2019/09/28(土) - 12:54
世界最大規模の自転車ショー「ユーロバイク」のブースレポート第10弾。最新鋭のE-ロードバイクをアピールしたウィリエールや、新作のGPSウォッチを披露したガーミンを始め、MET、セラSMP、ノースウェーブをピックアップしてお届け。
ウィリエール E-BIKEとは思えないスマートさ、E-ロードバイク「Cento10 Hybrid」
もはやE-BIKE見本市とも言えるユーロバイクにおいて、伝統あるイタリアンバイクメーカーであるウィリエールも例に漏れずE-BIKEを前面に押し出した。注目はユーロバイクアワードを受賞したE-ロードバイク「Cento10 Hybrid」。バッテリーをダウンチューブ内に完全内装しており、一般的なロードバイクとほぼ変わらないルックスを獲得している。
アシストユニットはMAHLE(マーレ)社のEbikemotion X35+システムを採用しており、リアハブにモーターを搭載することでフレームはスマートなデザインを維持。ドライブトレインやシフトパーツは全てロードと同様のスペックとすることができ、E-BIKEながら重量は10.2kgと非常に軽量に仕上がっている。ウィリエール曰くマスプロメーカーで世界最軽量のE-BIKEなんだとか。
コントローラーもハンドルのバートップ部分にモード切替ボタンを一つ装着するのみ。BB上側に充電用ポートが設けられている。グラベルロードタイプのE-BIKE「JENA Hybrid」も同様のシステムで構築されており、一見通常モデルと区別がつかないほど。インチューブバッテリーを採用したフルサスE-MTBの「101FX Hybrid」も展示されていた。
もちろん今夏発表された軽量レーシングディスクロード「Zero SLR」も目玉の一つ。専用ハンドルを採用することでケーブルの完全内装を実現し、非常にスッキリとしたかつエアロなルックスを獲得している。カーボン積層に最先端素材を織り交ぜることで優れた乗り心地も両立。クライミングモデルに位置付けられるZeroシリーズだけに、登りでの圧倒的な反応性が持ち味のバイクに仕上がっている。
ガーミン GPSスマートウォッチの新作を全機種展示
スマートウォッチやサイクルコンピューター等を手掛けるガーミンは、vivoactive 3 Musicのバージョンアップモデル「vivoactive 4/4S」をユーロバイクにてローンチ。さらにはその上位機種となる「VENU」も同時に発表した。従来の機能を継承しつつも、ワークアウトの説明を動画で表示する機能や、ライフログ機能の呼吸数モニタリング、生理周期トラッキングを新たに追加。VENUは有機ELディスプレイを採用することで、より色鮮やかで見やすく高級感のあるデザインに仕上がる。
同様に機能をアップグレードした「vivomove」シリーズの新作も登場。アナログ時計にスマートウォッチの機能性を融合させたモデルで、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンにマッチするデザインが特徴的。アクティビティ関連の機能も増やしており、日々の体調管理からスポーツにも使える多用途なモデルとして活用できるだろう。
ランニングや登山、スキー、ゴルフなどに使えるマルチスポーツスマートウォッチにも、新たに「fenix 6」シリーズが登場。バッテリーの長寿命化を果たしたほか、ハイエンドモデルのfenix6X Pro Dual Powerはガーミン初のソーラー充電機能も備わった。ディスプレイも大型化し視認性を向上、ランニングや登山のペーシングなどパフォーマンスを管理する機能も搭載している。
GPSサイクルコンピューターはすでに発売されているEdge530とEdge830が今夏登場した最新作。ランタイムやスクリーン動作速度の向上、高解像度ディスプレイによる視認性の強化、ナビゲーション機能の充実、各種パフォーマンス測定機能の追加など、全方位にパワーアップを果たしている。
MET スタイリッシュなデザインのVINCI、TRENTAのMIPSモデルも登場
