2020/01/13(月) - 16:55
2020年になって最初のJCXシリーズ戦、JCXシリーズ第8戦が愛知県日進市にある愛知牧場にて行われた。全日本チャンピオンジャージに身を包む前田公平が勝利を飾った。
会場となる愛知牧場でのJCXシリーズ戦が行われるのは今期で3シーズン目。この週末2日間で東海シクロクロスシリーズの第4戦、第5戦の2連戦を開催。今年は約1400人のエントリーがあり、コース全体を見渡せるレイアウトと、多くの出展ブースも相まって観客も多く、盛り上がりを見せる。
コースには十字架に向かってバイクという罪?の重さを担ぎ登って行く「ゴルゴタの坂」やコース後半にある長い登坂路「モーモー坂」など名所があり、「モーモー坂」ではカテゴリ関係なく観客の大きな応援が選手の背中を押す。
数日前の天気予報では雨予報だったが、日に日に好転し雨が降ることはなかったが、最終レースが行われる時間帯に眩しい夕陽が見られるまで、曇り空で昼の時間帯になっても気温が上がることはなかった。一見ドライに見える路面も水分が染み出しどころどころ轍ができ下位のカテゴリーの選手を苦しめる場面も見られた。
最高峰カテゴリのC1には109名のエントリーがあったが、出走は101人。午後の第1レースとしてスタートした。
ホールショットを奪ったのは小坂光(宇都宮ブリッツェン) 。コース前半の常設コース区間を終了しピットのあるインフィールド区間に入ると前田公平 (弱虫ペダルサイクリングチーム) が先頭に立った。小坂が単独で追い、それに続くのは沢田時 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) 、年末ヨーロッパのシクロクロスレースを体験してきた積田連 (SNEL CYCLOCROSS TEAM)、丸山厚(チーム アレ リドレー)、比護任(PAXPROJECT)らが続く。
やがて沢田が小坂に合流。スタートで出遅れた竹内遼 (FUKAYA RACING) が追いつき3人のパックで2位争いが展開することになったが、周回が進むと竹内が一歩リードするとともにパックが崩壊。試走で転倒し膝を強打した小坂が強度に耐えきれずドロップ。沢田が単独3番手となった。
ちょうど1ヶ月前に全日本選手権を連覇した前田は1周につき5秒ほど速いラップタイムで周回を重ねリードは盤石な状態になるも、もがける区間では必ずもがく。最後はウィリーをしながらフィニッシュ。1周目から前田が刻んだハイペースは80%ルール3周目に入れない選手も続出。このレースの最終的な完走者は17名だった。
「かなりハードなコースでシンドイ状態でしたが、コース上でたくさんの応援をもらえて最後まで集中して楽しく走れました。この愛知牧場の楽しい雰囲気が好きなので来シーズンも参加したいです」と語った前田の次戦はJCX最終戦のスチールの森とのこと。
またこのレースにはトライアスロンで東京オリンピック代表候補となっている前田凌輔が参加。シクロクロスは今期ワイルドネイチャープラザでデビューし、光が丘、そして前日の土曜日のレースで1戦ごとに昇格し、このレースがC1初レース。前日昇格のため最後方スタートながらおよそ90人近くを抜き17位で完走を果たしポテンシャルの高さを証明した。
続いて行われたCL1は6周回で争われた。ホールショットを奪ったのは世界選手権への代表としてヨーロッパ遠征を控える赤松綾(SimWorks Racing) だったがすぐさま翌日からMTBの海外遠征をするという全日本チャンピオンの松本璃奈 (TEAM SCOTT Japan)がトップに立つ。それに赤松、同じく世界選手権代表メンバーの石田唯 (北桑田高校)、鵜飼知春 (八ヶ岳CYCLOCROSSCLUB)、西山みゆき (Toyo Frame Field Model)らが続く。
松本、赤松、石田の3人がひとつになり先頭集団を形成して展開するが、2周目に赤松がドロップ。3番手のポジションに上がってきたのはスタートで遅れた唐見実世子 (弱虫ペダルサイクリングチーム)。高校生の石田は果敢に松本にアタックし時折先頭に立つ場面も見られた。
唐見が2番手に浮上し、やがて松本を捉える。3位争いは赤松と石田。しかし石田は耐えきれずドロップ。下りのテクニカルなコーナーでは松本に分があるが、圧倒的に踏み続けるコースのため唐見が徐々に松本を引き離し31秒差をつけて優勝。2位には松本、3位には後半持ち直した赤松が入った。1位〜4位の4人は周回ごとにマッチアップする相手が入れ替わり、それぞれの組み合わせで、それぞれの場所でバトルがあり見応えのあるレースで観客を盛り上げた。
「去年今井選手に負けて2番だったので、今日はなんとか1番になりたいなと思っていました。モーモー坂でも横を走ってくださったりして、そのおかげで最後まで登り切ることができました。優勝できたことが何よりも嬉しいです。ありがとうございました。」と唐見がコメントした。
