2019/06/17(月) - 09:53
113.5kmという短い距離に7つの山岳(獲得標高差3,000m)が詰め込まれたクリテリウム・デュ・ドーフィネ最終日にディラン・ファンバーレ(チームイネオス)が逃げ切り勝利。ヤコブ・フルサング(アスタナ)が自身2度目の総合優勝に輝いた。
フランスとスイスの国境付近に広がるアルプス山脈を走るクリテリウム・デュ・ドーフィネ第8ステージ。1週間にわたる戦いを締めくくるのは113.5kmという短い距離に7つのカテゴリー山岳が詰め込まれた本格山岳ステージで、76.5km地点から先はスイス国内。終盤の1級山岳リヴ峠(距離8.5km/平均6.2%)と、残り1km地点で通過する3級山岳モンテ・ド・シャンペリー(距離5.5km/平均4.2%)の連続山岳が大会最後の山岳バトルの舞台となる。
この日もジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)を含む12名の強力な逃げグループが序盤から先行。ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)やセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ)、カルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)、フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ)、ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームイネオス)といった、総合逆転を狙うチームのサブエース級選手も逃げに乗った。
マイヨジョーヌ擁するアスタナの集団コントロールにより、逃げグループのリードは4分25秒を上限に縮まり始めた。この日は気温20〜25度の暖かい陽気に包まれたが、前日の大雨によって体調を崩したリタイア者が続出。総合首位ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)とわずか8秒差につけていた総合2位アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が残り50km地点でバイクを降りた。さらに総合9位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)も体調不良を理由にリタイアしている。
チームイネオスやUAEチームエミレーツ、アージェードゥーゼール率いるメイン集団が終盤にかけてタイム差を2分前後にまで縮めたが、強力なメンバーが揃う逃げグループはスピードを上げて抵抗する。残り12km地点でピークを迎える1級山岳リヴ峠で逃げグループの中でセレクションが始まり、山岳賞ジャージ獲得を確実なものにしながら「あともう1勝したかった」というアラフィリップらが飛び出すが決まらない。
アタックを成功させたヘイグにファンバーレが追いついて、追走グループやメイン集団を引き離しながら1級山岳リヴ峠をクリアした。実力者でありながら普段エースのために山岳ステージでアシストを担う機会が多いヘイグとファンバーレ。出遅れた逃げメンバーのカールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル)やワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)が追走をかけたものの、最後の3級山岳モンテ・ド・シャンペリーでヘイグとファンバーレが快調にローテーションを回した。
フラムルージュ(残り1kmアーチ)通過とともに牽制状態に入ったものの、最後は後続に1分近い差をつけた先頭2名によるスプリント一騎打ちに。スイス国旗が並ぶ最終ストレートでヘイグを下したファンバーレがチームイネオスに2勝目をもたらした。
2分後方のメイン集団内では、マグナス・コルトニールセン(デンマーク)とユーゴ・ウル(カナダ)、ゴルカ・イサギレ(スペイン)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)というアスタナの豊富なアシスト陣にサポートされた総合首位フルサングは順調にレースを進めた。総合成績を動かすために3級山岳モンテ・ド・シャンペリーで攻撃を仕掛けたのは総合7位のティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)。しかしピノはリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)以外のライバルたちをふるい落とすことができず、10名ほどに絞られたメイン集団は再びアスタナの支配下に。ライバルたちとともに先頭から1分59秒遅れでフィニッシュしたフルサングが総合優勝を決めた。
クリストファー・フルーム(イギリス)を失ったチームイネオスがステージ2連勝。ワウト・プールス(オランダ)とともにドーフィネ終盤の山岳ステージで存在感を示したファンバーレは「今日はジャンニ(モスコン)と自分が逃げに乗って、後から追いついてくるワウト(プールス)をアシストする予定だったけど、その展開にはならなかった。今週はチームにとってアップダウンの連続で、クリス(フルーム)のリタイア後もチームイネオスは戦い続けた。ドーフィネではこれまで苦しんでばかりだったけど、厳しいトレーニングのおかげで結果を残せるようになった。結果には満足しているよ」とコメント。ファンバーレは7月のツール・ド・フランスで『スイス組』のゲラント・トーマス(イギリス)とエガン・ベルナル(コロンビア)をアシストすることになるだろう。
直近の総合ライバルであるイェーツのリタイアにより、比較的落ち着いた1日を過ごしたフルサングは「もっと厳しい展開を予想していたけど、チームが完璧にレースをコントロールしてくれた。まるでリムジンに乗っているようだった。理由はわからないけどアダム・イェーツとステフェン・クライスヴァイクがストップ。昨日の寒いステージが何人かの選手に影響を与えたようだ。ステージ2勝した(最終日に逆転した)2017年の方がスペクタクルだったかもしれないけど、リーダージャージを着て最終日を走ったこの勝利はスペシャルだ」と語り、2017年に続く2度目のドーフィネ総合優勝を喜ぶ。
