2019/10/22(火) - 17:30
白熱したジャパンカップより一夜明けた月曜日、品川プリンスホテルでバーレーン・メリダのアフターパーティーが開催された。オフシーズン初日となりリラックスした様子の選手たちとファンが交流を楽しんだ。
日本のロードレースシーンで最も高い盛り上がりを見せるジャパンカップ。UCIのカテゴリーではワールドツアーに次ぐHC(オークラス)に位置づけられ、名だたるUCIワールドチームが数多く参戦するレースだ。年々参加するワールドチームの本気度が上昇しており、必勝体制で来日するチームも少なくはない。
その1つが初出場となったバーレーン・メリダだ。日本が誇るライダー新城幸也が所属するチームであり、ジャパンカップへの参戦を心待ちにしていた方も少なくないだろう。中東籍のワールドチームはエーススプリンターのソンニ・コルブレッリ、ニバリの片腕であるダミアーノ・カルーゾを連れてきており、クリテリウムとロードレースどちらでも勝てる布陣で宇都宮入りを果たす。結果としてはクリテリウムでコルブレッリが2位、ロードレースは思い通りとはならなかったものの強い存在感を示していた。
そんな彼らが激しいレースの翌日、品川プリンスホテルでファンとの交流を深めるために、メリダの国内代理店ミヤタサイクルが主催するアフターパーティーに参加した。ミヤタサイクル代表取締役・高谷信一郎さんによる乾杯の音頭では、チームへの感謝、リザルトへの労いの言葉、「来年こそは優勝を」という言葉をチームへ投げかけ、待ちに待ったアフターパーティーの幕が上がった。
選手と交流できるようにと設けられた歓談タイムはサインや写真を求めるのには絶好なチャンス。実はアフターパーティー開会の前に、この日通訳として参加したプロフォトグラファー砂田弓弦さんが会話の掴みとして「チャオ!」と声をかけることと教えてくれていた。普段話し慣れない英語を突然使うのは難しいのは当然。参加された皆さんは頑張ってチャオやハローと声をかけ、選手たちとのコミュニケーションを楽しんでいた。
選手に想いを伝えたい時は砂田さんが通訳してくれるため、選手たちにも皆さんの気持ちは伝わっていたはずだ。事前に用意した色紙に全員のサインを貰ったり、写真を一緒に撮影してもらったりと、グランツールで活躍する選手たちと肩を並べられるなんて貴重な時間を過ごせている。しかし、それだけではなく参加者の中には選手たちにプレゼントを渡す方も。
一番の人気はやはりユキヤだ。毎年オフシーズンは幾つかのイベントに参加してくれているが、ジャパンカップに所属チームで参加するのは久々。いつも人気者のユキヤとゆっくり交流できるの機会は非常に貴重であるため、皆さんサインの列で自分の番がやってくるのをドキドキしながら待っていたのではないだろうか。
選手たちも食事を楽しむ時間でもあったので、ビュッフェスタイルの料理の中から何を選ぶのかなと思い見ていたら、ペリツォッティ監督を筆頭に海苔巻を菜箸でヒョイヒョイと掴んでお皿に乗せていくではないか。カルーゾやハーマン・ペーンシュタイナー、ドメン・ノヴァク、ルカ・ピベルニクら来日経験がある選手はもちろん、初来日のコルブレッリもお箸の使い方は非常に上手。コルブレッリは「僕は日本が大好きだからね」という。
ファンの皆さんとにこやかに接してくれていたコルブレッリは「クリテリウムで勝てなかったのは残念だけど、沿道にファンが集った様子はまるでツール・ド・フランスのシャンゼリゼのようだった。他にはそんなのないよ。もし次の機会があれば勝ちたいね」と話してくれた。2017年のTOJで来日経験のあるペーンシュタイナーも「1月から始まるシーズンはかなり長く、ちょっと疲れていたよ。でも、TOJで来たときから日本は好きだから、戻ってこれて嬉しい」という。
