2020/02/27(木) - 10:45
ドバイの街中にフィニッシュするUAEツアー第4ステージで、トップスプリンターひしめく混戦の中から抜け出したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が勝利。スプリントのトップスピードは72.5km/hに達した。
ドバイ市内のザビールパークをスタートし、幹線道路を走って市内と郊外を行き来しながらドバイシティウォークを目指す173kmの平坦コースで行われたUAEツアー第4ステージ。2つのジュベルハフィート山頂フィニッシュに挟まれたこのステージは、世界一の高さ(828m)を誇るブルジュハリファのすぐ近くでフィニッシュを迎える。
前日に山岳決戦を終え、翌日に山岳決戦を控えたこの日、プロトンから中間スプリント賞のヴェリコ・ストイニッツ(セルビア、ヴィーニザブKTM)とウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)が逃げ出した。連日逃げるプロ1年目の21歳ストイニッツは2つの中間スプリントでさらにポイントを稼いで同賞1位を確固たるものにしている。
追いかけるメイン集団の中では総合上位陣が中間スプリント3番手通過を狙ってスプリント。総合3位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を下した総合9位ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)がボーナスタイム1秒獲得により総合6位に浮上している。ちょうどレース中盤、フィニッシュまで90kmを残してカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)とパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)という今大会のステージ優勝達成者が落車したが、両者ともにレースに復帰した。
やがて先頭で独走状態となったクラークが1分リードを維持したまま残り30km。ドゥクーニンク・クイックステップやユンボ・ヴィスマ、バーレーン・マクラーレン率いるメイン集団は容赦なく残り7km地点でクラークを飲み込んだ。
隊列を組んで向かい風の中を先頭で進んだドゥクーニンク・クイックステップだったが、残り1kmを切ってから先頭に立ったのはミッチェルトン・スコット。オーストラリアチームは残り500mの最終コーナーを先頭で抜け、そのままルカ・メズゲッツ(スロベニア)が21歳の新鋭カーデン・グローブス(オーストラリア)をリードアウト。しかし最終ストレートでドゥクーニンク・クイックステップが先頭を奪い返した。
ミケル・モルコフ(デンマークチャンピオン)とシェーン・アーチボルド(ニュージーランドチャンピオン)にリードアウトされたサム・ベネット(アイルランドチャンピオン)が飛び出すタイミングを伺い、その後ろにフルーネウェーヘンとアッカーマン、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が続く。残り150mでスプリントを開始したベネットにフルーネウェーヘンが勝負を挑んだ。
もがき切れずにシッティングに切り替えたベネットに対し、力強いスプリントで加速し続けたフルーネウェーヘンが先頭に立ち、ハイケイデンスで迫るガビリアを封じてフィニッシュ。8秒間にわたって平均1,300W、最大1,520Wを出力し、最高速72.5km/hでフィニッシュラインを駆け抜けたフルーネウェーヘンが表情を変えずにハンドルから両手を離し、胸元のジャージロゴを指差してアピールした。
2019年にベネット(13勝)、アッカーマン(13勝)、ログリッチ(13勝)、アラフィリップ(12勝)、ヴィヴィアーニ(11勝)、ファンデルプール(11勝)を退けてシーズン15勝という世界最多勝を飾ったフルーネウェーヘンが今シーズン3勝目。今大会第1ステージは4位に甘んじていた。
「第1ステージよりもずっと上手くスプリントに持ち込めた。チームメイトの力を借りて抜群のポジションをキープした状態で最終コーナーを抜けたことが勝利につながった。トップスプリンターが集うこの大会での勝利は格別だ」と、アムステルダム生まれのスプリンターは語る。
フルーネウェーヘンは過去3年間ツール・ド・フランスに出場してステージ通算4勝。2020年はイタリア寄りのレースプログラムを組んでいる。「今シーズンの目標は可能な限り多くのレースで勝つこと。初出場予定のジロ・デ・イタリアでもステージ優勝を重ねたい」。翌日に再び登場するジュベルハフィート山頂フィニッシュを挟んで、第6ステージと第7ステージは再びスプリンター向きの平坦コースが用意されている。
ドバイ市内のザビールパークをスタートし、幹線道路を走って市内と郊外を行き来しながらドバイシティウォークを目指す173kmの平坦コースで行われたUAEツアー第4ステージ。2つのジュベルハフィート山頂フィニッシュに挟まれたこのステージは、世界一の高さ(828m)を誇るブルジュハリファのすぐ近くでフィニッシュを迎える。
前日に山岳決戦を終え、翌日に山岳決戦を控えたこの日、プロトンから中間スプリント賞のヴェリコ・ストイニッツ(セルビア、ヴィーニザブKTM)とウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)が逃げ出した。連日逃げるプロ1年目の21歳ストイニッツは2つの中間スプリントでさらにポイントを稼いで同賞1位を確固たるものにしている。
追いかけるメイン集団の中では総合上位陣が中間スプリント3番手通過を狙ってスプリント。総合3位アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を下した総合9位ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス)がボーナスタイム1秒獲得により総合6位に浮上している。ちょうどレース中盤、フィニッシュまで90kmを残してカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)とパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)という今大会のステージ優勝達成者が落車したが、両者ともにレースに復帰した。
