2020/08/27(木) - 15:03
赤い水玉模様が特徴のマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ(マイヨアポワ)はツール・ド・フランスにおける山岳最強クライマーを示している。合計29カ所のカテゴリー山岳でポイントを量産し、山岳王の栄冠を手にするのはピュアクライマーか、それとも総合争いから脱落したオールラウンダーか?
赤い水玉模様のマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ
他の3賞ジャージが単色であるのに対して、マイヨアポワはホワイトジャージに赤い水玉を配した奇抜なデザインであり、プロトンの中でも判別は容易だ。ジャージスポンサーはフランスの大手スーパーチェーンのルクレール社。
カテゴリーの低い山岳での獲得ポイントが引き下げられているのが近年のツールの傾向であると言える。例えば4級山岳を20回先頭通過するのと、超級山岳1回先頭通過が同じポイント。つまり、マイヨアポワを狙うためには、こつこつと4級山岳でポイントを積み重ねるのではなく、難易度の高いカテゴリー山岳でポイントを稼がなければならない。中級山岳ステージで逃げてポイントを加算するのではなく、アルプスやピレネーの難関山岳でポイントを量産する真のクライマーがマイヨアポワの候補に挙がる。
初代大会ディレクターの名前を冠したアンリ・デグランジュ賞が設定された第17ステージに登場する今大会最高地点の超級山岳メリベル/ラ・ロズ峠では最大40ポイント獲得可能。マイヨジョーヌ候補がステージ優勝を狙うことが予想されるため、必然的に総合上位の選手たちも山岳賞ランキングの上位に絡んでくるだろう。
赤い水玉模様のマイヨブラン・ア・ポワ・ルージュ
他の3賞ジャージが単色であるのに対して、マイヨアポワはホワイトジャージに赤い水玉を配した奇抜なデザインであり、プロトンの中でも判別は容易だ。ジャージスポンサーはフランスの大手スーパーチェーンのルクレール社。
カテゴリーの低い山岳での獲得ポイントが引き下げられているのが近年のツールの傾向であると言える。例えば4級山岳を20回先頭通過するのと、超級山岳1回先頭通過が同じポイント。つまり、マイヨアポワを狙うためには、こつこつと4級山岳でポイントを積み重ねるのではなく、難易度の高いカテゴリー山岳でポイントを稼がなければならない。中級山岳ステージで逃げてポイントを加算するのではなく、アルプスやピレネーの難関山岳でポイントを量産する真のクライマーがマイヨアポワの候補に挙がる。
初代大会ディレクターの名前を冠したアンリ・デグランジュ賞が設定された第17ステージに登場する今大会最高地点の超級山岳メリベル/ラ・ロズ峠では最大40ポイント獲得可能。マイヨジョーヌ候補がステージ優勝を狙うことが予想されるため、必然的に総合上位の選手たちも山岳賞ランキングの上位に絡んでくるだろう。
カテゴリー山岳のポイント配分
ラ・ロズ峠 | 40pts, 30pts, 24pts, 20pts, 16pts, 12pts, 8pts, 4pts |
超級山岳 | 20pts, 15pts, 12pts, 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts |
1級山岳 | 10pts, 8pts, 6pts, 4pts, 2pts, 1pt |
2級山岳 | 5pts, 3pts, 2pts, 1pt |
3級山岳 | 2pts, 1pt |
4級山岳 | 1pt |
ピュアクライマーや逃げ屋が山岳王のタイトルを狙う
マイヨヴェール以上に総合争いが影響するため予想がつきにくいマイヨアポワ争い。登坂力自慢のアシスト選手も、当然チームリーダーのマイヨジョーヌ獲得のために走らなければならない。そして総合争いから脱落したオールラウンダーや、その山岳アシストたちが目標をマイヨアポワにスイッチすることも考えられる。
2019年ツールでは、前半から総合タイムを失ったロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)が後半ステージで山岳ポイントを量産。総合優勝したエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)と8ポイント差でマイヨアポワを獲得した。今年も当然総合成績が最優先だが、状況によっては2年連続山岳賞を狙うことも考えられる。
2018年の受賞者ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)や2017年のワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)も候補の一角。調整不足により総合成績よりもステージ成績にフォーカスするというアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)は山岳賞争いにおけるダークホースだ。
比較的自由な動きが許されると見られるエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)といったピュアクライマーの他、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)といった『逃げ屋』も山岳賞の上位に入ってくるはずだ。
マイヨヴェール以上に総合争いが影響するため予想がつきにくいマイヨアポワ争い。登坂力自慢のアシスト選手も、当然チームリーダーのマイヨジョーヌ獲得のために走らなければならない。そして総合争いから脱落したオールラウンダーや、その山岳アシストたちが目標をマイヨアポワにスイッチすることも考えられる。
2019年ツールでは、前半から総合タイムを失ったロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)が後半ステージで山岳ポイントを量産。総合優勝したエガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス)と8ポイント差でマイヨアポワを獲得した。今年も当然総合成績が最優先だが、状況によっては2年連続山岳賞を狙うことも考えられる。
2018年の受賞者ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)や2017年のワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)も候補の一角。調整不足により総合成績よりもステージ成績にフォーカスするというアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)は山岳賞争いにおけるダークホースだ。
比較的自由な動きが許されると見られるエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)やドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)といったピュアクライマーの他、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)といった『逃げ屋』も山岳賞の上位に入ってくるはずだ。
歴代のマイヨアポワ受賞者
2019年 | ロマン・バルデ(フランス) |
2018年 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス) |
2017年 | ワレン・バルギル(フランス) |
2016年 | ラファウ・マイカ(ポーランド) |
2015年 | クリストファー・フルーム(イギリス) |
2014年 | ラファウ・マイカ(ポーランド) |
2013年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) |
2012年 | トマ・ヴォクレール(フランス) |
2011年 | サムエル・サンチェス(スペイン) |
2010年 | アントニー・シャルトー(フランス) |
2009年 | フランコ・ペッリツォッティ(イタリア)※ドーピング違反により失格 |
2008年 | ベルンハート・コール(オーストリア)※ドーピング違反により失格 |
2007年 | マウリシオ・ソレール(コロンビア) |
2006年 | ミカエル・ラスムッセン(デンマーク) |
2005年 | ミカエル・ラスムッセン(デンマーク) |
2004年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
2003年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
2002年 | ローラン・ジャラベール(フランス) |
2001年 | ローラン・ジャラベール(フランス) |
2000年 | サンティアゴ・ボテーロ(コロンビア) |
1999年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1998年 | クリストフ・リネロ(フランス) |
1997年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1996年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1995年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1994年 | リシャール・ヴィランク(フランス) |
1993年 | トニー・ロミンガー(スイス) |
1992年 | クラウディオ・キャプッチ(イタリア) |
1991年 | クラウディオ・キャプッチ(イタリア) |
1990年 | ティエリー・クラヴェロラ(フランス) |
text:Kei Tsuji in Nice, France
Amazon.co.jp