GPSサイクルコンピューターのリーディングカンパニー「ガーミン」が、新型Edge530、Edge830の発売を控えた7月初旬にディーラーショーを開催。新機能などを紹介するとともに発売日程や価格などを公表した。



進化を果たしたガーミン EDGE 830、530進化を果たしたガーミン EDGE 830、530
GPSサイクルコンピューターと言えばガーミン。プロからアマチュアまでシリアスにサイクルスポーツを楽しみ、サイクルコンピューターを求める層の多くがガーミンを選んでいた時代も長く続いた。近年はGPSサイクルコンピューターを用意するブランドも増え続けており、ユーザーとしては選択が豊かな時代となっている。

そのような状況にあってもガーミンの存在感が薄れることはなく、ニュープロダクトには誰もが注目するところ。近年は、必要十分な機能に最適化し洗練されたデザインとインターフェースを持つEdge130、あらゆる機能を詰め込んだハイエンドモデルのEdge1030など魅力的な製品をローンチしてきた。

今年はミドルグレードのコアプロダクトとなるEdge830とEdge530をモデルチェンジ。一層注目されるだろうプロダクツの国内販売開始日(7月12日)を前にガーミンジャパンがディーラー向けに展示会を開催した。今年で創業30周年を迎えるアニバーサーリーイヤーであり、高級スマートウォッチ分野に参入するなど、さまざまなジャンルから注目を集める存在となっている。

恵比寿ガーデンプレイスに集結したショップスタッフたち。ガーミン製品の注目度の高さが伺える恵比寿ガーデンプレイスに集結したショップスタッフたち。ガーミン製品の注目度の高さが伺える
展示会兼プロダクト説明会はガーミンの社史、事業内容の説明からスタート。我々サイクリストとしてはGPSサイクルコンピューターの先駆者、車のGPS機器、スマートウォッチなどコンシューマー向けプロダクトのブランドとして馴染みがあるが、会社としてはBtoBの事業も欠かせない存在なのだとか。

BtoB事業の中には、ホンダジェットのコックピット周りに使用される機器の担当が含まれるとも。GPS機器のリーディングカンパニーとして、ハードウエアだけではなくシステム全体を開発することが、ガーミンのプロダクトの信頼性に繋がっているのだろう。サイクリング用の機器も実績を積み重ねることで、確固たる地位を築いてきた。そして話は新製品に移っていった。

ガーミンのサイクルデバイスの歴史などを改めて紹介するガーミンのサイクルデバイスの歴史などを改めて紹介する
詳しい機能を説明する前に日本での展開ラインアップを紹介しよう。セカンドグレードのEdge830はセンサーセットのみの販売だ。本体に加え、ANT+/Bluetooth両対応のスピード/ケイデンスセンサー、心拍センサーが付属し、57,800円という設定。対してEdge 530は先述のセンサーが付属するセット(47,800円)と本体のみ(37,800円)という2種類が揃う。価格としては前作とほぼ変わらず、それぞれの立ち位置もそのままだ。

機能に関しては先行して発表していた内容と変わらないため、レビュー記事を参照して欲しい。この記事では先行の記事では詳細まで触れることのできなかった部分を中心に紹介する。

コンスーマーディビジョンのシニアマネージャーの隅岡さんがガーミンとはを語るコンスーマーディビジョンのシニアマネージャーの隅岡さんがガーミンとはを語る サイクルカテゴリーを率いる小林さんが新型について説明するサイクルカテゴリーを率いる小林さんが新型について説明する


まずは旺文社の日本詳細道路地図について。アナウンスされている通り、今作からEdge 530にも地図データが予めインストールされることに。搭載されるデータは、2018年7月25日までに判明した2019年1月1日時点での重要情報を反映した地図とされているため、新規に開通した道路などに遭遇しても困惑するシチュエーションが減っているはずだ。さらに、前作では収録されていなかった細い道、自動車通行不可道路(公園内歩道、河川敷歩道)も今作では収録されているため、精度の高いルーティングが可能となっている。

