2010/05/23(日) - 19:59
これがプロコンチネンタルチームのパワー。ゴール前はリーダーのサレルノも列車に加わってクラウディオ・クチノッタ(デローザ・スタックプラスチック)が2勝目となるステージ優勝。デローザはステージ4勝と個人総合優勝でTOJを圧勝で締めくくった。
5月23日(日)、最終日の東京ステージはあいにくの雨。大井埠頭の周回コースを14周する合計112.7kmのフラットコースでレースが行われた。
新橋をパレードスタートした集団は、すぐに本スタートが切られると、その直後からアタックがかかる。1周目に日本選手を中心とした9人の逃げが決まる。その後も10人までのアタックがかかるが、それらは吸収されてしまう。メイン集団先頭はデローザ、カザフ、ジャイコ勢が牽引する。
中盤に今日一番の逃げが決まる。ディーン・ダウニング(ラファコンドル・シャープ)、クリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)、辻善光(宇都宮ブリッツェン)、鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)、向川尚樹(マトリックスパワータグ)の5人だ。
20秒差で追うメイン集団はTEAM NIPPOとチームブリヂストン・アンカーがペースを上げ、その後にはシマノレーシングも加勢する。辻が先頭から離れてからは4人で逃げ続ける。
後続が追い上げて吸収が見えてきたときにクリスチャン・ハウス(ラファ・コンドル・シャープ)がアタックし、単独先行する。
しかしこれらの逃げもラスト周回へ入る前にすべて吸収されてしまう。最終ゴールスプリントに向けて各チームの主導権争いが始まる。
集団一体でのゴールスプリントへ。ゴール300m前は綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)が盛一大(愛三工業レーシングチーム)を連れて先行、その2番手につけていたザッカリ・デンプスター(ラファ・コンドル・シャープ)が次に先頭に立つが、反対側に飛び出したクチノッタがゴール前で伸びて先着。自身このTOJで2勝目となるステージ優勝を挙げた。デローザ・スタックプラスチックにとってはじつにTOJ4勝目だ。
クチノッタに合わせたマイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)が2位、宮澤崇史(チームNIPPO)は3位のデンプスターに届かず4位に。
最終ステージは昨日に続いて、ラファの攻撃的スタイルが会場を沸かせた。さらにここまで思うような結果を出せなかった国内チームが活発に動いた。ブリッツェン、マトリックス、チームブリヂストン・アンカー、愛三工業に加えシマノも動いた。スプリンターで各チームのエース 辻、向川、西谷らは自らも動いて突破口を開く攻撃的な走りを見せた。
決め手は富士山ステージだった
今年のTOJも富士山ステージで差がついた。デローザ・スタックプラスチックの選手個人の圧倒的な力とチームの総合力は、新生チームと言えどさすがUCIプロコンチネンタルチームだ。
カザフスタンもミズロフらが登坂力で総合2位と23歳のシュセモインが3位に。総合4位は驚きのマシューズだ。勝利は堺ステージのTTのみとやや不本意な結果だったが、富士山4位のヒルクライム能力にも目を見張る。この先世界に通用するであろうことを感じさせた選手だ。
6分41秒差で総合11位の西薗良太(大学選抜ジャパン)は、学連選手がプロ選手と互角に渡り合う力を持つことを証明した。チームメイトやスタッフのサポートもあるが、狙いを定めたレースで好結果を出すことは、プロ選手に求められる力の一つ。目標の富士山ステージだけが本人にとって不本意な結果だったが、それでもこの成績は讃えたい。TOJでのこの走りは快挙だったと言っていいだろう。
第7ステージ東京 112.7km 結果
1位 クラウディオ・クチノッタ(デローザ・スタックプラスチック)2時間17分21秒
2位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)
3位 ザッカリ・デンプスター(ラファコンドル・シャープ)
4位 宮澤崇史(チームNIPPO)
5位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
6位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
7位 山本雅道(ブリヂストン・アンカー)
8位 リチャード・ラング(チームジャイコ・スキンズ)
9位 グラハム・ブリッグス(ラファコンドル・シャープ)
10位 鈴木譲(シマノレーシング)
個人総合時間賞
1位 クリスティアーノ・サレルノ(デローザ・スタックプラスチック)16時間08分20秒
2位 アンドレイ・ミズロフ(カザフスタンナショナルチーム)+1分45秒
3位 アレクサンドル・シュセモイン(カザフスタンナショナルチーム)+2分15秒
4位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)+2分39秒
5位 福島晋一(クムサン・ジンセンアジア)+2分59秒
6位 ヴィンツェンツォ・ガロッファロ(チームNIPPO)+3分22秒
7位 佐野淳哉(チームNIPPO)+4分10秒
8位 狩野智也(ブリヂストン・アンカー)+5分20秒
9位 ダレン・ラプソーン(ラファコンドル・シャープ)+5分48秒
10位 ヨン・インホン(ホンコンチャイナチーム)+5分56秒
個人総合ポイント賞
1位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)88ポイント
2位 鈴木真理(シマノレーシング)62ポイント
3位 クラウディオ・クチノッタ(デローザ・スタックプラスチック)56ポイント
個人総合山岳賞
1位 クリスティアーノ・サレルノ(デローザ・スタックプラスチック)37ポイント
2位 アレクサンドル・シュセモイン(カザフスタンナショナルチーム)18ポイント
3位 クリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)14ポイント
団体総合時間賞
