2010/04/11(日) - 09:24
2010年4月10日、ブエルタ・アル・パイスバスコの最終第6ステージ・個人タイムトライアルが行なわれ、総合2位につけていたクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)が最速タイムで優勝した。バルベルデを8秒上回るタイムを記録したホーナーは総合成績トップに。最終日に総合逆転が決まった。
1週間に渡って行なわれたバスク一周レースの最後を飾るのは、距離22kmの個人タイムトライアル(以下個人TT)。グランツールに登場する個人TTと比べると距離は短いが、そのコースは起伏に富んでいる。前半には標高差300mの上りが設定されており、TTスペシャリストとクライマーが上位に絡むコースレイアウトだ。
前日の第5ステージで落車したアメツ・チュルカ(スペイン、エウスカルテル)は鎖骨骨折のためスタートせず。そして、この日の試走中に落車したカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームHTC・コロンビア)も鎖骨を骨折し、レースを去った。
第5ステージを終えた時点で総合首位はアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)。すでにステージ2勝を飾っているバルベルデを、ホーナーが1秒差で追う展開。
最後から2番目にスタートしたホーナーは、それまで暫定トップに立っていたマキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア)のタイムを13秒も更新する32分33秒のトップタイムでフィニッシュ。最終走者バルベルデのゴールを待った。
黄色いリーダージャージを着て走ったバルベルデも好走。しかしタイムは32分41秒で、ホーナーには8秒届かず。ホーナーに総合首位の座を奪われてしまった。
「昨日のステージで少し力をセーブしていたことが功を奏して、今日はとても良く脚が回った。初日から今日の個人TTで良い走りが出来ると自信があったよ」。レディオシャック公式サイトの中でそう語ったのは、最速タイムでステージ優勝を果たしたホーナー。逆転で総合優勝に輝いた。
「ここ数年は何度も惜しいところでステージレースでの総合成績を逃して来た。ようやく表彰台の真ん中に立てたよ。17回目のステージレース総合優勝は悪くない結果。これまでの成績の中でこれが最高の勝利だ」。沖縄生まれのホーナーは38歳のベテランクライマー。グランツールではランス・アームストロング(アメリカ)らの右腕として活躍することになるだろう。
総合2位に終わったバルベルデは「この1週間の走りには満足している。今日のタイムも悪くなかった」とスペイン・マルカ紙の中で語っている。敗れたものの、アルデンヌ・クラシックに向けて準備万端だ。
この日は総合表彰台を懸けた闘いも加熱。総合3位につけていたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は苦手とする個人TTで8位に入る健闘を見せたが、総合4位ベナト・インチャウスティ(スペイン、エウスカルテル)がステージ5位の走りでフィニッシュ。地元バスクチームのインチャウスティが総合表彰台に上った。
有力オールラウンダーたちの成績を見ると、マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)やサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)、アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)がステージのトップ10入り。
ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)は12位、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)は16位と、まずまずの走り。アルデンヌ・クラシックでの活躍が期待されるアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)はステージ41位に終わり、総合でも14位に沈んだ。
レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2010第6ステージ結果
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) 32'33"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) +08"
3位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア) +13"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア) +18"
5位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、エウスカルテル) +21"
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +23"
7位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア) +25"
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +33"
9位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、オメガファーマ・ロット)
10位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +34"
個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) 23h27'30"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) +07"
3位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、エウスカルテル) +58"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +1'06"
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、オメガファーマ・ロット) +1'10"
6位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア) +1'18"
7位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー) +1'47"
8位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +1'58"
9位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) +1'59"
10位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ) +2'27"
ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)
山岳賞
ゴンサロ・ルブナル(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
チーム総合成績
チームHTC・コロンビア
text:Kei Tsuji
photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com
1週間に渡って行なわれたバスク一周レースの最後を飾るのは、距離22kmの個人タイムトライアル(以下個人TT)。グランツールに登場する個人TTと比べると距離は短いが、そのコースは起伏に富んでいる。前半には標高差300mの上りが設定されており、TTスペシャリストとクライマーが上位に絡むコースレイアウトだ。
前日の第5ステージで落車したアメツ・チュルカ(スペイン、エウスカルテル)は鎖骨骨折のためスタートせず。そして、この日の試走中に落車したカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームHTC・コロンビア)も鎖骨を骨折し、レースを去った。
第5ステージを終えた時点で総合首位はアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)。すでにステージ2勝を飾っているバルベルデを、ホーナーが1秒差で追う展開。
最後から2番目にスタートしたホーナーは、それまで暫定トップに立っていたマキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア)のタイムを13秒も更新する32分33秒のトップタイムでフィニッシュ。最終走者バルベルデのゴールを待った。
黄色いリーダージャージを着て走ったバルベルデも好走。しかしタイムは32分41秒で、ホーナーには8秒届かず。ホーナーに総合首位の座を奪われてしまった。
「昨日のステージで少し力をセーブしていたことが功を奏して、今日はとても良く脚が回った。初日から今日の個人TTで良い走りが出来ると自信があったよ」。レディオシャック公式サイトの中でそう語ったのは、最速タイムでステージ優勝を果たしたホーナー。逆転で総合優勝に輝いた。
「ここ数年は何度も惜しいところでステージレースでの総合成績を逃して来た。ようやく表彰台の真ん中に立てたよ。17回目のステージレース総合優勝は悪くない結果。これまでの成績の中でこれが最高の勝利だ」。沖縄生まれのホーナーは38歳のベテランクライマー。グランツールではランス・アームストロング(アメリカ)らの右腕として活躍することになるだろう。
総合2位に終わったバルベルデは「この1週間の走りには満足している。今日のタイムも悪くなかった」とスペイン・マルカ紙の中で語っている。敗れたものの、アルデンヌ・クラシックに向けて準備万端だ。
この日は総合表彰台を懸けた闘いも加熱。総合3位につけていたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は苦手とする個人TTで8位に入る健闘を見せたが、総合4位ベナト・インチャウスティ(スペイン、エウスカルテル)がステージ5位の走りでフィニッシュ。地元バスクチームのインチャウスティが総合表彰台に上った。
有力オールラウンダーたちの成績を見ると、マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)やサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)、アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)がステージのトップ10入り。
ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)は12位、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)は16位と、まずまずの走り。アルデンヌ・クラシックでの活躍が期待されるアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)はステージ41位に終わり、総合でも14位に沈んだ。
レース展開はレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2010第6ステージ結果
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) 32'33"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) +08"
3位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームHTC・コロンビア) +13"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア) +18"
5位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、エウスカルテル) +21"
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +23"
7位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア) +25"
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +33"
9位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、オメガファーマ・ロット)
10位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +34"
個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) 23h27'30"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) +07"
3位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、エウスカルテル) +58"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +1'06"
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、オメガファーマ・ロット) +1'10"
6位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア) +1'18"
7位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー) +1'47"
8位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +1'58"
9位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) +1'59"
10位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ) +2'27"
ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)
山岳賞
ゴンサロ・ルブナル(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
チーム総合成績
チームHTC・コロンビア
text:Kei Tsuji
photo:vueltapaisvasco.diariovasco.com
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