他のカテゴリでも熱戦が繰り広げられ、CK3では10歳の日吉彩華 (Limted Team846まるいち)がラスト1周に入ると同時にアタックし男子選手を千切って優勝。それまでは数人のパックの後方で様子を伺っているようなクレバーなレース運びだった。
全日本U15のチャンピオンで姉の日吉愛華 (Limted Team846まるいち)も30秒前にスタートしたC4の男子選手を次々に抜き、C4でも4位のポジションでフィニッシュ。もちろんCL2ではぶっちぎりの優勝を飾った。
最終レースとなったC2、CM1、CJではマスターズ全日本チャンピオンの筧太一(BUCYO coffee/CLT)がコース設営から前日のレース、そしてこのレースの途中まで大暴れだったが、途中足が攣ってしまい大きくペースダウン。直線では片足でしかこぐことができなかったが、自らモーモー坂を登った直後に設置したバリアを最後までバニーホップで乗り切るブチョー魂で走りきりフィニッシュ後倒れこむ場面もあった。
レース終了間際には大会の成功を祝福するような綺麗な夕日がコースに差し込んだ。
土曜日のレース終了後、沢田時 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)によるBUCYO coffee主催のスクールが行われた。10名限定のチケットは発売数時間後で完売。コース攻略法などが受講生に伝授された模様。
また土日の二日間、三船日本代表監督による世界選手権代表メンバーのレッスンが行われ、小坂、沢田、そして野辺山シクロクロスオルガナイザーの矢野大介氏などがアシスタントとして参加。今月末に控えた遠征に向けてより実践的なレッスンがされていた。
JCXは残り2戦。1月19日の東北シクロクロス蔵王と2月9日の関西シクロクロススチールの森のみ。ここにきてJCXランキングも気になるところだ。蔵王をスキップする選手や海外遠征などで上位の選手が不在になり最終戦までもつれる模様だ。最終戦までJCXシリーズチャンピオンの行方も気になるところだ。
各カテゴリのレース結果は以下の通り
会場となる愛知牧場でのJCXシリーズ戦が行われるのは今期で3シーズン目。この週末2日間で東海シクロクロスシリーズの第4戦、第5戦の2連戦を開催。今年は約1400人のエントリーがあり、コース全体を見渡せるレイアウトと、多くの出展ブースも相まって観客も多く、盛り上がりを見せる。
コースには十字架に向かってバイクという罪?の重さを担ぎ登って行く「ゴルゴタの坂」やコース後半にある長い登坂路「モーモー坂」など名所があり、「モーモー坂」ではカテゴリ関係なく観客の大きな応援が選手の背中を押す。
数日前の天気予報では雨予報だったが、日に日に好転し雨が降ることはなかったが、最終レースが行われる時間帯に眩しい夕陽が見られるまで、曇り空で昼の時間帯になっても気温が上がることはなかった。一見ドライに見える路面も水分が染み出しどころどころ轍ができ下位のカテゴリーの選手を苦しめる場面も見られた。
最高峰カテゴリのC1には109名のエントリーがあったが、出走は101人。午後の第1レースとしてスタートした。
ホールショットを奪ったのは小坂光(宇都宮ブリッツェン) 。コース前半の常設コース区間を終了しピットのあるインフィールド区間に入ると前田公平 (弱虫ペダルサイクリングチーム) が先頭に立った。小坂が単独で追い、それに続くのは沢田時 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) 、年末ヨーロッパのシクロクロスレースを体験してきた積田連 (SNEL CYCLOCROSS TEAM)、丸山厚(チーム アレ リドレー)、比護任(PAXPROJECT)らが続く。
やがて沢田が小坂に合流。スタートで出遅れた竹内遼 (FUKAYA RACING) が追いつき3人のパックで2位争いが展開することになったが、周回が進むと竹内が一歩リードするとともにパックが崩壊。試走で転倒し膝を強打した小坂が強度に耐えきれずドロップ。沢田が単独3番手となった。
ちょうど1ヶ月前に全日本選手権を連覇した前田は1周につき5秒ほど速いラップタイムで周回を重ねリードは盤石な状態になるも、もがける区間では必ずもがく。最後はウィリーをしながらフィニッシュ。1周目から前田が刻んだハイペースは80%ルール3周目に入れない選手も続出。このレースの最終的な完走者は17名だった。
「かなりハードなコースでシンドイ状態でしたが、コース上でたくさんの応援をもらえて最後まで集中して楽しく走れました。この愛知牧場の楽しい雰囲気が好きなので来シーズンも参加したいです」と語った前田の次戦はJCX最終戦のスチールの森とのこと。
