2019/04/25(木) - 19:30
世界初の12速ロードコンポーネントをリリースしたカンパニョーロより、新型CHORUSが発表された。SUPER RECORDなどフラッグシップモデルからのテクノロジーを受け継いだ12速ドライブトレインへと進化した。様々なサイクリストにフィットするように軽めのギアのクランクセットとスプロケットが登場している。
2018年初頭、世界初となるロード12速「SUPER RECORD」「RECORD」を発表したカンパニョーロが、ミドルグレードの「CHORUS」を12速とすることを発表。今年は既に「SUPER RECORD EPS」も発表済みであり、12速コンポーネントの流れが加速することが決定的となった。
新型CHORUSはトップエンドの2モデルからテクノロジーを受け継いだミドルグレードという立ち位置はこれまで通り。自社で研究開発を行い、性能とルックスどちらも追求するカンパニョーロのアイデンティティを色濃く感じられるロードコンポーネントに仕上げられている。ラインアップはリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルの2種類だ。EPSバージョンは今回発表されていない。
ディレイラー
カーボンを随所に使用する高級感やルックスは上位グレード譲り。新型CHORUSのリアディレイラーはアルミニウムのアウタープレートを使用することで、数グラムの重量増としながらも上位機と同じような変速性能を獲得している。SUPER RECORDなどで使用される3D Embrace Technologyももちろん採用しており、スプロケットとプーリーの位置関係がどこのギアでも最適になるように調節されている。
また、プーリーは上下ともに12Tという大きめの構成。ガイドプーリーの歯は高く設定することでチェーンを保持し、テンションプーリーの歯は低く設定することで歯車からチェーンを離れやすくした。チェーンの駆動効率を向上させるテクノロジーを多く使用していることがポイントだ。
リアディレイラーはショートケージ、ロングケージの設定はなく、1つで34Tまでのスプロケットにも対応。ケージ部分は薄く作り上げることでクリアランスを設けている。またボディに仕込まれたスプリングによってチェーンが暴れにくくなっているとも。通常のマウント方式に加え、ダイレクトマウントにも対応。
フロントディレイラーはロッドの構造を11速バージョンより見直すことで、アップシフト時の反応性を向上。また様々な形状のフレームやタイヤ幅に対応できるようなケーブルルーティングとし、最大32mm幅のタイヤにも対応するようになった。
スプロケット&チェーン
カンパニョーロの12速コンポーネントの特徴は、フリーハブやフレームの形状/規格を11速仕様の状態で装着することが可能となっていること。11速化が果たされ4年が経過し11速コンポーネントが浸透した今、12速という大きな変化を迎えてもなおホイールやフレームの更新せずに最新コンポーネントに移行できるのは喜ばしいことだ。
既存の規格に収めることができた理由は、スプロケットのギア板1枚1枚、チェーンの厚みを薄く設計したため。薄くすることで懸念される強度や耐久度などをカバーするために、カンパニョーロは各パーツにアナダイズド加工を施すことで11速のものと変わりない変速性能や耐久性といったスペックを獲得した。
12速化で増えたスプロケットのギアは16T。これまでの構成では15-17Tと飛ばされていた部分に1枚ギアを加えクロスレシオとすることで、ライダーの足の状況や地形など様々な状況に合わせたギアを選択しやすくなっている。また、スプロケット中盤のギアは使用頻度が高いため、ギアが増えることの恩恵は受けやすいだろう。
新型CHORUSで用意されるスプロケットは11-29、11-32、そして11-34という3種類だ。いずれもトップ側はクロスレシオ、ロー側はワイドレシオとしているため、1種類のスプロケットであらゆるシチュエーションをカバーすることができる。今回、新型CHORUSで追加された11-34Tという新しいスプロケットはヒルクライムを好む方や長距離サイクリングにピッタリだ。
クランクセット
コンポーネントの顔とも言えるクランクセットは、カーボンアームとスチール製のウルトラトルクアクスルの組み合わせ。新型ではリムブレーキ、ディスクブレーキでクランクを分けること無く、一つでどちらにも対応している。また、多段化、ディスクブレーキ対応というチェーンラインがこれまでと変化する要因があるものの、クランクセットのQファクターは145.5mmを維持している。これはエルゴノミクスを大事にするカンパニョーロの姿勢の表れだ。