歓談タイムの後はバーレーン・メリダのチームウェアが貰えるじゃんけん大会が行われる。コルブレッリとカルーゾ、ユキヤとじゃんけんをしていくのだが、ユキヤの場合は"新城じゃんけん"というバージョンに切り替わる。ユキヤが参加するイベントではお馴染みらしいので、一体どんなじゃんけんなのか気になる方はイベントに参加してみてほしい。じゃんけんの勝敗で盛り上がったら、宴もたけなわ、アフターパーティーの閉会の時間となってしまった。
再び選手とスタッフは登壇し一言ずつ挨拶をしていき、コルブレッリが「来年はクリテリウムで優勝します」と語ると会場は大盛りあがり。ユキヤの言葉はファンのサポートへの感謝から始まった。「今年のシーズン前半から躓いてしまい、前半の取り返しをするためにはジャパンカップしか無いという気持ちで走ってきましたが、今回それを叶えることはできませんでした。この悔しさは来年、ソンニ(コルブレッリ)が言っていたように、皆さんの前で活躍して晴らしたいと思います」と心強い言葉をファンに投げかけた。
ラストは監督として来日したペリツォッティの言葉。「この会を開催してくれた皆さん、ジャパンカップのオーガナイザーに感謝します。バーレーン・メリダとしては初めて出場となるレースでしたが、勝てる布陣で臨みました。クリテリウムは2位となりましたが、ロードレースは例年よりも厳しい展開となり、残念ながら戦績は振るいませんでした。沿道のファン、今ここに来てくれるファンの皆さんは、他の国では見ることのできない素晴らしい人達です。感謝したいと思います。また、お目にかかれることを期待しています」と今回の来日を振り返った。
ファンの皆さんが作った花道を選手、スタッフたちがハイタッチをしながら通り、アフターパーティーは閉会となった。また来年、ユキヤとコルブレッリ率いるバーレーン・メリダが宇都宮で躍動することを期待したい。
フォトギャラリーはこちら
text&photo: Gakuto Fujiwara
日本のロードレースシーンで最も高い盛り上がりを見せるジャパンカップ。UCIのカテゴリーではワールドツアーに次ぐHC(オークラス)に位置づけられ、名だたるUCIワールドチームが数多く参戦するレースだ。年々参加するワールドチームの本気度が上昇しており、必勝体制で来日するチームも少なくはない。
その1つが初出場となったバーレーン・メリダだ。日本が誇るライダー新城幸也が所属するチームであり、ジャパンカップへの参戦を心待ちにしていた方も少なくないだろう。中東籍のワールドチームはエーススプリンターのソンニ・コルブレッリ、ニバリの片腕であるダミアーノ・カルーゾを連れてきており、クリテリウムとロードレースどちらでも勝てる布陣で宇都宮入りを果たす。結果としてはクリテリウムでコルブレッリが2位、ロードレースは思い通りとはならなかったものの強い存在感を示していた。
そんな彼らが激しいレースの翌日、品川プリンスホテルでファンとの交流を深めるために、メリダの国内代理店ミヤタサイクルが主催するアフターパーティーに参加した。ミヤタサイクル代表取締役・高谷信一郎さんによる乾杯の音頭では、チームへの感謝、リザルトへの労いの言葉、「来年こそは優勝を」という言葉をチームへ投げかけ、待ちに待ったアフターパーティーの幕が上がった。
選手と交流できるようにと設けられた歓談タイムはサインや写真を求めるのには絶好なチャンス。実はアフターパーティー開会の前に、この日通訳として参加したプロフォトグラファー砂田弓弦さんが会話の掴みとして「チャオ!」と声をかけることと教えてくれていた。普段話し慣れない英語を突然使うのは難しいのは当然。参加された皆さんは頑張ってチャオやハローと声をかけ、選手たちとのコミュニケーションを楽しんでいた。
