2019/10/04(金) - 20:29
JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)が主催する国内ロードレースのシリーズ戦「Jプロツアー」の最終ラウンドが、10月5日と6日の2日間、山口県山口市で開催される。近年では珍しい最終戦までもつれた総合優勝争いを、9月29日に行われた第20戦「まえばし赤城山ヒルクライム」までの結果を踏まえて整理。最終2戦をプレビューする。
年間総合優勝争いは第20戦赤城山ヒルクライムでは決着つかず
3月に開幕したJプロツアーは、今週末最終戦を迎える。総合優勝争いはオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)と、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の2人に絞られ、最終戦の「秋吉台カルストロードレース」の結果で決まる。これまでを簡単に振り返ってみよう。
第18戦、広島で開催された「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」で、オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が優勝。それまでリーダージャージを着ていた岡篤志(宇都宮ブリッツェン)を上回って総合首位に立った。アウラールは第19戦「まえばしクリテリウム」も連勝して岡とのポイント差を広げ、チャンピオン決定に向けカウントダウンが始まるかに思えた。
しかし、まえばしクリテリウムの翌日に開催された「第20戦まえばし赤城山ヒルクライム」は、アウラールと岡にとって微妙な結果となった。21.5kmのヒルクライムレースは、終盤に抜け出したフランシスコ・マンセボとホセ・ビセンテ・トリビオのマトリックスパワータグ2名が圧倒。その一方、リーダージャージを着るアウラールは中盤に遅れて10位フィニッシュ。対する岡は5位で、前日につけられたポイント差の一部を取り返したものの、リーダージャージはアウラールが維持した。
チャンピオン争いの行方は?
第20戦を終えてのポイントランキングは以下の通り。
年間総合優勝争いは第20戦赤城山ヒルクライムでは決着つかず
3月に開幕したJプロツアーは、今週末最終戦を迎える。総合優勝争いはオールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)と、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の2人に絞られ、最終戦の「秋吉台カルストロードレース」の結果で決まる。これまでを簡単に振り返ってみよう。
第18戦、広島で開催された「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」で、オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)が優勝。それまでリーダージャージを着ていた岡篤志(宇都宮ブリッツェン)を上回って総合首位に立った。アウラールは第19戦「まえばしクリテリウム」も連勝して岡とのポイント差を広げ、チャンピオン決定に向けカウントダウンが始まるかに思えた。
しかし、まえばしクリテリウムの翌日に開催された「第20戦まえばし赤城山ヒルクライム」は、アウラールと岡にとって微妙な結果となった。21.5kmのヒルクライムレースは、終盤に抜け出したフランシスコ・マンセボとホセ・ビセンテ・トリビオのマトリックスパワータグ2名が圧倒。その一方、リーダージャージを着るアウラールは中盤に遅れて10位フィニッシュ。対する岡は5位で、前日につけられたポイント差の一部を取り返したものの、リーダージャージはアウラールが維持した。
チャンピオン争いの行方は?
第20戦を終えてのポイントランキングは以下の通り。
Jプロツアー個人ランキング(第20戦終了時)
1位 | オールイス・アルベルト・アウラール | 4441p |
---|---|---|
2位 | 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) | 4323p |
3位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) | 3221p |
4位 | フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) | 2745p |
5位 | 黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング) | 2417p |
6位 | 入部正太朗(シマノレーシング) | 2115p |
7位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | 2085p |
8位 | 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) | 2076p |
(出典:JBCF公式サイト)
第21戦の「維新やまぐちタイムトライアル」はチームタイムトライアルとなるため、個人ランキングのポイントはつかず、チームランキングのポイントのみが与えられる。そのため最終戦が文字通りチャンピオン争いの最終決戦の場となる。
Jプロツアーのレースは、レースの難易度を元に「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」と、4つのグレードが設定される。最終戦の「秋吉台カルストロードレース」は、最上位グレードの「プラチナ」に指定され、優勝の獲得ポイントは「ブロンズ」の3倍となる。順位によるポイントは以下の通り。
第21戦の「維新やまぐちタイムトライアル」はチームタイムトライアルとなるため、個人ランキングのポイントはつかず、チームランキングのポイントのみが与えられる。そのため最終戦が文字通りチャンピオン争いの最終決戦の場となる。
Jプロツアーのレースは、レースの難易度を元に「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」と、4つのグレードが設定される。最終戦の「秋吉台カルストロードレース」は、最上位グレードの「プラチナ」に指定され、優勝の獲得ポイントは「ブロンズ」の3倍となる。順位によるポイントは以下の通り。
プラチナグレード ポイント表
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
900p | 675p | 585p | 495p | 450p | 405p | 360p | 315p | 270p | 225p |
(出典:JBCF JPT運営規程)
1位のポイントもさることながら、2位との差が225pと大きいこともプラチナグレードの特徴でもある。現在、アウラールと岡のポイント差は118p。岡が優勝すればアウラールの順位に関係なく逆転総合優勝となる。しかし岡が2位以下の場合、順位1つ違いのポイント差は90pとなるので、アウラールは岡のすぐ後ろでフィニッシュしさえすれば逆転されることはない。整理すると、
・アウラール:優勝、又は岡より前の順位、又は岡の次の順位でチャンピオン決定。
・岡:優勝、又はアウラールより二つ以上前の順位で逆転チャンピオン。
となる。とは言え、両者共に優勝を狙ってレースをしてくるだろう。
チーム総合優勝はマトリックスパワータグかチームブリヂストンサイクリングか
チーム総合優勝争いも熾烈だ。首位のマトリックスパワータグと2位のチームブリヂストンサイクリングの差は269pとなっている。赤城山ヒルクライムでマンセボとトリビオに最後まで食らいついた徳田優と石橋学が3位と4位に入ったことで、ポイント差の広がりは最小に抑えられた。
第21戦のチームタイムトライアルは、1位600p、2位450pと、150pの差がつく。チームブリヂストンサイクリングはここで優勝し、翌日の最終戦に逆転の望みを繋げたいところ。7月に渡良瀬遊水地で行われた「チームタイムトライアルチャンピオンシップ」ではマトリックスパワータグを圧倒したが、今回は周回も距離も短い。果たして?
