2019/05/20(月) - 11:08
雨の山岳TTで大きく動いたジロ・デ・イタリア9日目のコメント集。圧倒的なタイムを刻んだプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)や、2位を悔しがるヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)、マリアローザを守り切ったヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)などの言葉をピックアップします。
ステージ優勝:プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)
長くタフなタイムトライアルだった。自分の走りに集中していたので、ステージ優勝には驚いていない。試走時にはドライだったけど、レース時は完全にウェット。リスクを冒さずに走ったよ。メカトラに見舞われたヴィクトール・カンペナールツには申し訳ない気持ちもあるけど、今日はフィニッシュまで出来る限り早く走ることに集中し、そしてステージ優勝を手にすることができた。勝利には少しの運も必要なんだ。今日は全て筋書き通りにレースを進め、ステージ優勝できたこと、そしてライバルたちからリードを奪うことができたのでハッピーだ。ただしジロがヴェローナに到着するまでは2週間あるので、どんなことだって起こりうる。ただ、今は山岳ステージ前の休息日を満喫したいと思う。
ステージ2位:ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)
レース前は"今日のタイムトライアルは僕向きではない"と思っていたし、スデージュ優勝できるとも思っていなかった。去年のジロのTTで2位になってからも努力を続けてきたけれど、今日はスタート直後から脚があるなと感じていた。
作戦としては登りまではある程度の余裕を保ちながら走り、登りで全開で踏むものだった。去年のTT世界選手権と同じように。TTスペシャリストならばメカトラは非常にフラストレーションが溜まるもの。ただし今日は、ステージ前からノーマルバイクに乗り換えることに同意はできていたので、メカトラが起きた時もバイク交換はその通りに行ったんだ。アドレナリンが吹き出ていたので乗り換えに少し手間をかけてしまい、ゴール後は少しイラついてしまった。
今は少し複雑な心境だ。もしステージ優勝できていれば、バイク交換の件はすぐさま忘れ去っていた。でも、結果は11秒差の2位。だからもしメカトラが無ければ僕がステージを取れていたはず。でもそれは、世界最高峰レベルの戦いだったし、誰も責めることはできない。最後のTTはもっと僕向きのはずなので、山岳ステージを生き残ってチャンスを狙いたい。トラブルを起こすことなく。
ステージ3位:バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
調子自体はとても良かった。雨でスリッピーなーコーナーがいくつもあって、リスクを冒したくなかったのでそこだけはゆっくりと走った。最初の20kmを淡々と走り、登りを全力で走るという作戦が差を生み出した。登りでのフィーリングは絶好調と言えるものではなかったが、それでもタイムとしては非常に芳しかった。他の総合勢に対しても良いアピールができたと思う。
(後方スタートの)総合勢にとっては状況の差はなかったけれど、雨が降り出す前に走ったヴィクトールにとっては良いコンディションだった。濡れた路面はドライ状態よりも抵抗が大きく、なおかつコーナーも遅くなってしまう。それでも彼のほうが僕より速かったと思う。
ひとまずジロの開幕1週間は成功したと言える。ただし、僕らはまだ難関山岳ステージをこなしていないので、総合勢の中で僕のヒルクライムレベルがどうなのか判断つかない。第13、第14ステージ、あるいは第12ステージでライバルたちがどうこなすのかが分かるだろう。
ステージ4位:ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
コーナーで危険を冒さないように走り、登りでの感触も上々だった。僕のジロは開幕前にイメージした通りに進んでいるものの、TTスペシャリストでもあるログリッチェの今日の走りは予想以上だった。ただしまだまだジロは長く、今日遅れた分を取り返すためにアタックしていく必要がある。ここまで悪天候続きで多くの選手に影響を及ぼしているが、僕にとっては問題ない。
マリアローザを守ったヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
信じられないくらいの悪天候の中、リスクを冒さず作戦通り走った。スタートからフィニッシュまで前が見えないような雨の中だったけれど、集中力を崩さず、登りではプッシュを続けた。チームメイトたちに約束したマリアローザキープを達成できてよかった。マリアローザを守ったまま休息日を過ごせるのは素晴らしいことだよ。
ステージ31位:サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
難しいステージだった。平坦区間は無難にまとめたものの、登りに差し掛かってみると踏むことができなかった。これからのステージは新しい作戦で臨まなければならないだろう。ただしまだジロの序盤であり、一つの希望を失ったにすぎない。これからの山岳ステージで何ができるかを探っていきたい。
ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)の失速を語るアレクサンドル・ヴィノクロフGM
