2020/11/07(土) - 23:59
全日本選手権トラック3日目。男子オムニアムでは東京五輪代表の橋本英也が優勝。女子では梶原悠未がスクラッチとマディソンの2種目で優勝した。ケイリン男子は深谷知広が優勝してスプリントと合わせて2冠達成。ケイリン女子は梅川風子が初優勝した。
ヤマダグリーンドーム前橋で開催されている全日本選手権トラック3日目は、男女ケイリン、男子オムニアム、女子スクラッチ、女子マディソン、パラサイクリングの500mタイムトライアルと1kmタイムトライアルが行われた。
この日は土曜日ということもあり、メインスタンドから多くの観客が勝負の行方を見守った。
ケイリン 男子は深谷知広、女子は梅川風子が優勝
男子は6組の予選から勝ち上がった6名による決勝。アジアチャンピオンジャージを着る脇本雄太(チームブリヂストンサイクリング)が先行して最終周回へ入ると、バックストレートから深谷知広(ドリームシーカー・レーシングチーム)が追い上げ、3コーナーから4コーナーにかけて並びかける。最後はフィニッシュライン上でのハンドルの投げ合いとなり、僅差で深谷が先着。前日のスプリントに続き2枚目の全日本チャンピオンジャージを手に入れた。
深谷知広 コメント
「前回ケイリンで優勝した時はナショナルチームのメンバーが不在だったので、今回はフルメンバーの中で優勝できたことは嬉しい。決勝レースではワッキー(脇本雄太)が仕掛けるのはわかっていたので、もうちょっと緩くくるなら自分が突っ張ってと考えていたが、いい勢いで来たので後ろについてチャンスをうかがった。それが一番の勝因だったと思う。今回は五輪メンバーから優勝者を出さないという目標を立て、五輪代表が簡単に勝てないところを見せて選手層の厚さを世界にアピール出来たと思う」
決勝レースのみが行われた女子は横一線の勝負となり、太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング)、東京五輪代表の小林優香(ドリームシーカー・レーシングチーム)を僅差で下した梅川風子(JPCA)が初優勝を飾った。
梅川風子 コメント
「ケイリンという種目自体は走り慣れているものの、競技としてのルールで走るのは実際にやってみないとわからないと感じていた。本来なら予選から勝ち上がっていくものだけれど、1発勝負だったので喜び半分という感じ。出場メンバーを見て展開は色々考えていたが、その通りにレースは動かなかったし、自分はいつでも行ける準備をしていたので、冷静に走れたと思う。小林選手や太田選手ら格上の選手が相手だったので、挑戦するつもりで気楽に戦えたことも勝因のひとつだと思う」
男子オムニアム 五輪代表の橋本英也が貫禄を見せる勝利
男子オムニアムは、この種目の東京五輪代表に内定している橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)が見事なレースコントロールを見せた。スクラッチこそ岡本隼(愛三工業レーシングチーム)に1位を譲ったものの、テンポレースでは4名の逃げ集団を形成してポイントを加算して1位。エリミネイションでは常に集団前方に位置しながら不要な動きをせず、最後は同チームの近谷涼との勝負を制して総合首位を維持した。
橋本118ポイント、近谷112ポイント、孫崎大樹90ポイント、岡本86ポイントで迎えた最終種目のポイントレース。総合首位争いに影響しない5名の逃げを先行させた橋本は、逃げ集団がラップできない(周回遅れにさせない)ようメイン集団のペースをコントロール。橋本自信はポイントを加算出来なったものの、総合上位勢も道連れにしてポイントを取らせず、優勝を決めた。最後のフィニッシュで先着して10ポイントを獲得した岡本が、孫崎を逆転して3位に食い込み、前年チャンピオンの意地を見せた。
橋本英也コメント
「気づけば3年ぶり3回目の優勝。本来なら五輪の年なので、順調に仕上がっていると感じている。人数の多いオムニアムは最初の3種目が重要になってくるので、うまく走ることが出来た。最後のポイントレースは、序盤に出来た4人の逃げをコントロールすることによって有利な展開になると思い、その通りに進めることが出来た。チームブリヂストンサイクリングとしても近谷選手とワン・ツーを獲ることが出来たので、よかったと思う。