ロードヘルメットの新作はエントリーグレードの「VINCI」。トップモデルのTRENTAから着想を得た丸みを帯びたシェルデザインが特徴的で、サングラスポートとしても機能する開口部の配置に。1万円台前半の価格ながら安全性を高めるMIPSも備わっており、コストパフォーマンスの高いモデルとして展開される。360度包み込むフィッティングシステムはポニーテールにも対応したデザインだ。
UAEチームエミレーツも使用しているフラッグシップ「TRENTA」にもMIPS搭載モデルが追加された。高速レースで選手たちの頭部を守る機材として歓迎すべきアップデートと言えるだろう。ベンチレーションホールに合わせたMIPSシートデザインになっており、通気性を阻害せず安全性を高めている。
舗装路でのサイクリングからグラベルライドまで様々なシーンに使いやすい「ALLROAD」も登場。VINCIと瓜二つのシェルデザインながら、容易な着脱を可能としたバイザーを標準装備する。陽が落ちてからでも存在をアピールできるよう、フィッティングダイヤルにテールライトを搭載している他、後部にはリフレクティブステッカーもあしらわれる。
下り系のマウンテンライディングを思い切り楽しむ、フルフェイスタイプの「PARACHUTE MCR」も今夏リリースされたモデル。フィドロックのマグネットバックルシステムを搭載しており、ダイヤルをひねるだけでチンガードを簡単に着脱できるコンバーチブルヘルメットとして活用できるモデルだ。もちろんMIPSも搭載している。
そのPARACHUTE MCRのチンガードなしモデルとも言える、トレイル/オールマウンテン向け「TERRANOVA」もラインアップ。バイザーは無段階で角度を調整でき、フロント部分にはサングラスポートも装備。バイザー自体は柔軟性のある素材でできており、落車時にバイザーが地面に当たっても首をひねらないよう設計されている。
セラSMP ブランドに新たな風を吹き込むフラット座面のサドルを拡充
座面が波打った独自のエルゴノミックデザインが特徴的なセラSMP。「あの形状じゃなきゃダメだ」という愛用者も多い一方で、今年ラインアップを拡充させたのはフラット座面のサドルたち。座る位置を前後で自由に移動することができ、走りながらポジションを変えたい人やオフロードでテクニカルな動きをしたい人にマッチするよう作られている。
昨年リリースした「F30」に続くモデルとして登場したのが「F20」。F30よりも座面の横幅を狭めることで、骨盤の狭い人や頻繁に乗り降りするシクロクロスにも使いやすいモデルとなっている。セラSMPらしい中央に大きく開いたチャネルや、ノーズが下がったデザインによって快適性も高めている。また、ショートノーズタイプの「F20C」もラインアップする。
同じくF30をベースとしながらもパッド量を増やし快適性を強化した「VT30C」も追加。ブランドロゴを座面に刺繍で入れるレーシングモデルとは異なり、カバーへプリントされるタイプのため凹凸もなく肌当たりも良い。ロード、オフロード問わずツーリング用途に最適なサドルに仕上がっている。
ノースウェーブ ロードのセカンドモデル「EXTREME GT」がフルモデルチェンジ
アスタナにフラッグシップロードシューズ「EXTREME PRO」をサポートしており、ワールドツアーでの数多くの勝利によってその性能の高さを見せつけているノースウェーブ。爽やかなカラーリングのアスタナモデル発売も注目されたこのシューズは2019モデルの最新作であり、アッパーデザインやクロージャーシステム、ソール形状全てを刷新することで抜群のフィット感を獲得している。
そのテクノロジーを落とし込み、2020モデルではセカンドグレードが「EXTREME GT2」へとフルモデルチェンジを果たした。クロージャーダイヤルが2個に増えたアッパーデザインとなり、より細やかな締めつけ感の調整を可能にしている。トップモデルよりはソール剛性を抑えているものの、一見EXTREME PROと見分けのつかないデザインで所有欲も高い製品となるだろう。
ノースウェーブは近年アパレルにも力を入れており、ロードのレーシングジャージからカジュアルなオフロードウェアまで幅広いモデルを揃える。特にデザインが秀逸で遊び心あるものから老若男女が着やすいシンプルなものまで多様な展開だ。国内でも今後ウェアラインアップは増えていくことが予想される。価格も抑えられているため、店頭で見かけた際はぜひチェックしてみてほしい。
