2019/10/06(日) - 20:07
テクニックとパワーを必要とする修善寺MTBコースを飛ぶように駆け抜けたのは、元世界王者のヨランダ・ネフ(スイス)だった。スイスチームは1位、2位、4位、6位とメンバー全員を上位に送り込むことに成功し、層の厚さを今一度見せつけることとなった。
スタート前にスタッフと打ち合わせるヨランダ・ネフ(スイス) photo:So.Isobe
世界王者ポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)がローラー台でウォーミングアップ photo:So.Isobe
日本CSCの新XCコースのこけら落としとなったREADY STEADY TOKYO MTB女子がスタート photo:So.Isobe
日本CSC内に新設されたMTBコースのこけら落としとなった、プレ大会MTB女子レースに顔を揃えたのは27ヶ国から集った41名の選手たち。前日試走で落車した前世界王者のケイト・コートニー(アメリカ)とリオ五輪金メダリストのジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン)は出場を取りやめ、アルカンシエルを着るポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)も落車によって1周目でレースを降りたことから、U23世界王者シーナ・フライ、アレッサンドラ・ケラー、そしてリンダ・インダーガンドという屈強なメンバーを揃えるスイスチームがその存在感を際立たせることとなった。
ホールショットこそキャサリン・ペンドレル(カナダ)が獲ったものの、最初の登坂区間でリードを奪ったのはヨランダ・ネフ(スイス)。「本当に調子が良くて予想以上に良いレースになった」と語る元世界王者は、誰もが「非常にテクニカルだった」と口を揃えるコースで飛ぶような走りを披露する。
1.5mもの落差があるドロップオフを行くヨランダ・ネフ(スイス) photo:Gakuto Fujiwara
軽やかな身のこなしで先頭を進むネフに続いたのは、マルティナ・ベルタ(イタリア)や「カオスな1周目でトラブルを避けるために脚を使ってでも前に出た」と言うアン・テルプストラ(オランダ)、そしてフライといったメンバー。しかしネフは2周目突入以前には独走態勢を築き上げ、優勝に向けての青信号を灯らせる。
2位グループを形成したフライとテルプストラとの差は広がる一方で、世界屈指のメンバーが刻むハイペースに今井美穂、松本璃奈、そして川口うららという日本勢は隊列後方で苦しい戦いを強いられることとなる。
ライバルを引き離したシーナ・フライ(スイス) photo:So.Isobe
4位集団からの抜け出しを試みるアニー・ラスト(イギリス) photo:So.Isobe
天城越えの下りを攻めるアン・テルプストラ(オランダ)
大声援を受ける松本璃奈 photo:Gakuto Fujiwara
苦しい戦いを強いられた今井美穂 photo:So.Isobe
4位グループを形成したのはケラーとインダーガンド、そしてアニー・ラスト(イギリス)、ロアナ・ルコンテ(フランス)の4名で、その後ろにペンドレルとロンヤ・アイブル(ドイツ)、2010年の世界王者マヤ・ヴウォシュチョヴスカ(ポーランド)、そしてシクロクロスのU23で世界王者に輝いた経験を持つイヴィ・リチャーズ(イギリス)が続く。この中からポジションを上げた20歳のアイブルは4位グループに追いつき、最終的に5位でフィニッシュする走りを見せている。
「最後まで何が起こるか全く分からないので、気を抜かずに走り続けた」というネフは最終的に後続を1分45秒突き放して独走勝利。2位にはテルプストラを終盤に引き離したフライが入り、スイスがワンツーフィニッシュを達成。4位にケラー、6位にインダーガンドが食い込み、選手4名を上位6位以内に送り込むという層の厚さを見せつけた。
圧倒的な力を見せ、独走勝利を飾ったヨランダ・ネフ(スイス) photo:Gakuto Fujiwara
スイスチームとして1−2フィニッシュを果たしたヨランダ・ネフとシーナ・フライが健闘を讃えあう photo:So.Isobe
ヨランダ・ネフ(スイス)を始め表彰台に上がった3選手はファンにサービスしてくれた
1位ヨランダ・ネフ(スイス)、2位シーナ・フライ(スイス)、3位アン・テルプストラ(オランダ) photo:So.Isobe
シーズン終盤戦だけにトップコンディションでこそないものの、世界トップレベルの走りで独走勝利したネフ。「早くから単独になったけれど、他の選手にペースを惑わされることなく登坂をこなせたのでむしろ良かった」とレースを振り返る。テクニカルセクションについても「楽しみながら走れた」と余裕を見せる。
今回は100%ルールによる足切り(1周回遅れで除外)が適用され、世界基準の難コースに苦しんだ日本勢は、松本が完走ラインまで僅かに届かずマイナス1ラップの34位。全日本王者の今井は35位、そして川口はマイナス2ラップの37位に沈んだ。松本は「今日感じたのはテクニック面の差。下りはもちろんですが、登りでも石や砂が浮いていたのでとても難しかった。上手くトルクを使って激坂を登る練習を重ねないといけません」と苦い表情を交えながら振り返った。
