2019/11/12(火) - 13:06
「グラベル」が今年流行のキーワードのひとつとなったサイクルモード2019。展示会場から徒歩8分ほど、幕張クロスの会場となった屋外スペースではグラベルバイクなどの展示・試乗で賑わった。フィールドで展開したもうひとつの「グラベルモード」をレポートしよう。
幕張クロスのコース脇のブースが今年は大きく拡張。e-MTBの試乗も充実した
グラベルロードの流行は世界的なムーブメント。日本ではグラインデューロが初開催され、シマノはグラベルコンポーネントのGRXをリリース。その流れに拍車がかかっている。サイクルモードでももともと併催イベントであったシクロクロスレース「幕張クロス」が人気。その会場脇には屋外版サイクルモードとしてのブース出展があるが、今年のグラベルの流行が後押ししてか、コース沿いのブースは今年大きく拡充した。足を運ぶには少し遠いため、このエリアをチェックできたのは幕張クロスのレース出場選手&観戦者だけに限られてしまったかもしれない。
幕張クロスではこんなアクロバティックなセクションも有り、迫力のライディングテクニックが観られる photo:Makoto.AYANO
日本チャンピオンの前田公平選手から直々に基本を教えてもらえるシクロクロススクールも開催されていた photo:Makoto.AYANO
シクロクロスコース脇の試乗コース。高低差に富むオフロードでE-MTBの性能もきっちり試せる
試乗コースはシクロクロス会場の脇にあるアップダウンに富んだ地形。本格的なドロップオフも有り、フルサスペンションタイプのMTBの性能や、E-Bikeならではの登攀力を体験できるコースとなっていた。メイン会場から少し距離があり、かつこのエリアの出展ブランドが限られる点はあるが、もし本格的なオフロード走破を体験したいなら、こちらの会場はオススメだ。さっそく、このエリアで見つけた注目モデルを紹介しよう。
東商会 サーヴェロ、ドネリー、XROSS
東商会のブースでは新作のグラベルロード、サーヴェロASPEROの試乗がシクロクロスレーサーたちに超人気状態。エアロ形状フレーム採用のレーシンググラベルバイクはレース志向が強く軽量で俊敏。CXレーサーたちは「グラベルロードが欲しいけれど、シクロクロスレースにも兼用したい」という要望が強く、そんな視点で試乗を繰り返す人が絶えなかった。
人気のグラベルモデル サーヴェロ「ASPERO」エアロ形状フレーム採用のレーシンググラベルバイクだ
ASPEROのエンド部はキャスターアングル可変式で操舵性の味付けを変えることができる
ASPEROのペイントカラーはどの色も魅力的だ
ドネリーのグラベルバイク「G//C」取り扱いは東商会だ
この日に世界に先駆けて発表されたドネリーのシクロクロスタイヤ「PDX WC33」
元ホンダの技術者が開発したという国産E-MTBの「XROSS」。2020年1月に東商会で取扱が始まる予定だ
東京サンエス リッチー、ニューアルビオン
屋内にも屋外にもブース展開した東京サンエス。屋外ではリッチーSWISS CROSS DISCがひっそりとデビューしていた。細身のフォルムのクロモリフレームのCXバイクとして人気のスイスクロスに加わったディスクブレーキバージョンとして大注目だ。
リッチーSWISS CROSS DISCがデビュー。オーバーサイズフレームを用いた細身のクロモリCXバイクだ
東京サンエスのブースにあったニューアルビオンDRAKE(ドレイク)。650B&リラックスポジション採用で中距離ツーリングやバイクパッキングを気軽にこなす
SOMA(ソーマ)のアップハンドルはリラックスしたオフロードライドができそうだ
フェルト 前田公平選手のCXチャンピオンバイクも展示
フェルトのブースではグラベル、シクロクロスバイクの展示&試乗に加えて全日本シクロクロスチャンピオンの前田公平選手の実車展示も。超実戦仕様の決戦バイクはやはりどこかオーラが違う。前田選手も脇のピットでレースに備えており、スクールも開催。訪問者への質問にも積極的に応えていた。
