2020/08/10(月) - 09:36
ツール・ド・ポローニュ最終日は集団スプリントで決着。ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)が勝利し、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)が危なげなく今季4回目の総合優勝。ドゥクーニンク・クイックステップがファビオ・ヤコブセン(オランダ)に捧げる大きな勝利を挙げた。
ここまで4日間を消化し迎えた最終日。ポーランドの文化や芸術、そして学研の中心都市であるクラクフを目指す188kmで波乱含みのツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)が決着した。序盤に山岳区間が用意されているものの、後半はほぼフラットのスプリンターコース。フィニッシュ予想はほぼ100%集団スプリントだが、果敢に5名が逃げを打った。
前日にリーダージャージを着用しながら落車し、負傷したリチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス)は今後のレーススケジュールを踏まえ大事を取って未出走に。同じ落車で病院送りとなったイアン・スタナード(イギリス、チームイネオス)は肩の脱臼に苦しんでいるという。
この日はチームリーダーを失ったルーク・ロウ(イギリス、チームイネオス)を筆頭に、ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rラモンディアール)、ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ)、ジェームス・フェラン(オーストラリア、チームイネオス)、カスペルキウィック・プリジミスラウ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)がエスケープ。その後アレクシー・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール)とヨス・ファンエムデン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が加わり、牽引力を増やした逃げグループが最大3分差を持って逃げた。
前日に圧巻の50km独走で総合首位に立ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー)率いるドゥクーニンク・クイックステップが逃げグループとのタイム差を2分以下に留め、終盤に入るとイスラエル・スタートアップネイションやボーラ・ハンスグローエ、コフィディスなどスプリンターを抱えるチームが合流。この中で若干19歳、現ジュニア世界王者のクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)も牽引に加わった。
最終盤に1周4kmを3周回、合計12kmを走る市街地サーキットコースに入ると逃げグループは吸収され、60km/hものスピードで急速にフィニッシュまでの距離を減らしていく。各チームがアタックを許さないハイペースを刻みながら残り1kmアーチを通過し、他選手と接触してシューズとペダルが外れたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン)は脱落。好アシストを受けたジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)の加速によって、2020年ポローニュ最後のゴール勝負が始まった。
トップスピードに乗せ切れないストゥイヴェンを抜いたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)が横並びでもがき続けたが、軽快なライン取りで背後から急加速したのはダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)だった。「超高速スプリントだったけれど調子は良かった。タイミングを待って残り100mで仕掛けたんだ」と言うバッレリーニが先着。昨年アスタナから移籍した25歳のスプリンターが、約2年ぶりの勝利を掴んだ。
「様々な感情がわきたったこの1週間を最高の形で締めくくれることができた。初めてのワールドツアー勝利は満足しているけれど、一時困難な時を過ごしたドゥクーニンク・クイックステップというファミリーの一員として、こうして結果に繋げられたことが何よりも嬉しい」とバッレリーニは加えている。
また、危なげなく集団内フィニッシュしたエヴェネプールは、今年ブエルタ・ア・サンフアン、ヴォルタ・アン・アルガルヴェ、そしてシーズン再開後のブエルタ・ア・ブルゴスに続く4度目の総合優勝を達成。エヴェネプールにとってワールドツアーの総合優勝はキャリア初であり、ポローニュが2005年にワールドツアー昇格してから最年少優勝となる。ドゥクーニンク・クイックステップはステージ2連勝と総合優勝を加え、今季勝利数を23にまで伸ばしている。
「僕たちにとって最悪の幕開けだったけど、最良の形でポローニュを終えることができた。3ステージ優勝と総合優勝は素晴らしく、そして何よりファビオが回復しているというニュースが何よりも嬉しい。彼の情報が病院から届いたその瞬間から僕たちのモチベーションにブーストがかかったんだ」と、今期の総合優勝率100%を維持している20歳は未だ大怪我に苦しむチームメイトに思いを馳せている。
「自分のパフォーマンスと結果にはおおよそ満足している」と語るのは、総合2位のヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)。「昨日は取りこぼしてはいけないステージだったけれど、ただ一人があまりにも速かった。ただそれも含めて初参加のポローニュは素晴らしいレースだったし、勝てるステージこそ多くはなかったものの良いトレーニングになった」。
エヴェネプールとフルサンは共に今週末に控えるイル・ロンバルディアに出場し、総合3位のサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)はジロ・デ・イタリアに向かう予定だ。
ここまで4日間を消化し迎えた最終日。ポーランドの文化や芸術、そして学研の中心都市であるクラクフを目指す188kmで波乱含みのツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)が決着した。序盤に山岳区間が用意されているものの、後半はほぼフラットのスプリンターコース。フィニッシュ予想はほぼ100%集団スプリントだが、果敢に5名が逃げを打った。
前日にリーダージャージを着用しながら落車し、負傷したリチャル・カラパス(エクアドル、チームイネオス)は今後のレーススケジュールを踏まえ大事を取って未出走に。同じ落車で病院送りとなったイアン・スタナード(イギリス、チームイネオス)は肩の脱臼に苦しんでいるという。
この日はチームリーダーを失ったルーク・ロウ(イギリス、チームイネオス)を筆頭に、ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rラモンディアール)、ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ)、ジェームス・フェラン(オーストラリア、チームイネオス)、カスペルキウィック・プリジミスラウ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)がエスケープ。その後アレクシー・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール)とヨス・ファンエムデン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が加わり、牽引力を増やした逃げグループが最大3分差を持って逃げた。