リオ五輪には行けなかったけれど、東京五輪の代表に選ばれたことで、リオからのプロセスが間違っていなかったことが証明されたと思う。東京五輪でメダルを獲得することでこのスポーツの魅力を広められたらと思っている」
梶原悠未がさらに勝利を重ねる
女子のスクラッチは、レース終盤にアジアチャンピオンジャージを着る古山稀絵(日本体育大学大学院)の飛び出しを梶原が追走。最終周回のバックストレートで古山を捉えた梶原は一気に加速して後続を引き離し、優勝を決めた。
一方、中村妃智と組んで出場したマディソンでは、序盤こそ交代のタイミングが合わずに他チームにリードを許したものの、ポイント周回に合わせて梶原に交代出来るようにタイミングを修正した後は1位通過を連発して逆転。東京五輪内定チームの力を見せた。
梶原悠未コメント
「スクラッチは逃げが出来る展開とスプリント勝負になる展開を予想していたが、スプリントでまとめるように展開を作り、それがうまくいった。
マディソンは普段の練習で交代の技術を徹底的に強化してきたので、ポイント周回のタイミングを合わせて5点を取りに行くことを目標にレースをした。序盤のタイミングのズレをなんとか修正し、中村妃智さんの力強い交代の勢いを活かしてスプリトで点を取りに行けるようにした。勝ててホッとしている。
明日の個人パーシュートとポイントレースで優勝して全6種目優勝を達成させたい」
中村妃智 コメント
「序盤にタイミングが合わなかった時は冷や汗がとまらないくらいだったけれど、タイミングを合わせられるようになってからは考えていた作戦通りに運ぶことが出来た。交代前の自分の位置取りが影響するので、出来るだけ前にいてスピードを殺さないように交代することを心がけた。
東京五輪はまったく違うレベルのレースになると思うので、交代の技術や位置取りの技術を更に高めていきたい」
この日はパラサイクリングの500mタイムトライアルと1kmタイムトライアルも行われた。
最終日は男女個人パーシュート、男子1kmタイムトライアル、女子500mタイムトライアル、男女ポイントレース 、パラサイクリングのパーシュートが行われる。
ヤマダグリーンドーム前橋で開催されている全日本選手権トラック3日目は、男女ケイリン、男子オムニアム、女子スクラッチ、女子マディソン、パラサイクリングの500mタイムトライアルと1kmタイムトライアルが行われた。
この日は土曜日ということもあり、メインスタンドから多くの観客が勝負の行方を見守った。
ケイリン 男子は深谷知広、女子は梅川風子が優勝
男子は6組の予選から勝ち上がった6名による決勝。アジアチャンピオンジャージを着る脇本雄太(チームブリヂストンサイクリング)が先行して最終周回へ入ると、バックストレートから深谷知広(ドリームシーカー・レーシングチーム)が追い上げ、3コーナーから4コーナーにかけて並びかける。最後はフィニッシュライン上でのハンドルの投げ合いとなり、僅差で深谷が先着。前日のスプリントに続き2枚目の全日本チャンピオンジャージを手に入れた。
深谷知広 コメント
「前回ケイリンで優勝した時はナショナルチームのメンバーが不在だったので、今回はフルメンバーの中で優勝できたことは嬉しい。決勝レースではワッキー(脇本雄太)が仕掛けるのはわかっていたので、もうちょっと緩くくるなら自分が突っ張ってと考えていたが、いい勢いで来たので後ろについてチャンスをうかがった。それが一番の勝因だったと思う。今回は五輪メンバーから優勝者を出さないという目標を立て、五輪代表が簡単に勝てないところを見せて選手層の厚さを世界にアピール出来たと思う」
決勝レースのみが行われた女子は横一線の勝負となり、太田りゆ(チームブリヂストンサイクリング)、東京五輪代表の小林優香(ドリームシーカー・レーシングチーム)を僅差で下した梅川風子(JPCA)が初優勝を飾った。
梅川風子 コメント
