茨城シクロクロスのシリーズ最終戦となる土浦ステージが2月23日(日)に開催された。4つのカテゴリーで弱虫ペダルサイクリングチームが優勝し、コミックの作者である渡辺航先生もレース参加&サイン会を開くなど盛り上がりを見せた。以下、大会事務局によるレポートよりお伝えする。
ショッピングモールを背景にこの日の第1レースがスタートした photo:Satoshi ODA
2019-2020シーズンのJCXシリーズ戦が終了し、各地で熱戦が繰り広げられた国内のシクロクロスシーズンも残すところわずかとなった。茨城シクロクロスでも2月23日にシリーズ最終戦となる第5戦土浦ステージが、茨城県土浦市にある一誠商事市民運動広場で行われた。
会場となる一誠商事市民運動広場は、毎年10月に開催される日本三大花火大会のうちのひとつ「土浦全国花火競技大会」の打ち上げ会場としても地元では知られている。茨城シクロクロスでは2015年からこの会場で毎年レースを開催しており、今回で6回目の開催となる。会場の名称は土浦市が公募したネーミングライツを取得した地元企業の名前が2019年4月より付いている。
コースサイドから選手たちにアツイ声援が飛ぶ photo:Satoshi ODA
強風により杭に固定されていた計測テントが飛んでしまう場面も photo:Satoshi ODA
先日の稲城クロスの声援で話題となったあの方も来場、次から次と出てくる名言に声が入らない写真がもどかしかった photo:Satoshi ODA
キッズの多さも茨城シクロクロスの特徴。参加者の約10%がキッズカテゴリだ photo:Satoshi ODA
新型コロナウイルスの影響により先ごろ発表された「グラインデューロ」の開催延期など、自転車関連を含めた大小イベントの中止・延期が全国的に相次いでいる中、事象の変化によっては直前に告知を出す可能性もあるとしながら「会場内水洗トイレ、および会場内の屋外水道に特大手洗いせっけんポンプを設置する」、「スタッフのマスク着用を励行する」などの対策を取り、また体調に不安のある場合は来場と出走を控えるよう事前にSNSで呼びかけ、来場予定者に協力を求めるなどして開催に至った。
また昨年の台風19号によって開催中止となってしまったJCX開幕戦取手ステージで行う予定だった、大人気コミック「弱虫ペダル」の作者である渡辺航先生の「チャリティサコッシュサイン会and販売会」を実施。合わせて渡辺航先生が監督を務める弱虫ペダルサイクリングチームが開催に全面協力。
弱虫ペダルの作者、渡辺航先生が到着するなり色紙を持ってブースに駆け込んできた少年は直筆のイラストをゲット! photo:Satoshi ODA
渡辺航先生のチャリティサコッシュサイン会and販売会には、開始前から長蛇の列ができた photo:Satoshi ODA
早い段階でITT状態で独走する唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoshi ODA
C4には渡辺航先生が出走。ファンの方々が声援を送る photo:Satoshi ODA
約2年ぶりのシクロクロスレースでC3優勝の村田雄耶(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoshi ODA
最高カテゴリであるC1には、JCXシリーズ閉幕後にロードレースシーズンに向けて走り込みトレーニング中の全日本シクロクロスチャンピオン前田公平、U23チャンピオン織田聖の2人が。CL1にはJCXシリーズで4勝を挙げシリーズチャンピオンとなった唐見実世子が参加した他、C3、CJにもロード班のメンバーが出走。もちろん監督の渡辺航先生もC4クラスで出走した。
また、レース開催に先立ち2月20日には前田公平と唐見実世子の両選手が土浦市役所を訪れ、安藤真理子市長を表敬訪問するなどして、チームの拠点である茨城で行われるレースの盛り上げに一役買って出た。
CL2+3のホールショットを奪ったのは関谷加津子(Azzuring) photo:Satoshi ODA
CM2、CM3、CL2+3 を次々に周回遅れにしトップを快走する山口健(Golosa) photo:Satoshi ODA
CM1ホールショットを奪ったのは石川正道(Champion System Japan Test Team) photo:Satoshi ODA
CM1を制した、中里聡史(Gufo Cycle Works) photo:Satoshi ODA
コースは完全なドライブコンディション。野球グラウンドを囲うような長い直線とリズムの良いスイッチバックを組み合わせた、全体にわたって平坦なコース。晴天ながら、コントロールライン横の計測テントが杭ごと吹き飛ばされてしまうほどの強風が吹き荒れる中レースは行われた。
1周が約1.8kmの平坦コースのためラップタイムは4分ほど。第1レースはCM2、CM3、CL2+3がそれぞれ1分間隔でスタートしたため、CM2のトップが2周目にはCL2+3の最後尾に追いついてしまうなど、まさにカオスな状況だった。
C1、好スタートを切ったのは積田連(SNEL CYCLOCROSS TEAM)と加藤健悟(臼杵レーシング)、この時弱虫ペダルの二人はまだ後方にいる photo:Satoshi ODA
午前最後のレースとして行われたCL1はCM1との時差発走。JCXシリーズではスタートのペダルキャッチミスに苦しんだ唐見がすんなりスタートしてホールショットを奪い、1周目中盤には独走状態に。参加者9名のうち8人を周回遅れにする快走を披露しトップでフィニッシュした。
午後の試走を挟んで行われたC1には40名が出走。賞典外の前田公平&織田聖の弱虫ペダルサイクリングチームの2人は最後尾からスタート。全日本チャンピオンの前田はスタートの混乱をうまくすり抜け3つ目のコーナーをクリアした時点で5番手のポジションに。スタート後のラインを塞がれてしまいなかなか前に出てこられなかった織田の合流を先頭付近で待ってからややペースアップすると、加藤健悟(臼杵レーシング)と佐川祐太(SNEL CYCLOCROSS TEAM)の表情が一気に苦しげになる。
前田と織田の弱虫ペダルコンビが加藤健悟(臼杵レーシング)に上がってこいと合図を送る photo:Satoshi ODA
前田と織田の弱虫ペダルコンビに引きずり回される加藤健悟(臼杵レーシング) photo:Satoshi ODA
フラットコーナーで佐川がスリップ転倒すると弱虫ペダルコンビについて行ったのは加藤だけだった。ハイペースに耐えられず加藤が遅れると、前田と織田は再三ペースを落とし加藤を吸収。加藤にとってはなかなかきつい拷問のようなインターバルだったに違いない。やがて加藤はメカトラで脱落。前田と織田の2人は互いに1回ずつバイクチェンジしつつも、まったく息が上がることなく二人で拳を合わせて同時にフィニッシュした。
レースの着順は終始3人のパックで前を行く弱虫ペダルコンビを追っていた向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)がチームメイトの佐川を振り切って先着。続いて折橋孝治(Champion system japan test team)が入り、上位3名に贈られる地元田島屋のコシヒカリを手にした。
弱虫ペダルサイクリングチームはC3、CJも優勝し、エントリーしたすべてのカテゴリを制したことになった。
SNEL+Champion Systemトレインが前を行く弱虫ペダルトレインを追う photo:Satoshi ODA
「グータッチ」してフィニッシュする前田公平と織田聖(共に弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoshi ODA
大会オーガナイザーの影山氏は「今シーズンは台風に始まり、嵐のような強風で終わりました。地元ライダー、地元審判、ショップクラブからなる寄り合い所帯的な運営チームですが、またひとつ経験値が上がって連携が深まったかなと思います。」と、短いながらも今シーズンの開催・運営の困難さが滲み出るコメントをしてくれた。
来シーズンの茨城シクロクロスはすでに2020年10月4日に取手UCIレースが公表されており、追って他のシリーズ日程も発表されるであろう。茨城シクロクロスに来シーズンも期待しよう。
C1ポディウム。優勝:向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)、2位:佐川祐太(SNEL CYCLOCROSS TEAM)、3位:折橋孝治(Champion system japan test team) photo:Satoshi ODA
午後の競技の表彰式では前田、織田の全日本チャンピオンの二人がプレゼンターを務めた photo:Satoshi ODA
渡辺航先生も加わって一緒に記念撮影するキッズの表彰式 photo:Satoshi ODA
開会式終了後に行われた集合写真撮影 photo:Satoshi ODA

