フランドルクラシック開幕戦、ブラバンツペイルで世界屈指のクラシックレーサーが激突。攻撃的な走りを見せたジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)を下し、アルカンシエル獲得後初勝利を挙げた。女子レースで献身的なアシストを見せた與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ)は29位。
フランドル地方とワロン地方を繋ぐブラバンツペイル photo:CorVos
ブラバンツペイル2020 コースマップ/プロフィール ベルギー東部のワロン地方を舞台にしたアルデンヌクラシックを終え、戦いの舞台はベルギー西部のフランドル地方へと徐々に移動する。例年と逆のスケジュールで始動するフランドルクラシックの開幕戦、ブラバンツペイル(UCI1.Pro)はフランドル地方とワロン地方を繋ぐ水曜日開催のセミクラシックレース。フランス語では「ラ・フレーシュ・ブラバンソンヌ(ブラバントの矢)」と呼ばれ親しまれる大会だ。
レースの舞台となるのは、ベルギーの首都ブリュッセル南東に広がる丘陵地帯。地理的にはロンドに代表されるフランドルクラシックの開催場所よりもやや東だ。そのため丘陵は比較的緩やかとなり、1箇所を除き激坂と呼ぶような急勾配は登場しないのが特徴。しかしルーヴェンからオーベレルエイセに至る197.2kmコースには24ヶ所の登坂区間が登場し、選手たちの脚を削る。
60回記念の2020年大会には、日曜日にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを戦ったばかりの世界王者ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)や昨年覇者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)といった面々が集結。なおリエージュで3位に入ったツール・ド・フランス覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は一足早くオフシーズンに入っている。
ツール・ド・フランスをリタイア後初レースに挑んだロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル) photo:CorVos
アルカンシエル獲得後2戦目に出場したジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
フランドル地方とワロン地方を繋ぐブラバンツペイル photo:CorVos
逃げグループを牽引するマイケル・ストーラー(オーストラリア、サンウェブ) photo:CorVos
気温14℃、曇天のルーヴェンを出発し、ブレイクしたのはペテルの兄ユライ・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やクレモン・シェヴリエ(フランス、アージェードゥーゼル)を含む5名。8月1日からトレック・セガフレードの研修生として走るマティアス・イェンセン(デンマーク)が追いつき、6名となった逃げグループは最大5分のリードを得て逃げた。
レースが活性化したのは合計4周回する終盤の周回コースに入ってから。「ハーガールト(平均勾配10%)」「ヘルトストラート(平均勾配4%)」「ホルストハイデ(平均勾配5%)」「エイケルダーラーン(平均勾配7%)」「シャヴェイ(平均勾配6%)」「モスケストラート(平均勾配8.9%:残り2周回のみ)」という6つの登坂区間が含まれる23km/1周コースでドゥクーニンク・クイックステップが組織的なペースアップを図り、残り60kmのヘルトストラートでアラフィリップ自ら加速した。
世界王者のアタックにはルーク・ロウ(イギリス)とクフィアトコフスキのイネオス・グレナディアーズコンビらが追従し、時間を置いてファンデルプールも合流。しかし危険な動きをメイン集団が見逃すはずもなく、元々の逃げグループの20秒後ろで再び落ち着きを取り戻した。
続いてメイン集団からはマークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)らが飛び出して先頭グループに合流したものの、大きな波を作ることはできず石畳登坂モスケストラート(平均勾配8.9%、最大勾配17%)で吸収。すると再びカウンターでアラフィリップが攻撃に出た。
最大勾配17%の「モスケストラート」でアタックするファンデルプールとアラフィリップ photo:CorVos
モスケストラートで抜け出したアラフィリップファンデルプール photo:CorVos
