2019/09/23(月) - 10:02
ベルやイーボック、ブラックバーンなどを取り扱うインターテックが、2020年モデルの展示会を開催した。新たに取り扱いを開始するE-BIKEブランドのベノやムスタシュ、ユーロバイクで華々しくデビューしたワフーのKICKR BIKEが国内でお披露目された。
E-BIKEブランド2社の取り扱いを開始するインターテック
ベル、ブラックバーン、ステージズなどをサイクリングアクセサリー類を中心に扱っていた輸入代理店のインターテックが、ついに車体ブランドの取り扱いを開始する。ブランド名は「benno(ベノ)」と「Moustache(ムスタシュ)」の2つ。ベノはE-BIKEと通常の自転車を揃えるブランドで、ムスタシュはE-BIKE専業ブランド。
ベノとムスタシュは異なる会社ではあるがモットーは非常に似ているとインターテックの鈴木さんは言う。「車をガレージにおいて、自転車に出かけよう」が彼らの考え。自転車が環境に良く、健康にも良いというのは誰もが知ることだ。しかし、人力ならば車を使うという意見もまたあるはず。そういった方でも快適に移動を楽しめる存在として、2つのブランドはE-BIKEに着目し注力している。
ムスタシュはシティ用を始めMTBなどを中心に作っているブランドであり、近年はロードバイクスタイルやグラベルロードにも取り組んでいるという。日本で取り扱いが開始されるのはシティ用の2モデルから。ムスタシュのスローガンを体現しているバイクから導入し、後々本格的なスポーツバイクにも取り組む予定だ。E-MTBは今年初開催となった世界選手権で2つのメダルを獲得しているという。
新しく展開が開始されるムスタシュのFriday
バッテリーの鍵にはムスタシュのキーホルダーが付属する
サスペンションシートポストが標準で付属する
ムスタシュのSamediは、荒れた路面でも安定感を発揮してくれそうなスペックだ
シートステーがシートチューブから独立している
ムスタシュのオリジナルハンドルバーが、バイクの独自性を際立たせる
国内展開されるモデルの1つはFriday 28.1。700Cのクロスバイクスタイルでありつつ、スポーティすぎずカジュアルなルックスが特徴。オリジナルデザインのフレックスハンドルバー、サスペンションシートポスト、42Cのワイドタイヤなどコンフォート性能を求めたパーツが多く搭載されており、街中で快適に移動することができそうだ。
もう1つのモデルSamedi 28.1も700Cのクロスバイクスタイルのバイク。サスペンションフォークや、シートチューブと接続されないシートステーを採用するなどMTBらしさを併せ持つ。Fridayがアーバン感のあるモデルに対し、Samediはカントリーサイドの雰囲気を感じられる。ムスタシュのオリジナルY字ハンドルバーを搭載していることもポイント。
ベノはブランド名でもあるベノ・ベンツィガーさんが2015年に創業したバイクブランド。BOOST Eはベノさん自身が車よりも乗りたくなる自転車を目指して開発したもの。電動アシストユニットを搭載し、坂がキツイ、遠いという自転車においてのネガティブな問題を解消することで、自然と自転車移動を選択できるような1台を目指している。
インターテックが取り扱いを開始する新しいE-BIKEブランドの「ベノ」。黄色いバイクはBOOST Eというモデルだ (2020年モデルでは仕様変更があるため、展示車両は参考出品)
ピクニックライドなどにぴったりなベノのE-BIKE
ラックはオプションで増設することができる
ベノの実用車「E JOY」
スタッガードスタイルのベノ「E JOY」は普段の移動手段として活躍してくれる
E JOYにはABUSの鍵が装備されている
ベノの特徴として「Etility(イーティリティ)」という言葉を使うことがある。これはE-BIKEの”E”と”Utility(実用性)”という単語を掛け合わせたもので、ベノのバイクはE-BIKEであり、実用性に富むことが重要なポイントであることを示す。BOOST Eは耐荷重60kgのリアラックが標準で装備される。オプションでリアラック用のハイレールやフロントラックなどが用意されているため、日々の生活に必要な物を追加し自分に合わせたバイクにカスタマイズが可能。
YEPPやHAMAXのチャイルドシートも搭載することが可能であり、ファミリーバイクとしても活躍してくれる。ショッピング、キャンプなど荷物を運ぶシーンで非常にマッチしており、ユーティリティという言葉を体現しているバイクと言っても過言ではなさそうだ。シマノDeoreやAlivioといった信頼性の高いホイールやドライブトレイン、ディスクブレーキを採用していることもポイント。高価なバイクではあるが、価格に見合った価値と信頼性を備えているはずだ。
軽量に仕上げられたエンデューロ用ヘルメット「SUPER AIR R」
ロード用のフラッグシップZ20には新色が追加された
ベルのヘルメットとの相性が良いゴーグルとなっている
蛍光イエローが映えるDAILY