2019-2020シーズンのJCXシリーズ戦が終了し、各地で熱戦が繰り広げられた国内のシクロクロスシーズンも残すところわずかとなった。茨城シクロクロスでも2月23日にシリーズ最終戦となる第5戦土浦ステージが、茨城県土浦市にある一誠商事市民運動広場で行われた。
会場となる一誠商事市民運動広場は、毎年10月に開催される日本三大花火大会のうちのひとつ「土浦全国花火競技大会」の打ち上げ会場としても地元では知られている。茨城シクロクロスでは2015年からこの会場で毎年レースを開催しており、今回で6回目の開催となる。会場の名称は土浦市が公募したネーミングライツを取得した地元企業の名前が2019年4月より付いている。




新型コロナウイルスの影響により先ごろ発表された「グラインデューロ」の開催延期など、自転車関連を含めた大小イベントの中止・延期が全国的に相次いでいる中、事象の変化によっては直前に告知を出す可能性もあるとしながら「会場内水洗トイレ、および会場内の屋外水道に特大手洗いせっけんポンプを設置する」、「スタッフのマスク着用を励行する」などの対策を取り、また体調に不安のある場合は来場と出走を控えるよう事前にSNSで呼びかけ、来場予定者に協力を求めるなどして開催に至った。
また昨年の台風19号によって開催中止となってしまったJCX開幕戦取手ステージで行う予定だった、大人気コミック「弱虫ペダル」の作者である渡辺航先生の「チャリティサコッシュサイン会and販売会」を実施。合わせて渡辺航先生が監督を務める弱虫ペダルサイクリングチームが開催に全面協力。





最高カテゴリであるC1には、JCXシリーズ閉幕後にロードレースシーズンに向けて走り込みトレーニング中の全日本シクロクロスチャンピオン前田公平、U23チャンピオン織田聖の2人が。CL1にはJCXシリーズで4勝を挙げシリーズチャンピオンとなった唐見実世子が参加した他、C3、CJにもロード班のメンバーが出走。もちろん監督の渡辺航先生もC4クラスで出走した。
また、レース開催に先立ち2月20日には前田公平と唐見実世子の両選手が土浦市役所を訪れ、安藤真理子市長を表敬訪問するなどして、チームの拠点である茨城で行われるレースの盛り上げに一役買って出た。




コースは完全なドライブコンディション。野球グラウンドを囲うような長い直線とリズムの良いスイッチバックを組み合わせた、全体にわたって平坦なコース。晴天ながら、コントロールライン横の計測テントが杭ごと吹き飛ばされてしまうほどの強風が吹き荒れる中レースは行われた。
1周が約1.8kmの平坦コースのためラップタイムは4分ほど。第1レースはCM2、CM3、CL2+3がそれぞれ1分間隔でスタートしたため、CM2のトップが2周目にはCL2+3の最後尾に追いついてしまうなど、まさにカオスな状況だった。

午前最後のレースとして行われたCL1はCM1との時差発走。JCXシリーズではスタートのペダルキャッチミスに苦しんだ唐見がすんなりスタートしてホールショットを奪い、1周目中盤には独走状態に。参加者9名のうち8人を周回遅れにする快走を披露しトップでフィニッシュした。
午後の試走を挟んで行われたC1には40名が出走。賞典外の前田公平&織田聖の弱虫ペダルサイクリングチームの2人は最後尾からスタート。全日本チャンピオンの前田はスタートの混乱をうまくすり抜け3つ目のコーナーをクリアした時点で5番手のポジションに。スタート後のラインを塞がれてしまいなかなか前に出てこられなかった織田の合流を先頭付近で待ってからややペースアップすると、加藤健悟(臼杵レーシング)と佐川祐太(SNEL CYCLOCROSS TEAM)の表情が一気に苦しげになる。


フラットコーナーで佐川がスリップ転倒すると弱虫ペダルコンビについて行ったのは加藤だけだった。ハイペースに耐えられず加藤が遅れると、前田と織田は再三ペースを落とし加藤を吸収。加藤にとってはなかなかきつい拷問のようなインターバルだったに違いない。やがて加藤はメカトラで脱落。前田と織田の2人は互いに1回ずつバイクチェンジしつつも、まったく息が上がることなく二人で拳を合わせて同時にフィニッシュした。
レースの着順は終始3人のパックで前を行く弱虫ペダルコンビを追っていた向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)がチームメイトの佐川を振り切って先着。続いて折橋孝治(Champion system japan test team)が入り、上位3名に贈られる地元田島屋のコシヒカリを手にした。
弱虫ペダルサイクリングチームはC3、CJも優勝し、エントリーしたすべてのカテゴリを制したことになった。


