2021/03/12(金) - 11:21
逃げが生まれず超スローペースで進んだ1日。今大会最後のスプリンターステージで、絶好のリードアウトから解き放たれたサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利した。
いよいよ南フランスに近づくパリ〜ニース(UCIワールドツアー)第5ステージ。ビエンヌからひたすら南下してボレーヌを目指す200.2kmコースはものの見事に平坦だが、残り50kmで3級山岳とスプリントポイントがそれぞれ設定された2つの丘を越える。この後は山岳ステージが続くため、ピュアスプリンターにとっては最後のチャンスとなる。
アップダウンの激しいボジョレーステージを終え、翌日に中級山岳ステージを控える中日。さらに逃げ切りのチャンスが限りなくゼロに近いこの日、リアルスタートが切られても積極的に逃げようとする動きは生まれない。逃げが一切生まれないまま、平均スピード33km/hという、グランツール最終日のようなスローペースでゆっくりと距離をこなしていくこととなる。
53km地点の第一中間スプリントでは35秒遅れの総合2位につけるマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が2位通過してボーナスタイム2秒を獲得。その後もひたすらスローペースが続き、フィニッシュまで70km以上を残したタイミングで、ようやくオリヴェル・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン)がアタックを放った。
猛然とペースアップするナーセンに同調したのは、ティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)やトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・アソス)、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)といった、屈強なベルギー勢のみで構成された11名。一時決まりかけたものの、メンバーを送り損ねたEFエデュケーションNIPPOやボーラ・ハンスグローエの追走によって吸収されている。
再び逃げようとする動きは生まれず、サム・ベネット(アイルランド)の2勝目を狙うドゥクーニンク・クイックステップがコントロールを担って残り35kmを通過。すると集団後方ではマイヨジョーヌのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を含め、ユンボ・ヴィズマ勢が路面に投げ出された。
無傷のログリッチはすぐさまレースに戻ったものの、激しく身体を打ち付けたトニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ)はリタイアに。チーム発表によれば、病院で肘骨折という診断を受けたマルティンは、4月のイツリア・バスクカントリーをキャンセルして療養するという。
184km地点の第2中間スプリントでは総合5位ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)が1位通過、そしてシャフマンが再び2位通過してボーナスタイムを確保する。最後の下りをこなしたプロトンは、スプリンターチームが前方に集結した状態で勝負への準備を整えていった。
トレック・セガフレードやアルペシン・フェニックス、グルパマFDJなどがポジション争いを続けたが、フラムルージュ(残り1kmバナー)を通過すると同時にベネットを従えたドゥクーニンク・クイックステップトレインが満を持して動き出す。70km/hに迫るペースで残り300mまでをフロリアン・セネシャル(フランス)が牽き、最終発射台役のミケル・モルコフ(デンマーク)がアルケア・サムシックを封じ込めながらリードアウト。200mを切ると、ログリッチの繰り下がりでマイヨヴェールを着るベネットが加速した。
絶好のリードアウトを得たべネットは、スリップストリームについたナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)の追い上げを許すことなく先着。フィニッシュライン手前で脚を緩める余裕のスプリントで今大会2勝目、そしてワールドツアーレースで30勝目を挙げた。
「信じられないくらい完璧なリードアウトだったよ。そのリードを最後まで保ちきれたことが嬉しい。ミケルはいつだって正しい場所に僕を連れていってくれるんだ。僕の勝利の多くは彼のおかげ。彼の後ろに付けさえすれば、そこに留まって慌てる必要がないと理解している。大好きなこのパリ〜ニースでもう一度勝ててハッピーだ」と語るベネット。
「(5位に甘んじた)第2ステージは残念な結果に終わっていたので、スプリンターにとって最後のチャンスだった今日に取り戻すことができた。(ティレーノ〜アドリアティコと合わせて)チームが2勝したことは素晴らしい。ジュリアンと、レースや状況に関係なくチーム力を発揮できるウルフパックのスピリットを誇りに思う」と加えている。
いよいよ南フランスの沿岸部に到達する翌第6ステージは、中盤に標高1000m級の山岳を越える1日。生粋のアタッカー向きの1日に、誰がどのように動いてくるか注目したい。
いよいよ南フランスに近づくパリ〜ニース(UCIワールドツアー)第5ステージ。ビエンヌからひたすら南下してボレーヌを目指す200.2kmコースはものの見事に平坦だが、残り50kmで3級山岳とスプリントポイントがそれぞれ設定された2つの丘を越える。この後は山岳ステージが続くため、ピュアスプリンターにとっては最後のチャンスとなる。
アップダウンの激しいボジョレーステージを終え、翌日に中級山岳ステージを控える中日。さらに逃げ切りのチャンスが限りなくゼロに近いこの日、リアルスタートが切られても積極的に逃げようとする動きは生まれない。逃げが一切生まれないまま、平均スピード33km/hという、グランツール最終日のようなスローペースでゆっくりと距離をこなしていくこととなる。
53km地点の第一中間スプリントでは35秒遅れの総合2位につけるマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が2位通過してボーナスタイム2秒を獲得。その後もひたすらスローペースが続き、フィニッシュまで70km以上を残したタイミングで、ようやくオリヴェル・ナーセン(ベルギー、AG2Rシトロエン)がアタックを放った。
