2019/09/24(火) - 16:07
9月23日、広島市の広島競輪場で、バンクリーグ第3戦が開催された。6つの国内ロードチームが出場したレースは、チームブリヂストンサイクリングとシマノレーシングの決勝戦となり、チームブリヂストンサイクリングが優勝した。初の昼間開催となった第3戦の模様とあわせ、バンクリーグ特有の戦術をレポートする。
今年からスタートしたバンクリーグは、各地の競輪場を舞台に国内ロードレースチームがバトルを繰り広げる新形態のレースイベント。1チーム4名の2チームが同時にスタートし、1周ごとに設定されたポイント周回を先頭で通過した選手のチームに1ポイントが与えられ、3ポイント先取したチームが勝利となる。2ブロックに分けて総当たりの予選リーグが行われ、勝ち上がった2チームが決勝で対戦する。
自転車版「3on3(スリー・オン・スリー)」とも言える対決型レースは、これまでの自転車競技には無いバンクリーグ独自のもの。それゆえ戦術も独特だ。そのうち3つを紹介しよう。
作戦1・マンツーマン・マーク
サッカーやバスケットボールなどの球技スポーツで取られる戦法。自転車競技でもマンツーマン・マークをすることはあるが、2チームによるタイマン勝負となるバンクリーグではそれがハッキリと目に見える形となる。
基本は相手チームの選手をマークする担当を決めて徹底的に張りつき、ポイント周回では先行する相手チームの背後から差しにいくことで有利な展開に持ち込む。今回見られたのは、周回遅れはレースから除外されるルールを利用し、相手チームの有力選手を牽制して封じ込め、わざと周回遅れにさせる方法。自チームの選手も1人失うことになるが、今後戦術のひとつとして定着するか?。
作戦2・ゾーン・ディフェンス
「マンツーマン・マーク」に対して便宜上「ゾーン・ディフェンス」とここでは名付けよう。今回の第3戦で見られたのは、ヴィクトワール広島から特別出場したテオ・ボスを封じ込めるため、チームブリヂストンサイクリングが取った戦法。アウト側にラインを作ってボスをイン側に封じ込め、動きを取れなくした。
トラック競技では原則追い抜きはアウト側からなので、イン側にいる選手はアウト側に並ばれると走行ラインの変更は出来ない。安全に走行するためのルールだが、それを逆手にとった戦法だ。通常のトラック競技でもアウト側からかぶせてライバルの動きを封じることはあるが、チーム単位でこの戦法が見られるのはバンクリーグならではだろう。
作戦3・先行逃げ切り
独走力ある選手が集団から先行することでポイント周回の先頭通過を連取する。相手チームに追走させて足を使わせるロードレースの基本戦術は、バンクリーグでも有効だ。今回はマトリックスパワータグの佐野淳哉が独走し、ポイントを連取して勝負を決めた。
第3戦はブリヂストンが優勝 最終戦はジャパンカップ翌日の宇都宮で
第3戦に出場したのは、チームブリヂストンサイクリング(以下ブリヂストン)、シマノレーシング、ヴィクトワール広島、マトリックスパワータグ(以下マトリックス)、キナンサイクリングチーム(以下キナン)、那須ブラーゼンの6チーム。ヴィクトワール広島からは、ジャパンカップ・クリテリウムなどでおなじみのテオ・ボスが助っ人として特別出場し、注目を集めた。
組み合わせのくじ引きにより、ブリヂストン、ヴィクトワール広島、那須ブラーゼンのグループと、シマノレーシング、マトリックス、キナンのグループに分けられて予選リーグが行われた。
第2戦優勝のブリヂストンは、マンツーマンとゾーンディフェンスを相手によって使い分け、テオ・ボスのヴィクトワール広島と那須ブラーゼンを下して決勝進出。一方、第1戦優勝のシマノレーシングは、徹底したマンツーマン・マークでマトリックスとキナンを下して勝ち上がった。
決勝では、スプリント力のあるシマノレーシングの黒枝咲哉を封じ込めるため、ブリヂストンは兄の黒枝士揮をマークに当てる。スタート直後からバンクの上方に押し上げて勝負に関わらせないようにし、ラップアウトによるレース除外を誘う。これで優位となったブリヂストンは、沢田桂太郎がポイントを連取してシマノレーシングを圧倒。第2戦に続く2度目の優勝を決めた。
最終戦はジャパンカップの翌日夕方から、宇都宮競輪場で開催される。初代シリーズチャンピオンはシマノレーシングか、チームブリヂストンサイクリングか?