前田公平選手が駆るFELTのシクロクロスバイクが全日本チャンピオンカラーで観ることができた
ステムのボルトはチタン製のものに換装されていた
スペアバイクにも乗り換えるためハンドルには識別のためのナンバーが振られる
前田選手はスラムCX1でフロントシングル仕様で戦う。ゴールドのチェーンはKMC製だ
タイムの旧ATACペダルを使う前田選手。かなり昔のモデルだがストックしているようだ
フェルトのグラベルバイク「BREED30」。軽量アルミ製で50Cまでの太さのタイヤに対応、チェーンステイ長を詰めて反応性に優れたモデルだという
メリダ 650B版のSILEX+がデビュー
メリダ&ミヤタサイクルのブースではE-Bike試乗が充実。そしてグラベルモデルとして注目のSILEXシリーズの展示&試乗も。2020モデルでは650B版のSILEX+(写真)がデビュー。少しリラックスして乗れる先進のカーボンモデルとして独特の存在だ。
メリダのブースにあったグラベルロード SILEXシリーズ。2020モデルで650B版のSILEX+(写真)がデビューした
IRC 井上ゴム工業
IRCタイヤ(井上ゴム工業)のブースではエンデューロタイヤの新型「TANKEN」とBMXタイヤ「SIREN」の展示があった。いずれも同社得意のチューブレスタイプ。BMXモデルについては世界チャンピオン獲得モデルとなり、おそらく世界で唯一的な存在のBMXタイヤのチューブレスモデル。東京五輪のメダル有力種目であり、今後の展開に期待できそうだ。
IRCのブースには新型エンデューロタイヤの「TANKEN(タンケン)」と、BMX世界選手権で金メダルを獲得した「SIREN(シレン) PRO」 があった。いずれもチューブレスタイヤだ
メイン会場にもオフロードコースが増設
屋外試乗コーナーに設けられたオフロードバイク用のギャップセクション photo:Makoto.AYANO
またサイクルモードメイン会場内の試乗コースには今年はじめての試みとしてオフロードバイク向けのコースも設定された。屋外に出るとゲートによりコースは分岐。木々の間を縫うことができる「スラローム」セクションを経て細かな段差が連続する「ミニリズム」セクションへ。坂になっている木製の「スロープ」を経て「リズムラダー」へ。本格的なオフロードとまでは行かないが、悪路や障害物を疑似体験できるようになっていた。
オフロード系バイクは右側のレーンへと進む photo:Makoto.AYANO
オフロード系バイクの乗り心地が試せるセクションが用意された photo:Makoto.AYANO
キャノンデールはグラベルモデル「TOPSTONE」に絞ってブース展開
今年思い切ったブース展開を行ったのがキャノンデールだ。グラベルモデルのTOPSTONEに限って展示し、試乗はそのハイエンドモデルの「TOPSTONE CARBON」だけをずらりと揃えた。同モデルはセルフディスカバリーチャレンジin王滝のグラベルクラス2つを制したモデルで、グラインデューロでも注目を浴びた新モデル。リアにキングピン式サスを装備した先進の1台。
「新しいカテゴリーのバイクですから、このモデルの性能の良さ、楽しさを実感してもらおうと思い、TOPSTONE CARBON1本に絞りました。タイヤもチューブレス化してセッティングを出し、ベストな状態に仕上げて試乗していただきましたから、乗った方の多くが笑顔になって『これ楽しい!』を連発してくれましたよ。体験してもらえればその楽しさがわかってもらえたはずです」と山本カズさん。
キャノンデールジャパンはグラベル系のハイエンドモデル TOPSTONE CARBONのみをずらりと揃えた photo:Makoto.AYANO
グラベルバイクはキャンプツーリングにもGOOD!
