2020/06/01(月) - 18:05
ユーロバイクでの発表、サイクルモードでの展示を経て、非常に注目されているワフーの「KICKR BIKE(キッカーバイク)」。KICKRシリーズで培ったノウハウを投入したオールインワンのインドアトレーニングマシンだ。国内展開の開始が迫る今、特徴をおさらいしておこう。
ズイフトを代表とするゲーム性の高いソフトウェアや、自動負荷調整を可能としたスマートローラーの登場によって豊かになったインドアサイクリングライフ。年々ハード/ソフトの両面で進化を遂げるインドアライドの世界に、2020年モデルにはいよいよスマートローラーから一歩進んだ"スマートバイク"が各社から登場。新たなインドアサイクリングの世界を切り拓く、注目のカテゴリーだ。
ワフーが用意したのは同社のスマートローラー・KICKRシリーズの集大成となる「KICKR BIKE」。ユーロバイクで発表されて以来、国内でもサイクルモードなどで展示され、注目を集めてきた存在だ。据え置き型の自転車トレーナーといえば、フィットネスジムにおいてあるようなものを想像するが、KICKR BIKEはあくまでもスポーツサイクリストに適したモデル。個人宅での使用はもちろん、パーソナルトレーナーのジムにぴったりだという。
その理由の1つに、ポジション出しが非常に容易であることが挙げられる。ボトムブラケットを基点に、シートチューブ長とシートポストの出代、ヘッド長、トップチューブ長をそれぞれ設定できる5点調整方式によって、あらゆるポジションの再現を可能とした。クランク長も160~175mmまで、5種類から選択可能。
KICKR BIKEのフィッティングにあたっては様々なアプローチが用意されている。手持ちのバイクサイズを計測する方法、身長と股下、ライディングスタイルから導く方法、Retulなどプロフィッティングサービスで得たデータを元にする方法。いずれもワフーのアプリを利用し、必要な数値を出していく。アプリで導出された数値と、KICKR BIKEの目盛りをあわせていく。
KICKR BIKEの調整機構はいずれもクイックレバーでの固定となっているため、工具無しでポジションを調整することができる。もしローラー台を複数のユーザーでシェアしている場合は、ローラー台のセッティングの手間が大幅に省けるようになるはずだ。ディスクブレーキ仕様のバイクが普及段階にある今、ローラー台をシェアする相手が同じ仕様の自転車とは限らない。このような面でもスマートバイクを用意するメリットはありそうだ。
また、自転車を所有していない方も上質なインドアフィットネスが可能となる。ズイフトなどゲーム性の高いソフトも充実しはじめており、楽しみながら運動を行えるため、家族でKICKR BIKE一台をシェアしてもよいだろう。一度数値をメモしておけば誰でも簡単にポジションが出せるため、自転車に触り慣れていない方でも安心してインドアライドを楽しめるはずだ。
KICKR BIKEはスマートトレーナーとしても優れたスペックを発揮する。KICKR BIKEの負荷装置はブラシレスモーター+6kgのフライホイールの組み合わせ。ブラシレスモーターのみ採用するトレーナーも存在するが、KICKR BIKEではフライホイールと併用することでナチュラルな走行感を演出する。重量物の慣性を利用したほうがフィーリングはリアルに近くなるという。
一方、ブラシレスモーターは細やかな負荷調整を得意分野としている。さらに、KICKR BIKEのシフトを操作した際のシフトフィール演出もブラシレスモーター採用による恩恵だ。シフトボタンを押すたびにコツっとした感触を得られるため、インドアサイクリングの没入感が増している。シフト操作のボタンはシマノDI2やスラムeTAP、カンパニョーロepsそれぞれの操作方式を再現。シマノDI2のシンクロシフトにも対応したという。
没入感という面では、KICKR CLIMBの斜度再現機能を搭載していることも忘れてはならない。ズイフトとの連携はもちろん、斜度再現はスタンドアローンでも行える。ヒルクライムの激坂区間での身体の使い方に慣れるために、斜度18%など傾きを固定して練習することも可能だ。ズイフトだけではなく、ワフーのELEMNTに記録されたライドデータを再現することができるため、実際のヒルクライムコースをKICKR BIKEでシミュレーションしても良いだろう。