やがて先頭で独走状態となったクラークが1分リードを維持したまま残り30km。ドゥクーニンク・クイックステップやユンボ・ヴィスマ、バーレーン・マクラーレン率いるメイン集団は容赦なく残り7km地点でクラークを飲み込んだ。
隊列を組んで向かい風の中を先頭で進んだドゥクーニンク・クイックステップだったが、残り1kmを切ってから先頭に立ったのはミッチェルトン・スコット。オーストラリアチームは残り500mの最終コーナーを先頭で抜け、そのままルカ・メズゲッツ(スロベニア)が21歳の新鋭カーデン・グローブス(オーストラリア)をリードアウト。しかし最終ストレートでドゥクーニンク・クイックステップが先頭を奪い返した。
ミケル・モルコフ(デンマークチャンピオン)とシェーン・アーチボルド(ニュージーランドチャンピオン)にリードアウトされたサム・ベネット(アイルランドチャンピオン)が飛び出すタイミングを伺い、その後ろにフルーネウェーヘンとアッカーマン、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が続く。残り150mでスプリントを開始したベネットにフルーネウェーヘンが勝負を挑んだ。
もがき切れずにシッティングに切り替えたベネットに対し、力強いスプリントで加速し続けたフルーネウェーヘンが先頭に立ち、ハイケイデンスで迫るガビリアを封じてフィニッシュ。8秒間にわたって平均1,300W、最大1,520Wを出力し、最高速72.5km/hでフィニッシュラインを駆け抜けたフルーネウェーヘンが表情を変えずにハンドルから両手を離し、胸元のジャージロゴを指差してアピールした。
2019年にベネット(13勝)、アッカーマン(13勝)、ログリッチ(13勝)、アラフィリップ(12勝)、ヴィヴィアーニ(11勝)、ファンデルプール(11勝)を退けてシーズン15勝という世界最多勝を飾ったフルーネウェーヘンが今シーズン3勝目。今大会第1ステージは4位に甘んじていた。
「第1ステージよりもずっと上手くスプリントに持ち込めた。チームメイトの力を借りて抜群のポジションをキープした状態で最終コーナーを抜けたことが勝利につながった。トップスプリンターが集うこの大会での勝利は格別だ」と、アムステルダム生まれのスプリンターは語る。
フルーネウェーヘンは過去3年間ツール・ド・フランスに出場してステージ通算4勝。2020年はイタリア寄りのレースプログラムを組んでいる。「今シーズンの目標は可能な限り多くのレースで勝つこと。初出場予定のジロ・デ・イタリアでもステージ優勝を重ねたい」。翌日に再び登場するジュベルハフィート山頂フィニッシュを挟んで、第6ステージと第7ステージは再びスプリンター向きの平坦コースが用意されている。
UAEツアー2020第4ステージ結果
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 4:16:13 |
2位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | |
3位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
5位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | |
6位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
7位 | ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム) | |
8位 | アッティリオ・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス) | |
9位 | ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション) | |
10位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、NTTプロサイクリング) | |
53位 | 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) |
個人総合成績
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 16:46:15 |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 0:01:07 |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:01:35 |
4位 | ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | 0:01:40 |
5位 | ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス) | 0:02:05 |
7位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、サンウェブ) | 0:02:06 |
8位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | エディ・ダンバー(アイルランド、チームイネオス) |
その他の特別賞
ポイント賞 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) |
ヤングライダー賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
中間スプリント賞 | ヴェリコ・ストイニッツ(セルビア、ヴィーニザブKTM) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Kei Tsuji
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