2019/12/08(日) - 23:34
愛媛県内子町でのシクロクロス全日本選手権。女子エリートは松本璃奈(TEAM SCOTT)が昨年に続き圧倒的な力で勝利し、2連覇。2位の赤松綾(SimWorks Racing)、西山みゆき(Toyo Frame Field Model)はいずれも初めての全日本表彰台獲得でフレッシュなリザルトとなった。
女子エリートのレースはこの日もっとも気温が高くなった12時40分にスタートが切られた。観客もジャケットを脱ぎ、河川敷に降り注ぐ暖かな日差しを浴びるなか19人の選手たちが1周2.5kmの小田川河川敷特設コースに飛び出していく。
ディフェンディングチャンピオンの松本璃奈は関西シクロクロスマキノ大会、そして野辺山シクロクロスでも絶不調のリザルトで表彰台にも上がれなかった。野辺山で優勝した今井美穂(CO2 Bicycle)が来季のMTB−XCOでの五輪出場を目標にするためにクロスはすでに終了。宮内佐季子(Club La.sista)は南極観測隊に加入してすでに航海に入ったため欠場、プロロード選手として活躍する與那嶺恵理もエントリー無し。昨年5位の江嶋綾もエントリーがなく、昨年の2〜5位が不在というなかレースは始まった。表彰台争いは今までにないほどオープンだ。
ホールショットは現在好調という唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)がとり、河川敷コースへ突入。階段を登るセクションで松本璃奈が唐見を交わし、前へ出る。続いて西山みゆき(Toyo Frame Field Model)。後続も途切れない状態で入った斜め斜面が難しい芝のキャンバーで唐見がミス。ストップしてしまう。
リカバリーにてこずった唐見はここで順位を大きく落としてしまう。松本は力強いペダリングで後続との差を順調に開き出す。そして女子では乗車したまま一気に登るのが難しい激坂急登区間も乗車したままクリア。パワーとテクニック両方で差をつけ、独走状態に入る。
赤松綾(SimWorks Racing)が順調に順位を上げて2位につけ、3位に西山が続く。最終ラップに入ったとき、松本と2位の赤松との差は24秒。3位の西山は1分、4位の唐見は2分35秒差で続く。一時30秒あった松本と赤松との差は20秒まで詰まるが、最後まで届かなかった。
松本は激坂区間でもラスト2周回めのみ、一度だけ足を着いたが、それ以外の周はすべて乗って越えたという。危なげない走りで勝利。昨年の衝撃的な勝利から再び、全日本連覇となる2勝目を挙げた。
2位には昨シーズンに比べて8kgの減量に成功したという「走れる女性フレームビルダー」赤松綾。3位に西山みゆき。負けた赤松は悔しいと言うよりも2位が嬉しそうな笑顔のフィニッシュ。そして西山みゆきも小さなガッツポーズでフィニッシュ。ふたりは初の全日本のポディウム登壇の権利を手に入れた。
松本はフィニッシュして表彰台の前に座り込むと、その目からは涙が溢れ出した。野辺山で泣いたのとは違う、安堵の涙。嬉しい涙だ。
松本は言う。「めちゃくちゃ嬉しい。本当に調子が悪かったので、信じられない。マキノから野辺山まで、まったく調子が上がらず、散々泣いたんです。自分でも海外遠征で疲れているのがわかって、悔しい思いをしました。この2週間、本気で、できることをやって出し切った。そうして掴んだ金メダルは本当に嬉しいです」
「レース前は吹っ切れていて、昨日試走したときに自分の得意なコースだと思えたので、自分を信じて走りました。信じられるのは自分しかなかった。できることをひとつづつ、ミスしないように走りました」。
調子の悪さ、海外レース転戦で溜まった疲れはどのように抜いた?と質問すると次のように応えた。「めちゃくちゃ練習しました。疲れていたけど、限界を越えるためにそれ以上に自分を追い込んで、父と火花を散らすバトルをして猛練習したんです。荒治療です。それでこの結果なので、嬉しい」。
MTBでもアジアチャンピオン。そして東京オリンピックの出場候補にも名前は挙がっている。しかしそのためには海外レースを更に転戦して、UCIポイントを獲得する必要がある。
「来年は全日本3連覇を狙うのはもちろんですが、来週はマレーシアでのマウンテンバイクアジア選手権です。そしてアジア選、全日本、オリンピックと続くので、すべて出場できるように、そしてメダルを取れるように頑張ろうと思います。東京オリンピックに出場できるように頑張ります!」。
野辺山シクロクロスでも表彰台に乗った2位の赤松は言う。「まず璃奈ちゃんおめでとう。私は前半のかかりがいつも遅くて、後半上げたんですが、この表彰台に自分が乗っていることに自分がびっくりしています。また来年もがんばります」。
3位の西山みゆき「表彰台は狙ってはいたんですが、綾ちゃんも強いし、まさか自分がここに上がれるとは思っていなかったです。難しいかなと思っていたけど、最高の気分です」。
女子エリートのレースはこの日もっとも気温が高くなった12時40分にスタートが切られた。観客もジャケットを脱ぎ、河川敷に降り注ぐ暖かな日差しを浴びるなか19人の選手たちが1周2.5kmの小田川河川敷特設コースに飛び出していく。
