年延長することができた。(ユンボ・ヴィズマの監督としての)デビューはジロ・デ・イタリアだ。2019年にノルウェーで開催されたハンマーシリーズのチームTTで、一度だけチームカーのハンドルを握ったことがあるんだ。その時チームは優勝している。つまり勝率100%だ。悪くない数字だ。
自分のキャリアに点数をつけるならば10点中8点だろう。9点にするには、勝利が必要だったかもしれない。
text:Sotaro.Arakawa
優勝 カスパー・アスグリーン(デンマーク、エレガント・クイックステップ)
信じられない。僕にとってロンド・ファン・フラーンデレンは世界で一番美しいレースだ。石畳と急坂が素晴らしいレースを演出してくれる。初出場で表彰台に立ってから2年を経て優勝出来るなんて、信じられないほど素晴らしい。
一日を通して順調だった訳ではなかった。残り60km地点で大規模な落車に巻き込まれ、集団に復帰する為に力を使わなければならなかった。でも脚は良く、登りでは全てのアタックについていくことができた。それが自信に繋がった。だからこそ最後の1時間で仕掛け、集団に選別をかけることができたんだ。
最後のオウデ・クワレモントの頂上手前で離されたが全力で追いつき、パテルベルグでマチュー(ファンデルプール)とフルガスで行った。決して後ろを振り向かず、リードを広げるためにペダルを踏んだんだ。
フィニッシュ地点の数km手前からアタック出来るほど脚は残っていなかったので、最後のスプリントに賭けることにした。ベストを尽くす為にも(ファンデルプールの)後ろから勝負したかったんだ。それがスプリントの主導権を得る為には最適な方法だと思ったんだ。脚に力を込め、勝利が分かったのは残り10mを過ぎた辺りだった。
左側でのスプリントに自信があった。チームメイトたちの素晴らしい働きに報いることができて誇りに思うよ。子どもの頃にTVで観ていたこのレースで優勝する事ができ、本当に信じられない気持ちだ。
2位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
残り1kmまで一緒に走り、アスグリーンがスプリントに自信を持っていることが分かった。一方、僕は最後で脚が動かなくなってしまった。残念だが、強い相手に負けただけだ。だからその事実を受け入れることは簡単だ。
良いレースができたと思うのだが、最後に僕よりも強い選手がいたまでだ。登りで彼が最も強い選手の一人であることには気づいていた。僕がアタックした時、常に彼がついてきていたからね。
脚は悪くなかった。勝てない勝負だとも思わなかった。スプリントで5秒間だけスイッチを入れることができたのだが、それ以上は無理だった。彼はあえてフィニッシュ地点までレースを続けたんだ。その心意気が気に入ったよ。
3位 グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、AG2Rシトロエン)
水曜日のドワーズ・ドール・フラーンデレンのような脚はなかったが、先頭でフィニッシュすることができた。経験を活かして表彰台に上がることができた。254kmにも及ぶロンド・ファン・フラーンデレンのようなクラシックレースであっても、最後まで脚が残っていた。今日の目標はポディウムだったので悔いはない。AG2Rシトロエンの一員として表彰台に上がれたことは嬉しい。この冬、チーム全体が良く働き、一緒にレースを走れることができて幸せだよ。
4位 ヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
今日はスマートに走らなければならなかった。幾つかの登りで調子の良さを感じたのだが、急勾配の区間で少し苦労を強いられた。調子の上がり下がりを感じていたが、最後まで戦い続けられたことに満足している。
スプリントでトライしたのだが、3位に届くほど脚が残っていなかった。4位も悪い順位ではない。フランドルで最も良い順位だ。それにシーズン初めのモニュメントで1位と4位は悪くない。もちろん表彰台に上がりたかったが、この結果に満足しなければいけない。それが現実だからね。
6位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
2度目のオウデ・クワレモントの登りで、もうアタックする力がないことに気がついていた。その時点で適切なポジションにつくことができたのは良かったが、最後は離されてしまった。最後の3度目のオウデ・クワレモントではもうすでに難しかった。脚がなく、特にパテルベルグでは頂上にたどり着くことすら苦労した。
でも、レースを台無しにすることはしなかった。全てを出し切ろうと試みた。しかし、もっと良い結果を期待していた。ブラバンツ・ペイルとアムステルゴールドレースのスタートラインに良い状態で臨むため、今週は休息を取るつもりだ。ロンドは春のハイライトとなるレースだったので、まずは今回のことを反省しなければならない。
42位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
いつものように責任を持って走ることができた。最後もよく走れたし、カスパーは本当に強かった。僕も悪くなかったが、最後まで彼と一緒にいれるほどではなかった。カスパーの勝利はとても嬉しいよ。彼は勝利にふさわしい。僕たちにとって素晴らしいレースになった。このような長く厳しいレースでは、どれだけ脚を残せるかが違いを生むんだ。
現役最後のレースとなったマールテン・ワイナンツ(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
パリ〜ルーベが最後のレースとなる予定だったので、秋に延期されてしまい残念だ。しかし、ロンド・ファン・フラーンデレンで別れを告げるのも悪くはない。
ワウトが強くなってくれたおかげで、ロードキャプテンとしてキャリアを数年延長することができた。(ユンボ・ヴィズマの監督としての)デビューはジロ・デ・イタリアだ。2019年にノルウェーで開催されたハンマーシリーズのチームTTで、一度だけチームカーのハンドルを握ったことがあるんだ。その時チームは優勝している。つまり勝率100%だ。悪くない数字だ。
自分のキャリアに点数をつけるならば10点中8点だろう。9点にするには、勝利が必要だったかもしれない。
text:Sotaro.Arakawa
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