「アウトドアミックスゾーン」ではキャンプツーリングの楽しさを山下晃和さんがレクチャー。グラベルバイクの横展開だ
東京サンエスブースにもキャンプライド装備のグラベルバイクの展示が
「アウトドアミックスゾーン」ではキャンプツーリングの楽しさをキャンプツーリング大好きモデルの山下晃和さんがレクチャー。グラベルバイクは流行のバイクパッキングスタイルを取り入れればキャンプ用品を積載するユーティリティに優れている。シマノの話題のグラベルコンポ「GRX」のブースや東京サンエスのブースでもキャンプスタイルの提案があり、グラベルバイクはキャンプツーリングからアドベンチャーまで横展開の楽しみ方が広がる。
シマノの新型グラベルコンポ「GRX]を用いたアドベンチャーバイクの展示 photo:Makoto.AYANO
photo&text:Makoto.AYANO
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グラベルロードの流行は世界的なムーブメント。日本ではグラインデューロが初開催され、シマノはグラベルコンポーネントのGRXをリリース。その流れに拍車がかかっている。サイクルモードでももともと併催イベントであったシクロクロスレース「幕張クロス」が人気。その会場脇には屋外版サイクルモードとしてのブース出展があるが、今年のグラベルの流行が後押ししてか、コース沿いのブースは今年大きく拡充した。足を運ぶには少し遠いため、このエリアをチェックできたのは幕張クロスのレース出場選手&観戦者だけに限られてしまったかもしれない。
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東商会 サーヴェロ、ドネリー、XROSS
東商会のブースでは新作のグラベルロード、サーヴェロASPEROの試乗がシクロクロスレーサーたちに超人気状態。エアロ形状フレーム採用のレーシンググラベルバイクはレース志向が強く軽量で俊敏。CXレーサーたちは「グラベルロードが欲しいけれど、シクロクロスレースにも兼用したい」という要望が強く、そんな視点で試乗を繰り返す人が絶えなかった。
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東京サンエス リッチー、ニューアルビオン
屋内にも屋外にもブース展開した東京サンエス。屋外ではリッチーSWISS CROSS DISCがひっそりとデビューしていた。細身のフォルムのクロモリフレームのCXバイクとして人気のスイスクロスに加わったディスクブレーキバージョンとして大注目だ。
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フェルト 前田公平選手のCXチャンピオンバイクも展示
フェルトのブースではグラベル、シクロクロスバイクの展示&試乗に加えて全日本シクロクロスチャンピオンの前田公平選手の実車展示も。超実戦仕様の決戦バイクはやはりどこかオーラが違う。前田選手も脇のピットでレースに備えており、スクールも開催。訪問者への質問にも積極的に応えていた。
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メリダ 650B版のSILEX+がデビュー
メリダ&ミヤタサイクルのブースではE-Bike試乗が充実。そしてグラベルモデルとして注目のSILEXシリーズの展示&試乗も。2020モデルでは650B版のSILEX+(写真)がデビュー。少しリラックスして乗れる先進のカーボンモデルとして独特の存在だ。
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IRC 井上ゴム工業
IRCタイヤ(井上ゴム工業)のブースではエンデューロタイヤの新型「TANKEN」とBMXタイヤ「SIREN」の展示があった。いずれも同社得意のチューブレスタイプ。BMXモデルについては世界チャンピオン獲得モデルとなり、おそらく世界で唯一的な存在のBMXタイヤのチューブレスモデル。東京五輪のメダル有力種目であり、今後の展開に期待できそうだ。
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メイン会場にもオフロードコースが増設
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キャノンデールはグラベルモデル「TOPSTONE」に絞ってブース展開
今年思い切ったブース展開を行ったのがキャノンデールだ。グラベルモデルのTOPSTONEに限って展示し、試乗はそのハイエンドモデルの「TOPSTONE CARBON」だけをずらりと揃えた。同モデルはセルフディスカバリーチャレンジin王滝のグラベルクラス2つを制したモデルで、グラインデューロでも注目を浴びた新モデル。リアにキングピン式サスを装備した先進の1台。
「新しいカテゴリーのバイクですから、このモデルの性能の良さ、楽しさを実感してもらおうと思い、TOPSTONE CARBON1本に絞りました。タイヤもチューブレス化してセッティングを出し、ベストな状態に仕上げて試乗していただきましたから、乗った方の多くが笑顔になって『これ楽しい!』を連発してくれましたよ。体験してもらえればその楽しさがわかってもらえたはずです」と山本カズさん。
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グラベルバイクはキャンプツーリングにもGOOD!
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![シマノの新型グラベルコンポ「GRX]を用いたアドベンチャーバイクの展示](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2019/11/05/aya0837.jpg)
photo&text:Makoto.AYANO