ディフェンディングチャンピオンの松本璃奈は関西シクロクロスマキノ大会、そして野辺山シクロクロスでも絶不調のリザルトで表彰台にも上がれなかった。野辺山で優勝した今井美穂(CO2 Bicycle)が来季のMTB−XCOでの五輪出場を目標にするためにクロスはすでに終了。宮内佐季子(Club La.sista)は南極観測隊に加入してすでに航海に入ったため欠場、プロロード選手として活躍する與那嶺恵理もエントリー無し。昨年5位の江嶋綾もエントリーがなく、昨年の2〜5位が不在というなかレースは始まった。表彰台争いは今までにないほどオープンだ。
ホールショットは現在好調という唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)がとり、河川敷コースへ突入。階段を登るセクションで松本璃奈が唐見を交わし、前へ出る。続いて西山みゆき(Toyo Frame Field Model)。後続も途切れない状態で入った斜め斜面が難しい芝のキャンバーで唐見がミス。ストップしてしまう。
リカバリーにてこずった唐見はここで順位を大きく落としてしまう。松本は力強いペダリングで後続との差を順調に開き出す。そして女子では乗車したまま一気に登るのが難しい激坂急登区間も乗車したままクリア。パワーとテクニック両方で差をつけ、独走状態に入る。
赤松綾(SimWorks Racing)が順調に順位を上げて2位につけ、3位に西山が続く。最終ラップに入ったとき、松本と2位の赤松との差は24秒。3位の西山は1分、4位の唐見は2分35秒差で続く。一時30秒あった松本と赤松との差は20秒まで詰まるが、最後まで届かなかった。
松本は激坂区間でもラスト2周回めのみ、一度だけ足を着いたが、それ以外の周はすべて乗って越えたという。危なげない走りで勝利。昨年の衝撃的な勝利から再び、全日本連覇となる2勝目を挙げた。
2位には昨シーズンに比べて8kgの減量に成功したという「走れる女性フレームビルダー」赤松綾。3位に西山みゆき。負けた赤松は悔しいと言うよりも2位が嬉しそうな笑顔のフィニッシュ。そして西山みゆきも小さなガッツポーズでフィニッシュ。ふたりは初の全日本のポディウム登壇の権利を手に入れた。
松本はフィニッシュして表彰台の前に座り込むと、その目からは涙が溢れ出した。野辺山で泣いたのとは違う、安堵の涙。嬉しい涙だ。
松本は言う。「めちゃくちゃ嬉しい。本当に調子が悪かったので、信じられない。マキノから野辺山まで、まったく調子が上がらず、散々泣いたんです。自分でも海外遠征で疲れているのがわかって、悔しい思いをしました。この2週間、本気で、できることをやって出し切った。そうして掴んだ金メダルは本当に嬉しいです」
「レース前は吹っ切れていて、昨日試走したときに自分の得意なコースだと思えたので、自分を信じて走りました。信じられるのは自分しかなかった。できることをひとつづつ、ミスしないように走りました」。
調子の悪さ、海外レース転戦で溜まった疲れはどのように抜いた?と質問すると次のように応えた。「めちゃくちゃ練習しました。疲れていたけど、限界を越えるためにそれ以上に自分を追い込んで、父と火花を散らすバトルをして猛練習したんです。荒治療です。それでこの結果なので、嬉しい」。
MTBでもアジアチャンピオン。そして東京オリンピックの出場候補にも名前は挙がっている。しかしそのためには海外レースを更に転戦して、UCIポイントを獲得する必要がある。
「来年は全日本3連覇を狙うのはもちろんですが、来週はマレーシアでのマウンテンバイクアジア選手権です。そしてアジア選、全日本、オリンピックと続くので、すべて出場できるように、そしてメダルを取れるように頑張ろうと思います。東京オリンピックに出場できるように頑張ります!」。
野辺山シクロクロスでも表彰台に乗った2位の赤松は言う。「まず璃奈ちゃんおめでとう。私は前半のかかりがいつも遅くて、後半上げたんですが、この表彰台に自分が乗っていることに自分がびっくりしています。また来年もがんばります」。
3位の西山みゆき「表彰台は狙ってはいたんですが、綾ちゃんも強いし、まさか自分がここに上がれるとは思っていなかったです。難しいかなと思っていたけど、最高の気分です」。
女子エリート
1位 | 松本璃奈(TEAM SCOTT) | 43:41 |
2位 | 赤松綾(SimWorks Racing) | +29 |
3位 | 西山みゆき(Toyo Frame Field Model) | +2:05 |
4位 | 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +3:07 |
5位 | 平田千枝(Club La.sista Offroad Team) | +4:29 |
6位 | 鵜飼知春(八ヶ岳CYCLOCROSSCLUB) | +5:03 |
text&photo:Makoto AYANO
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