KICKR BIKEでは再現するギアの歯数構成もユーザー自らカスタマイズ可能であり、ヒルクライムレースに向けて必要なギア構成を試すことができる。先述したようにクランク長も5種類から選べるため、KICKR BIKEはパーツ購入前のシミュレーターとして活用しても良さそうだ。
取材時にKICKR BIKEを試したところ、負荷装置のフィーリングは上々。駆動音はややあるようだが、周囲に迷惑をかけることは少ないはず。従来のローラー台では、ローラーの駆動音だけでなくチェーンやシフト操作の音も発生するが、KICKR BIKEではそれらの音が一切無く、ライドに集中することができそう。
シフト操作も非常に面白く、使い始めはシフト操作だけでも楽しめそうだ。斜度再現機能は、サドル側で高さが調整されるためか、KIKCR CLIMBよりも更に自然なフィーリングを得られる。
ただ、ダンシング時にバイクを左右に振ることができないのは、固定系やダイレクトドライブ系から受け継がれるインドアトレーナーの宿啊。むしろKICKR BIKEは左右に軽く動かそうとしてもびくともしない堅牢性と安定感があるため、思い切りパワーを掛けるインターバルトレーニングなどに向いている印象を受けた。
インドアバイクと言うとサイズが大きいというイメージが先行しがちだが、KICKR BIKEのサイズは「KICKRとKICKR CLIMB」の組み合わせより前後幅は小さくなっているという。トレーニングのために自室のスペースを圧迫しないのはメリットの1つだろう。
【ムービー】KICKR BIKEの概要を説明
ワフー KICKR BIKE
設置面積(長さ×幅):121cm×76cm
商品重量:42kg
対応身長:152cm~193cm
最大体重:約113kg
クランクアームの長さ:165、167.5、170、172.5、175mm
最大上り勾配:20%
最小下り勾配:-15%
最大パワー出力:2200ワット
パワー精度:+ / - 1%
測定基準:スピード、距離、パワー、ケイデンス、勾配
ドライブトレイン:ベルトドライブ
フライホール重量:13ポンド(5.9kg)+ 拡張モーター
抵抗の種類:電磁モーターおよび拡張モーター
接続性:ANT+、ANT+ FE-C、Bluetooth
デバイスの互換性:iOS、Android、PC(Mac、Windows)
電源の必要条件:100-240V、50/60 Hz、最大2.5A
価格:445,000円(税抜、送料・簡易設置料込)
ズイフトを代表とするゲーム性の高いソフトウェアや、自動負荷調整を可能としたスマートローラーの登場によって豊かになったインドアサイクリングライフ。年々ハード/ソフトの両面で進化を遂げるインドアライドの世界に、2020年モデルにはいよいよスマートローラーから一歩進んだ"スマートバイク"が各社から登場。新たなインドアサイクリングの世界を切り拓く、注目のカテゴリーだ。
ワフーが用意したのは同社のスマートローラー・KICKRシリーズの集大成となる「KICKR BIKE」。ユーロバイクで発表されて以来、国内でもサイクルモードなどで展示され、注目を集めてきた存在だ。据え置き型の自転車トレーナーといえば、フィットネスジムにおいてあるようなものを想像するが、KICKR BIKEはあくまでもスポーツサイクリストに適したモデル。個人宅での使用はもちろん、パーソナルトレーナーのジムにぴったりだという。
その理由の1つに、ポジション出しが非常に容易であることが挙げられる。ボトムブラケットを基点に、シートチューブ長とシートポストの出代、ヘッド長、トップチューブ長をそれぞれ設定できる5点調整方式によって、あらゆるポジションの再現を可能とした。クランク長も160~175mmまで、5種類から選択可能。
KICKR BIKEのフィッティングにあたっては様々なアプローチが用意されている。手持ちのバイクサイズを計測する方法、身長と股下、ライディングスタイルから導く方法、Retulなどプロフィッティングサービスで得たデータを元にする方法。いずれもワフーのアプリを利用し、必要な数値を出していく。アプリで導出された数値と、KICKR BIKEの目盛りをあわせていく。
KICKR BIKEの調整機構はいずれもクイックレバーでの固定となっているため、工具無しでポジションを調整することができる。もしローラー台を複数のユーザーでシェアしている場合は、ローラー台のセッティングの手間が大幅に省けるようになるはずだ。ディスクブレーキ仕様のバイクが普及段階にある今、ローラー台をシェアする相手が同じ仕様の自転車とは限らない。このような面でもスマートバイクを用意するメリットはありそうだ。