またこのレースにはトライアスロンで東京オリンピック代表候補となっている前田凌輔が参加。シクロクロスは今期ワイルドネイチャープラザでデビューし、光が丘、そして前日の土曜日のレースで1戦ごとに昇格し、このレースがC1初レース。前日昇格のため最後方スタートながらおよそ90人近くを抜き17位で完走を果たしポテンシャルの高さを証明した。
続いて行われたCL1は6周回で争われた。ホールショットを奪ったのは世界選手権への代表としてヨーロッパ遠征を控える赤松綾(SimWorks Racing) だったがすぐさま翌日からMTBの海外遠征をするという全日本チャンピオンの松本璃奈 (TEAM SCOTT Japan)がトップに立つ。それに赤松、同じく世界選手権代表メンバーの石田唯 (北桑田高校)、鵜飼知春 (八ヶ岳CYCLOCROSSCLUB)、西山みゆき (Toyo Frame Field Model)らが続く。
松本、赤松、石田の3人がひとつになり先頭集団を形成して展開するが、2周目に赤松がドロップ。3番手のポジションに上がってきたのはスタートで遅れた唐見実世子 (弱虫ペダルサイクリングチーム)。高校生の石田は果敢に松本にアタックし時折先頭に立つ場面も見られた。
唐見が2番手に浮上し、やがて松本を捉える。3位争いは赤松と石田。しかし石田は耐えきれずドロップ。下りのテクニカルなコーナーでは松本に分があるが、圧倒的に踏み続けるコースのため唐見が徐々に松本を引き離し31秒差をつけて優勝。2位には松本、3位には後半持ち直した赤松が入った。1位〜4位の4人は周回ごとにマッチアップする相手が入れ替わり、それぞれの組み合わせで、それぞれの場所でバトルがあり見応えのあるレースで観客を盛り上げた。
「去年今井選手に負けて2番だったので、今日はなんとか1番になりたいなと思っていました。モーモー坂でも横を走ってくださったりして、そのおかげで最後まで登り切ることができました。優勝できたことが何よりも嬉しいです。ありがとうございました。」と唐見がコメントした。
他のカテゴリでも熱戦が繰り広げられ、CK3では10歳の日吉彩華 (Limted Team846まるいち)がラスト1周に入ると同時にアタックし男子選手を千切って優勝。それまでは数人のパックの後方で様子を伺っているようなクレバーなレース運びだった。
全日本U15のチャンピオンで姉の日吉愛華 (Limted Team846まるいち)も30秒前にスタートしたC4の男子選手を次々に抜き、C4でも4位のポジションでフィニッシュ。もちろんCL2ではぶっちぎりの優勝を飾った。
最終レースとなったC2、CM1、CJではマスターズ全日本チャンピオンの筧太一(BUCYO coffee/CLT)がコース設営から前日のレース、そしてこのレースの途中まで大暴れだったが、途中足が攣ってしまい大きくペースダウン。直線では片足でしかこぐことができなかったが、自らモーモー坂を登った直後に設置したバリアを最後までバニーホップで乗り切るブチョー魂で走りきりフィニッシュ後倒れこむ場面もあった。
レース終了間際には大会の成功を祝福するような綺麗な夕日がコースに差し込んだ。
土曜日のレース終了後、沢田時 (TEAM BRIDGESTONE Cycling)によるBUCYO coffee主催のスクールが行われた。10名限定のチケットは発売数時間後で完売。コース攻略法などが受講生に伝授された模様。
また土日の二日間、三船日本代表監督による世界選手権代表メンバーのレッスンが行われ、小坂、沢田、そして野辺山シクロクロスオルガナイザーの矢野大介氏などがアシスタントとして参加。今月末に控えた遠征に向けてより実践的なレッスンがされていた。
JCXは残り2戦。1月19日の東北シクロクロス蔵王と2月9日の関西シクロクロススチールの森のみ。ここにきてJCXランキングも気になるところだ。蔵王をスキップする選手や海外遠征などで上位の選手が不在になり最終戦までもつれる模様だ。最終戦までJCXシリーズチャンピオンの行方も気になるところだ。
各カテゴリのレース結果は以下の通り
東海シクロクロス2020第4・5戦愛知牧場リザルト
C1 | ||
---|---|---|
1位 | 前田 公平 (弱虫ペダルサイクリングチーム) | 0:57:35.7 |
2位 | 竹内 遼 (FUKAYA RACING) | +0:22 |
3位 | 沢田 時 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) | +1:14 |
CL1 | ||
---|---|---|
1位 | 唐見 実世子 (弱虫ペダルサイクリングチーム) | 0:44:40.2 |
2位 | 松本 璃奈 (TEAM SCOTT Japan) | +0:31 |