今シーズン、ブエルタ・ア・アンダルシア総合優勝に始まり、ストラーデビアンケ2位、ティレーノ〜アドリアティコ総合3位、アムステルゴールドレース3位、ラ・フレーシュ・ワロンヌ2位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ1位という成績を残しているフルサングは「調整は正しく進んでおり、次戦ツール・ド・フランスが楽しみだ。ここまでファンタスティックなシーズンを送ることができているので、さらに良い結果を残したい。ストレスもなく、全てがイージーでパーフェクトだった。アスタナ全体がとても強く、メンバーが互いを高め合う良い雰囲気がある」とコメント。ツールにはこれまで8回出場して2013年の総合7位が最高位。デンマーク生まれの34歳がマイヨジョーヌ候補に名乗りをあげた。
フランスとスイスの国境付近に広がるアルプス山脈を走るクリテリウム・デュ・ドーフィネ第8ステージ。1週間にわたる戦いを締めくくるのは113.5kmという短い距離に7つのカテゴリー山岳が詰め込まれた本格山岳ステージで、76.5km地点から先はスイス国内。終盤の1級山岳リヴ峠(距離8.5km/平均6.2%)と、残り1km地点で通過する3級山岳モンテ・ド・シャンペリー(距離5.5km/平均4.2%)の連続山岳が大会最後の山岳バトルの舞台となる。
この日もジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)を含む12名の強力な逃げグループが序盤から先行。ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)やセップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ)、カルロス・ベローナ(スペイン、モビスター)、フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ)、ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームイネオス)といった、総合逆転を狙うチームのサブエース級選手も逃げに乗った。
マイヨジョーヌ擁するアスタナの集団コントロールにより、逃げグループのリードは4分25秒を上限に縮まり始めた。この日は気温20〜25度の暖かい陽気に包まれたが、前日の大雨によって体調を崩したリタイア者が続出。総合首位ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)とわずか8秒差につけていた総合2位アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が残り50km地点でバイクを降りた。さらに総合9位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)も体調不良を理由にリタイアしている。
チームイネオスやUAEチームエミレーツ、アージェードゥーゼール率いるメイン集団が終盤にかけてタイム差を2分前後にまで縮めたが、強力なメンバーが揃う逃げグループはスピードを上げて抵抗する。残り12km地点でピークを迎える1級山岳リヴ峠で逃げグループの中でセレクションが始まり、山岳賞ジャージ獲得を確実なものにしながら「あともう1勝したかった」というアラフィリップらが飛び出すが決まらない。
アタックを成功させたヘイグにファンバーレが追いついて、追走グループやメイン集団を引き離しながら1級山岳リヴ峠をクリアした。実力者でありながら普段エースのために山岳ステージでアシストを担う機会が多いヘイグとファンバーレ。出遅れた逃げメンバーのカールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル)やワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)が追走をかけたものの、最後の3級山岳モンテ・ド・シャンペリーでヘイグとファンバーレが快調にローテーションを回した。
フラムルージュ(残り1kmアーチ)通過とともに牽制状態に入ったものの、最後は後続に1分近い差をつけた先頭2名によるスプリント一騎打ちに。スイス国旗が並ぶ最終ストレートでヘイグを下したファンバーレがチームイネオスに2勝目をもたらした。
2分後方のメイン集団内では、マグナス・コルトニールセン(デンマーク)とユーゴ・ウル(カナダ)、ゴルカ・イサギレ(スペイン)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)というアスタナの豊富なアシスト陣にサポートされた総合首位フルサングは順調にレースを進めた。総合成績を動かすために3級山岳モンテ・ド・シャンペリーで攻撃を仕掛けたのは総合7位のティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)。しかしピノはリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)以外のライバルたちをふるい落とすことができず、10名ほどに絞られたメイン集団は再びアスタナの支配下に。ライバルたちとともに先頭から1分59秒遅れでフィニッシュしたフルサングが総合優勝を決めた。
クリストファー・フルーム(イギリス)を失ったチームイネオスがステージ2連勝。ワウト・プールス(オランダ)とともにドーフィネ終盤の山岳ステージで存在感を示したファンバーレは「今日はジャンニ(モスコン)と自分が逃げに乗って、後から追いついてくるワウト(プールス)をアシストする予定だったけど、その展開にはならなかった。今週はチームにとってアップダウンの連続で、クリス(フルーム)のリタイア後もチームイネオスは戦い続けた。ドーフィネではこれまで苦しんでばかりだったけど、厳しいトレーニングのおかげで結果を残せるようになった。結果には満足しているよ」とコメント。ファンバーレは7月のツール・ド・フランスで『スイス組』のゲラント・トーマス(イギリス)とエガン・ベルナル(コロンビア)をアシストすることになるだろう。
