2019/06/12(水) - 06:39
大会最初の大集団スプリントに持ち込まれたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第3ステージ。今シーズン好調のスプリンターであるサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が圧勝した。
気温10度強の冷たい雨に包まれたドーフィネ3日目。8日間のステージレースの中でピュアスプリンターにチャンスがあるのは、このル・ピュイ=アン=ヴレからリオンに向かって下っていく177kmの第3ステージと第5ステージしかない。翌日に26.1kmの個人タイムトライアルが設定されていることもあり、力を温存したい総合上位陣は比較的平穏な1日を過ごすことに。
スタートとともに飛び出したカンタン・パシェ(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ)とナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス)がメイン集団に対して4分のリードで逃げ、リーダージャージ擁するバーレーン・メリダが追いかける展開。ステージ中盤に差し掛かるとドゥクーニンク・クイックステップ、ボーラ・ハンスグローエ、アルケア・サムシックというスプリンター3チームが集団牽引に合流した。
タイム差2分前後のまま難易度の低い3連続4級山岳をこなす頃には天候が回復。雲の切れ間から太陽が顔を出し、気温が上昇していく。残り50kmを切ってタイム差が1分を割り込んだところで、本格的なペースアップを前に集団内の選手たちはレインジャケットやグローブを脱いだ。
スプリンターチーム率いるメイン集団は残り12km地点で先頭で逃げ続けていたパシェとベルハネを吸収。横風を警戒するチームイネオスやEFエデュケーションファースト、モビスターが集団先頭に立ってペースを上げる。ペースが弱まらない高速巡航が続いたため、残り20km地点からフィニッシュラインまでの平均スピードは50km/hを超えている。
残り1kmアーチを切ってからジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がリードアウトのために飛び出したが、うまくチームメイトにバトンを繋ぐことができない。残り400mでボーラ・ハンスグローエのリードアウトに切り替わる。シーズン途中でレース活動を一旦ストップしたピーター・ケニャック(イギリス)に代わる形で4月11日から古巣ボーラ・ハンスグローエに戻ったシェーン・アーチボルド(ニュージーランド)が、ベネットのためにリードアウトを開始した。
ほぼ真っ直ぐな残り5kmの平均スピードは56km/h。最終スプリントのトップスピードは70km/hオーバー。アーチボルドにタイミングよく発射されたベネットは、さらにそのリードを広げる加速力を披露した。ヤングライダー賞ジャージを着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)の追い込みも歯が立たず、ベネットが悠々と先頭フィニッシュした。
「2日間厳しいステージが続き、今日もずっと寒かったので、自分の脚の状態に確証がなかった。でもシェーン(アーチボルド)が最高の形で先頭まで連れて行ってくれたんだ。最後は脚の感覚も良くて、チームの仕事を仕上げることができた。これからもステージ優勝を狙っていく」と、シーズン7勝目を飾ったアイルランド生まれのベネット。
ベネットは2018年のジロ・デ・イタリアでステージ3勝を飾ったものの、今年はパスカル・アッカーマン(ドイツ)にエーススプリンターの座を譲った。ボーラ・ハンスグローエはドゥクーニンク・クイックステップ(34勝)とアスタナ(26勝)に続くシーズン25勝をマーク。25勝のうち20勝がUCIワールドツアーレースでの勝利で、これは7名の選手たちによる成績。意外にもペテル・サガン(スロバキア)は2勝しか飾っていない。
ステージ2位に入ったファンアールトはポイント賞トップに。元シクロクロス世界チャンピオンは今シーズン出場した11レース(全てUCIワールドツアーレース)で4回目のトップ3。ジロで負傷したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)に代わってツール・ド・フランスに初出場することが決まっている。
気温10度強の冷たい雨に包まれたドーフィネ3日目。8日間のステージレースの中でピュアスプリンターにチャンスがあるのは、このル・ピュイ=アン=ヴレからリオンに向かって下っていく177kmの第3ステージと第5ステージしかない。翌日に26.1kmの個人タイムトライアルが設定されていることもあり、力を温存したい総合上位陣は比較的平穏な1日を過ごすことに。
スタートとともに飛び出したカンタン・パシェ(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルズ)とナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス)がメイン集団に対して4分のリードで逃げ、リーダージャージ擁するバーレーン・メリダが追いかける展開。ステージ中盤に差し掛かるとドゥクーニンク・クイックステップ、ボーラ・ハンスグローエ、アルケア・サムシックというスプリンター3チームが集団牽引に合流した。
タイム差2分前後のまま難易度の低い3連続4級山岳をこなす頃には天候が回復。雲の切れ間から太陽が顔を出し、気温が上昇していく。残り50kmを切ってタイム差が1分を割り込んだところで、本格的なペースアップを前に集団内の選手たちはレインジャケットやグローブを脱いだ。
スプリンターチーム率いるメイン集団は残り12km地点で先頭で逃げ続けていたパシェとベルハネを吸収。横風を警戒するチームイネオスやEFエデュケーションファースト、モビスターが集団先頭に立ってペースを上げる。ペースが弱まらない高速巡航が続いたため、残り20km地点からフィニッシュラインまでの平均スピードは50km/hを超えている。
残り1kmアーチを切ってからジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がリードアウトのために飛び出したが、うまくチームメイトにバトンを繋ぐことができない。残り400mでボーラ・ハンスグローエのリードアウトに切り替わる。シーズン途中でレース活動を一旦ストップしたピーター・ケニャック(イギリス)に代わる形で4月11日から古巣ボーラ・ハンスグローエに戻ったシェーン・アーチボルド(ニュージーランド)が、ベネットのためにリードアウトを開始した。