text&photo:Yuto.Murata
photo:Gakuto Fujiwara
ウィリエール E-BIKEとは思えないスマートさ、E-ロードバイク「Cento10 Hybrid」
もはやE-BIKE見本市とも言えるユーロバイクにおいて、伝統あるイタリアンバイクメーカーであるウィリエールも例に漏れずE-BIKEを前面に押し出した。注目はユーロバイクアワードを受賞したE-ロードバイク「Cento10 Hybrid」。バッテリーをダウンチューブ内に完全内装しており、一般的なロードバイクとほぼ変わらないルックスを獲得している。
アシストユニットはMAHLE(マーレ)社のEbikemotion X35+システムを採用しており、リアハブにモーターを搭載することでフレームはスマートなデザインを維持。ドライブトレインやシフトパーツは全てロードと同様のスペックとすることができ、E-BIKEながら重量は10.2kgと非常に軽量に仕上がっている。ウィリエール曰くマスプロメーカーで世界最軽量のE-BIKEなんだとか。
コントローラーもハンドルのバートップ部分にモード切替ボタンを一つ装着するのみ。BB上側に充電用ポートが設けられている。グラベルロードタイプのE-BIKE「JENA Hybrid」も同様のシステムで構築されており、一見通常モデルと区別がつかないほど。インチューブバッテリーを採用したフルサスE-MTBの「101FX Hybrid」も展示されていた。
もちろん今夏発表された軽量レーシングディスクロード「Zero SLR」も目玉の一つ。専用ハンドルを採用することでケーブルの完全内装を実現し、非常にスッキリとしたかつエアロなルックスを獲得している。カーボン積層に最先端素材を織り交ぜることで優れた乗り心地も両立。クライミングモデルに位置付けられるZeroシリーズだけに、登りでの圧倒的な反応性が持ち味のバイクに仕上がっている。
ガーミン GPSスマートウォッチの新作を全機種展示
スマートウォッチやサイクルコンピューター等を手掛けるガーミンは、vivoactive 3 Musicのバージョンアップモデル「vivoactive 4/4S」をユーロバイクにてローンチ。さらにはその上位機種となる「VENU」も同時に発表した。従来の機能を継承しつつも、ワークアウトの説明を動画で表示する機能や、ライフログ機能の呼吸数モニタリング、生理周期トラッキングを新たに追加。VENUは有機ELディスプレイを採用することで、より色鮮やかで見やすく高級感のあるデザインに仕上がる。
同様に機能をアップグレードした「vivomove」シリーズの新作も登場。アナログ時計にスマートウォッチの機能性を融合させたモデルで、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンにマッチするデザインが特徴的。アクティビティ関連の機能も増やしており、日々の体調管理からスポーツにも使える多用途なモデルとして活用できるだろう。
ランニングや登山、スキー、ゴルフなどに使えるマルチスポーツスマートウォッチにも、新たに「fenix 6」シリーズが登場。バッテリーの長寿命化を果たしたほか、ハイエンドモデルのfenix6X Pro Dual Powerはガーミン初のソーラー充電機能も備わった。ディスプレイも大型化し視認性を向上、ランニングや登山のペーシングなどパフォーマンスを管理する機能も搭載している。
GPSサイクルコンピューターはすでに発売されているEdge530とEdge830が今夏登場した最新作。ランタイムやスクリーン動作速度の向上、高解像度ディスプレイによる視認性の強化、ナビゲーション機能の充実、各種パフォーマンス測定機能の追加など、全方位にパワーアップを果たしている。
MET スタイリッシュなデザインのVINCI、TRENTAのMIPSモデルも登場
ロードヘルメットの新作はエントリーグレードの「VINCI」。トップモデルのTRENTAから着想を得た丸みを帯びたシェルデザインが特徴的で、サングラスポートとしても機能する開口部の配置に。1万円台前半の価格ながら安全性を高めるMIPSも備わっており、コストパフォーマンスの高いモデルとして展開される。360度包み込むフィッティングシステムはポニーテールにも対応したデザインだ。