猛然とペースアップするナーセンに同調したのは、ティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)やトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、クベカ・アソス)、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)、ドリース・デボント(ベルギー、アルペシン・フェニックス)といった、屈強なベルギー勢のみで構成された11名。一時決まりかけたものの、メンバーを送り損ねたEFエデュケーションNIPPOやボーラ・ハンスグローエの追走によって吸収されている。
再び逃げようとする動きは生まれず、サム・ベネット(アイルランド)の2勝目を狙うドゥクーニンク・クイックステップがコントロールを担って残り35kmを通過。すると集団後方ではマイヨジョーヌのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)を含め、ユンボ・ヴィズマ勢が路面に投げ出された。
無傷のログリッチはすぐさまレースに戻ったものの、激しく身体を打ち付けたトニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィズマ)はリタイアに。チーム発表によれば、病院で肘骨折という診断を受けたマルティンは、4月のイツリア・バスクカントリーをキャンセルして療養するという。
184km地点の第2中間スプリントでは総合5位ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック)が1位通過、そしてシャフマンが再び2位通過してボーナスタイムを確保する。最後の下りをこなしたプロトンは、スプリンターチームが前方に集結した状態で勝負への準備を整えていった。
トレック・セガフレードやアルペシン・フェニックス、グルパマFDJなどがポジション争いを続けたが、フラムルージュ(残り1kmバナー)を通過すると同時にベネットを従えたドゥクーニンク・クイックステップトレインが満を持して動き出す。70km/hに迫るペースで残り300mまでをフロリアン・セネシャル(フランス)が牽き、最終発射台役のミケル・モルコフ(デンマーク)がアルケア・サムシックを封じ込めながらリードアウト。200mを切ると、ログリッチの繰り下がりでマイヨヴェールを着るベネットが加速した。
絶好のリードアウトを得たべネットは、スリップストリームについたナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)の追い上げを許すことなく先着。フィニッシュライン手前で脚を緩める余裕のスプリントで今大会2勝目、そしてワールドツアーレースで30勝目を挙げた。
「信じられないくらい完璧なリードアウトだったよ。そのリードを最後まで保ちきれたことが嬉しい。ミケルはいつだって正しい場所に僕を連れていってくれるんだ。僕の勝利の多くは彼のおかげ。彼の後ろに付けさえすれば、そこに留まって慌てる必要がないと理解している。大好きなこのパリ〜ニースでもう一度勝ててハッピーだ」と語るベネット。
「(5位に甘んじた)第2ステージは残念な結果に終わっていたので、スプリンターにとって最後のチャンスだった今日に取り戻すことができた。(ティレーノ〜アドリアティコと合わせて)チームが2勝したことは素晴らしい。ジュリアンと、レースや状況に関係なくチーム力を発揮できるウルフパックのスピリットを誇りに思う」と加えている。
いよいよ南フランスの沿岸部に到達する翌第6ステージは、中盤に標高1000m級の山岳を越える1日。生粋のアタッカー向きの1日に、誰がどのように動いてくるか注目したい。
パリ〜ニース2021第5ステージ結果
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 5:16:01 |
2位 | ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック) | |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス) | |
6位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ KTM) | |
8位 | クリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス) | |
9位 | ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | |
10位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
74位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 18:42:41 |
2位 | マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:31 |
3位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | 0:37 |
4位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | 0:40 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ・プレミアテック) | 0:41 |
6位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター) | 0:58 |
7位 | ティシュ・ベノート(ベルギー、チームDSM) | 1:04 |
8位 | ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、バイクエクスチェンジ) | 1:08 |
9位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・プレミアテック) | 1:11 |
10位 | ピエール・ラトゥール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | 1:12 |
その他の特別賞
ポイント賞 | サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
山岳賞 | アントニー・ペレス(フランス、コフィディス) |
ヤングライダー賞 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | アスタナ・プレミアテック |
text:So Isobe
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