2019/04/08(月) - 08:45
フィニッシュまで17kmを残したオウデ・クワレモントでアルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーションファースト)がアタック。牽制する疲労困憊のライバルたちを振り切った25歳のベッティオルが第103回ロンド・ファン・フラーンデレンでプロ初勝利を飾った。
心配された雨は降らず。比較的温暖なベルギーのフランドル地方で「クラシックの王様」の異名を持つロンド・ファン・フラーンデレンが開催。17カ所の急坂を含む270kmの戦いが繰り広げられた。
新フラームス同盟党首とミスベルギーによる「ヘーレン、フェルトレクト(皆さん、スタート)」の合図とともに175名のクラシックライダーたちがアントワープを発つ。レース前半はダミアン・トゥゼ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)、ケニース・ファンローイ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)、ジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・シャルル)、ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ)の4名が先行する展開。
スタートから1時間ほどまったりと走ったメイン集団がペースアップを開始したのは、タイム差が8分40秒まで広がった50km地点。『トラクター』の異名を持つ身長192cmのティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)とパスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)がほぼ2人でメイン集団のペースを上げ始めた。
6時間を超えるレースは終始ドライなコンディションが保たれ、風も比較的ゆるい状況が続いたものの、集団内では落車が頻発した。まだ急坂区間を前にしたタイミングで前年度の覇者ニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー)が落車。脳震盪でリタイアを余儀なくされ、大会連覇の野望は突然潰えた。さらにテルプストラは翌週のパリ〜ルーベも欠場する見通しだ。
タイム差5分で最初のNo.1 オウデ・クワレモントを越えると、それまで青色(ドゥクーニンク)と黄色(ユンボ)が陣取っていた集団前方の色彩に変化が。No.2 コルテケールでチームスカイとボーラ・ハンスグローエが集団先頭に立ち、頂上通過後にペースアップする作戦を敢行する。この『集団内の走行位置を上げることができない狭い急坂を低速で走り、広い平坦路を高速で走って集団を縦に伸ばす』という戦術で、チーム力を効率的に使いながら集団後方の選手たちにジャブを打っていく。
続いてロット・スーダルとトレック・セガフレードといった赤色チームが集まったものの、テクニカル区間を前に再びドゥクーニンク・クイックステップが先頭へ。するとNo.6 ベレンドリースで集団は活発化。そこからフィニッシュまで120km近くにわたって常に集団からアタックがかかる展開となり、数名が飛び出すたびにカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)らが危険な動きを封じ込めた。
熾烈な高速位置合戦を経て、残り100kmのNo.8 ミュール・カペルミュールに突入すると逃げグループとメイン集団のタイム差は1分に。7月のツール・ド・フランス第1ステージにも登場するこの名物坂でドゥクーニンク・クイックステップがハイペースを刻んだため集団が大きく2つに割れる。エース級選手が揃った30名が、出遅れたオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)やセップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)を含む後続に1分差をつけた。
フィニッシュまで92kmを残して逃げグループが第1集団に吸収され、ロット・スーダルとアージェードゥーゼール、グルパマFDJ、カチューシャ・アルペシンが率いる第2集団を引き離しにかかる。そこから新たな動きを作り出そうとアタックを繰り返したのはマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)やイヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)で、本命のグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)までカウンターアタックを仕掛けたが決まらず、No.9 カナリーベルグで第2集団が合流したためレースは振り出しに戻った。
2回目のNo.10 オウデ・クワレモントに向けた高速ダウンヒル中に、4日前のドワーズ・ドール・フラーンデレンを制しているマチュー・ファンデルプール(オランダ、コレンドン・サーカス)が縁石を乗り越える際に前輪を破損するトラブル。しばらくバランスを保って走っていたファンデルプールだったが、前転して地面に叩きつけられる。そこから集団復帰に向けたファンデルプールの長い追走が始まった。
