2020/09/09(水) - 18:24
現在ティレーノ〜アドリアティコに出場中のクリストファー・フルーム(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がインタビューに答え、ツール・ド・フランス第1週目を終えたログリッチ、ポガチャル、ベルナルら優勝候補たちに対する私見を語った。
「正直に言えば、彼の優勢がいつまで続くか疑問に思う。僕たちは彼が、特にグランツールでレース終盤に向け調子を落としていく様を見ているからね」そう語るのは、怪我からの回復が間に合わず、2年連続でツール・ド・フランス選出外に甘んじたクリストファー・フルーム(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)。
イギリス放送局ITVSportsのオンラインインタビューに答えたフルームは、第10ステージ終了時にマイヨジョーヌを着用するプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)について、「ツール・ド・ランや(クリテリウム・ドゥ)ドーフィネの走りはまるで弾丸のようだった。誰も彼を止められず、触ることすらできないように見えた。だがこのツールでは少しだけ人間味のある部分を見せているように思える。つまり誰一人にも負けないようにではなく、クレバーでスマートに、そして多少の慎重さを持って走っているように見える」と分析した。
「3週間を走りきって僕を驚かせるかもしれない。しかし一方で、固唾を飲んでその時(ログリッチが遅れ始める)を待っている自分もいる。ゆっくりとその勢いを失っていく瞬間をね」。
その一方で、いまだ上がりきらない調子を誤魔化しながらも徐々に上向きはじめているのが、現在総合2位につけるエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)だ。フルームは2年連続マイヨジョーヌを狙う若きチームリーダーの様子を「彼は保守的かつスマートに走っているし、まだ大きなアタックは仕掛けていない」と語る。
「彼の昨年のツール・ド・フランスでの走りを見てみると、第1週目の山岳ステージでは良くなかった。レース序盤に総合タイムを失ってさえいた。しかし第3週に入ると彼は素晴らしかった。弾丸のようだった。だから今年も同じようになると期待している。レースが進むにつれ、彼本来の脚が戻ってくる様子を目撃できるだろう」。
そしてこの二人を上回る勢いを見せているのが、山岳コースだった第9ステージのスプリント勝負でログリッチを制し、現在44秒遅れの総合7位につけるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)だ。フルームは次のように分析している。
「信じられないほど素晴らしい走りを見せている。ツールへの準備を完璧に合わせることができたのだろう。そしてツール第一週目は弾むように走っていた。数日前に横風で総合タイムは失ったが、それがなければ現在マイヨジョーヌを着ていたんじゃないかな。フィジカル・コンディションは狙い通りの状態にあるだろう。彼はレースを輝かせているし、まだ21歳でエガンよりも若い。彼は自分が3週間戦えると知っている。現時点では他の総合勢よりも脚がある」。
最後に優勝予想を聞かれたフルームは、言葉に詰まりながらも「ログリッチには(タイム差という)アドバンテージがあるし、他の選手は彼からタイム差を奪わなければならないが、もはや不可能に近いんじゃないかな。彼も総合5位までの選手をマークするだろうし。さらにボーナスタイムを稼ぐかもしれない」と語る。
「ポガチャルは今までにないほどハングリーさが伺える。他の総合勢よりも頭一つ出ている。エガンは現状総合2位につけていて、いまに総合戦線へと戻ってくるだろう。レースが進むにつれどんどん調子を上げてきている。この中から一人を選ぶなんて不可能だ。そんなことできない」明確な答えを渋るフルームはインタビュアーに2度目の優勝予想を請われたあと、「それならば(チームに)忠誠心を見せてエガンにするよ」と、苦笑いと共に答えた。
text:Sotaro.Arakawa
「正直に言えば、彼の優勢がいつまで続くか疑問に思う。僕たちは彼が、特にグランツールでレース終盤に向け調子を落としていく様を見ているからね」そう語るのは、怪我からの回復が間に合わず、2年連続でツール・ド・フランス選出外に甘んじたクリストファー・フルーム(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)。
イギリス放送局ITVSportsのオンラインインタビューに答えたフルームは、第10ステージ終了時にマイヨジョーヌを着用するプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)について、「ツール・ド・ランや(クリテリウム・ドゥ)ドーフィネの走りはまるで弾丸のようだった。誰も彼を止められず、触ることすらできないように見えた。だがこのツールでは少しだけ人間味のある部分を見せているように思える。つまり誰一人にも負けないようにではなく、クレバーでスマートに、そして多少の慎重さを持って走っているように見える」と分析した。
「3週間を走りきって僕を驚かせるかもしれない。しかし一方で、固唾を飲んでその時(ログリッチが遅れ始める)を待っている自分もいる。ゆっくりとその勢いを失っていく瞬間をね」。
その一方で、いまだ上がりきらない調子を誤魔化しながらも徐々に上向きはじめているのが、現在総合2位につけるエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)だ。フルームは2年連続マイヨジョーヌを狙う若きチームリーダーの様子を「彼は保守的かつスマートに走っているし、まだ大きなアタックは仕掛けていない」と語る。
「彼の昨年のツール・ド・フランスでの走りを見てみると、第1週目の山岳ステージでは良くなかった。レース序盤に総合タイムを失ってさえいた。しかし第3週に入ると彼は素晴らしかった。弾丸のようだった。だから今年も同じようになると期待している。レースが進むにつれ、彼本来の脚が戻ってくる様子を目撃できるだろう」。
そしてこの二人を上回る勢いを見せているのが、山岳コースだった第9ステージのスプリント勝負でログリッチを制し、現在44秒遅れの総合7位につけるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)だ。フルームは次のように分析している。
「信じられないほど素晴らしい走りを見せている。ツールへの準備を完璧に合わせることができたのだろう。そしてツール第一週目は弾むように走っていた。数日前に横風で総合タイムは失ったが、それがなければ現在マイヨジョーヌを着ていたんじゃないかな。フィジカル・コンディションは狙い通りの状態にあるだろう。彼はレースを輝かせているし、まだ21歳でエガンよりも若い。彼は自分が3週間戦えると知っている。現時点では他の総合勢よりも脚がある」。
最後に優勝予想を聞かれたフルームは、言葉に詰まりながらも「ログリッチには(タイム差という)アドバンテージがあるし、他の選手は彼からタイム差を奪わなければならないが、もはや不可能に近いんじゃないかな。彼も総合5位までの選手をマークするだろうし。さらにボーナスタイムを稼ぐかもしれない」と語る。
「ポガチャルは今までにないほどハングリーさが伺える。他の総合勢よりも頭一つ出ている。エガンは現状総合2位につけていて、いまに総合戦線へと戻ってくるだろう。レースが進むにつれどんどん調子を上げてきている。この中から一人を選ぶなんて不可能だ。そんなことできない」明確な答えを渋るフルームはインタビュアーに2度目の優勝予想を請われたあと、「それならば(チームに)忠誠心を見せてエガンにするよ」と、苦笑いと共に答えた。
text:Sotaro.Arakawa
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