「ケイリンという種目自体は走り慣れているものの、競技としてのルールで走るのは実際にやってみないとわからないと感じていた。本来なら予選から勝ち上がっていくものだけれど、1発勝負だったので喜び半分という感じ。出場メンバーを見て展開は色々考えていたが、その通りにレースは動かなかったし、自分はいつでも行ける準備をしていたので、冷静に走れたと思う。小林選手や太田選手ら格上の選手が相手だったので、挑戦するつもりで気楽に戦えたことも勝因のひとつだと思う」
男子オムニアム 五輪代表の橋本英也が貫禄を見せる勝利
男子オムニアムは、この種目の東京五輪代表に内定している橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)が見事なレースコントロールを見せた。スクラッチこそ岡本隼(愛三工業レーシングチーム)に1位を譲ったものの、テンポレースでは4名の逃げ集団を形成してポイントを加算して1位。エリミネイションでは常に集団前方に位置しながら不要な動きをせず、最後は同チームの近谷涼との勝負を制して総合首位を維持した。
橋本118ポイント、近谷112ポイント、孫崎大樹90ポイント、岡本86ポイントで迎えた最終種目のポイントレース。総合首位争いに影響しない5名の逃げを先行させた橋本は、逃げ集団がラップできない(周回遅れにさせない)ようメイン集団のペースをコントロール。橋本自信はポイントを加算出来なったものの、総合上位勢も道連れにしてポイントを取らせず、優勝を決めた。最後のフィニッシュで先着して10ポイントを獲得した岡本が、孫崎を逆転して3位に食い込み、前年チャンピオンの意地を見せた。
橋本英也コメント
「気づけば3年ぶり3回目の優勝。本来なら五輪の年なので、順調に仕上がっていると感じている。人数の多いオムニアムは最初の3種目が重要になってくるので、うまく走ることが出来た。最後のポイントレースは、序盤に出来た4人の逃げをコントロールすることによって有利な展開になると思い、その通りに進めることが出来た。チームブリヂストンサイクリングとしても近谷選手とワン・ツーを獲ることが出来たので、よかったと思う。
リオ五輪には行けなかったけれど、東京五輪の代表に選ばれたことで、リオからのプロセスが間違っていなかったことが証明されたと思う。東京五輪でメダルを獲得することでこのスポーツの魅力を広められたらと思っている」
梶原悠未がさらに勝利を重ねる
女子のスクラッチは、レース終盤にアジアチャンピオンジャージを着る古山稀絵(日本体育大学大学院)の飛び出しを梶原が追走。最終周回のバックストレートで古山を捉えた梶原は一気に加速して後続を引き離し、優勝を決めた。
一方、中村妃智と組んで出場したマディソンでは、序盤こそ交代のタイミングが合わずに他チームにリードを許したものの、ポイント周回に合わせて梶原に交代出来るようにタイミングを修正した後は1位通過を連発して逆転。東京五輪内定チームの力を見せた。
梶原悠未コメント
「スクラッチは逃げが出来る展開とスプリント勝負になる展開を予想していたが、スプリントでまとめるように展開を作り、それがうまくいった。
マディソンは普段の練習で交代の技術を徹底的に強化してきたので、ポイント周回のタイミングを合わせて5点を取りに行くことを目標にレースをした。序盤のタイミングのズレをなんとか修正し、中村妃智さんの力強い交代の勢いを活かしてスプリトで点を取りに行けるようにした。勝ててホッとしている。
明日の個人パーシュートとポイントレースで優勝して全6種目優勝を達成させたい」
中村妃智 コメント
「序盤にタイミングが合わなかった時は冷や汗がとまらないくらいだったけれど、タイミングを合わせられるようになってからは考えていた作戦通りに運ぶことが出来た。交代前の自分の位置取りが影響するので、出来るだけ前にいてスピードを殺さないように交代することを心がけた。
東京五輪はまったく違うレベルのレースになると思うので、交代の技術や位置取りの技術を更に高めていきたい」
この日はパラサイクリングの500mタイムトライアルと1kmタイムトライアルも行われた。
最終日は男女個人パーシュート、男子1kmタイムトライアル、女子500mタイムトライアル、男女ポイントレース 、パラサイクリングのパーシュートが行われる。