ベルやイーボック、ブラックバーン、ティフォージからも新製品が次ぐ次とリリースされている。ユーロバイクレポートでもお伝えしたとおり、ベルにはTRANSFERというFULL-9のアウターシェル素材違いモデルや、軽量エンデューロヘルメットSUPER AIRが国内でも展開される。来場したショップスタッフたちがSUPER AIRを手に持つと「軽い」と口を揃えていたのが印象的だった。登りもこなすエンデューロや一日中山で遊ぶ時には、SUPER AIRの軽量性が首や肩への負担を減らしてくれるはずだ。AVENUEやDAILY、TRACEも登場する。
ブラックバーンは非常にユニークな新型LEDライト2種類がデビュー。1つはGrid Side Beaconという自転車側方に光を届けるためのセーフティーライトだ。フロントとリアライトの多くはサイドまで光を照射されるように工夫がされているが、側方に向けてライトを取り付けた方が被視認性が高いのは間違いない。黄色のLEDとしているため、ライトの光を見る方も混乱が少ないはずだ。2つセットで販売される。
側方に向けて取り付けるGRID SIDE BEACON
フロントライト、ヘッドライト、ランタンとして使うことができるというOutpost BIKE&CAMP
ワイヤーがヘッドバンド代わり。ライト右側のフックにワイヤーを掛けて使用する
シェードを引き出すことでランタンのように使えるという
もう1つは、自転車用フロントライト、ヘッドライト、ランタンとして使用できるOutpost BIKE&CAMPというモデル。ライト本体に巻取り式のケーブルが備えられており、ヘッドライトとして使用する場合はコードを引き出すというもの。また、LED脇に備えられているシェードを引き出すことで、LEDの光を分散させてランタンのように使うことができるという。1つで3役が与えられたOutpost BIKE&CAMPは非常にユニークなプロダクトだ。
また、ブラックバーンおなじみのOutpostのバイクパッキング装備にHITCHHIKER BAGが追加される。ベルクロで固定するボックス形状のバッグであり、2.5Lという容量を備える。ハンドルバーバッグのバンジーコードに取り付けたり、ハンドルバーに直接取り付けたりと仕様シチュエーションは様々。ハンドルバーバッグの拡張アイテム的な立ち位置であり、利用頻度の高い物を収納するのに便利。
イーボックよりリリースされたBOAダイヤルを採用したバイクパッキング装備
シューズのようにワイヤーを外して作業が行える
BOAダイヤルを採用することで脱着が容易になる
イーボックよりリリースされた新型のバイクバッグ
ステム一体型ハンドルも難なく収納できる作りにアップデートされている
バイクパッキングといえばイーボックのBOAクロージャー式バイクバッグも来場者の興味を惹いていたようだ。「楽に取り付けられる」とコメントしていたショップスタッフも。メリットはやはりダイヤルを回すだけ、開放したい時はダイヤルを引き上げるだけというBOAの美点だろう。ロードバイクをメインに楽しんでいるサイクリストもこのシリーズであれば非常に役立つはずだ。
イーボックの新型バイクバッグも詳細をチェックするショップスタッフは多く、ステム一体型ハンドルを搭載したバイクが多くなったことを感じさせる。もちろん一般的なステム、ハンドルでも作業が少なくて済むという大きな恩恵を受けられる。
多くのショップスタッフから注目されたワフーのKICKR BIKE
ワフーはユーロバイクで発表されたばかりのKICKR BIKEが早くもお披露目となっていた。非常に高い注目を浴びており、ライドフィールを試すべく次々とショップスタッフがスピニングマシンに跨る。その際、それぞれのサイズに瞬く間に調整できるため、自然とKICKR BIKEの美点を味わうことができていたようだ。ご夫婦でスマートトレーナーをシェアしている方などにはKICKR BIKEはオススメだと言う。
筆者も試す機会に恵まれ、KICKR BIKEを漕いでみることができた。負荷装置にブラシレスモーターを使用しているためか、非常に滑らかなペダリングフィールで、静粛性に優れている。特製ブラケットでシフトチェンジをしてみると、カコンというアクションが足と腰に伝わり、インドアサイクリングの気分が盛り上がる。サイクルモードでも2台用意するというため、気になる方はブースに足を運んでもらいたい。価格は40万円前後になる見込みだという。
また、ワフーはELEMNTシリーズとリアレーダーがペアリング可能になっていることもトピックの1つ。車両接近を検知すると、ピピッという音ともにスクリーンの脇に帯が出現し、車のアイコンで自社との位置関係を知らせてくれる。ELEMNTやELEMNT ROAMのようにLED搭載モデルでは発光でも注意を促してくれることがユニークなポイント。スマホアプリで各注意喚起の方法をカスタマイズできるのもワフーならではの機能だ。リアレーダーを使用すると精神的にも楽になる。ワフーユーザーもレーダーを導入してみてはいかがだろうか。
ワフーのレーダー探知では、ディスプレイとLED、ビープ音にて知らせてくれる
SPコネクトの非接触型充電モジュールはE-BIKEとの相性が抜群
ティフォージからはより視認性を高める工夫がされたENLIVENレンズが登場
新型の一眼式Aethon、Sliceが登場している
ボストン型のSvago(左)には新色が追加され、ティアドロップ式の新型Shwaeがお披露目されていた
text&photo:Gakuto Fujiwara