52/36、50/34、48/32Tという3種類がラインアップされ、いずれもBCDが123mmという設定となっている。一般的なコンパクトクランクのBCDよりも幅広とすることで変速パワーや踏力に応えられる強度を確保しているという。
また、各ギア構成によって変速ポイントが1つずつ調整されており、どのギアを選択してもスムースで自然な変速を行えるという。インナーリングの歯は左右対称構造としており、チェーンがクロスしてしまうギアポジションでもスムースな動きや変速を実現。
エルゴパワー
シフト操作を担うエルゴパワーレバーはよりエルゴノミクスを追求した形へと変更。シフトアップ、シフトダウンを担う各レバーはサイズを大きくすることで操作を行いやすくした。加えて、ブレーキレバーのピボット位置を高くしたデザインや、フードの裏側に格子状のクッションパートを設けるなど快適に操作を行えるようにした配慮が見えている。アップシフトは5段、ダウンシフトは3段まで一気に変速可能だ。
ディスクブレーキ用はマスターシリンダー部の影響でヘッド部が高い設定。また、マスタシリンダーは立ち気味の角度でエルゴパワーに収納されているため、エルゴノミクスデザインを妨げることがない上、ブリーディングなどの作業が行いやすいという。
ブレーキシステム
リムブレーキはノーマルキャリパーとダイレクトマウントの2種類を用意する。ディスクブレーキはフラットマウント仕様だ。ディスクブレーキのキャリパーには直径22mmのピストンが2本格納されており、メカニカルスプリングと磁気スプリングによってピストンの戻りをコントロール。一般的なスプリングに磁気スプリングを加えることで、ピストンの戻りが早くなるため、リニアな操作感を期待できるだろう。
ブレーキパッドは独自のレジンを使用することでブレーキングパフォーマンス向上と同時に熱での影響を減らしている。キャリパーやブレーキパッドのフレームなども熱対策を十分に行っているため、熱ダレの心配が少ないという。また、ブレーキインジケーターが備えられており、パッドが擦り減ってくると見た目と音によって知らせてくれるという。
2018年初頭、世界初となるロード12速「SUPER RECORD」「RECORD」を発表したカンパニョーロが、ミドルグレードの「CHORUS」を12速とすることを発表。今年は既に「SUPER RECORD EPS」も発表済みであり、12速コンポーネントの流れが加速することが決定的となった。
新型CHORUSはトップエンドの2モデルからテクノロジーを受け継いだミドルグレードという立ち位置はこれまで通り。自社で研究開発を行い、性能とルックスどちらも追求するカンパニョーロのアイデンティティを色濃く感じられるロードコンポーネントに仕上げられている。ラインアップはリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルの2種類だ。EPSバージョンは今回発表されていない。
ディレイラー
カーボンを随所に使用する高級感やルックスは上位グレード譲り。新型CHORUSのリアディレイラーはアルミニウムのアウタープレートを使用することで、数グラムの重量増としながらも上位機と同じような変速性能を獲得している。SUPER RECORDなどで使用される3D Embrace Technologyももちろん採用しており、スプロケットとプーリーの位置関係がどこのギアでも最適になるように調節されている。
また、プーリーは上下ともに12Tという大きめの構成。ガイドプーリーの歯は高く設定することでチェーンを保持し、テンションプーリーの歯は低く設定することで歯車からチェーンを離れやすくした。チェーンの駆動効率を向上させるテクノロジーを多く使用していることがポイントだ。
リアディレイラーはショートケージ、ロングケージの設定はなく、1つで34Tまでのスプロケットにも対応。ケージ部分は薄く作り上げることでクリアランスを設けている。またボディに仕込まれたスプリングによってチェーンが暴れにくくなっているとも。通常のマウント方式に加え、ダイレクトマウントにも対応。
フロントディレイラーはロッドの構造を11速バージョンより見直すことで、アップシフト時の反応性を向上。また様々な形状のフレームやタイヤ幅に対応できるようなケーブルルーティングとし、最大32mm幅のタイヤにも対応するようになった。
