2020/09/22(火) - 15:01
3グレード展開の現行ラインアップとなってから初のフルモデルチェンジを果たしたチャンピオンシステムのサイクルジャージ。Tech、Performance、Apexグレードのウェア計5種と、新登場したエンデュランスビブショーツをテストした。
オーダーサイクルウェアブランドとして国内でも多くのホビーチームに愛用されているチャンピオンシステム。ワールドチームのUAEチームエミレーツのフィードバックを活かした製品開発を行っており、世界トップレースを戦うための優れた性能を持つサイクルジャージを各種展開している。
2017年からはTech、Performance、Apexという3グレード展開とし、予算に合わせて製品を選びやすいラインアップへと進化。そこから3年の開発期間を経て今回初のフルモデルチェンジを果たし、生地の素材やカッティングをアップデートすることで着心地や快適性をさらに強化している。
製品ラインアップは全部で5種類。TechとPerformanceのジャージは1モデルのみという、迷うことなく選択できる単純明快なラインアップだ。トップグレードのApexのみオールラウンドなApex Pro、通気性重視のApex Lite、エアロ性重視のApex Aeroという3モデル展開とし、用途に合わせて選べるよう工夫されている(製品紹介ページはこちら)。
今回これら5着を一気に借り受け旧モデルとも着比べながらテストを行った。筆者は171cm/55kgの細身体型で、サイズは「XS」をチョイスしている。まず、プロライダーたちも実際にレースで使用するApexの3モデルから試着したが、レース用途だと分かるタイトめなフィット感が印象的。ハイスピードで走ってもウェアのバタつきは皆無で、体と一体化しているようなスマートな着心地に仕上がっている。
前作からの大きな変更として腕パネルのカッティングの変更が挙げられる。従来は肩と腕のパネルが繋がったラグランスリーブだったが、今作ではApexグレードのみ腕パネルが独立したセットインスリーブへと変わったのだ。これにより今まで脇に感じていた窮屈感が解消されており、さらに腕部分にシワが寄りにくくなっているようだ。空気抵抗を少しでも減らすよう改良されていることが分かる。
また、3グレード通して腕やサイドパネルに使用されるメッシュ生地も大きく変更された。新しい「オゾンファブリック」は従来よりも目の荒いオープンメッシュにも近い生地となっており、より伸縮性と通気性が増している印象だ。それでいてApex ProやApex Aeroの腕部分は程よい着圧感があり、緩めのメッシュという訳ではなくハリ感のある心地よい着心地に仕上がっていた。
1着ずつ細部を見ていくと、Apex Proジャージはボディの生地がグライドファブリックへと変更され、より体に吸い付くようなフィット感を実現している。旧モデルよりもわずかに生地が厚くなり、"しっかり感"が生まれたことでより引き締まった着心地になったと感じた。それでいてストレッチ性は全く損なわれていないため、息苦しさも皆無で快適に着こなすことができた。
Apex Liteジャージは生地に変更はなく、先に説明した腕のカッティング変更に留まる。通気性と軽量性が抜群のメッシュ生地「アジャイルファブリック」を全面に使っており、明らかに涼しい着心地に仕上がっていた。夏場のライドやヒルクライムレースで使うなら迷わずApex Liteジャージを選択したいところ。ビブストラップが透けるほどの薄さのため、肌を気にするなら背中まで日焼け止めを塗ることをオススメする。
全く新しい「ヴァレーファブリック」をボディ部分に採用したApex Aeroジャージは、昨今多くのウェアメーカーが採用する特殊な溝付き生地が特徴的。エアロ効果を高める生地を広い範囲に使用しており、レースでの勝利やタイム短縮を狙うライダーに最適なウェアに仕上がっている。正直その効果がどの程度あるのかは分からなかったが、いかにも戦闘服といった雰囲気のルックスで気分を高めてくれることは間違いない。
長時間着用したときの快適性という面だけで考えるなら、生地の伸び感が良いLite、Pro、Aeroという順になる。メッシュ生地は体を優しく包んでくれる印象で、反対にエアロを追求した生地は伸縮性にはやや劣る感触だった。オールシーズンで着用すると考えると、やはりApex Proのバランスの良さが際立つだろう。また、Apexシリーズは長めの袖丈や低めの襟など、スタイルが今風で見た目の良さという点でも選びたくなる製品だ。