大会オーガナイザーの影山氏は「今シーズンは台風に始まり、嵐のような強風で終わりました。地元ライダー、地元審判、ショップクラブからなる寄り合い所帯的な運営チームですが、またひとつ経験値が上がって連携が深まったかなと思います。」と、短いながらも今シーズンの開催・運営の困難さが滲み出るコメントをしてくれた。
来シーズンの茨城シクロクロスはすでに2020年10月4日に取手UCIレースが公表されており、追って他のシリーズ日程も発表されるであろう。茨城シクロクロスに来シーズンも期待しよう。




C1
1位 | 前田 公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 59:37.2 |
2位 | 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +0:00 |
3位 | 向山 浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | +0:52 |
4位 | 佐川 祐太(SNEL CYCLOCROSS TEAM) | +0:53 |
5位 | 折橋 孝治(Champion system japan test team) | +0:54 |
C2
1位 | 野田 慧太(チーム・フォルツァ!) | 41:32.6 |
2位 | 片岡 誉(轍屋) | +0:03 |
3位 | 小川 克広(夏草サイクリングチーム) | +0:11 |
C3
1位 | 村田 雄耶(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 29:15.9 |
2位 | 若月 隆真(彩北ツブラーゼ) | +0:21 |
3位 | 佐藤 伊織(ウィンディー筑波シクロクロスチーム) | +0:48 |
C4A
1位 | 水上 央渉(ブラウ・ブリッツェン) | 25:51.0 |
2位 | 三宅 太生(ウィンディー筑波シクロクロスチーム) | +0:00 |
3位 | 高橋 壮(サガミレーシング) | +0:21 |
C4B
1位 | 照屋 貴己(サンクスサイクルラボ西葛西) | 25:29.0 |
2位 | 秋元 碧(ブラウ・ブリッツェン) | +0:32 |
3位 | 緒方 稔(team nacree) | +0:45 |
CL1
1位 | 唐見 実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 47:53.6 |
2位 | 齋藤 磨実(TEAM MASA+/BOMA) | -1Lap |
3位 | 伊藤 圭菜子(SHIDO-WORKS) | -1Lap |
4位 | 武田 和佳(Liv) | -1Lap |
5位 | 西形 舞(TRC Panama Reds) | -2Lap |
CL2+3
1位 | 関谷 加津子(Azzuring) | 30:40.5 |
2位 | 森田 由美子 | +0:50 |
3位 | 栗原 裕美子(TRC PANAMAREDS) | +0:52 |
CM1
1位 | 中里 聡史(Gufo Cycle Works) | 44:45.4 |
2位 | 佐々木 正(CICADA UNITED) | +1:35 |
3位 | 太田 好政(RCC) | +1:35 |
CM2
1位 | 山口 健(Golosa) | 31:45.3 |
2位 | 福本 滝男(Honda栃木) | +0:25 |
3位 | 小坂部 恵一(FAST LANE Racing) | +0:35 |
CM3
1位 | 吉田 敦(Abukumaサイクリングクラブ) | 32:36.2 |
2位 | 阿部 一人 | +0:03 |
3位 | 濱野 貞義(大福屋) | +0:43 |
CJ
1位 | 中島 渉(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 40:42.6 |
U17
1位 | 永野 昇海(イナーメ信濃山形) | 30:05.3 |
2位 | 小林 温(ProRide) | +3:17 |
3位 | 加藤 礼慈(530711) | -1Lap |
U15
1位 | 佐々木 啄人(ボンシャンスACA) | 25:15.4 |
CK3
1位 | 成田 光志 | 12:06.4 |
2位 | 石川 七海(iBeyond) | +0:05 |
3位 | 松村 拓弥 | +0:16 |
CK2
1位 | 倉田 陽菜(iBeyond) | 14:09.9 |
2位 | 野嵜 一晴(TORQUE NOZAC) | +0:06 |
3位 | 郷津 輝(RinRinRacing) | +0:39 |
CK1
1位 | 飯島 大也 | 11:13.2 |
2位 | 齋藤 海聖(TEAM MASA+) | +1:40 |
3位 | 市川 新太(タスサイクル) | +3:33 |
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