オウデ・クワレモントで集団からの脱落者を縫いながらファンデルプールが徐々にポジションを上げる中、先頭ではステイン・ファンデンベルフ(ベルギー、アージェードゥーゼール)とセップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト)が抜け出すことに成功。続くNo.11 パテルベルグでアスグリーンがこのベルギーコンビに追いついた。
20秒のリードをもってNo.12 コッペンベルグに挑んだ先頭3名にはディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)が合流。15kmほどをほぼ単独で追走したファンデルプールが集団に復帰すると、2度の優勝者ステイン・デヴォルデル(ベルギー、コレンドン・サーカス)がオランダチャンピオンのために集団を牽引してNo.14 ターインベルグへと向かった。
通称『ボーネンベルグ』で先頭はファンバーレ、ファンマルク、アスグリーンに絞られ、メイン集団ではジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)がペースアップ。断続的な急坂の登場によって集団は人数を減らしていき、No.15 クルイスベルグでボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックするとファンアーフェルマートをはじめとする優勝候補たちがすかさず反応した。
現シクロクロス世界王者ファンデルプールのアタックに、元シクロクロス世界王者ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が反応するシーンも見られたが、やがてスティバルは脱落する。代わってドゥクーニンク・クイックステップのエースを担ったユンゲルスがアタックを繰り返すも決まらない。
こうして迎えたNo.16 オウデ・クワレモントの登り。先頭ファンバーレとアスグリーンの2名が、残り20km、集団20名から20秒差でこの最後から2つ目の登りに突入すると、EFエデュケーションファーストのファンマルクとセバスティアン・ラングフェルド(オランダ)がベティオルのために集団牽引。この3度目のオウデ・クワレモントでベティオルが鋭いアタックを繰り出した。
全長2.2km/平均4%のオウデ・クワレモントを平均スピード31.7km/h、平均出力529W(7.67W/kg)、最大出力857Wで踏んだベティオルが、ライバルたちを振り切るとともに、逃げていたファンバーレとアスグリーンを抜いて先頭に。ファンアーフェルマートやユンゲルス、ファンアールトらの追走は届かず、登りで10秒差をつけたベティオルが独走モードに入る。エースだけで構成された追走グループはローテーションが回らずタイム差は拡大傾向に。
ベッティオルは追走グループから15秒差でNo.17 パテルベルグをクリアする。アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)やペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)といったスプリント力のある選手が残った追走グループからはファンデルプールやファンアーフェルマート、ロンド初挑戦の世界王者アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)らが断続的にアタックを仕掛けたが、独走するベッティオルのチームメイトであるラングフェルドがチェックに入る。残り10kmでタイム差15秒。緩い西風に押されて、ベッティオルが独走を続けた。
追走グループの選手は誰もがエース級。それだけに誰も力を使ってローテーションを回さない。そして誰もが疲れ切っていた。残り5kmでタイム差23秒、残り3kmでタイム差18秒。ドゥクーニンク・クイックステップは表彰台を守るためにアスグリーンをアタックさせるのがやっと。独走に持ち込んでから平均出力398Wで踏み続けたベッティオルが、暖かい春の光に照らされたオウデナールデの大通りに独走でフィニッシュした。
世界最高峰のクラシックレースでつかんだプロ初勝利。フィニッシュ後にラングフェルドやファンマルクと抱き合ったベッティオルが、携帯電話で彼女に勝利を報告して涙した。
「パテルベルグからフィニッシュまで、間違いなく人生で最も長い14kmだった。ラジオから聞こえてくるのは監督から『とにかく全力で踏め』という言葉。振り返らなかった。(後続集団内の)ラングフェルドも『ここにいる選手は全員疲れ切っている』と伝えてくれた。緩い追い風が吹いていたけど、フィニッシュラインが永遠にやってこないのかと思ったよ。今でも勝ったことを信じられないし、今ここで何をしているのか、何を話しているのかも実感がない」。
現在25歳のベッティオルは2014年にキャノンデールでプロデビューし、2018年にBMCレーシングで1年間シーズンを過ごしてから2019年に古巣に復帰している。ティレーノ〜アドリアティコでは第2ステージの登りスプリントで6位に入り、第7ステージ個人TTで2位(総合11位)。ミラノ〜サンレモではポッジオの登りで真っ先にアタックを仕掛けた。E3ビンクバンククラシックでは優勝の動きに乗って4位。
