2019/03/14(木) - 11:02
逃げ職人たちによる200km超のロングエスケープ。逃げグループの中から抜け出したマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)がステージ優勝を飾り、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が総合首位に立った。
美しい陸橋を通過するプロトン photo:CorVos
パリ〜ニース2019第4ステージ photo:A.S.O.ピュアスプリンター向きの開幕3連戦を終えて、パリ〜ニースは山へと向かう。中央山塊を縦断する今大会最長212kmコースで行われた第4ステージはパンチャーもしくは登れるスプリンター向き。後半にかけてカテゴリー1級〜2級の山岳を4つこなす獲得標高差3,100mの中級山岳ステージで、最後の2級山岳はフィニッシュから10kmしか離れていない。
この日はプロトンを代表する二大逃げのスペシャリストであるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)とアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)を含む13名が先行。山岳賞ジャージを守るためにダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー)もこの動きに乗じた。
最大7分近いリードを得た逃げグループの中で、6分10秒遅れのオリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ)がバーチャル総合リーダーに立つ。総合首位ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)が最後まで集団に残るチャンスは薄いとしてユンボ・ヴィズマは集団コントロールを行わず、代わりにチームスカイが後半の山岳地帯でメイン集団を率いて逃げグループを追いかけた。
デヘントを先頭に1級山岳コンドリュー峠を越えた時点で逃げグループは7名に。過去に2回パリ〜ニースで山岳賞を獲得しているデヘントはこの日だけで27ポイントを獲得。逃げグループから脱落したゴダンから山岳賞首位の座を奪うことに成功している。
逃げグループに入ったダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー) photo:A.S.O.
曇り空の中央山塊を走る逃げグループ photo:CorVos
踏切によって3分半ストップしたメイン集団(先行した逃げグループも3分半のストップを命じられる) photo:CorVos
順調に2級山岳サンミシェル=シュル=ローヌ峠を越え、逃げ切りを目指して全開走行に切り替えた先頭7名。後方ではイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)とサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がメイン集団のペースを上げ、それぞれソンニ・コルブレッリ(イタリア)とマッテオ・トレンティン(イタリア)の集団スプリントのために逃げを追う。約40名にまで人数を減らしたメイン集団がタイム差1分20秒で残り20km地点のフィニッシュ地点を通過した。
最後の2級山岳シャヴァネ峠に突入するとタイム差1分を割り込む。ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)まで集団ペースアップに加わるメイン集団を尻目に、先頭ではデヘント、デマルキ、マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)に絞られる。この先頭4名は、メイン集団から50秒リードで最後の2級山岳シャヴァネ峠を越えた。
レースは残り10km、タイム差50秒。アージェードゥーゼールが人数を揃えてペースアップするメイン集団の中からは、ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ)とリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)が飛び出して45秒先を行く逃げグループを追いかけるが届かない。『登れるスプリンター』たちを擁するチームに追撃の力は残っておらず、先頭4名の逃げ切りが決まった。
登り基調のフィニッシュ地点で、残り600mで強烈なアタックを仕掛けたコルトニールセンが先行。4名の中で最もスプリント力があると見られたコルトニールセンが、単独追走したデヘントを振り払った。
チームスカイが集団コントロールの役目を担った photo:A.S.O.
逃げ続けるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)ら4名 photo:CorVos
今シーズン初勝利を飾ったマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) photo:CorVos
絶好調アスタナに今シーズン16勝目をもたらした26歳コルトニールセンは「パリ〜ニースというビッグレースで成績を残せたことを嬉しく思う。アスタナは逃げに選手を送り込む作戦ではなかったけど、調子も良かったし、飛び出したメンバーも良かったので逃げに挑戦することにしたんだ。もちろん逃げに乗るなら逃げ切りたかった。アスタナの活躍の波に乗ることができて良かったよ」とコメントする。コルトニールセンは2018年ツール・ド・フランスでも逃げ切り勝利を飾っている。このパリ〜ニース後は、昨年8位に入ったミラノ〜サンレモに出場する予定だ。
飛び出していたマデュアスとカルメジャーヌに追いつくと同時に、メイン集団はコルブレッリとトレンティンを先頭に48秒遅れでフィニッシュ。22分以上遅れたフルーネウェーヘンから黄色いリーダージャージはミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)の手に渡った。
昨年のティレーノ〜アドリアティコ総合優勝者クウィアトコウスキーは「チームスカイは総合優勝のためにこのパリ〜ニースに出場している。初日からチーム力を発揮してレースを動かしてきたし、チームメイトの強さがモチベーションになったんだ。現状自分がチームリーダーだけど、もちろんエガン(ベルナル)にもチャンスがある。とにかく集中して明日の25km個人TTに挑んで、全力を出しきりたい」とコメント。今大会すでに合計14秒のボーナスタイムを獲得しているクウィアトコウスキーは総合2位ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)から5秒の総合リードを得ている。
アスタナにシーズン16勝目をもたらしたマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) photo:CorVos
フルーネウェーヘン脱落に伴い、総合首位に立ったミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) photo:CorVos
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この日はプロトンを代表する二大逃げのスペシャリストであるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)とアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)を含む13名が先行。山岳賞ジャージを守るためにダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー)もこの動きに乗じた。
最大7分近いリードを得た逃げグループの中で、6分10秒遅れのオリヴィエ・ルガック(フランス、グルパマFDJ)がバーチャル総合リーダーに立つ。総合首位ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)が最後まで集団に残るチャンスは薄いとしてユンボ・ヴィズマは集団コントロールを行わず、代わりにチームスカイが後半の山岳地帯でメイン集団を率いて逃げグループを追いかけた。
デヘントを先頭に1級山岳コンドリュー峠を越えた時点で逃げグループは7名に。過去に2回パリ〜ニースで山岳賞を獲得しているデヘントはこの日だけで27ポイントを獲得。逃げグループから脱落したゴダンから山岳賞首位の座を奪うことに成功している。