直近の総合ライバルであるイェーツのリタイアにより、比較的落ち着いた1日を過ごしたフルサングは「もっと厳しい展開を予想していたけど、チームが完璧にレースをコントロールしてくれた。まるでリムジンに乗っているようだった。理由はわからないけどアダム・イェーツとステフェン・クライスヴァイクがストップ。昨日の寒いステージが何人かの選手に影響を与えたようだ。ステージ2勝した(最終日に逆転した)2017年の方がスペクタクルだったかもしれないけど、リーダージャージを着て最終日を走ったこの勝利はスペシャルだ」と語り、2017年に続く2度目のドーフィネ総合優勝を喜ぶ。
今シーズン、ブエルタ・ア・アンダルシア総合優勝に始まり、ストラーデビアンケ2位、ティレーノ〜アドリアティコ総合3位、アムステルゴールドレース3位、ラ・フレーシュ・ワロンヌ2位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ1位という成績を残しているフルサングは「調整は正しく進んでおり、次戦ツール・ド・フランスが楽しみだ。ここまでファンタスティックなシーズンを送ることができているので、さらに良い結果を残したい。ストレスもなく、全てがイージーでパーフェクトだった。アスタナ全体がとても強く、メンバーが互いを高め合う良い雰囲気がある」とコメント。ツールにはこれまで8回出場して2013年の総合7位が最高位。デンマーク生まれの34歳がマイヨジョーヌ候補に名乗りをあげた。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019第8ステージ結果
1位 | ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームイネオス) | 3:05:48 |
2位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | |
3位 | カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル) | 0:00:50 |
4位 | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) | 0:01:12 |
5位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | |
6位 | セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマFDJ) | |
7位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:01:16 |
8位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:01:59 |
9位 | クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ワンティ・グループゴベール) | |
10位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
16位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) |
個人総合成績
1位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 30:44:27 |
2位 | ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) | 0:00:20 |
3位 | エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:21 |
4位 | ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス) | 0:00:28 |
5位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:33 |
6位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:01:11 |
7位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:01:12 |
8位 | ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチームエミレーツ) | 0:01:21 |
9位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:01:24 |
10位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:01:38 |
ポイント賞
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 82pts |
2位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 53pts |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 49pts |
山岳賞
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 75pts |
2位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 25pts |
3位 | ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス) | 15pts |
ヤングライダー賞
1位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) | 30:47:44 |
2位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:11:42 |
3位 | セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:16:02 |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 92:19:24 |
2位 | チームイネオス | 0:12:58 |
3位 | グルパマFDJ | 0:13:22 |
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