石畳スペシャリスト、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)の力を借り、平均580ワットで踏み込んだアラフィリップにはゼッケン1を付けるファンデルプールが追従する。一気に飛び出した世界王者とオランダ王者にはブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼル)とオマル・フライレ(スペイン、アスタナ)、そしてソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン)が追いつき、フィニッシュ前の緩斜面を使ってクフィアトコフスキも合流。世界トップクラスの選手たちが火花を散らした状態で残り1周回突入の鐘が鳴った。
モスケストラートでのアラフィリップの動きで粉砕されたメイン集団だったが、比較的緩やかな登坂区間が続くコースで徐々に人数と勢いを取り戻し、マッテオ・トレンティン(イタリア)をエースに据えるCCCチームらの牽引で逃げる6名を視界に捉えることに成功する。トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル)やアレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ)など次々と選手たちがジャンプしたが、最後のヘルトストラート通過後に三度アラフィリップがアタック。攻撃的な走りを続ける世界王者のセレクションを耐え抜いたのは次の6名だった。
残り14kmで先頭グループを形成した7名
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼル)
ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン)
ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)
アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
2度目の激坂モスケストラートで抜け出したアラフィリップたちがフィニッシュを目指す photo:CorVos
2強に割って入ったブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼル)が牽引 photo:CorVos
しかし7名の協調体制も長くは続かなかった。2度目の激坂モスケストラートで「主導権を握って何度も何度もアタックした」と言うアラフィリップが再び加速し、ファンデルプールとツールで山岳賞を争ったコヌフロワだけが生き残る。3名は追走グループに対して15秒〜20秒の差を維持しながら、そして若干牽制を続けながら残り1.1kmから始まる登坂区間「シャヴェイ」に入った。
後続グループとの差を確認しながら進む先頭3名は登坂区間を抜け、フィニッシュ前の平坦区間へ。「ジュリアンとマチューに対して正直勝ち目は無かったので一番先に仕掛けた」と振り返るコヌフロワのロングスパートで勝負が始まった。
コヌフロワを抜き、ファンデルプールを抑えて進むジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
3人のゴール勝負を制したジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
ファンデルプールはフェンス際を加速するコヌフロワのスリップストリームに入ったものの、隣に並んだアラフィリップとフェンスに挟まれて進路を失ってしまう。ファンデルプールを抑え込むことに成功したアラフィリップは残り50mから再加速し、ラインを変えて追い込むファンデルプールを抑えたままフィニッシュ。昨年2位のアラフィリップが、昨年覇者ファンデルプールに対して、そして日曜日(リエージュ)のリベンジとなる技ありのアルカンシエル着用後1勝目を射止めた。
「日曜日が残念な結果に終わっただけに今回の勝利は価値がある。あの時起きたことを何度か思い返し、ただ純粋にレースを楽しもうという気持ちで今日スタートしたんだ。今日ずっと側で僕を支え、強さを発揮してくれたチームに感謝したい。特にドリス(デヴェナインス)は重要な任務を務め上げてくれた。最終盤は脚が痛んでいたけれど、ベストを尽くした。今回もギリギリの勝負だったが勝てて嬉しいよ。勝てるとは思っていなかったけれど、チャンスを信じ続けて得た勝利だけに最高の気分だ」と語るアラフィリップは、今季ツール第2ステージと世界選に続く3勝目。少々の休息を経て18日開催のロンド・ファン・フラーンデレンに初出場予定だ。
アルカンシエル獲得後初勝利を掴んだジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) photo:CorVos
「これは個人的なミスだった。今日は(悔しくて)眠れないと思う。本当に残念だ」と言うのはアラフィリップに抑え込まれ、2年連続優勝を逃したファンデルプール。オランダ王者もまた11日のヘント〜ウェヴェルヘムを飛び石に、18日のフランドルに参戦予定であり、アラフィリップとの再戦に期待が掛かる。
5年目の女子レース:世界選個人TT5位のブラウンが独走勝利
プレゼンテーションに臨む與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ)ら photo:CorVos
