2021/01/25(月) - 12:50
ライバル同士の戦いに水を差したのはマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)の後輪パンク。リードを稼ぎ、スムーズな走りで逃げ切ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が大一番を前に勝利した。
新型コロナウイルス感染拡大に伴うリスケジュールによって、今季5戦へと縮小した上で開催されたUCIシクロクロスワールドカップもいよいよ最終戦。ベルギーのフランドル地方にある街、オーベレルエイセのスタートラインには、1週間後に控える世界選手権を見据えてコンディションを仕上げてきた選手たちが、前日の一堂に会した。
隊列中盤で発生した集団落車を尻目に、長い登りでスタートダッシュを決めたのはクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスシクロクロスチーム)だった。続いてトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が先頭に立ったものの、スリッピーな森と丘陵区間を組み合わせたコースを走るうちに、ワールドカップランキングリーダーのジャージを着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が主導権を握った。
バイクをスライドさせながら超スリッピーなコースを攻めるファンアールトに続いたのは、世界王者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)一人のみ。ライバル関係を続ける二人がトーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング)たちを置き去りにしてランデブーを続けたが、ライン選択の思い切りの良さとバイクコントロールが求められる区間ではファンアールトがファンデルプールを上回った。
「レース先頭に立ってからはすぐに超ハイペースを刻んだんだ。マチューが僕の前に出てペースを落とそうとしたけれど、僕はそうはさせたくなかった」と振り返るファンアールトの背後では、ファンデルプールが2周目後半に突如失速。ファンアールト大きなリードを得て独走体制に持ち込んだ。
逃げるファンアールトと、バイク交換でペースを取り戻したファンデルプールの差はおよそ15秒。互いにハイペースを刻み、互いにミスを出す両者の差は徐々に縮小傾向にあったものの、ファンデルプールが7周目に転倒したことで30秒まで拡大した。「差を縮められたことは良かったけれど、集中力を欠きミスを連発してしまった」と言うファンデルプールを尻目に、残り1.5周を走り抜いたファンアールトがフィニッシュラインに飛び込んだ。
「クラッシュが決定打になり得る厳しいレースだった。マチューがプッシュを続けていたので先頭に立ってからもまったく楽ではなかったんだ。追いかける立場ではなく逃げる立場になったことは特に良かったと思う。この勝利が本当に嬉しい」と話すベルギー王者は、ワールドカップランキングでも総合優勝。来週に迫る世界選手権に関しては「マチューの方が今季より多く勝っているので自分自身が優勝候補No.1だとは思わない。レースに向けてのアプローチには満足しているものの、大前提として彼の方がより有利だと思う」と控えめに語っている。
クラッシュしてからはペースを緩め、2着でフィニッシュしたファンデルプールは世界選手権3連覇を目指してベルギー、オーステンデに向かう。「昨日(のX2Oトロフェー)よりかは良かったものの、まだコンディションが仕上がりきっていないんだ。レース後半には身体が疲れてしまっていた。もうワウトと僕の間に心理戦は必要無い。僕たちは互いに勝つチャンスがあるとわかっているし、勝てる可能性は五分五分だ」と話している。
3位はワールドカップ第4戦に続いてトーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング)が入り、これまでオランダ/ベルギー勢が支配してきた世界選手権でのメダル争いに加わることをアピールした。
女子エリートレースを支配したのは、今季表彰台を分け合っているセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)とルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)、そしてデニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール)という3人だった。
4列目からホールショットを奪ったマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やアンマリー・ワースト(オランダ、777)は遅れを取り、全5周回中の3周目には先頭グループにマノン・バッカー(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ)が、そして4周目には売り出し中の全米王者クララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド.com)が合流したものの、その直後にブラントがアタック。アルバラードのみが追従し、世界王者とワールドカップランキングリーダーの一騎打ちが始まった。
ブラントは持ち前のパワーで仕掛けるも、アルバラードは離れない。ピットでのバイク交換時にアルバラードが得た僅かなリードは、スリッピーなダウンヒル区間を通過するたびに拡大。一度大きなスリップダウンを喫するも、最後までリードが崩れることはなかった。
テクニカルコースを攻め抜いたアルバラードが世界選手権に弾みをつける勝利。その20秒後にはブラントがスプリントでバッカーを下し2位を確保。バッカーはワールドカップのエリートレースで初の表彰台を射止めている。
新型コロナウイルス感染拡大に伴うリスケジュールによって、今季5戦へと縮小した上で開催されたUCIシクロクロスワールドカップもいよいよ最終戦。ベルギーのフランドル地方にある街、オーベレルエイセのスタートラインには、1週間後に控える世界選手権を見据えてコンディションを仕上げてきた選手たちが、前日の一堂に会した。
隊列中盤で発生した集団落車を尻目に、長い登りでスタートダッシュを決めたのはクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスシクロクロスチーム)だった。続いてトーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が先頭に立ったものの、スリッピーな森と丘陵区間を組み合わせたコースを走るうちに、ワールドカップランキングリーダーのジャージを着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が主導権を握った。
バイクをスライドさせながら超スリッピーなコースを攻めるファンアールトに続いたのは、世界王者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)一人のみ。ライバル関係を続ける二人がトーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング)たちを置き去りにしてランデブーを続けたが、ライン選択の思い切りの良さとバイクコントロールが求められる区間ではファンアールトがファンデルプールを上回った。
