2020/05/08(金) - 15:03
ユンボ・ヴィスマに加入したトム・デュムラン(オランダ)がオランダ紙のインタビューに答え、8年間所属したサンウェブを離れた理由をシモン・ゲシュケとローレンス・テンダムの退団が大きく影響したと話した。
2017年ジロ・デ・イタリア王者のトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)はオランダAD紙のロングインタビューに答え、チームを移籍した理由や現在のトレーニング、そしてプライベートにも言及した。
2021年末まで契約を残していたにも関わらずサンウェブを退団した理由について「シモン・ゲシュケとローレンス・テンダムがチームを去ったことが個人的にはとても大きかった。彼らは(チームに)多くの経験と知恵をもたらし、上りで一番のアシストだった」と答えた。
ゲシュケとテンダムはともに2018年末にチームを離れ、CCCチームに移籍。それを同年のツール後に聞かされたショックが、長らく過ごしたチームに対する見方を変えてしまったのだと話す。「それ(2人の移籍)について私との話し合いがなかったんだ。それが選手である自分の役割ではないかもしれないが、理解に苦しんだ。」
失意のなかデュムランは、2019年ジロ・デ・イタリアで二度目のマリアローザを狙うも第4ステージで落車し膝を痛めリタイア。その後マイヨジョーヌへ目標を切り替え挑んだ前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネも途中棄権し、現在まで長期離脱を強いられている。
しかしデュムランは2020年、ユンボ・ヴィスマと3年契約を結び再びオランダ籍のチームに戻ってきた。その理由を「1年を通して自分が唯一のリーダーではない、お山の大将にならないチームに行きたかった」と語る。
「ステフェン・クライスヴァイクとプリモシュ・ログリッチ、そして僕の全員がツールで勝ちたいと思っている。もしチームメイトが僕より優れているならば、受け入れなければならない。(その時は)より優れている選手のカードを引くだけだ。」
まるでレアル・マドリーに来た気分だとチームを絶賛するデュムランは、新型コロナウイルスの影響下のなか自宅でトレーニングを積んでいる。
先日、ツール・ド・スイスの代替レースとして開催されたデジタル・スイス5を「現実のレースからかけ離れている」と批判して注目を集めたが、このインタビューでは、フルームなど多くのトッププロたちがトレーニングのログを残すStravaについて「自分がどう準備するかを人に見せたくない」と噛み付いた。
「トップスポーツとは他(の選手)よりも優位に立つこと。いつ高強度のトレーニングをし、いつ休むかを完成させるためには何年もかかる。レースに勝つとは解くのがとても難しいパズルなんだ。僕が何年も積み重ねてきた経験を、一体なぜ世界に共有しないといけないんだい。」
診療心理士である妻が今年1月から看護師としてパンデミックの最前線に立っていると明かしたデュムランは、現在の状況について「半分無職になった気分だ。トレーニングはしているが追い込んではいない。何を目標にすればいいかわからないからね。コンディションは保っているが、疲れすぎて全てに過敏にならいよう抑えている」と話した。
「サイクリストという自覚は保てている。これがこの1年で得られたポジティブ思考なんだ。」
時折ナイーブさをあらわにするオランダ人は、タレント揃いの新天地で、あと一歩届かなかったマイヨジョーヌを狙う。
text:Sotaro.Arakawa
2017年ジロ・デ・イタリア王者のトム・デュムラン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)はオランダAD紙のロングインタビューに答え、チームを移籍した理由や現在のトレーニング、そしてプライベートにも言及した。
2021年末まで契約を残していたにも関わらずサンウェブを退団した理由について「シモン・ゲシュケとローレンス・テンダムがチームを去ったことが個人的にはとても大きかった。彼らは(チームに)多くの経験と知恵をもたらし、上りで一番のアシストだった」と答えた。
ゲシュケとテンダムはともに2018年末にチームを離れ、CCCチームに移籍。それを同年のツール後に聞かされたショックが、長らく過ごしたチームに対する見方を変えてしまったのだと話す。「それ(2人の移籍)について私との話し合いがなかったんだ。それが選手である自分の役割ではないかもしれないが、理解に苦しんだ。」
失意のなかデュムランは、2019年ジロ・デ・イタリアで二度目のマリアローザを狙うも第4ステージで落車し膝を痛めリタイア。その後マイヨジョーヌへ目標を切り替え挑んだ前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネも途中棄権し、現在まで長期離脱を強いられている。
しかしデュムランは2020年、ユンボ・ヴィスマと3年契約を結び再びオランダ籍のチームに戻ってきた。その理由を「1年を通して自分が唯一のリーダーではない、お山の大将にならないチームに行きたかった」と語る。
「ステフェン・クライスヴァイクとプリモシュ・ログリッチ、そして僕の全員がツールで勝ちたいと思っている。もしチームメイトが僕より優れているならば、受け入れなければならない。(その時は)より優れている選手のカードを引くだけだ。」
まるでレアル・マドリーに来た気分だとチームを絶賛するデュムランは、新型コロナウイルスの影響下のなか自宅でトレーニングを積んでいる。
先日、ツール・ド・スイスの代替レースとして開催されたデジタル・スイス5を「現実のレースからかけ離れている」と批判して注目を集めたが、このインタビューでは、フルームなど多くのトッププロたちがトレーニングのログを残すStravaについて「自分がどう準備するかを人に見せたくない」と噛み付いた。
「トップスポーツとは他(の選手)よりも優位に立つこと。いつ高強度のトレーニングをし、いつ休むかを完成させるためには何年もかかる。レースに勝つとは解くのがとても難しいパズルなんだ。僕が何年も積み重ねてきた経験を、一体なぜ世界に共有しないといけないんだい。」
診療心理士である妻が今年1月から看護師としてパンデミックの最前線に立っていると明かしたデュムランは、現在の状況について「半分無職になった気分だ。トレーニングはしているが追い込んではいない。何を目標にすればいいかわからないからね。コンディションは保っているが、疲れすぎて全てに過敏にならいよう抑えている」と話した。
「サイクリストという自覚は保てている。これがこの1年で得られたポジティブ思考なんだ。」
時折ナイーブさをあらわにするオランダ人は、タレント揃いの新天地で、あと一歩届かなかったマイヨジョーヌを狙う。
text:Sotaro.Arakawa
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