2020/02/09(日) - 16:10
世界選手権から僅か1週間。ベルギーはリールで行われたDVVフェルゼクリンゲン・トロフェー最終戦で、地元ファンの大声援に後押しされたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が復帰後初勝利。女子レースでは新世界王者セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)がアンマリー・ワースト(オランダ、777)を下した。
激闘のシクロクロス世界選手権から1週間。ベルギーはアントワープの東に位置するリールを舞台にDVVフェルゼクリンゲン・トロフェーの最終戦が行われ、再びトップスター選手たちが顔を揃えた。
毎年人気を集める「クラワテンクロス」のコースは、硬い砂浜が広がる湖畔とテクニカルなアップダウンとターンを繰り返す森林区間をミックスした1周2980m。適度に湿り気を帯びたハードパック上でハイスピードレースが繰り広げられることとなる。
過去このレースで4勝、先の世界選手権で2連覇したマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)はロードシーズンに向けて短いオフに入ったものの、地元出身のワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が出場。大声援に後押しされた元世界王者が輝かしい走りを披露した。
世界選手権2位のトーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング)や同3位トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)らを差し置き、序盤から飛ばしたのはベルギー王者のローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)。マチューの兄デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)やピッドコックを切り離してハイペースを刻んだ。
3周目に入ると複数名の2番手グループからクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・シクロクロスチーム)が抜け出し、砂のコーナーで攻めすぎ転倒したスウィークをパスして先頭に。1月1日からサーカス・ワンティゴベールのシクロクロス部門のメンバーとして走るヘルマンスはおよそ1周回を独走したものの、その後方からはファンアールトが迫った。
「序盤は息を潜めてタイミングを伺っていたんだ。他がミスしたことで一人でヘルマンスに追いつき、そこからリードを奪うべくプッシュした」と振り返るファンアールトは、パワー区間でリードを奪って独走態勢に持ち込む。水を開けられたヘルマンスはスウィークやマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)と共に2番手グループで走行した。
プッシュし続けるファンアールトはその後4周半を独走し、昨年のツール・ド・フランスで負った重症からの復活勝利。地元ファンの前でペダルの上に立ち、両手を広げるお決まりのガッツポーズを披露した。
「フィニッシュラインを越えた時、いろいろな感情が溢れ出した。まだまだできるという証明になったんだ」と感情的な表情で語ったファンアールト。「キャリア最大の勝利ではないけれど、それに匹敵するような勝利だと感じるよ。特に地元ファンの前での勝利だったのだから尚更だ。ここ数ヶ月努力してきたことが形になった。すごくエモーショナルだ」と加えた。ファンアールトは翌日のスーパープレスティージュ第7戦にも参戦するという。
2位には再びライバル勢から抜け出したヘルマンスが入り、3位はフィニッシュライン直前でスウィークを交わしたアールツ。11位に終わったエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)が総合タイムで争われるDVVフェルゼクリンゲン・トロフェーの総合ランキングで2位ファントーレンハウトに5分以上の差をつけて優勝を遂げた。
60名以上が出走した女子レースでは、世界選手権で歴史に残る接戦を繰り広げた新世界王者セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)とアンマリー・ワースト(オランダ、777)による一騎打ちが展開された。
2人の背後では、アルカンシエルからベルギーチャンピオンジャージに着替えたサンヌ・カント(ベルギー、IKO・コレンドン)やケイティ・コンプトン(アメリカ、トレック・ナイトコンポジット)、アンナ・ケイ(イギリス、エクスペルザ・プロCX)、バニーホップを駆使するアニック・ファンアルフェン(オランダ)、前U23世界女王インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ)が追走する。しかし序盤から飛ばしに飛ばすアルバラードとワーストは合流のチャンスを与えることなく先を急いだ。
中盤戦に入ると他選手がランニングでこなす砂登りを乗車でこなしたアルバラードがリードを得たものの、男子レースでスウィークが転倒したのと同じコーナーで転倒し、再びワーストとのランデブーに切り替わる。好調ぶりを見せつけるアルバラードが断続的なペースアップを繰り返したが、世界選手権で敗れたワーストも粘った。
優勝争いは世界選手権と同じ、ワースト先行からのスプリント勝負に持ち込まれた。背後を警戒しつつ進むワーストだったが、思い切り良く加速したアルバラードが交わし、フィニッシュ。波に乗る22歳がアルカンシエルを着用しての初勝利を挙げた。27秒遅れの3位にはテレネット・バロワーズ入りを決めているジュニア世界女王のシリン・ファンアンローイ(オランダ)が入った。
シリーズランキングはDVVの直近5レースを全て勝利しているアルバラード。「今シーズンはロードにも挑戦してみたい。上手くいくかどうか分からないけれど、良い所までは行けるはず。特に登りのレースやステージレース、タフなワンデーレースは合っていると思う」と、レース後のインタビューでロードレースに対する興味を口にした。
激闘のシクロクロス世界選手権から1週間。ベルギーはアントワープの東に位置するリールを舞台にDVVフェルゼクリンゲン・トロフェーの最終戦が行われ、再びトップスター選手たちが顔を揃えた。
毎年人気を集める「クラワテンクロス」のコースは、硬い砂浜が広がる湖畔とテクニカルなアップダウンとターンを繰り返す森林区間をミックスした1周2980m。適度に湿り気を帯びたハードパック上でハイスピードレースが繰り広げられることとなる。
過去このレースで4勝、先の世界選手権で2連覇したマチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)はロードシーズンに向けて短いオフに入ったものの、地元出身のワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が出場。大声援に後押しされた元世界王者が輝かしい走りを披露した。
世界選手権2位のトーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング)や同3位トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ)らを差し置き、序盤から飛ばしたのはベルギー王者のローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)。マチューの兄デーヴィッド・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス)やピッドコックを切り離してハイペースを刻んだ。