2016年に初開催され(初回覇者はマリアンヌ・フォス)今年で5回目を迎えるブラバンツペイル女子レースは、ブリュッセル東のルウ=サン=ピエールからオーベレルエイセを目指す121.5km。「ハーガールト(平均勾配10%)」「ヘルトストラート(平均勾配4%)」「ホルストハイデ(平均勾配5%)」「エイケルダーラーン(平均勾配7%)」「シャヴェイ(平均勾配6%)」「モスケストラート(平均勾配8.9%:残り1周回のみ)」という6つの登坂区間が含まれる、男子レースと同じ23kmの周回コースを3周するレースだ。
與那嶺恵理とマビ・ガルシア(スペイン)、マルタ・バスティアネッリを揃えたアレ・BTCリュブリャナや、ジロローザでステージ優勝を挙げたベルギー王者ロッテ・コペッキー(ロット・スーダル)が出場。レース前の新型コロナウイルス検査で陽性反応が検出されたCCC・リブがチーム単位で未出走となった。
「シャヴェイ」でアタックするマビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ)とカティア・ラグサ(イタリア、アスタナ) photo:CorVos
メイン集団をコントロールするサンウェブや與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ) photo:CorVos
序盤から主導権を握ったのはサンウェブだった。序盤からアタックを許さないハイスピードで牽引し、ミッチェルトン・スコットやキャニオン・スラム、そしてトレック・セガフレードもこの動きに加担する。すると残り45km地点の登坂区間「シャヴェイ」でカティア・ラグサ(イタリア、アスタナ)とガルシアがアタック。暫く先頭を走った2人だったが、活性化したメイン集団から飛び出した選手たちに捕らえられた。
激しい展開の中、先頭グループにジャンプした與那嶺は献身的にガルシアをフォロー。フィニッシュまで30kmを残してツール・ド・アルデーシュで総合優勝を挙げたローレン・ステフェンス(アメリカ、チームティブコ・SVB)が単独で抜け出したが、残り18kmの「ハーガールト」でグレイス・ブラウン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が追い抜いた。
残り30km地点から独走したローレン・ステフェンス(アメリカ、チームティブコ・SVB) photo:CorVos
欧州レース初勝利を挙げたグレイス・ブラウン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
トロフィーを掲げるグレイス・ブラウン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
ジロローザではアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)のアシストとして走り、世界選手権個人TTで5位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで2位に入ったブラウンが独走。激坂モスケストラートを淡々とクリアしたブラウンの背後ではリアヌ・リッパート(ドイツ)とフローイチェ・マッカイ(オランダ)のサンウェブコンビが追走したが、TTスペシャリストであるブラウンとの差は縮まらない。結果的に残り17kmを独走したブラウンがフィニッシュラインにたどり着いた。
サンウェブの2人は欧州レース初勝利を挙げたブラウンから47秒遅れでフィニッシュし、コペッキー以下メイン集団は1分19秒遅れ。與那嶺はバスティアネッリと共に1分54秒遅れの29位でレースを終えている。以下は本人によるコメント。與那嶺の次戦は日曜日開催のヘント〜ウェヴェルヘムだ。
與那嶺恵理のコメント
「フランダースクラシックが始まりました。石畳、厳しい登り、細い道、荒い路面。これぞクラシックということで、鼻息荒くレースに挑みます。
初戦はマルタ(バスティアネッリ)をエースに組み立てました。天候は晴れ、曇り、風。スタートからドンパチをしながら進むプロトン。位置取りも激しく自分とエースとMaviを連れて行きながら、メインの周回に入るまではとにかく安全に進め、周回コースからは前で展開をしながらレースを進めました。
私は登りもフィーリングも軽く、良い感じ。マビがまずは攻撃して逃げて、追走するのはミッチェルトンとサンウェブ、トレック。石畳の登りごとに集団はセレクションがかかり人数が減ります。エースのマルタの呼吸が荒く、ちょっと苦しそう。心配。
まずはティブコのローレンが攻撃。世界選手権で9位の選手です。良い位置で見ていたのですが、一瞬躊躇して見送りました。そして石畳の登り、ミッチェルトンのグレイスが強烈に攻撃。私は彼女から4番目と良い位置でしたが、ギリギリ粘りたかったのですが強すぎる。行ってしまいました。