スプロケット&チェーン
カンパニョーロの12速コンポーネントの特徴は、フリーハブやフレームの形状/規格を11速仕様の状態で装着することが可能となっていること。11速化が果たされ4年が経過し11速コンポーネントが浸透した今、12速という大きな変化を迎えてもなおホイールやフレームの更新せずに最新コンポーネントに移行できるのは喜ばしいことだ。
既存の規格に収めることができた理由は、スプロケットのギア板1枚1枚、チェーンの厚みを薄く設計したため。薄くすることで懸念される強度や耐久度などをカバーするために、カンパニョーロは各パーツにアナダイズド加工を施すことで11速のものと変わりない変速性能や耐久性といったスペックを獲得した。
12速化で増えたスプロケットのギアは16T。これまでの構成では15-17Tと飛ばされていた部分に1枚ギアを加えクロスレシオとすることで、ライダーの足の状況や地形など様々な状況に合わせたギアを選択しやすくなっている。また、スプロケット中盤のギアは使用頻度が高いため、ギアが増えることの恩恵は受けやすいだろう。
新型CHORUSで用意されるスプロケットは11-29、11-32、そして11-34という3種類だ。いずれもトップ側はクロスレシオ、ロー側はワイドレシオとしているため、1種類のスプロケットであらゆるシチュエーションをカバーすることができる。今回、新型CHORUSで追加された11-34Tという新しいスプロケットはヒルクライムを好む方や長距離サイクリングにピッタリだ。
クランクセット
コンポーネントの顔とも言えるクランクセットは、カーボンアームとスチール製のウルトラトルクアクスルの組み合わせ。新型ではリムブレーキ、ディスクブレーキでクランクを分けること無く、一つでどちらにも対応している。また、多段化、ディスクブレーキ対応というチェーンラインがこれまでと変化する要因があるものの、クランクセットのQファクターは145.5mmを維持している。これはエルゴノミクスを大事にするカンパニョーロの姿勢の表れだ。
52/36、50/34、48/32Tという3種類がラインアップされ、いずれもBCDが123mmという設定となっている。一般的なコンパクトクランクのBCDよりも幅広とすることで変速パワーや踏力に応えられる強度を確保しているという。
また、各ギア構成によって変速ポイントが1つずつ調整されており、どのギアを選択してもスムースで自然な変速を行えるという。インナーリングの歯は左右対称構造としており、チェーンがクロスしてしまうギアポジションでもスムースな動きや変速を実現。
エルゴパワー
シフト操作を担うエルゴパワーレバーはよりエルゴノミクスを追求した形へと変更。シフトアップ、シフトダウンを担う各レバーはサイズを大きくすることで操作を行いやすくした。加えて、ブレーキレバーのピボット位置を高くしたデザインや、フードの裏側に格子状のクッションパートを設けるなど快適に操作を行えるようにした配慮が見えている。アップシフトは5段、ダウンシフトは3段まで一気に変速可能だ。
ディスクブレーキ用はマスターシリンダー部の影響でヘッド部が高い設定。また、マスタシリンダーは立ち気味の角度でエルゴパワーに収納されているため、エルゴノミクスデザインを妨げることがない上、ブリーディングなどの作業が行いやすいという。
ブレーキシステム
リムブレーキはノーマルキャリパーとダイレクトマウントの2種類を用意する。ディスクブレーキはフラットマウント仕様だ。ディスクブレーキのキャリパーには直径22mmのピストンが2本格納されており、メカニカルスプリングと磁気スプリングによってピストンの戻りをコントロール。一般的なスプリングに磁気スプリングを加えることで、ピストンの戻りが早くなるため、リニアな操作感を期待できるだろう。
ブレーキパッドは独自のレジンを使用することでブレーキングパフォーマンス向上と同時に熱での影響を減らしている。キャリパーやブレーキパッドのフレームなども熱対策を十分に行っているため、熱ダレの心配が少ないという。また、ブレーキインジケーターが備えられており、パッドが擦り減ってくると見た目と音によって知らせてくれるという。
CHORUS DISC BRAKE
コンポーネント | オプション | 重量(g) | 注釈 |
---|---|---|---|