「今シーズンは3kg減量した。口で言うのは簡単だけど実際は簡単なことじゃない。そして、誰かのアタックを待つのではなく、自らアタックする作戦に切り替えた。ミラノ〜サンレモではトップ10入りを逃したものの、調子が良かったのでポッジオでアタックしたかった」。
ロンドはこれが4回目の出場で、これまで2017年の24位が最高位だった。「オウデ・クワレモントでグレッグ・ファンアーフェルマートのアタックを予想していたけど、彼は動かなかった。そこで監督に『スプリント力のあるクリストフやサガンがいるので、脚に力が残っているならアタックするんだ』と言われて飛び出した。頂上を越えて舗装路に出てところで振り返ると、誰もいなかった」。
イタリア人選手によるロンド制覇は11回目。フィオレンツォ・マーニ(1949/1950/1951年)、ディーノ・ザンデグ(1967年)、モレーノ・アルジェンティン(1990年)、ジャンニ・ブーニョ(1994年)、ミケーレ・バルトリ(1996年)、ジャンルーカ・ボルトラーミ(2001年)、アンドレア・タフィ(2002年)、アレッサンドロ・バッラン(2007年)という名選手のリストに、ベッティオルがその名前を加えた。
心配された雨は降らず。比較的温暖なベルギーのフランドル地方で「クラシックの王様」の異名を持つロンド・ファン・フラーンデレンが開催。17カ所の急坂を含む270kmの戦いが繰り広げられた。
新フラームス同盟党首とミスベルギーによる「ヘーレン、フェルトレクト(皆さん、スタート)」の合図とともに175名のクラシックライダーたちがアントワープを発つ。レース前半はダミアン・トゥゼ(フランス、コフィディス・ソルシオンクレディ)、ケニース・ファンローイ(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)、ジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・シャルル)、ユーゴ・ウル(カナダ、アスタナ)の4名が先行する展開。
スタートから1時間ほどまったりと走ったメイン集団がペースアップを開始したのは、タイム差が8分40秒まで広がった50km地点。『トラクター』の異名を持つ身長192cmのティム・デクレルク(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)とパスカル・エーンクホーン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)がほぼ2人でメイン集団のペースを上げ始めた。
6時間を超えるレースは終始ドライなコンディションが保たれ、風も比較的ゆるい状況が続いたものの、集団内では落車が頻発した。まだ急坂区間を前にしたタイミングで前年度の覇者ニキ・テルプストラ(オランダ、ディレクトエネルジー)が落車。脳震盪でリタイアを余儀なくされ、大会連覇の野望は突然潰えた。さらにテルプストラは翌週のパリ〜ルーベも欠場する見通しだ。
タイム差5分で最初のNo.1 オウデ・クワレモントを越えると、それまで青色(ドゥクーニンク)と黄色(ユンボ)が陣取っていた集団前方の色彩に変化が。No.2 コルテケールでチームスカイとボーラ・ハンスグローエが集団先頭に立ち、頂上通過後にペースアップする作戦を敢行する。この『集団内の走行位置を上げることができない狭い急坂を低速で走り、広い平坦路を高速で走って集団を縦に伸ばす』という戦術で、チーム力を効率的に使いながら集団後方の選手たちにジャブを打っていく。
続いてロット・スーダルとトレック・セガフレードといった赤色チームが集まったものの、テクニカル区間を前に再びドゥクーニンク・クイックステップが先頭へ。するとNo.6 ベレンドリースで集団は活発化。そこからフィニッシュまで120km近くにわたって常に集団からアタックがかかる展開となり、数名が飛び出すたびにカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)らが危険な動きを封じ込めた。
熾烈な高速位置合戦を経て、残り100kmのNo.8 ミュール・カペルミュールに突入すると逃げグループとメイン集団のタイム差は1分に。7月のツール・ド・フランス第1ステージにも登場するこの名物坂でドゥクーニンク・クイックステップがハイペースを刻んだため集団が大きく2つに割れる。エース級選手が揃った30名が、出遅れたオリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール)やセップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)を含む後続に1分差をつけた。