1位 カザフスタンナショナルチーム 48時間37分30秒
2位 シマノレーシング +04分27秒
3位 チームNIPPO +06分01秒
photo&text:高木秀彰
5月23日(日)、最終日の東京ステージはあいにくの雨。大井埠頭の周回コースを14周する合計112.7kmのフラットコースでレースが行われた。
新橋をパレードスタートした集団は、すぐに本スタートが切られると、その直後からアタックがかかる。1周目に日本選手を中心とした9人の逃げが決まる。その後も10人までのアタックがかかるが、それらは吸収されてしまう。メイン集団先頭はデローザ、カザフ、ジャイコ勢が牽引する。
中盤に今日一番の逃げが決まる。ディーン・ダウニング(ラファコンドル・シャープ)、クリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)、辻善光(宇都宮ブリッツェン)、鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)、向川尚樹(マトリックスパワータグ)の5人だ。
20秒差で追うメイン集団はTEAM NIPPOとチームブリヂストン・アンカーがペースを上げ、その後にはシマノレーシングも加勢する。辻が先頭から離れてからは4人で逃げ続ける。
後続が追い上げて吸収が見えてきたときにクリスチャン・ハウス(ラファ・コンドル・シャープ)がアタックし、単独先行する。
しかしこれらの逃げもラスト周回へ入る前にすべて吸収されてしまう。最終ゴールスプリントに向けて各チームの主導権争いが始まる。
集団一体でのゴールスプリントへ。ゴール300m前は綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)が盛一大(愛三工業レーシングチーム)を連れて先行、その2番手につけていたザッカリ・デンプスター(ラファ・コンドル・シャープ)が次に先頭に立つが、反対側に飛び出したクチノッタがゴール前で伸びて先着。自身このTOJで2勝目となるステージ優勝を挙げた。デローザ・スタックプラスチックにとってはじつにTOJ4勝目だ。
クチノッタに合わせたマイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)が2位、宮澤崇史(チームNIPPO)は3位のデンプスターに届かず4位に。
最終ステージは昨日に続いて、ラファの攻撃的スタイルが会場を沸かせた。さらにここまで思うような結果を出せなかった国内チームが活発に動いた。ブリッツェン、マトリックス、チームブリヂストン・アンカー、愛三工業に加えシマノも動いた。スプリンターで各チームのエース 辻、向川、西谷らは自らも動いて突破口を開く攻撃的な走りを見せた。
決め手は富士山ステージだった
今年のTOJも富士山ステージで差がついた。デローザ・スタックプラスチックの選手個人の圧倒的な力とチームの総合力は、新生チームと言えどさすがUCIプロコンチネンタルチームだ。
カザフスタンもミズロフらが登坂力で総合2位と23歳のシュセモインが3位に。総合4位は驚きのマシューズだ。勝利は堺ステージのTTのみとやや不本意な結果だったが、富士山4位のヒルクライム能力にも目を見張る。この先世界に通用するであろうことを感じさせた選手だ。
6分41秒差で総合11位の西薗良太(大学選抜ジャパン)は、学連選手がプロ選手と互角に渡り合う力を持つことを証明した。チームメイトやスタッフのサポートもあるが、狙いを定めたレースで好結果を出すことは、プロ選手に求められる力の一つ。目標の富士山ステージだけが本人にとって不本意な結果だったが、それでもこの成績は讃えたい。TOJでのこの走りは快挙だったと言っていいだろう。
第7ステージ東京 112.7km 結果
1位 クラウディオ・クチノッタ(デローザ・スタックプラスチック)2時間17分21秒
2位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)
3位 ザッカリ・デンプスター(ラファコンドル・シャープ)
4位 宮澤崇史(チームNIPPO)
5位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
6位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
7位 山本雅道(ブリヂストン・アンカー)
8位 リチャード・ラング(チームジャイコ・スキンズ)
9位 グラハム・ブリッグス(ラファコンドル・シャープ)
10位 鈴木譲(シマノレーシング)
個人総合時間賞
1位 クリスティアーノ・サレルノ(デローザ・スタックプラスチック)16時間08分20秒
2位 アンドレイ・ミズロフ(カザフスタンナショナルチーム)+1分45秒
3位 アレクサンドル・シュセモイン(カザフスタンナショナルチーム)+2分15秒
4位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)+2分39秒
5位 福島晋一(クムサン・ジンセンアジア)+2分59秒
6位 ヴィンツェンツォ・ガロッファロ(チームNIPPO)+3分22秒
7位 佐野淳哉(チームNIPPO)+4分10秒
8位 狩野智也(ブリヂストン・アンカー)+5分20秒
9位 ダレン・ラプソーン(ラファコンドル・シャープ)+5分48秒
10位 ヨン・インホン(ホンコンチャイナチーム)+5分56秒
個人総合ポイント賞
1位 マイケル・マシューズ(チームジャイコ・スキンズ)88ポイント
2位 鈴木真理(シマノレーシング)62ポイント
3位 クラウディオ・クチノッタ(デローザ・スタックプラスチック)56ポイント
個人総合山岳賞
1位 クリスティアーノ・サレルノ(デローザ・スタックプラスチック)37ポイント
2位 アレクサンドル・シュセモイン(カザフスタンナショナルチーム)18ポイント
3位 クリスチャン・ハウス(ラファコンドル・シャープ)14ポイント
団体総合時間賞
1位 カザフスタンナショナルチーム 48時間37分30秒
2位 シマノレーシング +04分27秒
3位 チームNIPPO +06分01秒
photo&text:高木秀彰
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