2009/03/14(土) - 10:57
2009年3月13日、ティレーノ〜アドリアティコの第3ステージが行なわれ、集団スプリントでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)を破ったタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)が優勝。ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)がリーダージャージを守った。
フィレンツェやピサなどの観光名所を貫き、ティレニア海に至るアルノ川。第3ステージはそんなアルノ川の沿岸、トスカーナ州フチェッキオ近郊で行なわれた。
コースは大小さまざまな周回が組み合わさっており、標高差80mほどの短いポッジオ・アドルノ(サンレモ近くのポッジオとは無関係)の上りが3回登場する。ゴール前に細かい上りが幾つも登場し、さながら「難易度の低いミラノ〜サンレモ」。翌日から山岳が始まるため、スプリンターの闘いはこの日を最後に一旦休止する。
集団スプリントが濃厚と目される平坦ステージだが、この日も序盤から逃げを試みる選手が続出した。集団から飛び出したのはウィル・フリッシュコーン(アメリカ、ガーミン)、ユリー・クリフトソフ(ウクライナ、アージェードゥーゼル)、リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ)の3名だ。
国籍の異なるこの3名は、互いに協力しながらメイン集団を5分30秒まで引き離す。しかしメイン集団はリーダージャージ擁するコフィディスがコントロールを続け、レース後半にかけてタイム差は縮小を続けた。
128km地点の山岳ポイント、ポッジオ・アドルノはヴェストラが先頭通過。前日に逃げたエルマーノ・カペッリ(イタリア、フジ・セルヴェット)は1分48秒遅れのメイン集団先頭で通過してポイントを加算し、山岳賞ランキングトップに立っている。
やがてランプレ、アージェードゥーゼル、アックア・エ・サポーネが集団コントロールに加わるとタイム差は縮小を続け、ラスト9kmで先頭3名は吸収。ここからはスプリンターチームによる激しい位置取り合戦が繰り広げられた。
数多くのスプリンターが参戦しているだけに、そのポジション争いは熾烈さを極めた。ラスト1kmはトル・フースホフト(ノルウェー)率いるサーヴェロが先頭で通過。最終ストレートにやってきたメイン集団は、サーヴェロ先頭でスプリント体制に入った。
ラスト250mで早めに仕掛けたのはポイント賞ジャージを着るアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)だ。しかしペタッキは伸びず、後方からマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が鋭い加速で抜きさって行く。
低いポジションでゴールに突き進むカヴェンディッシュに対抗したのは大柄なファラーだ。力強いスプリントでカヴェンディッシュに並ぶと、伸びのあるハイスピードスプリントで先頭へ。ファラーが僅差のスプリントを制した。
世界最速スプリンターと称されるカヴェンディッシュを、ガチンコの力勝負で制した選手はそう多くない。イタリア・ガゼッタ紙には「ファラー驚きの勝利」の文字が躍った。
トラック競技で鍛えたファラーは、ヘルスネットやコフィディスを経て2008年からガーミンに所属。同年のツアー・オブ・カリフォルニアではプロローグで3位に入り、序盤ステージでリーダージャージを着ている。24歳のファラーにとってこれがキャリア最大の勝利だ。
ティレーノ〜アドリアティコの平坦シリーズはこれにて休戦。翌日からはアドリア海側に舞台を移す。第4ステージは最大勾配21%のモンテルポーネを2回通過。最後は激坂を駆け上がってゴールに辿り着く。
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)チーム公式サイトより
「チームメイトの動きは完璧だった。先ず最初にウィル(フリッシュコーン)が逃げに乗り、後半は完全にチームメイトに守られながら走ったんだ。ラスト30kmを切ってからはジュリアン(ディーン)とマイク(フリードマン)が集団前方で援護してくれて、ラスト4kmあたりからマルティン(マースカント)が素晴らしいリードアウトをしてくれた。まだまだチームの活躍は止まらないと思う」。
ティレーノ〜アドリアティコ2009第3ステージ結果
1位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)3h53'48"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)
3位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
4位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
5位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
6位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク)
7位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド)
8位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
9位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)
10位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ)
個人総合成績
1位 ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)12h00'20"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)+15"
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
4位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)+20"
5位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス)+25"
7位 アッサン・バザイエフ(カザフスタン、アスタナ)
8位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ランプレ)
9位 ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)
10位 ロレンツォ・ベルヌッチ(イタリア、LPRブレークス)
ポイント賞
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)
