2019/07/20(土) - 10:50
マイヨジョーヌマジックと言うべき走りでアラフィリップが総合首位を守ったツール第13ステージ。トーマスやサガンら、本格的な総合候補としてアラフィリップを評価しはじめた選手たちの、そして大怪我を追ったファンアールトのチームスタッフのコメントを紹介します。
ステージ優勝、総合1位、敢闘賞 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
信じられない。本当にうれしい。カッコつけるわけじゃないけど、今日のコースなら自分はうまく走れそうだと分かっていたので、今朝"いとこのフランクには"良い走りができそうだけどステージ優勝はできないと思う"と話していた。ゲラント・トーマスを相手にタイム差がつくなんて。(コースの)最初の半分は自分向けだったけど、残りの半分は自分でも驚いている。自分の限界を超えることができた。観客の声援もあって、ゴールするまで全力を尽くした。チームカーの中で泣いている声も聞こえていた。
山岳賞 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
ジュリアン・アラフィリップがタイムトライアルで優勝するのを見てとても感動している。ゲラント・トーマスのほうが、アラフィリップよりも(TTの)スペシャリストだったはずだが。標高2000メートル以上の山岳はこれまでとは違ってくる。アラフィリップからマイヨジョーヌを奪うのは難しくなるだろう。彼はほとんど疲れてないような感じで、とてもフレッシュに見える。彼はツールを総合優勝する大きなチャンスを手にしたといえる。
今日は楽に走らせてもらった。全力を出す必要はなかったからだ。だけど、明日からは山岳賞の水玉ジャージの本当の争奪戦が始まる。(明日のステージでは)自分のいまの獲得ポイントと変わらない50ポイントが獲得できる。まず逃げに乗って自分で10ポイント獲得したい。残りの40ポイントは総合勢の誰かが獲得すると思う。
ポイント賞 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
観客の中の何人かからリクエストされて、ウィリーをやった。たぶん満足してくれたと思う。ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)はツール・ド・フランスの総合優勝に向けて挑戦権を得た。レースはまだ口火を切ったばかりだが、彼の成功を祈りたい。彼はみんなを驚かせている。これからもそれを続けることができると思う。
新人賞、総合3位、ステージ9位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)
今日の結果に充分満足している。もちろんジュリアン(アラフィリップ)の結果にも。新人賞ジャージはかなりうれしい。明日からはエガン・ベルナルとの新人賞争いになるだろう。チームとしてはこれまでとは異なる戦略で戦える。総合5位内に2人を抱えるのはかなりのアドバンテージだ。マイヨジョーヌに関しては、チームとしてはできるだけ長く守りたい。ジュリアンならパリまでマイヨジョーヌをキープできると思う。(マイヨジョーヌを)失っても奪還した経験もある。初めてのツール・ド・フランスで新人賞の白いジャージを着る夢が実現した。パリで総合10位に入っていることが今の目標だ。今のところ、チームはかなり良い位置にいる。自分たちのレース展開にも満足している。
ステージ2位、総合2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)
それほど悪くはなかった。真剣に取り組もうとしたあまり、少し興奮気味になっていたようだった。言い訳ではないが、誰もが同じだと思う。これで良かった──最後のほうには焦りは感じなくなっていた。うまく自制できていた。最後の8kmあたりではもっと踏み込みたかったけど、残りの5パーセントの力も出せなかった。それでも良い走りだったと思う。いつもはかなり崩れてしまう。
アラフィリップは本当にだんだん良くなってきている。彼はまちがいなく優勝候補だし、いま警戒すべき選手だ。まだまだ長い距離が残っているし、これからたくさんのハードなステージがある。
ステージ5位 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)
タイムトライアルのステージが終了。結果にも満足している。(明日からの)山岳ステージに向けてやる気も充分だ。TTバイクのセットアップも良かった。
総合5位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
コースの最初の半分で全力を出した。ペースも良かったし、脚も好調だったけど、マキシミリアン(シャフマン)の落車のこともあって、下りではあらゆるリスクを避けようとペースを抑えた。その結果、数秒ほど失ってしまったが、落車で10秒を失うよりはましだと思う。終盤では重いギアを踏むことができず、ステージの上位10人に残ることができなかった。だけど、自分の総合成績には満足しているし、週末の2つの過酷な山岳ステージも楽しみにしている。
総合10位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
タフなタイムトライアルだった。最初のほうはかなり好調だったけど、あちこちで5〜10秒ほど失ってしまった。自分にとってはベストなタイムトライアルとは言いがたいが、結果がすべてだ。このままの調子を続けたい。明日はタフな日だ。距離は短いけど。その後の日曜日もタフなステージだ。実際に下見したので状況はわかっている。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)のケガについて語るスタッフ
ワウトの落車は残り数kmに入るところだった。かなり狭いコーナーでフェンスに近寄りすぎてフェンスのひとつに接触して落車した。かなり深い傷で苦しんでいた。傷口は外科的な処置が必要で、ひどい光景だった。
ワウトは自分の脚を見てパニックになっていた。見た目がひどかったからだ。彼はすぐに立ち上がって、路肩に向けて歩こうとした。私はそこに座って歩かないように命じた。その後、フェンスからバナーを取りはずして、傷口を見ないで済むようにワウトにかけた。ワウトには、なんの助けにもならないので、傷を見ないように言った。彼の傷は、臀部から太ももにかけての肉が見えるかなり深い傷で、筋繊維や組織、皮膚にダメージを負っていた。
外科医に診断してもらって手術を行なった。外科医は組織や皮膚を洗浄し、傷口をきれいに縫合してくれた。手術は1時間ほどだった。ワウトはもう起きている。ワウトは今晩は診療所で過ごし、自宅に戻る前に数日ほど病院に入院する予定だ。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝、総合1位、敢闘賞 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
