ログリッチェが雨の山岳TTでライバルを圧倒　コンティがマリアローザを守る

山の上に位置するサンマリノ共和国にフィニッシュするジロ・デ・イタリア第9ステージの34.8km個人タイムトライアルで、チェーントラブルに見舞われたカンペナールツを11秒差で下したプリモシュ・ログリッチェ（スロベニア、ユンボ・ヴィズマ）が優勝。ライバルを圧倒したログリッチェが総合2位に浮上した。

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山の上に位置するサンマリノ共和国を走る photo:Kei Tsuji
5月19日（日）第9ステージ　リッチオーネ〜サンマリノ　34.8km（個人TT）☆☆☆☆ photo:RCS Sport5月19日（日）第9ステージ　リッチオーネ〜サンマリノ　34.8km（個人TT）☆☆☆☆ photo:RCS Sport

個人TTに始まり個人TTに終わるジロの中盤に登場する34.8kmの個人TT。前半平坦で後半登りというレイアウトは初日の個人TTと似通っているが、距離はずっと長く、登りのボリュームもずっと大きい。前半の22.2kmは平坦基調で、後半の12.6kmで標高648mのサンマリノ共和国まで駆け上がる。平均勾配4.5%、ところによって最大勾配が11%まで跳ね上がる登りを含む難コースで、TTスペシャリストやマリアローザ狙いのオールラウンダーたちがスピードを競い合った。

雲の流れに合わせて雨が降ったり晴れ間がのぞいたりする気まぐれ極まりない天候の中、どちらかと言えばまだ良好な状態の中を走った30番手スタートのヴィクトール・カンペナールツ（ベルギー、ロット・スーダル）が最速ペースで快走。4月にアワーレコードを樹立したカンペナールツは、残り1.5km地点で発生したチェーントラブルでスペアバイクに乗り換えるトラブルに見舞われながらも、52分03秒という圧倒的な暫定トップタイムをマークした。

ステージ2位/11秒差　ヴィクトール・カンペナールツ（ベルギー、ロット・スーダル） photo:LaPresse
ノーマルバイクで再スタートを切るヴィクトール・カンペナールツ（ベルギー、ロット・スーダル） photo:Kei Tsuji
ステージ6位/1分14秒差　チャド・ハガ（アメリカ、サンウェブ） photo:Kei Tsujiステージ5位/1分10秒差　タネル・カンゲルト（エストニア、EFエデュケーションファースト） photo:Kei Tsuji

チャド・ハガ（アメリカ、サンウェブ）やタネル・カンゲルト（エストニア、EFエデュケーションファースト）も好走したが、カンペナールツが1分近いリードをもったままレースは後半へ。スタート地点リッチオーネ付近が雨雲に包まれたことも影響して、カンペナールツが第1計測で記録した13分43秒と、第2計測で記録した26分50秒というトップタイムを塗り替える選手は最後まで出てこなかった。

総合上位陣の中ではボブ・ユンゲルス（ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ）やサイモン・イェーツ（イギリス、ミッチェルトン・スコット）が前半の平坦区間でリードを稼いだものの、プリモシュ・ログリッチェ（スロベニア、ユンボ・ヴィズマ）がさらにその上を行く。第2計測をカンペナールツから51秒遅れのタイムで通過したログリッチェは、サンマリノ共和国に向かってコースが上昇を開始すると、さらにそのペースを上げた。

ログリッチェは第2計測からフィニッシュまでを24分11秒で駆け上がった。カンペナールツよりも1分以上速いペースで登坂区間を終えたログリッチェが、51分52秒のトップタイムでフィニッシュ。カンペナールツのタイムを11秒更新する走りで、総合ライバルたちに1分以上のタイム差をつけることに成功した。ログリッチェはマリアローザ候補の誰よりも平地が速く、そして登りも速かった。

トップタイムをマークしたプリモシュ・ログリッチェ（スロベニア、ユンボ・ヴィズマ） photo:LaPresse
雨が降る中、51分52秒のトップタイムをマークしたプリモシュ・ログリッチェ（スロベニア、ユンボ・ヴィズマ） photo:Kei Tsuji