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順調に2級山岳サンミシェル=シュル=ローヌ峠を越え、逃げ切りを目指して全開走行に切り替えた先頭7名。後方ではイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)とサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がメイン集団のペースを上げ、それぞれソンニ・コルブレッリ(イタリア)とマッテオ・トレンティン(イタリア)の集団スプリントのために逃げを追う。約40名にまで人数を減らしたメイン集団がタイム差1分20秒で残り20km地点のフィニッシュ地点を通過した。
最後の2級山岳シャヴァネ峠に突入するとタイム差1分を割り込む。ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)まで集団ペースアップに加わるメイン集団を尻目に、先頭ではデヘント、デマルキ、マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)に絞られる。この先頭4名は、メイン集団から50秒リードで最後の2級山岳シャヴァネ峠を越えた。
レースは残り10km、タイム差50秒。アージェードゥーゼールが人数を揃えてペースアップするメイン集団の中からは、ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ)とリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)が飛び出して45秒先を行く逃げグループを追いかけるが届かない。『登れるスプリンター』たちを擁するチームに追撃の力は残っておらず、先頭4名の逃げ切りが決まった。
登り基調のフィニッシュ地点で、残り600mで強烈なアタックを仕掛けたコルトニールセンが先行。4名の中で最もスプリント力があると見られたコルトニールセンが、単独追走したデヘントを振り払った。
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絶好調アスタナに今シーズン16勝目をもたらした26歳コルトニールセンは「パリ〜ニースというビッグレースで成績を残せたことを嬉しく思う。アスタナは逃げに選手を送り込む作戦ではなかったけど、調子も良かったし、飛び出したメンバーも良かったので逃げに挑戦することにしたんだ。もちろん逃げに乗るなら逃げ切りたかった。アスタナの活躍の波に乗ることができて良かったよ」とコメントする。コルトニールセンは2018年ツール・ド・フランスでも逃げ切り勝利を飾っている。このパリ〜ニース後は、昨年8位に入ったミラノ〜サンレモに出場する予定だ。
飛び出していたマデュアスとカルメジャーヌに追いつくと同時に、メイン集団はコルブレッリとトレンティンを先頭に48秒遅れでフィニッシュ。22分以上遅れたフルーネウェーヘンから黄色いリーダージャージはミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)の手に渡った。
昨年のティレーノ〜アドリアティコ総合優勝者クウィアトコウスキーは「チームスカイは総合優勝のためにこのパリ〜ニースに出場している。初日からチーム力を発揮してレースを動かしてきたし、チームメイトの強さがモチベーションになったんだ。現状自分がチームリーダーだけど、もちろんエガン(ベルナル)にもチャンスがある。とにかく集中して明日の25km個人TTに挑んで、全力を出しきりたい」とコメント。今大会すでに合計14秒のボーナスタイムを獲得しているクウィアトコウスキーは総合2位ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)から5秒の総合リードを得ている。
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パリ〜ニース2019第4ステージ結果
1位 | マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ) | 5:03:49 |
2位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:00:07 |
3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:00:13 |
4位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) | 0:00:18 |
5位 | リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) | 0:00:48 |
6位 | ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ) | |
7位 | ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) | |
8位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) | |
9位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
10位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) |
個人総合成績
1位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | 16:52:27 |
2位 | ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) | 0:00:05 |
3位 | フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:10 |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 0:00:11 |
5位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:14 |
6位 | トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:00:15 |
7位 | ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:17 |
8位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | |
9位 | オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール) | 0:00:18 |
10位 | フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:00:24 |
ポイント賞
1位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 32pts |
2位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) | 24pts |
3位 | サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 22pts |
山岳賞
1位 | トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) | 27pts |
2位 | ダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー) | 21pts |
3位 | アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) | 20pts |
ヤングライダー賞
1位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | 16:52:38 |
2位 | ヴァランタン・マデュアス(フランス、グルパマFDJ) | 0:00:08 |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) | 0:07:47 |
チーム総合成績
1位 | チームスカイ | 41:26:09 |
2位 | ミッチェルトン・スコット | 0:00:42 |
3位 | バーレーン・メリダ | 0:01:13 |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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