セカンドグレードのPerformanceジャージは、ボディの生地がより軽く薄く通気性の良いものへアップデートされており、全体的に1段階性能が進化したような印象を受けた。ライド中に風を取り込んでくれる感覚は全モデルの中でもApex Liteジャージの次に良く、タイト過ぎないフィット感も快適性に寄与している。そしてなにより、Apex Aeroジャージと同じ溝付きのヴァレーファブリックを袖部分に使用しており、最新ウェア感のあるルックスも好印象だ。
最後にエントリーグレードのTechジャージだが、胴体部分に余裕のある作りながら、意外と袖部分はピッタリとフィットしてくれる印象でシルエットもスマートに決まる。もちろん、生地のストレッチ性や通気性は上位モデルに比べれば劣るものの、安価にオリジナルジャージを作りたいとなったらこのTechジャージで何の問題もない性能だと感じた。
また、今回ボトムスに合わせた新作のPerformanceエンデュランスビブショーツは、両サイドにメッシュポケットを装備することでショーツにも収納力を持たせた製品。ジャージのバックポケット以外にもストレージを増やしたい、バックポケットのないTシャツなどでグラベルライドを楽しみたいという要求に応えてくれる。
かなり深さのあるポケットのため例えばバナナもすっぽりと入れられるほか、手早く取り出したい補給食の携帯には非常に便利だ。ものが多くなるとさすがにペダリングで揺れる感触はあるが、補給食のゴミなどを簡単に入れておけるため日々のロードトレーニングでも役立つことだろう。単純にポケットが増えるのはありがたく、アドベンチャー用途と限定しないで幅広いシーンで使っていきたいビブショーツに仕上がっている。
オーダーサイクルウェアブランドとして国内でも多くのホビーチームに愛用されているチャンピオンシステム。ワールドチームのUAEチームエミレーツのフィードバックを活かした製品開発を行っており、世界トップレースを戦うための優れた性能を持つサイクルジャージを各種展開している。
2017年からはTech、Performance、Apexという3グレード展開とし、予算に合わせて製品を選びやすいラインアップへと進化。そこから3年の開発期間を経て今回初のフルモデルチェンジを果たし、生地の素材やカッティングをアップデートすることで着心地や快適性をさらに強化している。
製品ラインアップは全部で5種類。TechとPerformanceのジャージは1モデルのみという、迷うことなく選択できる単純明快なラインアップだ。トップグレードのApexのみオールラウンドなApex Pro、通気性重視のApex Lite、エアロ性重視のApex Aeroという3モデル展開とし、用途に合わせて選べるよう工夫されている(製品紹介ページはこちら)。
今回これら5着を一気に借り受け旧モデルとも着比べながらテストを行った。筆者は171cm/55kgの細身体型で、サイズは「XS」をチョイスしている。まず、プロライダーたちも実際にレースで使用するApexの3モデルから試着したが、レース用途だと分かるタイトめなフィット感が印象的。ハイスピードで走ってもウェアのバタつきは皆無で、体と一体化しているようなスマートな着心地に仕上がっている。
前作からの大きな変更として腕パネルのカッティングの変更が挙げられる。従来は肩と腕のパネルが繋がったラグランスリーブだったが、今作ではApexグレードのみ腕パネルが独立したセットインスリーブへと変わったのだ。これにより今まで脇に感じていた窮屈感が解消されており、さらに腕部分にシワが寄りにくくなっているようだ。空気抵抗を少しでも減らすよう改良されていることが分かる。
また、3グレード通して腕やサイドパネルに使用されるメッシュ生地も大きく変更された。新しい「オゾンファブリック」は従来よりも目の荒いオープンメッシュにも近い生地となっており、より伸縮性と通気性が増している印象だ。それでいてApex ProやApex Aeroの腕部分は程よい着圧感があり、緩めのメッシュという訳ではなくハリ感のある心地よい着心地に仕上がっていた。
1着ずつ細部を見ていくと、Apex Proジャージはボディの生地がグライドファブリックへと変更され、より体に吸い付くようなフィット感を実現している。旧モデルよりもわずかに生地が厚くなり、"しっかり感"が生まれたことでより引き締まった着心地になったと感じた。それでいてストレッチ性は全く損なわれていないため、息苦しさも皆無で快適に着こなすことができた。
Apex Liteジャージは生地に変更はなく、先に説明した腕のカッティング変更に留まる。通気性と軽量性が抜群のメッシュ生地「アジャイルファブリック」を全面に使っており、明らかに涼しい着心地に仕上がっていた。夏場のライドやヒルクライムレースで使うなら迷わずApex Liteジャージを選択したいところ。ビブストラップが透けるほどの薄さのため、肌を気にするなら背中まで日焼け止めを塗ることをオススメする。