H3
全日本選手権トラック 3日目結果
ケイリン 結果
男子 | 女子 | |
---|---|---|
1位 | 深谷知広(ドリームシーカー・レーシングチーム) | 梅川風子(JPCA) |
2位 | 脇本雄太(チームブリヂストンサイクリング) | 小林優香(Dream Seeker Racing Team) |
3位 | 河端朋之(JPC) | 太田りゆ(TEAM BRIDGESTONE Cycling) |
4位 | 新田祐大(ドリームシーカー・レーシングチーム) | 佐藤水菜(JPCA) |
5位 | 中野慎詞(ドリームシーカー・レーシングチーム) | 田中夢菜(日本大学) |
6位 | 松井宏佑(JPCA) |
女子スクラッチ 結果
1位 | 梶原悠未(筑波大学大学院) | 14分9秒46 |
2位 | 内野艶和(ライブガーデンBiciStelle/JIK) | |
3位 | 鈴木奈央(JPCA) | |
4位 | 吉川美穂(ライブガーデンBichiStelle/JIK) | |
5位 | 中村愛花(福井県自転車競技連盟) | |
6位 | 古山稀絵(日本体育大学大学院) |
女子マディソン 結果
1位 | チーム・ケイドリームス3(梶原、中村) | 41p |
2位 | チーム・ケイドリームス4(鈴木、古山) | 34p |
3位 | ライブガーデンBiciStelle/JIK(吉川、内野) | 30p |
4位 | 福井県自転車競技連盟(橋本、中村) | 16p |
男子オムニアム 結果
Sc | Te | El | Po | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) | 38 | 40 | 40 | 118 | |
2位 | 近谷 涼(チームブリヂストンサイクリング) | 36 | 38 | 38 | 112 | |
3位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | 40 | 16 | 30 | 10 | 96 |
4位 | 孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング) | 22 | 32 | 36 | 1 | 91 |
5位 | 兒島直樹(日本大学) | 32 | 36 | 6 | 2 | 76 |
6位 | 渡邉翔太郎(那須ブラーゼン) | 1 | 34 | 32 | 67 |
Sc=スクラッチ、Te=テンポレース、El=エリミネイション、Po=ポイントレース
パラサイクリング500mタイムトライアル 結果
タイム | 係数タイム | ||
---|---|---|---|
1位 | 杉浦佳子(楽天ソシオビジネス) WC3 | 41秒611 | 41秒611 |
2位 | 藤井美穂(楽天ソシオビジネス) WC2 | 48秒975 | 45秒326 |
パラサイクリング1kmタイムトライアル 結果
MC2-3 | タイム | 係数タイム | |
---|---|---|---|
1位 | 川本翔大(大和産業) | 1分17秒060 | 1分14秒101 |
2位 | 藤田征樹(藤建設) | 1分14秒784 | 1分14秒784 |
MC4-5 | |||
1位 | 石井雅史(イナーメ信濃山形) | 1分12秒394 | 1分11秒757 |
2位 | 沼野康仁(usp lab.VC SPLENDOR) | 1分29秒888 | 1分29秒888 |
MB | |||
1位 | 木村和平・倉林巧和(楽天ソシオビジネス) | 1分4秒586 |
text:Satoru Kato
photo:Kensaku SAKAI, Satoru Kato
全日本トラック3日目 ライブ中継
photo:Kensaku SAKAI, Satoru Kato
全日本トラック3日目 ライブ中継
フォトギャラリー
Amazon.co.jp
世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?
朝日新聞出版