2019/07/21(日) - 08:53
秋田、田沢湖でMTB全日本選手権が開催中だ。大会2日目のDHでは清水一輝が2012年以来3度目の全日本タイトルを獲得。竹之内悠(Toyo Frame)がXCOエリミネーターと初開催のE-MTBレースで優勝している。
7月19日〜21日の3日間、秋田県仙北市で第32回全日本マウンテンバイク選手権大会が開催中だ。ここ田沢湖で全日本選手権が行われるのは2008年ぶり5回目となる。
初日となる19日はダウンヒルとクロスカントリーのオフィシャルトレーニング、そしてエキシビジョンレースではあるが、JCF管轄では初開催となるE-BIKEによるクロスカントリーレースが、そして2日目の20日はダウンヒル決勝とクロスカントリーエリミネーターが行われた。それぞれダイジェストでレポートしよう。
ダウンヒル:清水一輝が2012年以来3度目の全日本タイトル
19日のオフィシャルトレーニングの段階では終日時折土砂降りの雨が降ったり止んだり。路面もマッドコンディションだったが、土曜日は朝から快晴に。気温も30度近くまで上昇したため、陽のあたる路面は急速に乾いていった。しかし木に覆われたシングルトラックはマッドコンディションのまま。試走を繰り返すライダーたちによってラインが掘り返され、予選〜決勝でのタイヤ選択を悩ませた。
予選をスタートしたのは42人。その内の上位30人が決勝に進んだ。
決勝は予選30位から1分おきにスタート。スタートが予選上位陣へと移るに従って予選のトップタイム(2:24.383)は更新され、予選9位だった3年連続全日本タイトルを狙う井本はじめ(SRAM / Santa Cruz)がトップタイムを10秒近く更新。その速さに会場がどよめいた。井本は決勝スタート直前にタイヤをマッドから調子がいいドライに履き替えていたという。しかしファステストタイムをマークしたのは、井本のフィニッシュ後にスタートした清水一輝(DELIGHTED JAPAN)。井本のタイムを0.285上回りフィニッシュし、2012年以来3度目の全日本タイトルを獲得することとなった。
清水は「朝の試走の時は滑りまくりでしたが、レースが始まったら路面が乾いてきたため迷いましたがシングルセクションでのグリップ重視でマッドタイヤを選択しました。とにかくめっちゃ嬉しいです!」と2012年ぶりのタイトルを喜んだ。
女子エリートは2年連続チャンピオンの吉川千香子が療養中のため不在。その吉川といつも一緒に練習しているという岩崎美智恵(TRIPCYCLE GLOBAL RACING)が初優勝を飾った。岩崎が田沢湖でレースを走るのは前回同じ会場で全日本選手権が行われた2008年以来だという。
クロスカントリーエリミネーター:スタートで出遅れた竹之内悠が優勝
ダウンヒル競技終了後、クロスカントリーエリミネーターの競技が行われた。
1名ずつシーディングを兼ねた予選をタイムトライアル形式で行われ、予選トップタイムを出したのは連覇を狙う澤木紀雄(acu-power Racing Team)を0.6秒上回った竹之内悠(Toyo Frame)だった。
常にトップでレースを展開した竹之内と、セーブしつつ走る澤木。準々決勝、準決勝とこの2人のレース運びは対照的だった。
決勝レースのメンバーは竹之内、澤木に加え、松本佑太(FUKAYA RACING)と佐藤誠示(SAGE’S STYLE)。号砲が鳴らされると澤木がホールショットを奪った一方、竹之内がスタートで大きく出遅れることとなる。しかし澤木はゲレンデに向かう折り返しで転倒しハンドルを曲げてしまう。これによって後続が詰まり、竹之内は序盤の遅れを帳消しにすることができた。
竹之内はゲレンデのオフキャンバーのターンでアウトから被せ、一気にトップに立つとそのままリードを保ち優勝。前日に開催されていたE-MTBクロスカントリーレースに続き、2日間で2勝を収める結果となった。
女子は3名のエントリーのみ。シーディングランの後は決勝のみのレースとなり川崎路子(PAXPROJECT)と広瀬由記(Cyclone)の激しいトップ争いの上、川崎が優勝した。
