2020/04/06(月) - 14:08
今春から発売が開始されるカブトの新型フラッグシップヘルメット「IZANAGI(イザナギ)」をテスト。緻密に設計されたエアフローによる優れた通気性と、きめ細かな調整機構がもたらす極上のフィット感を持ったオールラウンドモデルに仕上がっている。
カブト IZANAGI(メタリックレッド) photo:So.Isobe
昨年11月のサイクルモードでお披露目され発売が待たれていたカブトの完全新作「IZANAGI(イザナギ)」。今夏開催予定だった東京オリンピックに向けて開発されたモデルであり、日本の高温多湿な環境でも頭部を涼しく保ち、高いパフォーマンスを長時間維持できるようカブトの技術の粋を集め生み出されたフラッグシップヘルメットだ(細かなテクノロジー等はこちらの製品記事を参照)。
冷感のZENARD-EX、軽量のFLAIR、空力のAERO-R1という、各要素に特化した既存ラインアップの特長を全てミックスし、最高の性能を追求した今作。全体的に丸みを帯びた流線型の形状、テールを切り落としたようなセミエアロシェイプ、空気の導入口を多数確保したベンチレーションデザイン、剛性強化のため開口部に渡されたブリッジ、カブトらしさを体現したエッジの立ったシェルなど、まさに先に挙げた3つのモデルを融合させたかのようなルックスが特徴的だ。
被った瞬間に収まりの良さを感じるカブトらしいフィット感
今回、編集部に届いたのはS/Mサイズ。普段カスクやMETのMサイズを被っている筆者でジャストフィット、カスクのSサイズを愛用する編集部員だとわずかに余裕があるようだが、クロージャーの調整範囲がかなり広いためあえてワンサイズ小さくする必要もなさそうだ。
横幅を確保した丸型の帽体形状で、被った瞬間に収まりの良さを感じるカブトらしいフィット感はIZANAGIでも健在。頭を入れる部分の空間が球体状に広く取られており、ハチが当たって被れないという心配もない。頭頂部を浮かせるフローティング構造のためかAERO-R1よりは若干浅めに感じたが、それでも十分深い被り心地で頭部が守られている安心感は強い。
Y字を描いてシェルを補強する側頭部のレインフォースメント・ブリッジ
Boaフィットシステムのワイヤーは掛ける前後位置を2箇所から選択でき締め付け感を調整できる
アジャスターは上下8段階に位置変更できる
フレーム入りのインナーパッドが頭部から帽体を浮かす役割を果たし空気の通りを良くしている
何度も被ってみて感じるのは、新開発された「KBF-2アジャスター」の秀逸さ。つまみやすい大きなダイヤル、チチチッと小気味よく細かくノッチを刻んでくれる確実な操作感はどのシステムよりも使いやすいと感じる。上下8段階に高さを変えられるとともに、後頭部のサポートパーツも幅を2段階で切り替えできる画期的な機構も備えており、必ずや好みのアジャスト位置を見つけることができるだろう。
その中で特に良かったのが、Boaフィットシステムのワイヤーによる包み込むようなフィット感だ。大抵のクロージャーシステムは前後のみに締め付けるものだが、このKBF-2アジャスターではこめかみ辺りからワイヤーが伸びており、ダイヤルを締めていくと横方向にも押さえつけてくれるような感覚がある。
頭を入れた時に感じたサイドの余白をこのアジャスターが埋めることで、全方位に包まれているようなフィット感を生み出してくれる。加えて、細く柔軟にフィットしてくれるワイヤーは締め込んだ時の存在感も薄く、不快感のない快適な被り心地に貢献している。
頭部の周りを風が駆け抜けていくような高い通気性が好印象
実際に走ってみると、やはりこのヘルメットが狙う高いクーリング性能は非常に好印象。帽体が頭から浮いたフローティング構造と、レインフォースメント・ブリッジが可能とした大口の開口部によって、頭部の周りを空気が駆け抜けていくような抜群の通気性を体感できた。
特に空気が流れる空間が確保された頭頂部、側頭部、額の3箇所は明らかに風が入り込んでくる感覚が強く、速度域や体勢に関係なく高い排熱性能を享受することができる。ただ単に開口部が多いだけではなく、きちんと空気の入口と出口を設けることで実現できた冷感性能なのだろう。"風を取り込んで流す"というコンセプトのとおり、低速域よりはレースシーンのような、より多くの空気が流入してくるハイスピード域でその効果を強く感じられた。
新開発のKBF-2アジャスターが極上のフィット感に貢献している
アイウェアも差し込みやすい開口部デザインだ
フラッグシップらしい軽さに重心バランスの良さも加わり、長時間でもストレスのない着用感も素晴らしい。フロントの開口部へアイウェアも差し込みやすく、細かな部分まで配慮が行き届いている。販売品には3種類のインナーパッドと、汗を吸収するウルトラスウェットパッド、アイウェアを保持するノンスリップラバーが付属するという豪華なパッケージも嬉しい点だ。
フラッグシップモデルだけにあって3万円台という高額なプライスタグを掲げるものの、使ってみればフィット感と通気性の良さに誰もが満足するはず。カブトの頂点に君臨する究極のヘルメット、ぜひ手にとってみて欲しい。
※市販品とは異なるテスト用サンプルのため、誤解を招かないよう重量の表記は削除しました。
カブト IZANAGI
サイズ:XS/S、S/M、L
カラー:ホワイト、メタリックレッド、メタリックブルー、グリッターグリーン、マットブラック、グレーイエロー
標準装備:ノーマルインナーパッドセット
同梱:A.Iネット、Winterインナーパッド、ウルトラスウェットパッド-03、ノンスリップラバー
価格:33,000円(税抜)