フィニッシュまで92kmを残して逃げグループが第1集団に吸収され、ロット・スーダルとアージェードゥーゼール、グルパマFDJ、カチューシャ・アルペシンが率いる第2集団を引き離しにかかる。そこから新たな動きを作り出そうとアタックを繰り返したのはマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)やイヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)で、本命のグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)までカウンターアタックを仕掛けたが決まらず、No.9 カナリーベルグで第2集団が合流したためレースは振り出しに戻った。
2回目のNo.10 オウデ・クワレモントに向けた高速ダウンヒル中に、4日前のドワーズ・ドール・フラーンデレンを制しているマチュー・ファンデルプール(オランダ、コレンドン・サーカス)が縁石を乗り越える際に前輪を破損するトラブル。しばらくバランスを保って走っていたファンデルプールだったが、前転して地面に叩きつけられる。そこから集団復帰に向けたファンデルプールの長い追走が始まった。
オウデ・クワレモントで集団からの脱落者を縫いながらファンデルプールが徐々にポジションを上げる中、先頭ではステイン・ファンデンベルフ(ベルギー、アージェードゥーゼール)とセップ・ファンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト)が抜け出すことに成功。続くNo.11 パテルベルグでアスグリーンがこのベルギーコンビに追いついた。
20秒のリードをもってNo.12 コッペンベルグに挑んだ先頭3名にはディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ)が合流。15kmほどをほぼ単独で追走したファンデルプールが集団に復帰すると、2度の優勝者ステイン・デヴォルデル(ベルギー、コレンドン・サーカス)がオランダチャンピオンのために集団を牽引してNo.14 ターインベルグへと向かった。
通称『ボーネンベルグ』で先頭はファンバーレ、ファンマルク、アスグリーンに絞られ、メイン集団ではジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)がペースアップ。断続的な急坂の登場によって集団は人数を減らしていき、No.15 クルイスベルグでボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックするとファンアーフェルマートをはじめとする優勝候補たちがすかさず反応した。
現シクロクロス世界王者ファンデルプールのアタックに、元シクロクロス世界王者ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が反応するシーンも見られたが、やがてスティバルは脱落する。代わってドゥクーニンク・クイックステップのエースを担ったユンゲルスがアタックを繰り返すも決まらない。
こうして迎えたNo.16 オウデ・クワレモントの登り。先頭ファンバーレとアスグリーンの2名が、残り20km、集団20名から20秒差でこの最後から2つ目の登りに突入すると、EFエデュケーションファーストのファンマルクとセバスティアン・ラングフェルド(オランダ)がベティオルのために集団牽引。この3度目のオウデ・クワレモントでベティオルが鋭いアタックを繰り出した。
全長2.2km/平均4%のオウデ・クワレモントを平均スピード31.7km/h、平均出力529W(7.67W/kg)、最大出力857Wで踏んだベティオルが、ライバルたちを振り切るとともに、逃げていたファンバーレとアスグリーンを抜いて先頭に。ファンアーフェルマートやユンゲルス、ファンアールトらの追走は届かず、登りで10秒差をつけたベティオルが独走モードに入る。エースだけで構成された追走グループはローテーションが回らずタイム差は拡大傾向に。
ベッティオルは追走グループから15秒差でNo.17 パテルベルグをクリアする。アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)やペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)といったスプリント力のある選手が残った追走グループからはファンデルプールやファンアーフェルマート、ロンド初挑戦の世界王者アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)らが断続的にアタックを仕掛けたが、独走するベッティオルのチームメイトであるラングフェルドがチェックに入る。残り10kmでタイム差15秒。緩い西風に押されて、ベッティオルが独走を続けた。
追走グループの選手は誰もがエース級。それだけに誰も力を使ってローテーションを回さない。そして誰もが疲れ切っていた。残り5kmでタイム差23秒、残り3kmでタイム差18秒。ドゥクーニンク・クイックステップは表彰台を守るためにアスグリーンをアタックさせるのがやっと。独走に持ち込んでから平均出力398Wで踏み続けたベッティオルが、暖かい春の光に照らされたオウデナールデの大通りに独走でフィニッシュした。
世界最高峰のクラシックレースでつかんだプロ初勝利。フィニッシュ後にラングフェルドやファンマルクと抱き合ったベッティオルが、携帯電話で彼女に勝利を報告して涙した。