秋吉台カルストロードはマトリックスパワータグに有利か
第21戦の会場は「山口きらら博記念公園」。Jプロツアーは初開催の1周2.6kmのコースを5周するチームタイムトライアルだ。コーナーが連続する区間もあり、渡良瀬遊水地に比べてスピードに乗せづらいことが予想される。あるいは予想外の結果となるか。
最終戦の「秋吉台カルストロードレース」は、その名の通り秋吉台国定公園を貫く「カルストロード」をメインに1周29.5kmの周回コースが舞台。コントロールライン1km前から始まる「カルストベルグ」と名付けられた激坂が勝負のポイントとなる。また、カルストロード部分は往復の対面通行が出来ないため、厳しい足切り基準により毎年サバイバルレースとなることでも知られる。
岡は昨年の大会では足を攣らせて遅れてしまったが、それまでは優勝した増田成幸と共に先頭集団に残っていた。今回も先頭集団に残ってくるか?対して、今回もレースを主導すると思われるマンセボの存在は、アウラールにとって心強いだろう。カルストロードのコースはアウラールにとって苦手ではないと思われるが、果たして?
チャンピオン争いに関係ない選手の活躍にも期待したいところ。昨年は増田と共に抜け出した才田直人と米谷隆志(共にリオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)の2人が健闘を見せたが、今年はどうか?
「最終戦を見逃すな」Jプロツアーチャンネルでライブ中継
山口ラウンドの2戦はYouTubeのJプロツアーチャンネルでライブ中継される。実況はJBCFレースMCでおなじみのMCシンジさん、解説は栗村修さんが務める。5日の第21戦は午前10時から、6日の最終戦は午前11時50分から配信開始予定だ。詳しくは下記リンクから。
text&photo:Satoru Kato
1位のポイントもさることながら、2位との差が225pと大きいこともプラチナグレードの特徴でもある。現在、アウラールと岡のポイント差は118p。岡が優勝すればアウラールの順位に関係なく逆転総合優勝となる。しかし岡が2位以下の場合、順位1つ違いのポイント差は90pとなるので、アウラールは岡のすぐ後ろでフィニッシュしさえすれば逆転されることはない。整理すると、
・アウラール:優勝、又は岡より前の順位、又は岡の次の順位でチャンピオン決定。
・岡:優勝、又はアウラールより二つ以上前の順位で逆転チャンピオン。
となる。とは言え、両者共に優勝を狙ってレースをしてくるだろう。
チーム総合優勝はマトリックスパワータグかチームブリヂストンサイクリングか
チーム総合優勝争いも熾烈だ。首位のマトリックスパワータグと2位のチームブリヂストンサイクリングの差は269pとなっている。赤城山ヒルクライムでマンセボとトリビオに最後まで食らいついた徳田優と石橋学が3位と4位に入ったことで、ポイント差の広がりは最小に抑えられた。
第21戦のチームタイムトライアルは、1位600p、2位450pと、150pの差がつく。チームブリヂストンサイクリングはここで優勝し、翌日の最終戦に逆転の望みを繋げたいところ。7月に渡良瀬遊水地で行われた「チームタイムトライアルチャンピオンシップ」ではマトリックスパワータグを圧倒したが、今回は周回も距離も短い。果たして?
秋吉台カルストロードはマトリックスパワータグに有利か
第21戦の会場は「山口きらら博記念公園」。Jプロツアーは初開催の1周2.6kmのコースを5周するチームタイムトライアルだ。コーナーが連続する区間もあり、渡良瀬遊水地に比べてスピードに乗せづらいことが予想される。あるいは予想外の結果となるか。
最終戦の「秋吉台カルストロードレース」は、その名の通り秋吉台国定公園を貫く「カルストロード」をメインに1周29.5kmの周回コースが舞台。コントロールライン1km前から始まる「カルストベルグ」と名付けられた激坂が勝負のポイントとなる。また、カルストロード部分は往復の対面通行が出来ないため、厳しい足切り基準により毎年サバイバルレースとなることでも知られる。
岡は昨年の大会では足を攣らせて遅れてしまったが、それまでは優勝した増田成幸と共に先頭集団に残っていた。今回も先頭集団に残ってくるか?対して、今回もレースを主導すると思われるマンセボの存在は、アウラールにとって心強いだろう。カルストロードのコースはアウラールにとって苦手ではないと思われるが、果たして?
チャンピオン争いに関係ない選手の活躍にも期待したいところ。昨年は増田と共に抜け出した才田直人と米谷隆志(共にリオモ・ベルマーレ・レーシングチーム)の2人が健闘を見せたが、今年はどうか?
「最終戦を見逃すな」Jプロツアーチャンネルでライブ中継
山口ラウンドの2戦はYouTubeのJプロツアーチャンネルでライブ中継される。実況はJBCFレースMCでおなじみのMCシンジさん、解説は栗村修さんが務める。5日の第21戦は午前10時から、6日の最終戦は午前11時50分から配信開始予定だ。詳しくは下記リンクから。
text&photo:Satoru Kato
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