また、自転車を所有していない方も上質なインドアフィットネスが可能となる。ズイフトなどゲーム性の高いソフトも充実しはじめており、楽しみながら運動を行えるため、家族でKICKR BIKE一台をシェアしてもよいだろう。一度数値をメモしておけば誰でも簡単にポジションが出せるため、自転車に触り慣れていない方でも安心してインドアライドを楽しめるはずだ。
KICKR BIKEはスマートトレーナーとしても優れたスペックを発揮する。KICKR BIKEの負荷装置はブラシレスモーター+6kgのフライホイールの組み合わせ。ブラシレスモーターのみ採用するトレーナーも存在するが、KICKR BIKEではフライホイールと併用することでナチュラルな走行感を演出する。重量物の慣性を利用したほうがフィーリングはリアルに近くなるという。
一方、ブラシレスモーターは細やかな負荷調整を得意分野としている。さらに、KICKR BIKEのシフトを操作した際のシフトフィール演出もブラシレスモーター採用による恩恵だ。シフトボタンを押すたびにコツっとした感触を得られるため、インドアサイクリングの没入感が増している。シフト操作のボタンはシマノDI2やスラムeTAP、カンパニョーロepsそれぞれの操作方式を再現。シマノDI2のシンクロシフトにも対応したという。
没入感という面では、KICKR CLIMBの斜度再現機能を搭載していることも忘れてはならない。ズイフトとの連携はもちろん、斜度再現はスタンドアローンでも行える。ヒルクライムの激坂区間での身体の使い方に慣れるために、斜度18%など傾きを固定して練習することも可能だ。ズイフトだけではなく、ワフーのELEMNTに記録されたライドデータを再現することができるため、実際のヒルクライムコースをKICKR BIKEでシミュレーションしても良いだろう。
KICKR BIKEでは再現するギアの歯数構成もユーザー自らカスタマイズ可能であり、ヒルクライムレースに向けて必要なギア構成を試すことができる。先述したようにクランク長も5種類から選べるため、KICKR BIKEはパーツ購入前のシミュレーターとして活用しても良さそうだ。
取材時にKICKR BIKEを試したところ、負荷装置のフィーリングは上々。駆動音はややあるようだが、周囲に迷惑をかけることは少ないはず。従来のローラー台では、ローラーの駆動音だけでなくチェーンやシフト操作の音も発生するが、KICKR BIKEではそれらの音が一切無く、ライドに集中することができそう。
シフト操作も非常に面白く、使い始めはシフト操作だけでも楽しめそうだ。斜度再現機能は、サドル側で高さが調整されるためか、KIKCR CLIMBよりも更に自然なフィーリングを得られる。
ただ、ダンシング時にバイクを左右に振ることができないのは、固定系やダイレクトドライブ系から受け継がれるインドアトレーナーの宿啊。むしろKICKR BIKEは左右に軽く動かそうとしてもびくともしない堅牢性と安定感があるため、思い切りパワーを掛けるインターバルトレーニングなどに向いている印象を受けた。
インドアバイクと言うとサイズが大きいというイメージが先行しがちだが、KICKR BIKEのサイズは「KICKRとKICKR CLIMB」の組み合わせより前後幅は小さくなっているという。トレーニングのために自室のスペースを圧迫しないのはメリットの1つだろう。
【ムービー】KICKR BIKEの概要を説明
ワフー KICKR BIKE
設置面積(長さ×幅):121cm×76cm
商品重量:42kg
対応身長:152cm~193cm
最大体重:約113kg
クランクアームの長さ:165、167.5、170、172.5、175mm
最大上り勾配:20%
最小下り勾配:-15%
最大パワー出力:2200ワット
パワー精度:+ / - 1%
測定基準:スピード、距離、パワー、ケイデンス、勾配
ドライブトレイン:ベルトドライブ
フライホール重量:13ポンド(5.9kg)+ 拡張モーター
抵抗の種類:電磁モーターおよび拡張モーター
接続性:ANT+、ANT+ FE-C、Bluetooth
デバイスの互換性:iOS、Android、PC(Mac、Windows)
電源の必要条件:100-240V、50/60 Hz、最大2.5A
価格:445,000円(税抜、送料・簡易設置料込)
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