impression:Michinari.Takagi,Yuto.Murata
photo:So.Isobe
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昨年11月のサイクルモードでお披露目され発売が待たれていたカブトの完全新作「IZANAGI(イザナギ)」。今夏開催予定だった東京オリンピックに向けて開発されたモデルであり、日本の高温多湿な環境でも頭部を涼しく保ち、高いパフォーマンスを長時間維持できるようカブトの技術の粋を集め生み出されたフラッグシップヘルメットだ(細かなテクノロジー等はこちらの製品記事を参照)。
冷感のZENARD-EX、軽量のFLAIR、空力のAERO-R1という、各要素に特化した既存ラインアップの特長を全てミックスし、最高の性能を追求した今作。全体的に丸みを帯びた流線型の形状、テールを切り落としたようなセミエアロシェイプ、空気の導入口を多数確保したベンチレーションデザイン、剛性強化のため開口部に渡されたブリッジ、カブトらしさを体現したエッジの立ったシェルなど、まさに先に挙げた3つのモデルを融合させたかのようなルックスが特徴的だ。
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今回、編集部に届いたのはS/Mサイズ。普段カスクやMETのMサイズを被っている筆者でジャストフィット、カスクのSサイズを愛用する編集部員だとわずかに余裕があるようだが、クロージャーの調整範囲がかなり広いためあえてワンサイズ小さくする必要もなさそうだ。
横幅を確保した丸型の帽体形状で、被った瞬間に収まりの良さを感じるカブトらしいフィット感はIZANAGIでも健在。頭を入れる部分の空間が球体状に広く取られており、ハチが当たって被れないという心配もない。頭頂部を浮かせるフローティング構造のためかAERO-R1よりは若干浅めに感じたが、それでも十分深い被り心地で頭部が守られている安心感は強い。
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何度も被ってみて感じるのは、新開発された「KBF-2アジャスター」の秀逸さ。つまみやすい大きなダイヤル、チチチッと小気味よく細かくノッチを刻んでくれる確実な操作感はどのシステムよりも使いやすいと感じる。上下8段階に高さを変えられるとともに、後頭部のサポートパーツも幅を2段階で切り替えできる画期的な機構も備えており、必ずや好みのアジャスト位置を見つけることができるだろう。
その中で特に良かったのが、Boaフィットシステムのワイヤーによる包み込むようなフィット感だ。大抵のクロージャーシステムは前後のみに締め付けるものだが、このKBF-2アジャスターではこめかみ辺りからワイヤーが伸びており、ダイヤルを締めていくと横方向にも押さえつけてくれるような感覚がある。
頭を入れた時に感じたサイドの余白をこのアジャスターが埋めることで、全方位に包まれているようなフィット感を生み出してくれる。加えて、細く柔軟にフィットしてくれるワイヤーは締め込んだ時の存在感も薄く、不快感のない快適な被り心地に貢献している。
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実際に走ってみると、やはりこのヘルメットが狙う高いクーリング性能は非常に好印象。帽体が頭から浮いたフローティング構造と、レインフォースメント・ブリッジが可能とした大口の開口部によって、頭部の周りを空気が駆け抜けていくような抜群の通気性を体感できた。
特に空気が流れる空間が確保された頭頂部、側頭部、額の3箇所は明らかに風が入り込んでくる感覚が強く、速度域や体勢に関係なく高い排熱性能を享受することができる。ただ単に開口部が多いだけではなく、きちんと空気の入口と出口を設けることで実現できた冷感性能なのだろう。"風を取り込んで流す"というコンセプトのとおり、低速域よりはレースシーンのような、より多くの空気が流入してくるハイスピード域でその効果を強く感じられた。
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フラッグシップらしい軽さに重心バランスの良さも加わり、長時間でもストレスのない着用感も素晴らしい。フロントの開口部へアイウェアも差し込みやすく、細かな部分まで配慮が行き届いている。販売品には3種類のインナーパッドと、汗を吸収するウルトラスウェットパッド、アイウェアを保持するノンスリップラバーが付属するという豪華なパッケージも嬉しい点だ。
フラッグシップモデルだけにあって3万円台という高額なプライスタグを掲げるものの、使ってみればフィット感と通気性の良さに誰もが満足するはず。カブトの頂点に君臨する究極のヘルメット、ぜひ手にとってみて欲しい。
※市販品とは異なるテスト用サンプルのため、誤解を招かないよう重量の表記は削除しました。
カブト IZANAGI
サイズ:XS/S、S/M、L
カラー:ホワイト、メタリックレッド、メタリックブルー、グリッターグリーン、マットブラック、グレーイエロー
標準装備:ノーマルインナーパッドセット
同梱:A.Iネット、Winterインナーパッド、ウルトラスウェットパッド-03、ノンスリップラバー
価格:33,000円(税抜)
impression:Michinari.Takagi,Yuto.Murata
photo:So.Isobe
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