山岳賞
エルマーノ・カペッリ(イタリア、フジ・セルヴェット)
新人賞
ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)
フィレンツェやピサなどの観光名所を貫き、ティレニア海に至るアルノ川。第3ステージはそんなアルノ川の沿岸、トスカーナ州フチェッキオ近郊で行なわれた。
コースは大小さまざまな周回が組み合わさっており、標高差80mほどの短いポッジオ・アドルノ(サンレモ近くのポッジオとは無関係)の上りが3回登場する。ゴール前に細かい上りが幾つも登場し、さながら「難易度の低いミラノ〜サンレモ」。翌日から山岳が始まるため、スプリンターの闘いはこの日を最後に一旦休止する。
集団スプリントが濃厚と目される平坦ステージだが、この日も序盤から逃げを試みる選手が続出した。集団から飛び出したのはウィル・フリッシュコーン(アメリカ、ガーミン)、ユリー・クリフトソフ(ウクライナ、アージェードゥーゼル)、リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ)の3名だ。
国籍の異なるこの3名は、互いに協力しながらメイン集団を5分30秒まで引き離す。しかしメイン集団はリーダージャージ擁するコフィディスがコントロールを続け、レース後半にかけてタイム差は縮小を続けた。
128km地点の山岳ポイント、ポッジオ・アドルノはヴェストラが先頭通過。前日に逃げたエルマーノ・カペッリ(イタリア、フジ・セルヴェット)は1分48秒遅れのメイン集団先頭で通過してポイントを加算し、山岳賞ランキングトップに立っている。
やがてランプレ、アージェードゥーゼル、アックア・エ・サポーネが集団コントロールに加わるとタイム差は縮小を続け、ラスト9kmで先頭3名は吸収。ここからはスプリンターチームによる激しい位置取り合戦が繰り広げられた。
数多くのスプリンターが参戦しているだけに、そのポジション争いは熾烈さを極めた。ラスト1kmはトル・フースホフト(ノルウェー)率いるサーヴェロが先頭で通過。最終ストレートにやってきたメイン集団は、サーヴェロ先頭でスプリント体制に入った。
ラスト250mで早めに仕掛けたのはポイント賞ジャージを着るアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)だ。しかしペタッキは伸びず、後方からマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が鋭い加速で抜きさって行く。
低いポジションでゴールに突き進むカヴェンディッシュに対抗したのは大柄なファラーだ。力強いスプリントでカヴェンディッシュに並ぶと、伸びのあるハイスピードスプリントで先頭へ。ファラーが僅差のスプリントを制した。
世界最速スプリンターと称されるカヴェンディッシュを、ガチンコの力勝負で制した選手はそう多くない。イタリア・ガゼッタ紙には「ファラー驚きの勝利」の文字が躍った。
トラック競技で鍛えたファラーは、ヘルスネットやコフィディスを経て2008年からガーミンに所属。同年のツアー・オブ・カリフォルニアではプロローグで3位に入り、序盤ステージでリーダージャージを着ている。24歳のファラーにとってこれがキャリア最大の勝利だ。
ティレーノ〜アドリアティコの平坦シリーズはこれにて休戦。翌日からはアドリア海側に舞台を移す。第4ステージは最大勾配21%のモンテルポーネを2回通過。最後は激坂を駆け上がってゴールに辿り着く。
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)チーム公式サイトより
「チームメイトの動きは完璧だった。先ず最初にウィル(フリッシュコーン)が逃げに乗り、後半は完全にチームメイトに守られながら走ったんだ。ラスト30kmを切ってからはジュリアン(ディーン)とマイク(フリードマン)が集団前方で援護してくれて、ラスト4kmあたりからマルティン(マースカント)が素晴らしいリードアウトをしてくれた。まだまだチームの活躍は止まらないと思う」。
ティレーノ〜アドリアティコ2009第3ステージ結果
1位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)3h53'48"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)
3位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)
4位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
5位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
6位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク)
7位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド)
8位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
9位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)
10位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ)
個人総合成績
1位 ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)12h00'20"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)+15"
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
4位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)+20"
5位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス)+25"
7位 アッサン・バザイエフ(カザフスタン、アスタナ)
8位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ランプレ)
9位 ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)
10位 ロレンツォ・ベルヌッチ(イタリア、LPRブレークス)
ポイント賞
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)
山岳賞
エルマーノ・カペッリ(イタリア、フジ・セルヴェット)
新人賞
ジュリアン・エルファレス(フランス、コフィディス)
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