リアディレイラー | 240 | 通常のハンガーバージョン | |
エルゴパワー | 503 | ペア | |
フロントディレイラー | 94 | バレルアジャスター含む | |
クランクセット | 165mm、170mm、172.5mm、175mm | 718 | 172.5mm、48/32、ベアリング2つ装備 |
52/36、50/34、48/32 | |||
ウルトラトルク スレッド | ITA、BSA | 45 | BSA |
ウルトラトルク プレスフィット | BB30、BB86、PF30、BB386、BB RIGHT、BB30A | 40 | BB86 |
スプロケット | 11-29、11-32、11-34 | 306 | 11-29 |
チェーン | 241 | 110リンク | |
ブレーキキャリパー | 160mmフロント、160mmリア、140mm | 118 | 140mmリア(1つあたり、パッド含む) |
ローター | 160mm、140mm | 99 | 140mm(1つあたり) |
グループセット | 2,631 | キャリパー2つ、ローター2つ |
CHORUS RIM BRAKE
コンポーネント | オプション | 重量(g) | 注釈 |
---|---|---|---|
リアディレイラー | 240 | 通常のハンガーバージョン | |
エルゴパワー | 346 | ペア | |
フロントディレイラー | 94 | バレルアジャスター含む | |
クランクセット | 165mm、170mm、172.5mm、175mm | 718 | 172.5mm、48/32、ベアリング2つ装備 |
52/36、50/34、48/32" | |||
ウルトラトルク スレッド | ITA、BSA | 45 | BSA |
ウルトラトルク プレスフィット | BB30、BB86、PF30、BB386、BB RIGHT、BB30A | 40 | BB86 |
スプロケット | 11-29、11-32、11-34 | 306 | 11-29 |
チェーン | 241 | 110リンク | |
ブレーキキャリパー | 330 | ペア | |
ダイレクトマウントブレーキキャリパー | フロント、リアシートステー | 183 | 1つあたり |
グループセット | 2,333 |
CHORUS価格表
ラインアップ | 税抜価格 | |
---|---|---|
CHORUS 12s リアディレイラー | ¥23,000 | |
CHORUS 12s フロントディレイラー | ¥13,000 | |
CHORUS 12s スプロケット | 11-29、11-32、11-34 | ¥26,500 |
CHORUS 12s チェーン | 114 links | ¥5,900 |
CHORUS 12s UTカーボンクランクセット | 165mm、170mm、172.5mm、175mm 【36-52T、34-50T、32-48T】 | ¥52,000 |
リムブレーキ | ||
CHORUS 12s ウルトラシフトエルゴパワー | ¥35,500 | |
CHORUS スタンダードブレーキ | (dual pivot front+rear) | ¥13,000 |
ダイレクトマウントブレーキ・フロント | ¥15,500 | |
ダイレクトマウントブレーキ・リア(シートステー) | ¥15,500 | |
ディスクブレーキ | ||
CHORUS 12s 右エルゴパワー+キャリパー | 140mm用、160mm用(フロント、リア) | ¥54,000 |
CHORUS 12s 左エルゴパワー+キャリパー | 140mm用、160mm用(フロント、リア) | ¥54,000 |
ローター | AFS 140mm、160mm | ¥6,400 |
リアキャリパー用ボルト | 19mm、24mm、29mm | ¥1,200 |
リアキャリパー用ボルト | 34mm | ¥1,300 |
リアキャリパー用ボルト | 39mm、44mm | ¥1,400 |
各種BB | ||
スレッド | RECORD ULTRA-TORQUE BCS、IT | ¥3,500 |
プレスフィット | BB86、BB30、PF30、BB386、BB RIGHT、BB30A | ¥3,500 |
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