UAEチームエミレーツも使用しているフラッグシップ「TRENTA」にもMIPS搭載モデルが追加された。高速レースで選手たちの頭部を守る機材として歓迎すべきアップデートと言えるだろう。ベンチレーションホールに合わせたMIPSシートデザインになっており、通気性を阻害せず安全性を高めている。
舗装路でのサイクリングからグラベルライドまで様々なシーンに使いやすい「ALLROAD」も登場。VINCIと瓜二つのシェルデザインながら、容易な着脱を可能としたバイザーを標準装備する。陽が落ちてからでも存在をアピールできるよう、フィッティングダイヤルにテールライトを搭載している他、後部にはリフレクティブステッカーもあしらわれる。
下り系のマウンテンライディングを思い切り楽しむ、フルフェイスタイプの「PARACHUTE MCR」も今夏リリースされたモデル。フィドロックのマグネットバックルシステムを搭載しており、ダイヤルをひねるだけでチンガードを簡単に着脱できるコンバーチブルヘルメットとして活用できるモデルだ。もちろんMIPSも搭載している。
そのPARACHUTE MCRのチンガードなしモデルとも言える、トレイル/オールマウンテン向け「TERRANOVA」もラインアップ。バイザーは無段階で角度を調整でき、フロント部分にはサングラスポートも装備。バイザー自体は柔軟性のある素材でできており、落車時にバイザーが地面に当たっても首をひねらないよう設計されている。
セラSMP ブランドに新たな風を吹き込むフラット座面のサドルを拡充
座面が波打った独自のエルゴノミックデザインが特徴的なセラSMP。「あの形状じゃなきゃダメだ」という愛用者も多い一方で、今年ラインアップを拡充させたのはフラット座面のサドルたち。座る位置を前後で自由に移動することができ、走りながらポジションを変えたい人やオフロードでテクニカルな動きをしたい人にマッチするよう作られている。
昨年リリースした「F30」に続くモデルとして登場したのが「F20」。F30よりも座面の横幅を狭めることで、骨盤の狭い人や頻繁に乗り降りするシクロクロスにも使いやすいモデルとなっている。セラSMPらしい中央に大きく開いたチャネルや、ノーズが下がったデザインによって快適性も高めている。また、ショートノーズタイプの「F20C」もラインアップする。
同じくF30をベースとしながらもパッド量を増やし快適性を強化した「VT30C」も追加。ブランドロゴを座面に刺繍で入れるレーシングモデルとは異なり、カバーへプリントされるタイプのため凹凸もなく肌当たりも良い。ロード、オフロード問わずツーリング用途に最適なサドルに仕上がっている。
ノースウェーブ ロードのセカンドモデル「EXTREME GT」がフルモデルチェンジ
アスタナにフラッグシップロードシューズ「EXTREME PRO」をサポートしており、ワールドツアーでの数多くの勝利によってその性能の高さを見せつけているノースウェーブ。爽やかなカラーリングのアスタナモデル発売も注目されたこのシューズは2019モデルの最新作であり、アッパーデザインやクロージャーシステム、ソール形状全てを刷新することで抜群のフィット感を獲得している。
そのテクノロジーを落とし込み、2020モデルではセカンドグレードが「EXTREME GT2」へとフルモデルチェンジを果たした。クロージャーダイヤルが2個に増えたアッパーデザインとなり、より細やかな締めつけ感の調整を可能にしている。トップモデルよりはソール剛性を抑えているものの、一見EXTREME PROと見分けのつかないデザインで所有欲も高い製品となるだろう。
ノースウェーブは近年アパレルにも力を入れており、ロードのレーシングジャージからカジュアルなオフロードウェアまで幅広いモデルを揃える。特にデザインが秀逸で遊び心あるものから老若男女が着やすいシンプルなものまで多様な展開だ。国内でも今後ウェアラインアップは増えていくことが予想される。価格も抑えられているため、店頭で見かけた際はぜひチェックしてみてほしい。
text&photo:Yuto.Murata
photo:Gakuto Fujiwara
Amazon.co.jp