あとは追走を回しながら、マルタとマビを連れていき、次の石畳の最も厳しい登り。良い位置取りで突入したのですが、サンウェブが攻撃しながら抜け出す一方マルタとマビはドロップ気味。ここからは私が全力で引き倒すしかないのでやり切ってお仕事終わり。あとはゴールに安全になだれ込みました。うーん。今日は自分のチャンスが欲しかったな。走れていただけにちょっと残念。レース後のミーティングではエース含めて色々と話しをしました。勝ちたいですね」。


レースの舞台となるのは、ベルギーの首都ブリュッセル南東に広がる丘陵地帯。地理的にはロンドに代表されるフランドルクラシックの開催場所よりもやや東だ。そのため丘陵は比較的緩やかとなり、1箇所を除き激坂と呼ぶような急勾配は登場しないのが特徴。しかしルーヴェンからオーベレルエイセに至る197.2kmコースには24ヶ所の登坂区間が登場し、選手たちの脚を削る。
60回記念の2020年大会には、日曜日にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを戦ったばかりの世界王者ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)や昨年覇者マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)といった面々が集結。なおリエージュで3位に入ったツール・ド・フランス覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は一足早くオフシーズンに入っている。




気温14℃、曇天のルーヴェンを出発し、ブレイクしたのはペテルの兄ユライ・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やクレモン・シェヴリエ(フランス、アージェードゥーゼル)を含む5名。8月1日からトレック・セガフレードの研修生として走るマティアス・イェンセン(デンマーク)が追いつき、6名となった逃げグループは最大5分のリードを得て逃げた。
レースが活性化したのは合計4周回する終盤の周回コースに入ってから。「ハーガールト(平均勾配10%)」「ヘルトストラート(平均勾配4%)」「ホルストハイデ(平均勾配5%)」「エイケルダーラーン(平均勾配7%)」「シャヴェイ(平均勾配6%)」「モスケストラート(平均勾配8.9%:残り2周回のみ)」という6つの登坂区間が含まれる23km/1周コースでドゥクーニンク・クイックステップが組織的なペースアップを図り、残り60kmのヘルトストラートでアラフィリップ自ら加速した。
世界王者のアタックにはルーク・ロウ(イギリス)とクフィアトコフスキのイネオス・グレナディアーズコンビらが追従し、時間を置いてファンデルプールも合流。しかし危険な動きをメイン集団が見逃すはずもなく、元々の逃げグループの20秒後ろで再び落ち着きを取り戻した。
続いてメイン集団からはマークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)らが飛び出して先頭グループに合流したものの、大きな波を作ることはできず石畳登坂モスケストラート(平均勾配8.9%、最大勾配17%)で吸収。すると再びカウンターでアラフィリップが攻撃に出た。


石畳スペシャリスト、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)の力を借り、平均580ワットで踏み込んだアラフィリップにはゼッケン1を付けるファンデルプールが追従する。一気に飛び出した世界王者とオランダ王者にはブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼル)とオマル・フライレ(スペイン、アスタナ)、そしてソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン)が追いつき、フィニッシュ前の緩斜面を使ってクフィアトコフスキも合流。世界トップクラスの選手たちが火花を散らした状態で残り1周回突入の鐘が鳴った。
モスケストラートでのアラフィリップの動きで粉砕されたメイン集団だったが、比較的緩やかな登坂区間が続くコースで徐々に人数と勢いを取り戻し、マッテオ・トレンティン(イタリア)をエースに据えるCCCチームらの牽引で逃げる6名を視界に捉えることに成功する。トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル)やアレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ)など次々と選手たちがジャンプしたが、最後のヘルトストラート通過後に三度アラフィリップがアタック。攻撃的な走りを続ける世界王者のセレクションを耐え抜いたのは次の6名だった。
残り14kmで先頭グループを形成した7名
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
ブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼル)
ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン)
ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ)
アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ)


しかし7名の協調体制も長くは続かなかった。2度目の激坂モスケストラートで「主導権を握って何度も何度もアタックした」と言うアラフィリップが再び加速し、ファンデルプールとツールで山岳賞を争ったコヌフロワだけが生き残る。3名は追走グループに対して15秒〜20秒の差を維持しながら、そして若干牽制を続けながら残り1.1kmから始まる登坂区間「シャヴェイ」に入った。
後続グループとの差を確認しながら進む先頭3名は登坂区間を抜け、フィニッシュ前の平坦区間へ。「ジュリアンとマチューに対して正直勝ち目は無かったので一番先に仕掛けた」と振り返るコヌフロワのロングスパートで勝負が始まった。


ファンデルプールはフェンス際を加速するコヌフロワのスリップストリームに入ったものの、隣に並んだアラフィリップとフェンスに挟まれて進路を失ってしまう。ファンデルプールを抑え込むことに成功したアラフィリップは残り50mから再加速し、ラインを変えて追い込むファンデルプールを抑えたままフィニッシュ。昨年2位のアラフィリップが、昨年覇者ファンデルプールに対して、そして日曜日(リエージュ)のリベンジとなる技ありのアルカンシエル着用後1勝目を射止めた。
「日曜日が残念な結果に終わっただけに今回の勝利は価値がある。あの時起きたことを何度か思い返し、ただ純粋にレースを楽しもうという気持ちで今日スタートしたんだ。今日ずっと側で僕を支え、強さを発揮してくれたチームに感謝したい。特にドリス(デヴェナインス)は重要な任務を務め上げてくれた。最終盤は脚が痛んでいたけれど、ベストを尽くした。今回もギリギリの勝負だったが勝てて嬉しいよ。勝てるとは思っていなかったけれど、チャンスを信じ続けて得た勝利だけに最高の気分だ」と語るアラフィリップは、今季ツール第2ステージと世界選に続く3勝目。少々の休息を経て18日開催のロンド・ファン・フラーンデレンに初出場予定だ。

「これは個人的なミスだった。今日は(悔しくて)眠れないと思う。本当に残念だ」と言うのはアラフィリップに抑え込まれ、2年連続優勝を逃したファンデルプール。オランダ王者もまた11日のヘント〜ウェヴェルヘムを飛び石に、18日のフランドルに参戦予定であり、アラフィリップとの再戦に期待が掛かる。
5年目の女子レース:世界選個人TT5位のブラウンが独走勝利

2016年に初開催され(初回覇者はマリアンヌ・フォス)今年で5回目を迎えるブラバンツペイル女子レースは、ブリュッセル東のルウ=サン=ピエールからオーベレルエイセを目指す121.5km。「ハーガールト(平均勾配10%)」「ヘルトストラート(平均勾配4%)」「ホルストハイデ(平均勾配5%)」「エイケルダーラーン(平均勾配7%)」「シャヴェイ(平均勾配6%)」「モスケストラート(平均勾配8.9%:残り1周回のみ)」という6つの登坂区間が含まれる、男子レースと同じ23kmの周回コースを3周するレースだ。
與那嶺恵理とマビ・ガルシア(スペイン)、マルタ・バスティアネッリを揃えたアレ・BTCリュブリャナや、ジロローザでステージ優勝を挙げたベルギー王者ロッテ・コペッキー(ロット・スーダル)が出場。レース前の新型コロナウイルス検査で陽性反応が検出されたCCC・リブがチーム単位で未出走となった。


序盤から主導権を握ったのはサンウェブだった。序盤からアタックを許さないハイスピードで牽引し、ミッチェルトン・スコットやキャニオン・スラム、そしてトレック・セガフレードもこの動きに加担する。すると残り45km地点の登坂区間「シャヴェイ」でカティア・ラグサ(イタリア、アスタナ)とガルシアがアタック。暫く先頭を走った2人だったが、活性化したメイン集団から飛び出した選手たちに捕らえられた。
激しい展開の中、先頭グループにジャンプした與那嶺は献身的にガルシアをフォロー。フィニッシュまで30kmを残してツール・ド・アルデーシュで総合優勝を挙げたローレン・ステフェンス(アメリカ、チームティブコ・SVB)が単独で抜け出したが、残り18kmの「ハーガールト」でグレイス・ブラウン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が追い抜いた。



ジロローザではアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)のアシストとして走り、世界選手権個人TTで5位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで2位に入ったブラウンが独走。激坂モスケストラートを淡々とクリアしたブラウンの背後ではリアヌ・リッパート(ドイツ)とフローイチェ・マッカイ(オランダ)のサンウェブコンビが追走したが、TTスペシャリストであるブラウンとの差は縮まらない。結果的に残り17kmを独走したブラウンがフィニッシュラインにたどり着いた。