前日に圧巻の50km独走で総合首位に立ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー)率いるドゥクーニンク・クイックステップが逃げグループとのタイム差を2分以下に留め、終盤に入るとイスラエル・スタートアップネイションやボーラ・ハンスグローエ、コフィディスなどスプリンターを抱えるチームが合流。この中で若干19歳、現ジュニア世界王者のクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)も牽引に加わった。
最終盤に1周4kmを3周回、合計12kmを走る市街地サーキットコースに入ると逃げグループは吸収され、60km/hものスピードで急速にフィニッシュまでの距離を減らしていく。各チームがアタックを許さないハイペースを刻みながら残り1kmアーチを通過し、他選手と接触してシューズとペダルが外れたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、バーレーン・マクラーレン)は脱落。好アシストを受けたジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)の加速によって、2020年ポローニュ最後のゴール勝負が始まった。
トップスピードに乗せ切れないストゥイヴェンを抜いたパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)とジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)が横並びでもがき続けたが、軽快なライン取りで背後から急加速したのはダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)だった。「超高速スプリントだったけれど調子は良かった。タイミングを待って残り100mで仕掛けたんだ」と言うバッレリーニが先着。昨年アスタナから移籍した25歳のスプリンターが、約2年ぶりの勝利を掴んだ。
「様々な感情がわきたったこの1週間を最高の形で締めくくれることができた。初めてのワールドツアー勝利は満足しているけれど、一時困難な時を過ごしたドゥクーニンク・クイックステップというファミリーの一員として、こうして結果に繋げられたことが何よりも嬉しい」とバッレリーニは加えている。
また、危なげなく集団内フィニッシュしたエヴェネプールは、今年ブエルタ・ア・サンフアン、ヴォルタ・アン・アルガルヴェ、そしてシーズン再開後のブエルタ・ア・ブルゴスに続く4度目の総合優勝を達成。エヴェネプールにとってワールドツアーの総合優勝はキャリア初であり、ポローニュが2005年にワールドツアー昇格してから最年少優勝となる。ドゥクーニンク・クイックステップはステージ2連勝と総合優勝を加え、今季勝利数を23にまで伸ばしている。
「僕たちにとって最悪の幕開けだったけど、最良の形でポローニュを終えることができた。3ステージ優勝と総合優勝は素晴らしく、そして何よりファビオが回復しているというニュースが何よりも嬉しい。彼の情報が病院から届いたその瞬間から僕たちのモチベーションにブーストがかかったんだ」と、今期の総合優勝率100%を維持している20歳は未だ大怪我に苦しむチームメイトに思いを馳せている。
「自分のパフォーマンスと結果にはおおよそ満足している」と語るのは、総合2位のヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ)。「昨日は取りこぼしてはいけないステージだったけれど、ただ一人があまりにも速かった。ただそれも含めて初参加のポローニュは素晴らしいレースだったし、勝てるステージこそ多くはなかったものの良いトレーニングになった」。
エヴェネプールとフルサンは共に今週末に控えるイル・ロンバルディアに出場し、総合3位のサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)はジロ・デ・イタリアに向かう予定だ。
ツール・ド・ポローニュ2020 第5ステージ結果
1位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:31:22 |
2位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
3位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、サンウェブ) | |
4位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、NTTプロサイクリング) | |
5位 | ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | |
7位 | ホアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・マクラーレン) | |
9位 | シュモン・サイノク(ポーランド、CCCチーム) | |
10位 | アルベルト・トーレス(スペイン、モビスター) |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 21:29:58 |
2位 | ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ) | 1:52 |
3位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 2:28 |
4位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 2:32 |
5位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 3:09 |
6位 | カミル・マウェツキ(ポーランド、CCCチーム) | 3:12 |
7位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 3:15 |
8位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィズマ) | 3:18 |
9位 | ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) | |
10位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | 3:19 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット) |
山岳賞 | パトリック・ストーツ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム) |
チーム総合成績 | ミッチェルトン・スコット |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp