2019/02/27(水) - 18:02
デンマークで開催されたシクロクロス世界選手権を走ったプロバイクを紹介する第2弾。今回は新型REDを搭載したワウト・ファンアールト(ベルギー)など、4名のバイクにフォーカスします。
ワウト・ファンアールト(ベルギー) スティーヴンス SUPER PRESTIGE
ワウト・ファンアールト(ベルギー)のスティーヴンス SUPER PRESTIGE photo:Nobuhiko.Tanabe
スタートバイクは白地にブルーをあしらったナショナルデザイン photo:Nobuhiko.Tanabe
フォークにはイニシャルのロゴが記される photo:Nobuhiko.Tanabe
銀メダルに終わりながらも、3年連続世界王者としての力を見せたワウト・ファンアールト(ベルギー)。元チームからの離脱に伴い、今シーズンのバイクはフェルトからスティーヴンスのSUPER PRESTIGEに変更となった。
今回の世界選手権では黒地に白の銅抜き、そしてアルカンシエルを巻いたクラシックなカラーに加え、白地にベルギーのナショナルカラーである水色をあしらったバイクも投入。スラムのサポートを受けており、今シーズン途中からRED eTAP AXSを運用していることでも話題を呼んだ。なお情報解禁前であったため、各所のロゴは全てテープで目隠しが行われている。
ファンアールトは新型RED eTAP AXSを使用。情報公開前であるためロゴは隠されている photo:Nobuhiko.Tanabe
歯数はフロント46T、リア10-28Tと非常に重い photo:Nobuhiko.Tanabe
ハンドル周りはジップ製品で統一 photo:Nobuhiko.Tanabe
ファンアールトは従来フロントダブルを使用してきたが、新型RED投入に伴いフロントシングルを運用。歯数構成はフロント46T、リア10-28Tであり、ギア比はトップ4.6、ロー1.64。フロント40Tで換算した場合、ローギアは24.4Tと重たいギアを回していることとなる。
ホイールやハンドル、ステム、シートポストもジップ製品で固められており、今回の世界選手権でのホイールはリム高32mmの202 Firecrest Tubular Disc。タイヤはデュガスのRhinnoで、ハッチンソンのロードタイヤに使われるコンパウンド「11STORM」のロゴを貼り付けたプロトタイプと思われる製品を使用していた。また、従来ペダルはルックを使用していたが、今回はシマノのXTRに変更されていた。
トーマス・ピッドコック(イギリス) スペシャライズド S-WORKS CRUX
トーマス・ピッドコック(イギリス)のスペシャライズド S-WORKS CRUX photo:Nobuhiko.Tanabe
カセットの歯数はラインナップ中最もワイドな10-33T photo:Nobuhiko.Tanabe
フロントシングルで新型RED eTAP AXSを運用。フロントチェーンリングは44Tだ photo:Nobuhiko.Tanabe
圧倒的な走りでU23世界王者に輝いたトーマス・ピッドコック(イギリス)が駆るのは、欧州王者カラーにペイントされたスペシャライズドのS-WORKS CRUX。スペシャライズドのフレームにスラム、ヴィジョン、FSAというあまり見慣れない組み合わせが特徴だ。
ピッドコックは新型のRED eTAP AXSを使用しつつ、機械式のFORCE 1で組まれたバイクも使用していたことがユニーク。RED eTAP AXSはフロントシングル仕様で、歯数はフロント44T/リア10-33Tとファンアールトよりギアレシオは軽めで、パワーメーターは非搭載。チェーンリングには各種刻印が無いことからテスト品と言えそうだ。
スペアバイクはFORCE1で組まれていた。歯数はフロント44T、リア11-36T photo:Nobuhiko.Tanabe
プロトタイプのFORCE1用オーバーサイズプーリーケージを装着する photo:Nobuhiko.Tanabeまた、FORCE 1で組まれたバイクの歯数はフロント44T、リアは11-36T。リアディレイラーにはセラミックスピードのオーバーサイズプーリーが取り付けらていたが、これはまだ製品ラインアップには存在しない1x用。2x用よりもケージが太く、強力なスプリングテンションに対応していると思われる。またホイールやBB付近にもセラミックスピードのロゴが貼られており、回転チューニングが施されていると推測される。
ホイールはヴィジョンのMetron 40 SL Discで、セタ(絹)をケーシングに使ったチャレンジの最高級タイヤを組み合わせる。多くの選手がマッド用タイヤを選ぶ中、ピッドコックはスタンダードなGrifoを選択していた。ペダルはシマノでもHTでもなく、リッチーのWCX XC。これはMTBの世界王者であるニノ・シューター(スイス)と同じ選択だ。
セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ) キャニオン INFLITE CF SLX
セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ)のキャニオン INFLITE CF SLX photo:Nobuhiko.Tanabe
チェーンリングはウィックワークス。44/34Tと軽めの設定だ photo:Nobuhiko.Tanabe
タイヤにはトム・メーウセンの名前が入る photo:Nobuhiko.Tanabe
女子U23レースの優勝候補に挙げられながらも、3位銅メダルに終わったセイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ)。マチュー・ファンデルポール(オランダ)と同じくコレンドン・サーカス所属の欧州王者であるため、同じスペシャルペイントが施されたキャニオンのINFLITE CF SLXを駆る。
シマノのフルサポートを受けるためコンポーネントはR9170系DURA-ACE Di2、ホイールはC40-TUと同社製品で固められているが、チェーンリングのみウィックワークス製で、44/34Tという小さめのギアを使っていた。
ホイールは「CERVICE COURSE」のレターが入るデュガスのRhino。タイヤサイドには同じくコレンドン・サーカス所属で代表メンバー入りならなかったトム・メーウセンの名前が確認できた。その他、ペダルはXTR、ハンドル/ステムはキャニオン製で、ショートリーチ形状の31 ERGOCOCKPIT CF。
ワイツ・メーウセン(ベルギー) リドレー X-NIGHT
ワイツ・メーウセン(ベルギー)のリドレー X-NIGHT photo:Nobuhiko.Tanabe
R9170系DURA-ACE Di2にローターのクランクセット、とKMCのチェーンをミックス photo:Nobuhiko.Tanabe
ケヴィン・パウエルスのイニシャルが入ったタイヤ photo:Nobuhiko.Tanabe
マーラックス・ビンゴール所属選手の中からは、男子ジュニアで2位銀メダルとなったワイツ・メーウセン(ベルギー)のバイクをピックアップ。マーラックス・ビンゴールは今シーズン黒字に水色ロゴのバイクを使用しており、ジュニアカテゴリーのメーウセンが駆るのは昨年デザインのお下がりと思われる。
コンポーネントはR9170系DURA-ACE Di2だが、ローターのクランクセットをはじめ、KMCのチェーン、DTスイスのディスクブレーキローターと複数ブランドの製品がミックスされている。なおメーウセンはフロントダブルとフロントシングルのバイクを両方用意し、そのどちらも真円チェーンリングだった。
ホイールはDTスイスのRC38 SPLINE C dbで、デュガスのタイヤを組み合わせる。メーウセンが使った32mmのRhinoには出場ならなかった同チーム所属のベテラン選手、ケヴィン・パウエルスのイニシャル「K.P.」が入っていた。ハンドル周りやシートポスト、サドルはフォルツァでセットアップされ、ボトムブラケットはCベアーのセラミックベアリングでチューンナップされている。
text:So.Isobe
photo:Nobuhiko.Tanabe
ワウト・ファンアールト(ベルギー) スティーヴンス SUPER PRESTIGE
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銀メダルに終わりながらも、3年連続世界王者としての力を見せたワウト・ファンアールト(ベルギー)。元チームからの離脱に伴い、今シーズンのバイクはフェルトからスティーヴンスのSUPER PRESTIGEに変更となった。
今回の世界選手権では黒地に白の銅抜き、そしてアルカンシエルを巻いたクラシックなカラーに加え、白地にベルギーのナショナルカラーである水色をあしらったバイクも投入。スラムのサポートを受けており、今シーズン途中からRED eTAP AXSを運用していることでも話題を呼んだ。なお情報解禁前であったため、各所のロゴは全てテープで目隠しが行われている。
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ファンアールトは従来フロントダブルを使用してきたが、新型RED投入に伴いフロントシングルを運用。歯数構成はフロント46T、リア10-28Tであり、ギア比はトップ4.6、ロー1.64。フロント40Tで換算した場合、ローギアは24.4Tと重たいギアを回していることとなる。
ホイールやハンドル、ステム、シートポストもジップ製品で固められており、今回の世界選手権でのホイールはリム高32mmの202 Firecrest Tubular Disc。タイヤはデュガスのRhinnoで、ハッチンソンのロードタイヤに使われるコンパウンド「11STORM」のロゴを貼り付けたプロトタイプと思われる製品を使用していた。また、従来ペダルはルックを使用していたが、今回はシマノのXTRに変更されていた。
トーマス・ピッドコック(イギリス) スペシャライズド S-WORKS CRUX
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ピッドコックは新型のRED eTAP AXSを使用しつつ、機械式のFORCE 1で組まれたバイクも使用していたことがユニーク。RED eTAP AXSはフロントシングル仕様で、歯数はフロント44T/リア10-33Tとファンアールトよりギアレシオは軽めで、パワーメーターは非搭載。チェーンリングには各種刻印が無いことからテスト品と言えそうだ。
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セイリン・デルカルメンアルバラード(オランダ) キャニオン INFLITE CF SLX
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シマノのフルサポートを受けるためコンポーネントはR9170系DURA-ACE Di2、ホイールはC40-TUと同社製品で固められているが、チェーンリングのみウィックワークス製で、44/34Tという小さめのギアを使っていた。
ホイールは「CERVICE COURSE」のレターが入るデュガスのRhino。タイヤサイドには同じくコレンドン・サーカス所属で代表メンバー入りならなかったトム・メーウセンの名前が確認できた。その他、ペダルはXTR、ハンドル/ステムはキャニオン製で、ショートリーチ形状の31 ERGOCOCKPIT CF。
ワイツ・メーウセン(ベルギー) リドレー X-NIGHT
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コンポーネントはR9170系DURA-ACE Di2だが、ローターのクランクセットをはじめ、KMCのチェーン、DTスイスのディスクブレーキローターと複数ブランドの製品がミックスされている。なおメーウセンはフロントダブルとフロントシングルのバイクを両方用意し、そのどちらも真円チェーンリングだった。
ホイールはDTスイスのRC38 SPLINE C dbで、デュガスのタイヤを組み合わせる。メーウセンが使った32mmのRhinoには出場ならなかった同チーム所属のベテラン選手、ケヴィン・パウエルスのイニシャル「K.P.」が入っていた。ハンドル周りやシートポスト、サドルはフォルツァでセットアップされ、ボトムブラケットはCベアーのセラミックベアリングでチューンナップされている。
text:So.Isobe
photo:Nobuhiko.Tanabe
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