初開催のE-MTBレース:竹之内悠が圧巻の勝利
1日目の19日にはE-MTBクロスカントリーレースが行われた。このレースは欧州レースのUCIルールが適合されたため、日本仕様よりも若干パワフルな欧州仕様のパワーユニットを使用することが可能に。そのため複数台の欧州仕様ユニットを搭載したバイクがレースを走った。
土砂降りの中男子6名、女子2名が同時にスタート。いくら電動アシストとは言え、コースレイアウトが「アシストなしの」クロスカントリーレースと同じであるため、アシスト云々はあまり関係のない力勝負に。斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)や山田将輝(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)らメーカーの威信を懸けた元プロ勢が集う中、序盤からリードを奪い圧勝したのは竹之内悠(Toyo Frame)だった。
「アベレージスピードが上がっただけで常に踏まされている感覚があり、普通のクロスカントリーレースよりしんどかったですが、楽しませてもらいました」優勝した竹之内は初のE-BIKEによるレースを振り返った。
3日目最終日の21日はクロスカントリーの各種カテゴリーの日本一が決定する。
7月19日〜21日の3日間、秋田県仙北市で第32回全日本マウンテンバイク選手権大会が開催中だ。ここ田沢湖で全日本選手権が行われるのは2008年ぶり5回目となる。
初日となる19日はダウンヒルとクロスカントリーのオフィシャルトレーニング、そしてエキシビジョンレースではあるが、JCF管轄では初開催となるE-BIKEによるクロスカントリーレースが、そして2日目の20日はダウンヒル決勝とクロスカントリーエリミネーターが行われた。それぞれダイジェストでレポートしよう。
ダウンヒル:清水一輝が2012年以来3度目の全日本タイトル
19日のオフィシャルトレーニングの段階では終日時折土砂降りの雨が降ったり止んだり。路面もマッドコンディションだったが、土曜日は朝から快晴に。気温も30度近くまで上昇したため、陽のあたる路面は急速に乾いていった。しかし木に覆われたシングルトラックはマッドコンディションのまま。試走を繰り返すライダーたちによってラインが掘り返され、予選〜決勝でのタイヤ選択を悩ませた。
予選をスタートしたのは42人。その内の上位30人が決勝に進んだ。
決勝は予選30位から1分おきにスタート。スタートが予選上位陣へと移るに従って予選のトップタイム(2:24.383)は更新され、予選9位だった3年連続全日本タイトルを狙う井本はじめ(SRAM / Santa Cruz)がトップタイムを10秒近く更新。その速さに会場がどよめいた。井本は決勝スタート直前にタイヤをマッドから調子がいいドライに履き替えていたという。しかしファステストタイムをマークしたのは、井本のフィニッシュ後にスタートした清水一輝(DELIGHTED JAPAN)。井本のタイムを0.285上回りフィニッシュし、2012年以来3度目の全日本タイトルを獲得することとなった。
清水は「朝の試走の時は滑りまくりでしたが、レースが始まったら路面が乾いてきたため迷いましたがシングルセクションでのグリップ重視でマッドタイヤを選択しました。とにかくめっちゃ嬉しいです!」と2012年ぶりのタイトルを喜んだ。
女子エリートは2年連続チャンピオンの吉川千香子が療養中のため不在。その吉川といつも一緒に練習しているという岩崎美智恵(TRIPCYCLE GLOBAL RACING)が初優勝を飾った。岩崎が田沢湖でレースを走るのは前回同じ会場で全日本選手権が行われた2008年以来だという。
クロスカントリーエリミネーター:スタートで出遅れた竹之内悠が優勝
ダウンヒル競技終了後、クロスカントリーエリミネーターの競技が行われた。
1名ずつシーディングを兼ねた予選をタイムトライアル形式で行われ、予選トップタイムを出したのは連覇を狙う澤木紀雄(acu-power Racing Team)を0.6秒上回った竹之内悠(Toyo Frame)だった。