彼はスタート直後の平坦かつテクニカルな部分でパンクに見舞われ、タイムを失ってしまった。登りで挽回しようと努力したが、結果的に大きく後退。悪い走りをしたわけではないが、残念だ。ただし彼にとってのバッドデイで、今日のステージを落としただけ。ジロでの負けが決まったわけじゃないんだ。まだ一つも山岳ステージをこなしておらず、彼はこの先も変わらずアスタナのリーダーだ。
text:So.Isobe
ステージ優勝:プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)
長くタフなタイムトライアルだった。自分の走りに集中していたので、ステージ優勝には驚いていない。試走時にはドライだったけど、レース時は完全にウェット。リスクを冒さずに走ったよ。メカトラに見舞われたヴィクトール・カンペナールツには申し訳ない気持ちもあるけど、今日はフィニッシュまで出来る限り早く走ることに集中し、そしてステージ優勝を手にすることができた。勝利には少しの運も必要なんだ。今日は全て筋書き通りにレースを進め、ステージ優勝できたこと、そしてライバルたちからリードを奪うことができたのでハッピーだ。ただしジロがヴェローナに到着するまでは2週間あるので、どんなことだって起こりうる。ただ、今は山岳ステージ前の休息日を満喫したいと思う。
ステージ2位:ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、ロット・スーダル)
レース前は"今日のタイムトライアルは僕向きではない"と思っていたし、スデージュ優勝できるとも思っていなかった。去年のジロのTTで2位になってからも努力を続けてきたけれど、今日はスタート直後から脚があるなと感じていた。
作戦としては登りまではある程度の余裕を保ちながら走り、登りで全開で踏むものだった。去年のTT世界選手権と同じように。TTスペシャリストならばメカトラは非常にフラストレーションが溜まるもの。ただし今日は、ステージ前からノーマルバイクに乗り換えることに同意はできていたので、メカトラが起きた時もバイク交換はその通りに行ったんだ。アドレナリンが吹き出ていたので乗り換えに少し手間をかけてしまい、ゴール後は少しイラついてしまった。
今は少し複雑な心境だ。もしステージ優勝できていれば、バイク交換の件はすぐさま忘れ去っていた。でも、結果は11秒差の2位。だからもしメカトラが無ければ僕がステージを取れていたはず。でもそれは、世界最高峰レベルの戦いだったし、誰も責めることはできない。最後のTTはもっと僕向きのはずなので、山岳ステージを生き残ってチャンスを狙いたい。トラブルを起こすことなく。
ステージ3位:バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
調子自体はとても良かった。雨でスリッピーなーコーナーがいくつもあって、リスクを冒したくなかったのでそこだけはゆっくりと走った。最初の20kmを淡々と走り、登りを全力で走るという作戦が差を生み出した。登りでのフィーリングは絶好調と言えるものではなかったが、それでもタイムとしては非常に芳しかった。他の総合勢に対しても良いアピールができたと思う。
(後方スタートの)総合勢にとっては状況の差はなかったけれど、雨が降り出す前に走ったヴィクトールにとっては良いコンディションだった。濡れた路面はドライ状態よりも抵抗が大きく、なおかつコーナーも遅くなってしまう。それでも彼のほうが僕より速かったと思う。
ひとまずジロの開幕1週間は成功したと言える。ただし、僕らはまだ難関山岳ステージをこなしていないので、総合勢の中で僕のヒルクライムレベルがどうなのか判断つかない。第13、第14ステージ、あるいは第12ステージでライバルたちがどうこなすのかが分かるだろう。
ステージ4位:ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
コーナーで危険を冒さないように走り、登りでの感触も上々だった。僕のジロは開幕前にイメージした通りに進んでいるものの、TTスペシャリストでもあるログリッチェの今日の走りは予想以上だった。ただしまだまだジロは長く、今日遅れた分を取り返すためにアタックしていく必要がある。ここまで悪天候続きで多くの選手に影響を及ぼしているが、僕にとっては問題ない。
マリアローザを守ったヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
信じられないくらいの悪天候の中、リスクを冒さず作戦通り走った。スタートからフィニッシュまで前が見えないような雨の中だったけれど、集中力を崩さず、登りではプッシュを続けた。チームメイトたちに約束したマリアローザキープを達成できてよかった。マリアローザを守ったまま休息日を過ごせるのは素晴らしいことだよ。
ステージ31位:サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
難しいステージだった。平坦区間は無難にまとめたものの、登りに差し掛かってみると踏むことができなかった。これからのステージは新しい作戦で臨まなければならないだろう。ただしまだジロの序盤であり、一つの希望を失ったにすぎない。これからの山岳ステージで何ができるかを探っていきたい。
ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)の失速を語るアレクサンドル・ヴィノクロフGM
彼はスタート直後の平坦かつテクニカルな部分でパンクに見舞われ、タイムを失ってしまった。登りで挽回しようと努力したが、結果的に大きく後退。悪い走りをしたわけではないが、残念だ。ただし彼にとってのバッドデイで、今日のステージを落としただけ。ジロでの負けが決まったわけじゃないんだ。まだ一つも山岳ステージをこなしておらず、彼はこの先も変わらずアスタナのリーダーだ。
text:So.Isobe
Amazon.co.jp