全く新しい「ヴァレーファブリック」をボディ部分に採用したApex Aeroジャージは、昨今多くのウェアメーカーが採用する特殊な溝付き生地が特徴的。エアロ効果を高める生地を広い範囲に使用しており、レースでの勝利やタイム短縮を狙うライダーに最適なウェアに仕上がっている。正直その効果がどの程度あるのかは分からなかったが、いかにも戦闘服といった雰囲気のルックスで気分を高めてくれることは間違いない。
長時間着用したときの快適性という面だけで考えるなら、生地の伸び感が良いLite、Pro、Aeroという順になる。メッシュ生地は体を優しく包んでくれる印象で、反対にエアロを追求した生地は伸縮性にはやや劣る感触だった。オールシーズンで着用すると考えると、やはりApex Proのバランスの良さが際立つだろう。また、Apexシリーズは長めの袖丈や低めの襟など、スタイルが今風で見た目の良さという点でも選びたくなる製品だ。
セカンドグレードのPerformanceジャージは、ボディの生地がより軽く薄く通気性の良いものへアップデートされており、全体的に1段階性能が進化したような印象を受けた。ライド中に風を取り込んでくれる感覚は全モデルの中でもApex Liteジャージの次に良く、タイト過ぎないフィット感も快適性に寄与している。そしてなにより、Apex Aeroジャージと同じ溝付きのヴァレーファブリックを袖部分に使用しており、最新ウェア感のあるルックスも好印象だ。
最後にエントリーグレードのTechジャージだが、胴体部分に余裕のある作りながら、意外と袖部分はピッタリとフィットしてくれる印象でシルエットもスマートに決まる。もちろん、生地のストレッチ性や通気性は上位モデルに比べれば劣るものの、安価にオリジナルジャージを作りたいとなったらこのTechジャージで何の問題もない性能だと感じた。
また、今回ボトムスに合わせた新作のPerformanceエンデュランスビブショーツは、両サイドにメッシュポケットを装備することでショーツにも収納力を持たせた製品。ジャージのバックポケット以外にもストレージを増やしたい、バックポケットのないTシャツなどでグラベルライドを楽しみたいという要求に応えてくれる。
かなり深さのあるポケットのため例えばバナナもすっぽりと入れられるほか、手早く取り出したい補給食の携帯には非常に便利だ。ものが多くなるとさすがにペダリングで揺れる感触はあるが、補給食のゴミなどを簡単に入れておけるため日々のロードトレーニングでも役立つことだろう。単純にポケットが増えるのはありがたく、アドベンチャー用途と限定しないで幅広いシーンで使っていきたいビブショーツに仕上がっている。
チャンピオンシステム 2020ニューコレクション
Techジャージ | Performanceジャージ | |
---|---|---|
フィット | 男性/女性 | 男性/女性 |
カッティング | レースカット/クラブカット | レースカット/クラブカット |
サイズ | XS~4XL | XS~4XL |
オプション | 袖延長/ハーフカラー | 袖延長/ハーフカラー |
税抜価格 | 半袖7,200円 | 10,900円 |
長袖8,700円 | ||
袖なし7,000円 |
Apex Proジャージ | Apex Liteジャージ | Apex Aeroジャージ | |
---|---|---|---|
フィット | 男性/女性 | 男性/女性 | 男性/女性 |
カッティング | レースカット/クラブカット | レースカット/クラブカット | レースカット/クラブカット |
サイズ | XS~2XL | XS~2XL | XS~2XL |
襟 | ハーフカラー | ハーフカラー | ハーフカラー |
税抜価格 | 15,300円 | 15,300円 | 15,300円 |
Performanceエンデュランスビブショーツ
スタイル:男性用、女性用
サイズ:XS~4XL
オプション:裾延長、グランフォンドパッド(男性のみ)、フォールドオーバーグリッパー(女性のみ)
価格:14,200円(税抜)
impression:Yuto.Murata
photo:Michinari.Takagi
スタイル:男性用、女性用
サイズ:XS~4XL
オプション:裾延長、グランフォンドパッド(男性のみ)、フォールドオーバーグリッパー(女性のみ)
価格:14,200円(税抜)
impression:Yuto.Murata
photo:Michinari.Takagi
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