3位 | 赤松 綾 (SimWorks Racing) | +0:46 |
CM1 | ||
---|---|---|
1位 | 石川 正道 (Champion System Japan Test Team) | 0:43:38.2 |
2位 | 川瀬 章史 (DESTRA) | +0:26 |
3位 | 西山 知宏 (ARAYACX TEAM) | +0:39 |
CJ | ||
---|---|---|
1位 | 鈴木 来人 (BoneChance Asia Cycling Academy) | 0:41:28.2 |
2位 | 香月 陸斗 (SimWorks Racing) | +6:36 |
C2 | ||
---|---|---|
1位 | 千田 尚孝 (自転車村R) | 0:41:03.8 |
2位 | 宇賀 隆貴 (SHIDO-WORKS) | +0:02 |
3位 | トレンチェブ クリスチャン (Santini Cycling Wear) | +1:47 |
CL2 | ||
---|---|---|
1位 | 日吉 愛華 (Limted Team846まるいち) | 0:23:40.9 |
2位 | 野崎 美里 (バルバクラブカナザワ) | +4:31 |
3位 | 山崎 友里 (バルバクラブタカオカ) | +4:44 |
CM2 | ||
---|---|---|
1位 | 村上 岳志 | 0:31:10.2 |
2位 | 廣田 俊夫 (フットワークRC) | +0:36 |
3位 | 仁藤 竜一 (スワコレーシング) | +0:41 |
C3 | ||
---|---|---|
1位 | 高橋 翔 (cycleclub 3UP.) | 0:28:31.5 |
2位 | 佐藤 あきら (人力車) | +0:29 |
3位 | 山内 渓太 (中京大学) | +0:44 |
CM3A | ||
---|---|---|
1位 | 野村 誠 (MAC(マック)チャリ部) | 0:34:02.6 |
2位 | 久野 元晴 | +0:36 |
3位 | 宮本 武 (チームヤマシゲ) | +1:05 |
CM3B | ||
---|---|---|
1位 | 三浦 慶太郎 (ほっとすぴん) | 0:35:33.5 |
2位 | 知久 一朗 (Monster Foot Racing) | +0:04 |
3位 | 加藤 佳高 (チームヤマシゲ) | +0:21 |
CL3 | ||
---|---|---|
1位 | 小西 美希 (バルバクラブカナザワ) | 0:13:28.0 |
2位 | 高橋 純子 | +0:22 |
3位 | 美濃羽 ひかり (mino) | +0:24 |
C4A | ||
---|---|---|
1位 | 澤井 千洋 (teamGRM) | 0:30:27.0 |
2位 | 中島 壮流 | +1:30 |
3位 | 堀江 省吾 (イナーメ信濃山形) | +1:46 |
C4B | ||
---|---|---|
1位 | 寺田 吉騎 (UCIH) | 0:29:51.8 |
2位 | 谷口 白羽 | +0:00 |
3位 | 玉仙 健一 | +1:36 |
C4C | ||
---|---|---|
1位 | 嶋崎 善文 (三菱自動車自転車部) | 0:23:40.5 |
2位 | 宮島 拓海 (自転車道) | +0:15 |
3位 | 加山 巧 | +0:55 |
U17 | ||
---|---|---|
1位 | 永野 昇海 (イナーメ信濃山形) | 0:29:52.8 |
2位 | 荒川 翔太 (TEAM GRM) | +4:14 |
U15 | ||
---|---|---|
1位 | 水谷 啓人 (Limited Team846/BUCYO COFFEE) | 0:23:36.5 |
2位 | 大蔵 悟生 (ボンシャンス) | +1:25 |
3位 | 平山 雷斗 (Tama-Hira) | +2:41 |
CK1 | ||
---|---|---|
1位 | 田畑 遥都 (TCKR) | 0:06:36.9 |
2位 | 佐野 将麻 (THRAPPY) | +0:03 |
3位 | 瀬戸山 紀介 (TOKAI POTENZA) | +0:10 |
CK2 | ||
---|---|---|
1位 | 三上 将醐 (アスリチューン・コラッジョキッズ) | 0:05:55.4 |
2位 | 伊藤 隆聖 (AS京都) | +0:01 |
3位 | 南 翔大 (TCKR) | +0:04 |
photo&report:Satoshi.Oda/Kasukabe Vision FILMz
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