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ベル、ブラックバーン、ステージズなどをサイクリングアクセサリー類を中心に扱っていた輸入代理店のインターテックが、ついに車体ブランドの取り扱いを開始する。ブランド名は「benno(ベノ)」と「Moustache(ムスタシュ)」の2つ。ベノはE-BIKEと通常の自転車を揃えるブランドで、ムスタシュはE-BIKE専業ブランド。
ベノとムスタシュは異なる会社ではあるがモットーは非常に似ているとインターテックの鈴木さんは言う。「車をガレージにおいて、自転車に出かけよう」が彼らの考え。自転車が環境に良く、健康にも良いというのは誰もが知ることだ。しかし、人力ならば車を使うという意見もまたあるはず。そういった方でも快適に移動を楽しめる存在として、2つのブランドはE-BIKEに着目し注力している。
ムスタシュはシティ用を始めMTBなどを中心に作っているブランドであり、近年はロードバイクスタイルやグラベルロードにも取り組んでいるという。日本で取り扱いが開始されるのはシティ用の2モデルから。ムスタシュのスローガンを体現しているバイクから導入し、後々本格的なスポーツバイクにも取り組む予定だ。E-MTBは今年初開催となった世界選手権で2つのメダルを獲得しているという。
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国内展開されるモデルの1つはFriday 28.1。700Cのクロスバイクスタイルでありつつ、スポーティすぎずカジュアルなルックスが特徴。オリジナルデザインのフレックスハンドルバー、サスペンションシートポスト、42Cのワイドタイヤなどコンフォート性能を求めたパーツが多く搭載されており、街中で快適に移動することができそうだ。
もう1つのモデルSamedi 28.1も700Cのクロスバイクスタイルのバイク。サスペンションフォークや、シートチューブと接続されないシートステーを採用するなどMTBらしさを併せ持つ。Fridayがアーバン感のあるモデルに対し、Samediはカントリーサイドの雰囲気を感じられる。ムスタシュのオリジナルY字ハンドルバーを搭載していることもポイント。
ベノはブランド名でもあるベノ・ベンツィガーさんが2015年に創業したバイクブランド。BOOST Eはベノさん自身が車よりも乗りたくなる自転車を目指して開発したもの。電動アシストユニットを搭載し、坂がキツイ、遠いという自転車においてのネガティブな問題を解消することで、自然と自転車移動を選択できるような1台を目指している。
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YEPPやHAMAXのチャイルドシートも搭載することが可能であり、ファミリーバイクとしても活躍してくれる。ショッピング、キャンプなど荷物を運ぶシーンで非常にマッチしており、ユーティリティという言葉を体現しているバイクと言っても過言ではなさそうだ。シマノDeoreやAlivioといった信頼性の高いホイールやドライブトレイン、ディスクブレーキを採用していることもポイント。高価なバイクではあるが、価格に見合った価値と信頼性を備えているはずだ。
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ブラックバーンは非常にユニークな新型LEDライト2種類がデビュー。1つはGrid Side Beaconという自転車側方に光を届けるためのセーフティーライトだ。フロントとリアライトの多くはサイドまで光を照射されるように工夫がされているが、側方に向けてライトを取り付けた方が被視認性が高いのは間違いない。黄色のLEDとしているため、ライトの光を見る方も混乱が少ないはずだ。2つセットで販売される。
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もう1つは、自転車用フロントライト、ヘッドライト、ランタンとして使用できるOutpost BIKE&CAMPというモデル。ライト本体に巻取り式のケーブルが備えられており、ヘッドライトとして使用する場合はコードを引き出すというもの。また、LED脇に備えられているシェードを引き出すことで、LEDの光を分散させてランタンのように使うことができるという。1つで3役が与えられたOutpost BIKE&CAMPは非常にユニークなプロダクトだ。
また、ブラックバーンおなじみのOutpostのバイクパッキング装備にHITCHHIKER BAGが追加される。ベルクロで固定するボックス形状のバッグであり、2.5Lという容量を備える。ハンドルバーバッグのバンジーコードに取り付けたり、ハンドルバーに直接取り付けたりと仕様シチュエーションは様々。ハンドルバーバッグの拡張アイテム的な立ち位置であり、利用頻度の高い物を収納するのに便利。
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text&photo:Gakuto Fujiwara
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