2010年4月12日、トルコ西部で開催されたツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)第2ステージで、土井雪広(スキル・シマノ)が逃げた!しかしスプリンターチームのスピードには敵わずにラスト10kmで吸収。最後はリーダージャージを着るアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)が集団スプリントで勝利した。

トルコ西部の美しい海岸線を走るトルコ西部の美しい海岸線を走る photo:www.tourofturkey.orgツアー・オブ・ターキー第2ステージは、トルコ西部のクシャダスからトルグトレイスまでの181km。途中カテゴリー2級の山岳1つを含む上りが多数設定されており、常に細かいアップダウンを繰り返す。

アタック合戦の末に13km地点で飛び出したのはクリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス)、ディエゴ・カッチャ(イタリア、ISD・ネーリ)、ユベール・シュワブ(スイス、フォアアールベルク・コラテック)、トーマス・マルクジンスキー(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)の4名。

序盤から逃げたクリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス)ら4名序盤から逃げたクリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス)ら4名 photo:www.tourofturkey.orgこの4名は最大5分20秒のリードを稼ぎ出したが、チームHTC・コロンビアやカルミオオーロ・NGCの集団コントロールによってタイム差は縮小していく。やがて横風区間でISD・ネーリがペースアップを図ると、ゴール43km手前で逃げグループは吸収。アタック合戦が再開された。

ゴール40km手前の上り区間で飛び出したのは土井雪広(日本、スキル・シマノ)、オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ)、ホルヘ・ジャシンティ(アルゼンチン、スコット・マルコンデス)の3名。

ラスト40kmでアタックを仕掛けるホルヘ・ジャシンティ(アルゼンチン、スコット・マルコンデス)と土井雪広(日本、スキル・シマノ)ラスト40kmでアタックを仕掛けるホルヘ・ジャシンティ(アルゼンチン、スコット・マルコンデス)と土井雪広(日本、スキル・シマノ) photo:www.tourofturkey.org土井率いるこの逃げは、ゴールまで18kmを残して最大1分20秒のリードを稼ぎ出すことに成功。向かい風の中、3人で協力して逃げ続けた。

しかしこの土井グループはスプリンターチームを振り切ることが出来ず、ラスト10kmで吸収されてしまう。ここからジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)がアタックを仕掛け、レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)が単独でカウンター。しかしチームHTC・コロンビアやコルナゴ・CSFイノックスの集団牽引によってターラマエもラスト4kmで吸収された。

向かい風の中、懸命に逃げグループを牽く土井雪広(日本、スキル・シマノ)向かい風の中、懸命に逃げグループを牽く土井雪広(日本、スキル・シマノ) photo:www.tourofturkey.org諦めないヴィスコンティはラスト2kmの短い上りでアタックし、エルマーノ・カペッリ(イタリア、フットオン・セルヴェット)が追いついてラスト1km。しかしこの2人は、スプリンターチームに射落とされ、最後は大集団によるスプリント勝負に。

HTCコロンビアトレインが完全に機能しない中、マーク・レンショー(オーストラリア)に発射されたターコイズブルーのリーダージャージを着たグライペルが力強いスプリントで勝利。グライペルがステージ連勝を飾った。

集団スプリントでステージ連勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)集団スプリントでステージ連勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:www.tourofturkey.org「向かい風の中、チームメイトは逃げ吸収に力を尽くしてくれた。ラスト1kmの時点で近くに残っていたのはマーク・レンショーだけ。彼には待つように(スプリント開始を遅らすように)言ったんだ。マークはラスト500mで先頭に立ち、僕は他の選手がスプリントするのを待った。この勝利はチームワークの賜物だ!」

今シーズンの勝利数を、単独トップの8勝に伸ばしたグライペル。ボーナスタイムを加算し、総合リードを広げることにも成功している。

レース終盤に果敢な逃げを見せた土井は集団内の75位でフィニッシュ。土井は自身のブログの中で「今日は暑かった。そして、コロンビアが強かった。逃げ始めてからずっと向かい風で、スピードが出ないし、登りである程度のスピードを保って走り、なんとか粘ってたけど、タイム差が12秒って聞いたときはダメだと思った。あと6回チャンスはあるから、毎日攻めます!!」と語っている。今後の活躍に期待したい!

レース展開と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。


ツアー・オブ・ターキー2010第2ステージ
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)          4h40'33"
2位 アンジェロ・フルラン(イタリア、ランプレ)
3位 クラウディオ・クチノッタ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
4位 マッティア・ガヴァッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
5位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、カルミオオーロ・NGC)
6位 ミケーレ・メルロ(イタリア、フットオン・セルヴェット)
7位 ランシスコホセ・パシェコ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
8位 ジョルジョ・ブランビーラ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
9位 クシシュトフ・ジェゾウスキー(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)
10位 オスカル・ガット(イタリア、ISD・ネーリ)
75位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)

個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)          4h49'03"
2位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)        +16"
3位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス)                +19"
4位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)                 +20"
5位 フランティセク・ラボン(チェコ、チームHTC・コロンビア)            +21"
6位 ドミニク・コルニュ(ベルギー、スキル・シマノ)                 +25"
7位 クリストフ・ケルヌ(フランス、コフィディス)
8位 ベアト・グラブシュ(ドイツ、チームHTC・コロンビア)              +26"
9位 ティツィアーノ・ダラントニア(イタリア、リクイガス)
10位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD・ネーリ)            +27"
49位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                       +53"

ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)

山岳賞
トーマス・マルクジンスキー(ポーランド、CCCポルサット・ポルコウィチェ)

チーム総合成績
チームHTC・コロンビア

text:Kei Tsuji
photo:www.tourofturkey.org

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