2010/04/11(日) - 13:21
先週末ロンド・ファン・フラーンデレンで優勝したばかりのファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)は、1週間後の今日(4月11日)、パリ〜ルーベで2度目の優勝を目指す。ロンドとルーベで連勝を飾った選手は過去に7名。最大のライバルは、2005年に連勝しているトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)だ。
「ロンドとルーベで連勝を飾ることは、自分にとって大きなモチヴェーションになっている。過去に連勝を達成したのは、何人かのベルギー人と一人のスイス人(1923年ヘイリ・シュテール)だけなんだ」。
現在29歳のカンチェラーラは、2001年のプロデビューから9年目の2010年、ついにロンド・ファン・フラーンデレンで優勝を果たした。ベルギーチャンピオンのボーネンとモーレンベルグの上りで飛び出したカンチェラーラは、ゴール15km手前のミュール・カペルミュールで独走開始。ボーネンを寄せ付けない強さで初タイトルを手にした。
フランスで開催される「モニュメント(5大クラシックの総称)」パリ〜ルーベにおいても、ボーネンはカンチェラーラの最大のライバルになるだろう。
ボーネンは2005年に初めてロンドで優勝を飾ると、その勢いのままルーベで優勝。同年ボーネンはロード世界選手権でも優勝する。しかし今シーズンはカンチェラーラを代表するサクソバンク勢の強さに、ボーネンは完全に屈している。
「ロンドはシーズン前半の最大の目標だった。嬉しいことにその目標は達成。でもまだ“勝てるコンディション”が残っていて、チームも良い状態にある。大きなプレッシャーを感じているのはトム(ボーネン)とそのチームだろう。サクソバンクにはこのまま勝ち続ける勢いがある。ルーベでチャンスがあるのはサクソバンクだ」。カンチェラーラは自信にあふれている。
「ルーベでもサクソバンクはハードな展開に持ち込んで、ライバルチームを苦しめることになると思う。選手やスタッフ間のコミュニケーションも良好で、全てが良い波に乗っている。そのおかげで落ち着いてレースに挑めるよ。勝利に集中出来る」。
これまでの「ロンド=ルーベ連勝」達成者はトム・ボーネン(2005年)、ペーター・ヴァンペテヘム(2003年)、ロジェ・デフラミンク(1977年)、リック・ファンローイ(1962年)、レイモン・アンパニ(1954年)、ガストン・ルブリ(1934年)のベルギー人6名と、カンチェラーラと同じスイス出身のヘイリ・シュテール(1923年)だけ。カンチェラーラがルーベで勝利した場合、史上8人目の連勝達成者になる。
そして、ルーベ制覇の先にあるのは、モニュメント全制覇だ。過去に全制覇を成し遂げているのは、エディ・メルクス(ベルギー)、ロジェ・デフラミンク(ベルギー)、リック・ファンローイ(ベルギー)の3人。
「今はまだパリ〜ルーベのことしか考えられない。10月のジロ・ディ・ロンバルディアについてはこれから考えるよ。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ制覇も可能だと思う。でもリエージュを狙うためには年間スケジュールを変更しなければならない。少なくともパリ〜ルーベはスキップすることになると思う」。
これまでミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ制覇を達成しているカンチェラーラ。2006年に続く2度目のルーベ制覇に向け、盤石の体制でコンピエーニュに降り立った。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。
「ロンドとルーベで連勝を飾ることは、自分にとって大きなモチヴェーションになっている。過去に連勝を達成したのは、何人かのベルギー人と一人のスイス人(1923年ヘイリ・シュテール)だけなんだ」。
現在29歳のカンチェラーラは、2001年のプロデビューから9年目の2010年、ついにロンド・ファン・フラーンデレンで優勝を果たした。ベルギーチャンピオンのボーネンとモーレンベルグの上りで飛び出したカンチェラーラは、ゴール15km手前のミュール・カペルミュールで独走開始。ボーネンを寄せ付けない強さで初タイトルを手にした。
フランスで開催される「モニュメント(5大クラシックの総称)」パリ〜ルーベにおいても、ボーネンはカンチェラーラの最大のライバルになるだろう。
ボーネンは2005年に初めてロンドで優勝を飾ると、その勢いのままルーベで優勝。同年ボーネンはロード世界選手権でも優勝する。しかし今シーズンはカンチェラーラを代表するサクソバンク勢の強さに、ボーネンは完全に屈している。
「ロンドはシーズン前半の最大の目標だった。嬉しいことにその目標は達成。でもまだ“勝てるコンディション”が残っていて、チームも良い状態にある。大きなプレッシャーを感じているのはトム(ボーネン)とそのチームだろう。サクソバンクにはこのまま勝ち続ける勢いがある。ルーベでチャンスがあるのはサクソバンクだ」。カンチェラーラは自信にあふれている。
「ルーベでもサクソバンクはハードな展開に持ち込んで、ライバルチームを苦しめることになると思う。選手やスタッフ間のコミュニケーションも良好で、全てが良い波に乗っている。そのおかげで落ち着いてレースに挑めるよ。勝利に集中出来る」。
これまでの「ロンド=ルーベ連勝」達成者はトム・ボーネン(2005年)、ペーター・ヴァンペテヘム(2003年)、ロジェ・デフラミンク(1977年)、リック・ファンローイ(1962年)、レイモン・アンパニ(1954年)、ガストン・ルブリ(1934年)のベルギー人6名と、カンチェラーラと同じスイス出身のヘイリ・シュテール(1923年)だけ。カンチェラーラがルーベで勝利した場合、史上8人目の連勝達成者になる。
そして、ルーベ制覇の先にあるのは、モニュメント全制覇だ。過去に全制覇を成し遂げているのは、エディ・メルクス(ベルギー)、ロジェ・デフラミンク(ベルギー)、リック・ファンローイ(ベルギー)の3人。
「今はまだパリ〜ルーベのことしか考えられない。10月のジロ・ディ・ロンバルディアについてはこれから考えるよ。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ制覇も可能だと思う。でもリエージュを狙うためには年間スケジュールを変更しなければならない。少なくともパリ〜ルーベはスキップすることになると思う」。
これまでミラノ〜サンレモ、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ制覇を達成しているカンチェラーラ。2006年に続く2度目のルーベ制覇に向け、盤石の体制でコンピエーニュに降り立った。
text:Gregor Brown
photo:Cor Vos
translation:Kei Tsuji
Gregor.Brown (グレゴー・ブラウン)
イタリア・レッコ在住のアメリカ人プロサイクリング・ジャーナリスト。2005、2006年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、春のクラシック等で綾野 真(シクロワイアード編集長/フォトジャーナリスト)に帯同し、取材活動を行う。2007年よりサイクリングニュース(イギリス)の主筆ジャーナリストとして活躍後、フリーランスに。2009年12月よりシクロワイアード契約ジャーナリストとなる。今後、主にイタリア・英語圏プロサイクリングメディアに活動の舞台を移す。