3周目に入ると複数名の2番手グループからクィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・シクロクロスチーム)が抜け出し、砂のコーナーで攻めすぎ転倒したスウィークをパスして先頭に。1月1日からサーカス・ワンティゴベールのシクロクロス部門のメンバーとして走るヘルマンスはおよそ1周回を独走したものの、その後方からはファンアールトが迫った。
「序盤は息を潜めてタイミングを伺っていたんだ。他がミスしたことで一人でヘルマンスに追いつき、そこからリードを奪うべくプッシュした」と振り返るファンアールトは、パワー区間でリードを奪って独走態勢に持ち込む。水を開けられたヘルマンスはスウィークやマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)と共に2番手グループで走行した。
プッシュし続けるファンアールトはその後4周半を独走し、昨年のツール・ド・フランスで負った重症からの復活勝利。地元ファンの前でペダルの上に立ち、両手を広げるお決まりのガッツポーズを披露した。
「フィニッシュラインを越えた時、いろいろな感情が溢れ出した。まだまだできるという証明になったんだ」と感情的な表情で語ったファンアールト。「キャリア最大の勝利ではないけれど、それに匹敵するような勝利だと感じるよ。特に地元ファンの前での勝利だったのだから尚更だ。ここ数ヶ月努力してきたことが形になった。すごくエモーショナルだ」と加えた。ファンアールトは翌日のスーパープレスティージュ第7戦にも参戦するという。
2位には再びライバル勢から抜け出したヘルマンスが入り、3位はフィニッシュライン直前でスウィークを交わしたアールツ。11位に終わったエリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール)が総合タイムで争われるDVVフェルゼクリンゲン・トロフェーの総合ランキングで2位ファントーレンハウトに5分以上の差をつけて優勝を遂げた。
60名以上が出走した女子レースでは、世界選手権で歴史に残る接戦を繰り広げた新世界王者セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス)とアンマリー・ワースト(オランダ、777)による一騎打ちが展開された。
2人の背後では、アルカンシエルからベルギーチャンピオンジャージに着替えたサンヌ・カント(ベルギー、IKO・コレンドン)やケイティ・コンプトン(アメリカ、トレック・ナイトコンポジット)、アンナ・ケイ(イギリス、エクスペルザ・プロCX)、バニーホップを駆使するアニック・ファンアルフェン(オランダ)、前U23世界女王インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ)が追走する。しかし序盤から飛ばしに飛ばすアルバラードとワーストは合流のチャンスを与えることなく先を急いだ。
中盤戦に入ると他選手がランニングでこなす砂登りを乗車でこなしたアルバラードがリードを得たものの、男子レースでスウィークが転倒したのと同じコーナーで転倒し、再びワーストとのランデブーに切り替わる。好調ぶりを見せつけるアルバラードが断続的なペースアップを繰り返したが、世界選手権で敗れたワーストも粘った。
優勝争いは世界選手権と同じ、ワースト先行からのスプリント勝負に持ち込まれた。背後を警戒しつつ進むワーストだったが、思い切り良く加速したアルバラードが交わし、フィニッシュ。波に乗る22歳がアルカンシエルを着用しての初勝利を挙げた。27秒遅れの3位にはテレネット・バロワーズ入りを決めているジュニア世界女王のシリン・ファンアンローイ(オランダ)が入った。
シリーズランキングはDVVの直近5レースを全て勝利しているアルバラード。「今シーズンはロードにも挑戦してみたい。上手くいくかどうか分からないけれど、良い所までは行けるはず。特に登りのレースやステージレース、タフなワンデーレースは合っていると思う」と、レース後のインタビューでロードレースに対する興味を口にした。
男子エリート結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 57:57 |
2位 | クィンティン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンス・シクロクロスチーム) | 0:21 |
3位 | トーン・アールツ(ベルギー、テレネット・バロワーズ) | 0:40 |
4位 | ローレンス・スウィーク(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | |
5位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:46 |
6位 | トーマス・ピッドコック(イギリス、トリニティレーシング) | 0:48 |
7位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、テレネット・バロワーズ) | 0:50 |
8位 | ダーン・ソエテ(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | |
9位 | トム・メーウセン(ベルギー、グループヘンス・マースコンテナーズ) | |
10位 | イェンス・アダムス(ベルギー、ハレビークフーヴ/アダムススポーツコーチング) | 0:52 |
女子レース結果
1位 | セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | 42:18 |
2位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | 0:01 |
3位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ) | 0:27 |
4位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、CCC・リブ) | 0:29 |
5位 | ケイティ・コンプトン(アメリカ、トレック・ナイトコンポジット) | 0:38 |
6位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ) | 0:41 |
7位 | デニセ・ベッツィマ(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 0:44 |
8位 | サンヌ・カント(ベルギー、IKO・コレンドン) | 0:47 |
9位 | アリーチェマリア・アルツィッフィ(イタリア、777) | 0:53 |
10位 | アンナ・ケイ(イギリス、エクスペルザ・プロCX) | 1:02 |
男子個人総合成績
1位 | エリ・イゼルビッド(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 8h09'30" |
2位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルズサウゼン・ビンゴール) | 5:19 |
3位 | マチュー・ファンデルポール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 7:43 |
女子個人総合成績
1位 | セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ、コレンドン・サーカス) | 5:44:43 |
2位 | アンマリー・ワースト(オランダ、777) | 2:16 |
3位 | ヤラ・カステリン(オランダ、777) | 11:51 |
text:So.Isobe
photo:Nobuhiko.Tanabe
photo:Nobuhiko.Tanabe
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