選手に想いを伝えたい時は砂田さんが通訳してくれるため、選手たちにも皆さんの気持ちは伝わっていたはずだ。事前に用意した色紙に全員のサインを貰ったり、写真を一緒に撮影してもらったりと、グランツールで活躍する選手たちと肩を並べられるなんて貴重な時間を過ごせている。しかし、それだけではなく参加者の中には選手たちにプレゼントを渡す方も。
一番の人気はやはりユキヤだ。毎年オフシーズンは幾つかのイベントに参加してくれているが、ジャパンカップに所属チームで参加するのは久々。いつも人気者のユキヤとゆっくり交流できるの機会は非常に貴重であるため、皆さんサインの列で自分の番がやってくるのをドキドキしながら待っていたのではないだろうか。
選手たちも食事を楽しむ時間でもあったので、ビュッフェスタイルの料理の中から何を選ぶのかなと思い見ていたら、ペリツォッティ監督を筆頭に海苔巻を菜箸でヒョイヒョイと掴んでお皿に乗せていくではないか。カルーゾやハーマン・ペーンシュタイナー、ドメン・ノヴァク、ルカ・ピベルニクら来日経験がある選手はもちろん、初来日のコルブレッリもお箸の使い方は非常に上手。コルブレッリは「僕は日本が大好きだからね」という。
ファンの皆さんとにこやかに接してくれていたコルブレッリは「クリテリウムで勝てなかったのは残念だけど、沿道にファンが集った様子はまるでツール・ド・フランスのシャンゼリゼのようだった。他にはそんなのないよ。もし次の機会があれば勝ちたいね」と話してくれた。2017年のTOJで来日経験のあるペーンシュタイナーも「1月から始まるシーズンはかなり長く、ちょっと疲れていたよ。でも、TOJで来たときから日本は好きだから、戻ってこれて嬉しい」という。
歓談タイムの後はバーレーン・メリダのチームウェアが貰えるじゃんけん大会が行われる。コルブレッリとカルーゾ、ユキヤとじゃんけんをしていくのだが、ユキヤの場合は"新城じゃんけん"というバージョンに切り替わる。ユキヤが参加するイベントではお馴染みらしいので、一体どんなじゃんけんなのか気になる方はイベントに参加してみてほしい。じゃんけんの勝敗で盛り上がったら、宴もたけなわ、アフターパーティーの閉会の時間となってしまった。
再び選手とスタッフは登壇し一言ずつ挨拶をしていき、コルブレッリが「来年はクリテリウムで優勝します」と語ると会場は大盛りあがり。ユキヤの言葉はファンのサポートへの感謝から始まった。「今年のシーズン前半から躓いてしまい、前半の取り返しをするためにはジャパンカップしか無いという気持ちで走ってきましたが、今回それを叶えることはできませんでした。この悔しさは来年、ソンニ(コルブレッリ)が言っていたように、皆さんの前で活躍して晴らしたいと思います」と心強い言葉をファンに投げかけた。
ラストは監督として来日したペリツォッティの言葉。「この会を開催してくれた皆さん、ジャパンカップのオーガナイザーに感謝します。バーレーン・メリダとしては初めて出場となるレースでしたが、勝てる布陣で臨みました。クリテリウムは2位となりましたが、ロードレースは例年よりも厳しい展開となり、残念ながら戦績は振るいませんでした。沿道のファン、今ここに来てくれるファンの皆さんは、他の国では見ることのできない素晴らしい人達です。感謝したいと思います。また、お目にかかれることを期待しています」と今回の来日を振り返った。
ファンの皆さんが作った花道を選手、スタッフたちがハイタッチをしながら通り、アフターパーティーは閉会となった。また来年、ユキヤとコルブレッリ率いるバーレーン・メリダが宇都宮で躍動することを期待したい。
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text&photo: Gakuto Fujiwara