常にトップでレースを展開した竹之内と、セーブしつつ走る澤木。準々決勝、準決勝とこの2人のレース運びは対照的だった。
決勝レースのメンバーは竹之内、澤木に加え、松本佑太(FUKAYA RACING)と佐藤誠示(SAGE’S STYLE)。号砲が鳴らされると澤木がホールショットを奪った一方、竹之内がスタートで大きく出遅れることとなる。しかし澤木はゲレンデに向かう折り返しで転倒しハンドルを曲げてしまう。これによって後続が詰まり、竹之内は序盤の遅れを帳消しにすることができた。
竹之内はゲレンデのオフキャンバーのターンでアウトから被せ、一気にトップに立つとそのままリードを保ち優勝。前日に開催されていたE-MTBクロスカントリーレースに続き、2日間で2勝を収める結果となった。
女子は3名のエントリーのみ。シーディングランの後は決勝のみのレースとなり川崎路子(PAXPROJECT)と広瀬由記(Cyclone)の激しいトップ争いの上、川崎が優勝した。
初開催のE-MTBレース:竹之内悠が圧巻の勝利
1日目の19日にはE-MTBクロスカントリーレースが行われた。このレースは欧州レースのUCIルールが適合されたため、日本仕様よりも若干パワフルな欧州仕様のパワーユニットを使用することが可能に。そのため複数台の欧州仕様ユニットを搭載したバイクがレースを走った。
土砂降りの中男子6名、女子2名が同時にスタート。いくら電動アシストとは言え、コースレイアウトが「アシストなしの」クロスカントリーレースと同じであるため、アシスト云々はあまり関係のない力勝負に。斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)や山田将輝(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)らメーカーの威信を懸けた元プロ勢が集う中、序盤からリードを奪い圧勝したのは竹之内悠(Toyo Frame)だった。
「アベレージスピードが上がっただけで常に踏まされている感覚があり、普通のクロスカントリーレースよりしんどかったですが、楽しませてもらいました」優勝した竹之内は初のE-BIKEによるレースを振り返った。
3日目最終日の21日はクロスカントリーの各種カテゴリーの日本一が決定する。
ダウンヒル 男子エリート結果
1位 | 清水一輝(DELIGHTED JAPAN) | 2:15.395 |
2位 | 井本はじめ(SRAM / Santa Cruz) | +0.285 |
3位 | 泉野龍雅(自転車道) | +2.896 |
ダウンヒル 女子エリート結果
1位 | 岩崎美智恵(TRIPCYCLE GLOBAL RACING) |
2位 | 富田敬子(Acciarpone racing) |
3位 | 中川弘佳(Lovespo.com) |
クロスカントリーエリミネーター 男子結果
1位 | 竹之内悠(Toyo Frame) |
2位 | 佐藤誠示(SAGE’S STYLE) |
3位 | 松本佑太(FUKAYA RACING) |
クロスカントリーエリミネーター 女子結果
1位 | 川崎路子(PAXPROJECT) |
2位 | 広瀬由記(Cyclone) |
3位 | 鈴木美香子(サイクラリーKIRIN) |
E-MTB XCOレース(エキシビション) 男子結果
1位 | 竹之内悠(Toyo Frame) |
2位 | 斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT) |
3位 | 山田将輝(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM) |
E-MTB XCOレース(エキシビション) 女子結果
1位 | 広瀬由記(Cyclone) |
2位 | 山崎理恵(バイシクルクラブ) |
text&photo:Satoshi.Oda/Kasukabe Vision FILMz
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