サンウェブの2人は欧州レース初勝利を挙げたブラウンから47秒遅れでフィニッシュし、コペッキー以下メイン集団は1分19秒遅れ。與那嶺はバスティアネッリと共に1分54秒遅れの29位でレースを終えている。以下は本人によるコメント。與那嶺の次戦は日曜日開催のヘント〜ウェヴェルヘムだ。
與那嶺恵理のコメント
「フランダースクラシックが始まりました。石畳、厳しい登り、細い道、荒い路面。これぞクラシックということで、鼻息荒くレースに挑みます。
初戦はマルタ(バスティアネッリ)をエースに組み立てました。天候は晴れ、曇り、風。スタートからドンパチをしながら進むプロトン。位置取りも激しく自分とエースとMaviを連れて行きながら、メインの周回に入るまではとにかく安全に進め、周回コースからは前で展開をしながらレースを進めました。
私は登りもフィーリングも軽く、良い感じ。マビがまずは攻撃して逃げて、追走するのはミッチェルトンとサンウェブ、トレック。石畳の登りごとに集団はセレクションがかかり人数が減ります。エースのマルタの呼吸が荒く、ちょっと苦しそう。心配。
まずはティブコのローレンが攻撃。世界選手権で9位の選手です。良い位置で見ていたのですが、一瞬躊躇して見送りました。そして石畳の登り、ミッチェルトンのグレイスが強烈に攻撃。私は彼女から4番目と良い位置でしたが、ギリギリ粘りたかったのですが強すぎる。行ってしまいました。
あとは追走を回しながら、マルタとマビを連れていき、次の石畳の最も厳しい登り。良い位置取りで突入したのですが、サンウェブが攻撃しながら抜け出す一方マルタとマビはドロップ気味。ここからは私が全力で引き倒すしかないのでやり切ってお仕事終わり。あとはゴールに安全になだれ込みました。うーん。今日は自分のチャンスが欲しかったな。走れていただけにちょっと残念。レース後のミーティングではエース含めて色々と話しをしました。勝ちたいですね」。
ブラバンツペイル2020結果
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:36:52 |
2位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | |
3位 | ブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼル) | |
4位 | ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・マクラーレン) | 0:13 |
5位 | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) | |
6位 | ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、イネオス・グレナディアーズ) | |
7位 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
8位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) | |
9位 | アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) |
ブラバンツペイル2020女子レース結果
1位 | グレイス・ブラウン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 3:03:38 |
2位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、サンウェブ) | 0:47 |
3位 | フローイチェ・マッカイ(オランダ、サンウェブ) | 0:51 |
4位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、ロット・スーダル) | 1:19 |
5位 | エミリア・ファーレン(スウェーデン、FDJヌーヴィルアキテーヌ・フュチュロスコープ) | |
6位 | ラサ・レレイヴィテ(リトアニア、アロミィタリア・ヴァイアノ) | |
7位 | マリアジュリア・コンファリニエーリ(イタリア、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
8位 | カティア・ラグサ(イタリア、アスタナ) | |
9位 | マビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ) | |
10位 | ローレン・ステフェンス(アメリカ、チームティブコ・SVB) | |
29位 | 與那嶺恵理(アレ・BTCリュブリャナ) | 1:54 |
text:So.Isobe
photo:CorVos
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