「パテルベルグからフィニッシュまで、間違いなく人生で最も長い14kmだった。ラジオから聞こえてくるのは監督から『とにかく全力で踏め』という言葉。振り返らなかった。(後続集団内の)ラングフェルドも『ここにいる選手は全員疲れ切っている』と伝えてくれた。緩い追い風が吹いていたけど、フィニッシュラインが永遠にやってこないのかと思ったよ。今でも勝ったことを信じられないし、今ここで何をしているのか、何を話しているのかも実感がない」。
現在25歳のベッティオルは2014年にキャノンデールでプロデビューし、2018年にBMCレーシングで1年間シーズンを過ごしてから2019年に古巣に復帰している。ティレーノ〜アドリアティコでは第2ステージの登りスプリントで6位に入り、第7ステージ個人TTで2位(総合11位)。ミラノ〜サンレモではポッジオの登りで真っ先にアタックを仕掛けた。E3ビンクバンククラシックでは優勝の動きに乗って4位。
「今シーズンは3kg減量した。口で言うのは簡単だけど実際は簡単なことじゃない。そして、誰かのアタックを待つのではなく、自らアタックする作戦に切り替えた。ミラノ〜サンレモではトップ10入りを逃したものの、調子が良かったのでポッジオでアタックしたかった」。
ロンドはこれが4回目の出場で、これまで2017年の24位が最高位だった。「オウデ・クワレモントでグレッグ・ファンアーフェルマートのアタックを予想していたけど、彼は動かなかった。そこで監督に『スプリント力のあるクリストフやサガンがいるので、脚に力が残っているならアタックするんだ』と言われて飛び出した。頂上を越えて舗装路に出てところで振り返ると、誰もいなかった」。
イタリア人選手によるロンド制覇は11回目。フィオレンツォ・マーニ(1949/1950/1951年)、ディーノ・ザンデグ(1967年)、モレーノ・アルジェンティン(1990年)、ジャンニ・ブーニョ(1994年)、ミケーレ・バルトリ(1996年)、ジャンルーカ・ボルトラーミ(2001年)、アンドレア・タフィ(2002年)、アレッサンドロ・バッラン(2007年)という名選手のリストに、ベッティオルがその名前を加えた。
ロンド・ファン・フラーンデレン2019結果
1位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーションファースト) | 6:18:49 |
2位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:14 |
3位 | アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) | 0:00:17 |
4位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、コレンドン・サーカス) | |
5位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | |
6位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ) | |
7位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) | |
8位 | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
9位 | ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) | |
10位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | |
11位 | ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
12位 | イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
13位 | ドリース・ファンヘステル(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ) | |
14位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | |
15位 | セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、EFエデュケーションファースト) | |
16位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
17位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
18位 | ディラン・ファンバーレ(オランダ、チームスカイ) | 0:00:24 |
19位 | ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | 0:01:19 |
20位 | ステイン・ファンデンベルフ(ベルギー、アージェードゥーゼール) | 0:01:58 |
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