今年からスタートしたバンクリーグは、各地の競輪場を舞台に国内ロードレースチームがバトルを繰り広げる新形態のレースイベント。1チーム4名の2チームが同時にスタートし、1周ごとに設定されたポイント周回を先頭で通過した選手のチームに1ポイントが与えられ、3ポイント先取したチームが勝利となる。2ブロックに分けて総当たりの予選リーグが行われ、勝ち上がった2チームが決勝で対戦する。
自転車版「3on3(スリー・オン・スリー)」とも言える対決型レースは、これまでの自転車競技には無いバンクリーグ独自のもの。それゆえ戦術も独特だ。そのうち3つを紹介しよう。
作戦1・マンツーマン・マーク
サッカーやバスケットボールなどの球技スポーツで取られる戦法。自転車競技でもマンツーマン・マークをすることはあるが、2チームによるタイマン勝負となるバンクリーグではそれがハッキリと目に見える形となる。
基本は相手チームの選手をマークする担当を決めて徹底的に張りつき、ポイント周回では先行する相手チームの背後から差しにいくことで有利な展開に持ち込む。今回見られたのは、周回遅れはレースから除外されるルールを利用し、相手チームの有力選手を牽制して封じ込め、わざと周回遅れにさせる方法。自チームの選手も1人失うことになるが、今後戦術のひとつとして定着するか?。
作戦2・ゾーン・ディフェンス
「マンツーマン・マーク」に対して便宜上「ゾーン・ディフェンス」とここでは名付けよう。今回の第3戦で見られたのは、ヴィクトワール広島から特別出場したテオ・ボスを封じ込めるため、チームブリヂストンサイクリングが取った戦法。アウト側にラインを作ってボスをイン側に封じ込め、動きを取れなくした。
トラック競技では原則追い抜きはアウト側からなので、イン側にいる選手はアウト側に並ばれると走行ラインの変更は出来ない。安全に走行するためのルールだが、それを逆手にとった戦法だ。通常のトラック競技でもアウト側からかぶせてライバルの動きを封じることはあるが、チーム単位でこの戦法が見られるのはバンクリーグならではだろう。
作戦3・先行逃げ切り
独走力ある選手が集団から先行することでポイント周回の先頭通過を連取する。相手チームに追走させて足を使わせるロードレースの基本戦術は、バンクリーグでも有効だ。今回はマトリックスパワータグの佐野淳哉が独走し、ポイントを連取して勝負を決めた。
第3戦はブリヂストンが優勝 最終戦はジャパンカップ翌日の宇都宮で
第3戦に出場したのは、チームブリヂストンサイクリング(以下ブリヂストン)、シマノレーシング、ヴィクトワール広島、マトリックスパワータグ(以下マトリックス)、キナンサイクリングチーム(以下キナン)、那須ブラーゼンの6チーム。ヴィクトワール広島からは、ジャパンカップ・クリテリウムなどでおなじみのテオ・ボスが助っ人として特別出場し、注目を集めた。
組み合わせのくじ引きにより、ブリヂストン、ヴィクトワール広島、那須ブラーゼンのグループと、シマノレーシング、マトリックス、キナンのグループに分けられて予選リーグが行われた。
第2戦優勝のブリヂストンは、マンツーマンとゾーンディフェンスを相手によって使い分け、テオ・ボスのヴィクトワール広島と那須ブラーゼンを下して決勝進出。一方、第1戦優勝のシマノレーシングは、徹底したマンツーマン・マークでマトリックスとキナンを下して勝ち上がった。
決勝では、スプリント力のあるシマノレーシングの黒枝咲哉を封じ込めるため、ブリヂストンは兄の黒枝士揮をマークに当てる。スタート直後からバンクの上方に押し上げて勝負に関わらせないようにし、ラップアウトによるレース除外を誘う。これで優位となったブリヂストンは、沢田桂太郎がポイントを連取してシマノレーシングを圧倒。第2戦に続く2度目の優勝を決めた。
最終戦はジャパンカップの翌日夕方から、宇都宮競輪場で開催される。初代シリーズチャンピオンはシマノレーシングか、チームブリヂストンサイクリングか?
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