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日本CSC内に新設されたMTBコースのこけら落としとなった、プレ大会MTB女子レースに顔を揃えたのは27ヶ国から集った41名の選手たち。前日試走で落車した前世界王者のケイト・コートニー(アメリカ)とリオ五輪金メダリストのジェニー・リスヴェッツ(スウェーデン)は出場を取りやめ、アルカンシエルを着るポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)も落車によって1周目でレースを降りたことから、U23世界王者シーナ・フライ、アレッサンドラ・ケラー、そしてリンダ・インダーガンドという屈強なメンバーを揃えるスイスチームがその存在感を際立たせることとなった。
ホールショットこそキャサリン・ペンドレル(カナダ)が獲ったものの、最初の登坂区間でリードを奪ったのはヨランダ・ネフ(スイス)。「本当に調子が良くて予想以上に良いレースになった」と語る元世界王者は、誰もが「非常にテクニカルだった」と口を揃えるコースで飛ぶような走りを披露する。
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軽やかな身のこなしで先頭を進むネフに続いたのは、マルティナ・ベルタ(イタリア)や「カオスな1周目でトラブルを避けるために脚を使ってでも前に出た」と言うアン・テルプストラ(オランダ)、そしてフライといったメンバー。しかしネフは2周目突入以前には独走態勢を築き上げ、優勝に向けての青信号を灯らせる。
2位グループを形成したフライとテルプストラとの差は広がる一方で、世界屈指のメンバーが刻むハイペースに今井美穂、松本璃奈、そして川口うららという日本勢は隊列後方で苦しい戦いを強いられることとなる。
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4位グループを形成したのはケラーとインダーガンド、そしてアニー・ラスト(イギリス)、ロアナ・ルコンテ(フランス)の4名で、その後ろにペンドレルとロンヤ・アイブル(ドイツ)、2010年の世界王者マヤ・ヴウォシュチョヴスカ(ポーランド)、そしてシクロクロスのU23で世界王者に輝いた経験を持つイヴィ・リチャーズ(イギリス)が続く。この中からポジションを上げた20歳のアイブルは4位グループに追いつき、最終的に5位でフィニッシュする走りを見せている。
「最後まで何が起こるか全く分からないので、気を抜かずに走り続けた」というネフは最終的に後続を1分45秒突き放して独走勝利。2位にはテルプストラを終盤に引き離したフライが入り、スイスがワンツーフィニッシュを達成。4位にケラー、6位にインダーガンドが食い込み、選手4名を上位6位以内に送り込むという層の厚さを見せつけた。
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シーズン終盤戦だけにトップコンディションでこそないものの、世界トップレベルの走りで独走勝利したネフ。「早くから単独になったけれど、他の選手にペースを惑わされることなく登坂をこなせたのでむしろ良かった」とレースを振り返る。テクニカルセクションについても「楽しみながら走れた」と余裕を見せる。
今回は100%ルールによる足切り(1周回遅れで除外)が適用され、世界基準の難コースに苦しんだ日本勢は、松本が完走ラインまで僅かに届かずマイナス1ラップの34位。全日本王者の今井は35位、そして川口はマイナス2ラップの37位に沈んだ。松本は「今日感じたのはテクニック面の差。下りはもちろんですが、登りでも石や砂が浮いていたのでとても難しかった。上手くトルクを使って激坂を登る練習を重ねないといけません」と苦い表情を交えながら振り返った。
結果
1位 | ヨランダ・ネフ(スイス) | 1:16:12 |
2位 | シーナ・フライ(スイス) | +1:46 |
3位 | アン・テルプストラ(オランダ) | +2:30 |
4位 | アレッサンドラ・ケラー(スイス) | +3:11 |
5位 | ロンヤ・アイブル(ドイツ) | +3:16 |
6位 | リンダ・インダーガンド(スイス) | +3:23 |
7位 | アニー・ラスト(イギリス) | +3:29 |
8位 | ロアナ・ルコンテ(フランス) | +3:41 |
9位 | イヴィ・リチャーズ(イギリス) | +3:49 |
10位 | キャサリン・ペンドレル(カナダ) | +4:35 |
34位 | 松本璃奈(日本) | -1Lap |
35位 | 今井美穂(日本) | -1Lap |
37位 | 川口うらら(日本) | -2Lap |
text&photo:So.Isobe
photo:Gakuto Fujiwara
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