「レース先頭に立ってからはすぐに超ハイペースを刻んだんだ。マチューが僕の前に出てペースを落とそうとしたけれど、僕はそうはさせたくなかった」と振り返るファンアールトの背後では、ファンデルプールが2周目後半に突如失速。ファンアールト大きなリードを得て独走体制に持ち込んだ。
逃げるファンアールトと、バイク交換でペースを取り戻したファンデルプールの差はおよそ15秒。互いにハイペースを刻み、互いにミスを出す両者の差は徐々に縮小傾向にあったものの、ファンデルプールが7周目に転倒したことで30秒まで拡大した。「差を縮められたことは良かったけれど、集中力を欠きミスを連発してしまった」と言うファンデルプールを尻目に、残り1.5周を走り抜いたファンアールトがフィニッシュラインに飛び込んだ。
「クラッシュが決定打になり得る厳しいレースだった。マチューがプッシュを続けていたので先頭に立ってからもまったく楽ではなかったんだ。追いかける立場ではなく逃げる立場になったことは特に良かったと思う。この勝利が本当に嬉しい」と話すベルギー王者は、ワールドカップランキングでも総合優勝。来週に迫る世界選手権に関しては「マチューの方が今季より多く勝っているので自分自身が優勝候補No.1だとは思わない。レースに向けてのアプローチには満足しているものの、大前提として彼の方がより有利だと思う」と控えめに語っている。
クラッシュしてからはペースを緩め、2着でフィニッシュしたファンデルプールは世界選手権3連覇を目指してベルギー、オーステンデに向かう。「昨日(のX2Oトロフェー)よりかは良かったものの、まだコンディションが仕上がりきっていないんだ。レース後半には身体が疲れてしまっていた。もうワウトと僕の間に心理戦は必要無い。僕たちは互いに勝つチャンスがあるとわかっているし、勝てる可能性は五分五分だ」と話している。
3位はワールドカップ第4戦に続いてトーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング)が入り、これまでオランダ/ベルギー勢が支配してきた世界選手権でのメダル争いに加わることをアピールした。
女子エリートレースを支配したのは、今季表彰台を分け合っているセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス)とルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)、そしてデニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール)という3人だった。
4列目からホールショットを奪ったマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)やアンマリー・ワースト(オランダ、777)は遅れを取り、全5周回中の3周目には先頭グループにマノン・バッカー(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ)が、そして4周目には売り出し中の全米王者クララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド.com)が合流したものの、その直後にブラントがアタック。アルバラードのみが追従し、世界王者とワールドカップランキングリーダーの一騎打ちが始まった。
ブラントは持ち前のパワーで仕掛けるも、アルバラードは離れない。ピットでのバイク交換時にアルバラードが得た僅かなリードは、スリッピーなダウンヒル区間を通過するたびに拡大。一度大きなスリップダウンを喫するも、最後までリードが崩れることはなかった。
テクニカルコースを攻め抜いたアルバラードが世界選手権に弾みをつける勝利。その20秒後にはブラントがスプリントでバッカーを下し2位を確保。バッカーはワールドカップのエリートレースで初の表彰台を射止めている。
UCIシクロクロスワールドカップ2020-2021第5戦 男子エリート結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 1:05:57 |
2位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 1:03 |
3位 | トーマス・ピドコック(イギリス、トリニティレーシング) | 2:07 |
4位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 2:24 |
5位 | トーン・アールツ(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 2:29 |
6位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 3:26 |
7位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 3:35 |
8位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスシクロクロスチーム) | 3:41 |
9位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスシクロクロスチーム) | 3:57 |
10位 | ジャンニ・フェルメルシュ(ベルギー、クレディショップ・フリスタッズ) | 4:12 |
UCIシクロクロスワールドカップ2020-2021第5戦 女子エリート結果
1位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 49:48 |
2位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 0:20 |
3位 | マノン・バッカー(オランダ、クレディショップ・フリスタッズ) | 0:21 |
4位 | クララ・ホンシンガー(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド.com) | 0:34 |
5位 | デニセ・ベッツィマ(オランダ、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:40 |
6位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKO・クレラン) | 0:48 |
7位 | アンナ・カイ(イギリス、スターカジノCXチーム) | 0:56 |
8位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス、トレックファクトリーレーシングXC) | 0:58 |
9位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、ドルチーニ・ファンアイクスポーツ) | 1:15 |
10位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 1:21 |
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