Edge 830では本体のみでルートの作成が可能であり、タッチスクリーンの利便性と合わせ、自動車のナビのように非常に使い勝手がすぐれている。また、スマホのConnectアプリでルート作成が遂に可能となったため、ルート作成機能が備えられていないEdge 530でも出先でスマホと組み合わせることで、ナビゲーションを利用することができる。

実機を触りスムーズな操作を体感する実機を触りスムーズな操作を体感する パワーメーターとの連携もチェックしていたパワーメーターとの連携もチェックしていた

ガーミンのサポートチームはディメンションデータやミッチェルトン・スコットなどをサポートするガーミンのサポートチームはディメンションデータやミッチェルトン・スコットなどをサポートする ガーミンはサイクルコンピューターだけではなく、様々な周辺機器も手がけているガーミンはサイクルコンピューターだけではなく、様々な周辺機器も手がけている


パフォーマンス測定機能として新しく加えられた「摂取カロリー/水分補給トラッキング」に関しては、ライド後に自分で入力する機能とのことだ。ライド中に摂取した栄養や水分状況を記録しておくことで、自分のパフォーマンスに対しての補給状況を振り返ることができる。Connectなどでは消費カロリーなどと並んで表示されるため、カロリーや水分収支などもひと目でわかりやすくなっている。

また、新たにトレーニング負荷バランス、パワーカーブという項目が追加された。トレーニング負荷バランスというのは、いわゆる「L1、L2…」などの負荷領域の表示のことであり、ライド中の負荷状況を分布してくれるというものだ。

パワーカーブというのは単位時間あたりの平均パワーのことで、例えば1分平均、5分平均などそれぞれの時間の区切りで表してくれる。1ヶ月、3ヶ月、12ヶ月のスパンでも表示してくれるため、トレーニングの成果を把握しやすいだろう。これらの表示は外部サービスなどにアップロードすれば見ることの出来た情報だが、ガーミンで表示可能になったためわざわざ情報を取りに行く必要がなくなる。パワートレーニングなどが身近になるだろう。

ガーミン EDGE 830ガーミン EDGE 830
新機能「ClimbPro」も既報の通り、ガーミンコネクトより転送されたコースでナビゲーションを行っている時に利用できる機能で、頂上までの残り距離、平均勾配、標高差などが表示してくれるもの。加えて、サイコンの画面に、距離500m以上/勾配3%以上の峠一覧を表示することが可能だという。ルートを進んだ先に待ち構える峠の距離、勾配などを表示してくれるため、レース中はもちろん、ロングライドのペース管理にも役に立ってくれそうだ。

「バイクアラーム」はバイクの振動を検知するとデバイスがアラームを鳴らし周囲に異変を知らせるとともに、連携しているスマホにポップアップが表示される機能。アラームの解除はアラームをセットする時に予め入力したパスコードを入れて行うとのこと。

画面などもより視認性が高い仕様となった画面などもより視認性が高い仕様となった
スマホとの連携が必須のこの機能だが、アラームをセットした状態でスマホとの連携が切れるほど遠くに離れてしまうケースも考えうる。そのような場合でも、アラーム機能はスタンバイ状態で異変を検知すれば、スマホにはポップアップが表示されないものの警報音は鳴る。使い方次第ではあるが、アラームは変わらず鳴ってくれるため抑止力としては働くだろう。また、サイコンのみを盗まれるという心配もすくないはずだ。

今回のアップデートでの注目ポイントは高性能CPUが搭載されたことによる、操作でのストレスが非常に軽減されていること。特にEdge 830のタッチスクリーンの動作が非常にスムーズになっており、筆者が展示会場で触ってみたところスマホとほぼ変わらないという印象を受けた。もっさりとしていた前作と比較すると操作に関するストレスは非常に軽減されるだろう。発売日が7月12日に迫っているため、入荷した店舗で是非試してもらいたい。

text&photo:Gakuto Fujiwara
photo:Michinari Takagi
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