信じられない。本当にうれしい。カッコつけるわけじゃないけど、今日のコースなら自分はうまく走れそうだと分かっていたので、今朝"いとこのフランクには"良い走りができそうだけどステージ優勝はできないと思う"と話していた。ゲラント・トーマスを相手にタイム差がつくなんて。(コースの)最初の半分は自分向けだったけど、残りの半分は自分でも驚いている。自分の限界を超えることができた。観客の声援もあって、ゴールするまで全力を尽くした。チームカーの中で泣いている声も聞こえていた。
山岳賞 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
ジュリアン・アラフィリップがタイムトライアルで優勝するのを見てとても感動している。ゲラント・トーマスのほうが、アラフィリップよりも(TTの)スペシャリストだったはずだが。標高2000メートル以上の山岳はこれまでとは違ってくる。アラフィリップからマイヨジョーヌを奪うのは難しくなるだろう。彼はほとんど疲れてないような感じで、とてもフレッシュに見える。彼はツールを総合優勝する大きなチャンスを手にしたといえる。
今日は楽に走らせてもらった。全力を出す必要はなかったからだ。だけど、明日からは山岳賞の水玉ジャージの本当の争奪戦が始まる。(明日のステージでは)自分のいまの獲得ポイントと変わらない50ポイントが獲得できる。まず逃げに乗って自分で10ポイント獲得したい。残りの40ポイントは総合勢の誰かが獲得すると思う。
ポイント賞 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
観客の中の何人かからリクエストされて、ウィリーをやった。たぶん満足してくれたと思う。ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)はツール・ド・フランスの総合優勝に向けて挑戦権を得た。レースはまだ口火を切ったばかりだが、彼の成功を祈りたい。彼はみんなを驚かせている。これからもそれを続けることができると思う。
新人賞、総合3位、ステージ9位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ)
今日の結果に充分満足している。もちろんジュリアン(アラフィリップ)の結果にも。新人賞ジャージはかなりうれしい。明日からはエガン・ベルナルとの新人賞争いになるだろう。チームとしてはこれまでとは異なる戦略で戦える。総合5位内に2人を抱えるのはかなりのアドバンテージだ。マイヨジョーヌに関しては、チームとしてはできるだけ長く守りたい。ジュリアンならパリまでマイヨジョーヌをキープできると思う。(マイヨジョーヌを)失っても奪還した経験もある。初めてのツール・ド・フランスで新人賞の白いジャージを着る夢が実現した。パリで総合10位に入っていることが今の目標だ。今のところ、チームはかなり良い位置にいる。自分たちのレース展開にも満足している。
ステージ2位、総合2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス)
それほど悪くはなかった。真剣に取り組もうとしたあまり、少し興奮気味になっていたようだった。言い訳ではないが、誰もが同じだと思う。これで良かった──最後のほうには焦りは感じなくなっていた。うまく自制できていた。最後の8kmあたりではもっと踏み込みたかったけど、残りの5パーセントの力も出せなかった。それでも良い走りだったと思う。いつもはかなり崩れてしまう。
アラフィリップは本当にだんだん良くなってきている。彼はまちがいなく優勝候補だし、いま警戒すべき選手だ。まだまだ長い距離が残っているし、これからたくさんのハードなステージがある。
ステージ5位 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)
タイムトライアルのステージが終了。結果にも満足している。(明日からの)山岳ステージに向けてやる気も充分だ。TTバイクのセットアップも良かった。
総合5位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
コースの最初の半分で全力を出した。ペースも良かったし、脚も好調だったけど、マキシミリアン(シャフマン)の落車のこともあって、下りではあらゆるリスクを避けようとペースを抑えた。その結果、数秒ほど失ってしまったが、落車で10秒を失うよりはましだと思う。終盤では重いギアを踏むことができず、ステージの上位10人に残ることができなかった。だけど、自分の総合成績には満足しているし、週末の2つの過酷な山岳ステージも楽しみにしている。
総合10位 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
タフなタイムトライアルだった。最初のほうはかなり好調だったけど、あちこちで5〜10秒ほど失ってしまった。自分にとってはベストなタイムトライアルとは言いがたいが、結果がすべてだ。このままの調子を続けたい。明日はタフな日だ。距離は短いけど。その後の日曜日もタフなステージだ。実際に下見したので状況はわかっている。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)のケガについて語るスタッフ
ワウトの落車は残り数kmに入るところだった。かなり狭いコーナーでフェンスに近寄りすぎてフェンスのひとつに接触して落車した。かなり深い傷で苦しんでいた。傷口は外科的な処置が必要で、ひどい光景だった。
ワウトは自分の脚を見てパニックになっていた。見た目がひどかったからだ。彼はすぐに立ち上がって、路肩に向けて歩こうとした。私はそこに座って歩かないように命じた。その後、フェンスからバナーを取りはずして、傷口を見ないで済むようにワウトにかけた。ワウトには、なんの助けにもならないので、傷を見ないように言った。彼の傷は、臀部から太ももにかけての肉が見えるかなり深い傷で、筋繊維や組織、皮膚にダメージを負っていた。
外科医に診断してもらって手術を行なった。外科医は組織や皮膚を洗浄し、傷口をきれいに縫合してくれた。手術は1時間ほどだった。ワウトはもう起きている。ワウトは今晩は診療所で過ごし、自宅に戻る前に数日ほど病院に入院する予定だ。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
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