ほぼ真っ直ぐな残り5kmの平均スピードは56km/h。最終スプリントのトップスピードは70km/hオーバー。アーチボルドにタイミングよく発射されたベネットは、さらにそのリードを広げる加速力を披露した。ヤングライダー賞ジャージを着るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)の追い込みも歯が立たず、ベネットが悠々と先頭フィニッシュした。
「2日間厳しいステージが続き、今日もずっと寒かったので、自分の脚の状態に確証がなかった。でもシェーン(アーチボルド)が最高の形で先頭まで連れて行ってくれたんだ。最後は脚の感覚も良くて、チームの仕事を仕上げることができた。これからもステージ優勝を狙っていく」と、シーズン7勝目を飾ったアイルランド生まれのベネット。
ベネットは2018年のジロ・デ・イタリアでステージ3勝を飾ったものの、今年はパスカル・アッカーマン(ドイツ)にエーススプリンターの座を譲った。ボーラ・ハンスグローエはドゥクーニンク・クイックステップ(34勝)とアスタナ(26勝)に続くシーズン25勝をマーク。25勝のうち20勝がUCIワールドツアーレースでの勝利で、これは7名の選手たちによる成績。意外にもペテル・サガン(スロバキア)は2勝しか飾っていない。
ステージ2位に入ったファンアールトはポイント賞トップに。元シクロクロス世界チャンピオンは今シーズン出場した11レース(全てUCIワールドツアーレース)で4回目のトップ3。ジロで負傷したプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)に代わってツール・ド・フランスに初出場することが決まっている。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019第3ステージ結果
1位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:15:25 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | |
3位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ) | |
4位 | クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
5位 | エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
6位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
7位 | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
8位 | イェンス・デブシェール(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) | |
9位 | ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット) | |
10位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) |
個人総合成績
1位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 11:52:28 |
2位 | ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) | 0:00:03 |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 0:00:20 |
4位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | |
5位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:00:24 |
6位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト) | |
8位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス) | |
9位 | ワウト・プールス(オランダ、チームイネオス) | |
10位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) |
ポイント賞
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 42pts |
2位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | 39pts |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ) | 38pts |
山岳賞
1位 | カスパー・ピーダスン(デンマーク、サンウェブ) | 18pts |
2位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 13pts |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 12pts |
ヤングライダー賞
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 11:54:18 |
2位 | ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:09 |
3位 | オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール) |
チーム総合成績
1位 | アスタナ | 35:40:12 |
2位 | EFエデュケーションファースト | 0:00:31 |
3位 | グルパマFDJ |
text:Kei Tsuji
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