登りが組み込まれた周回コースを走るツアー・コロンビア4日目に、最終盤にアタックしたボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が独走勝利。スプリントに絡んだ中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)がステージ5位に入った。
ヤングライダー賞ジャージを着るダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) (c)CorVos
折り返しを迎えたツアー・コロンビア2.1(UCI2.1)の第4ステージは、メデジン市内の24km周回コースを6周する144km。公式コースプロフィールによればほぼフラットだが、実際には距離1300m/平均勾配6.6%の4級山岳のほかアップダウンが多く含まれている。海抜標高は1400〜1500m台と連日の2000mオーバーよりは低いものの、それでもなお高地であることに変わりはない。
レースが動いたのは第一中間スプリントポイントだった。ボーナスタイムで総合ジャンプアップを狙うミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)の動きをきっかけに6名がエスケープし、その中でロペスは第1中間スプリントで3秒(1位通過)、第2中間スプリントでも3秒、そして終盤に用意された第3中間スプリントで2秒(2位通過)を獲得。これによってリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)との総合タイム差を22秒から14秒に縮め、成績を12位から10位へ上げることに成功した。
メイン集団はEFエデュケーションファーストプロサイクリングの牽引に加え、チームスカイやモビスターらもペースアップに加担し、残り10kmでロペスら逃げグループを捕まえる。平坦区間でリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)らがアタックを試みるも決まらず、アタックと吸収、牽制を繰り返す落ち着かない展開に。残り3kmからアレハンドロ・オソリオ(コロンビア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が独走に持ち込んだが、最終コーナーを前に後方からボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が飛びついた。
後続を引き離してフィニッシュするボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)CorVos
追従する選手を引きちぎり、オソリオをパスしたユンゲルスがフィニッシュに向けて独走。十分なリードを稼ぎ出したルクセンブルクチャンピオンが、コントロールを失った集団を引き離しフィニッシュに飛び込んだ。
「この美しいコロンビアで今季初勝利を挙げることができて良かった。もともとスプリンター向けコースと聞いていたけれど、登りが険しい上に逃げグループが強力だったのでもっと難易度の高いレースになった。逃げには総合成績で危険な選手(ロペス)が入っていたけれど、チームメイトのパーフェクトな働きで引き戻すことができたんだ。最終盤にはスピードのある選手はあまり多く残っていなかったね」と、キャリア18勝目を挙げた26歳のユンゲルスは言う。
大勢のファンの前でリーダージャージを受け取ったボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) (c)www.tourcolombiauci.com
また、ユンゲルスはボーナスタイムを稼いだことで、ウランを4秒上回ってリーダージャージも獲得。ウランはステージ3着に入ったジュリアン・アラフィリップ(フランス)にも逆転され総合成績を3位に落としてしまった。ユンゲルスは「リーダージャージは特別ボーナス。ただし明日のクイーンステージは非常にタフで、ライバルは僕よりも強いクライマー揃いだ。かなり厳しい戦いになるけれど、総合成績を守るために全力で挑んでいきたい」と語っている。
また、このステージで中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は集団の4位に食い込み、5位でフィニッシュする健闘を見せた。以下は中根のコメント。
「唯一の平坦基調なステージかと思いきや、急勾配の上りからUターンして一気に下る区間が存在した厳しいコースレイアウト。 イメリオのスプリント勝負一択のオーダーだったので、毎周回彼のためにみんなで位置取りと補給を運び、中切れを埋めたりと動いた。 最終周回の上り区間で当然の如くペースが上がるがしっかり前方でクリア。先頭集団に残ったのはオゾリオ、アコスタ、自分の3人だった。ラスト5km切ってからオゾリオが勝つ為のアタックを連発。 彼が独走に持ち込み勝てるかと思ったがラスト1kmを切って吸収されてしまう。 自分はオゾリオが逃げているので集団の前方で待機。
今日の勝者ユンゲルスがアタックしたのには誰も付くことが出来ず、最終コーナーを10番手くらいで通過。 コーナーから立ち上がって集団が左に寄って微妙に速度が緩んだので、コーナーの立ち上がりで脚が攣りかけていたが、踏んだ勢いを殺さないようにそのまま右側からスプリント開始。 3位のアラフィリップには全く届かず、ゴールライン直前で1人に捲られてステージ5位だった。 標高が約1600mだったためか、今日は身体がしっかり動いた。 スプリントする位置とタイミングは今までの中では好感触だったが、最後はやはり脚が無かった。 勝者が、ポディウムが、目の前に見えていただけにこの順位はかなり悔しい。 残り2ステージも厳しいコースレイアウト。 また明日も頑張ってきます!」

折り返しを迎えたツアー・コロンビア2.1(UCI2.1)の第4ステージは、メデジン市内の24km周回コースを6周する144km。公式コースプロフィールによればほぼフラットだが、実際には距離1300m/平均勾配6.6%の4級山岳のほかアップダウンが多く含まれている。海抜標高は1400〜1500m台と連日の2000mオーバーよりは低いものの、それでもなお高地であることに変わりはない。
レースが動いたのは第一中間スプリントポイントだった。ボーナスタイムで総合ジャンプアップを狙うミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)の動きをきっかけに6名がエスケープし、その中でロペスは第1中間スプリントで3秒(1位通過)、第2中間スプリントでも3秒、そして終盤に用意された第3中間スプリントで2秒(2位通過)を獲得。これによってリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング)との総合タイム差を22秒から14秒に縮め、成績を12位から10位へ上げることに成功した。
メイン集団はEFエデュケーションファーストプロサイクリングの牽引に加え、チームスカイやモビスターらもペースアップに加担し、残り10kmでロペスら逃げグループを捕まえる。平坦区間でリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター)らがアタックを試みるも決まらず、アタックと吸収、牽制を繰り返す落ち着かない展開に。残り3kmからアレハンドロ・オソリオ(コロンビア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が独走に持ち込んだが、最終コーナーを前に後方からボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が飛びついた。

追従する選手を引きちぎり、オソリオをパスしたユンゲルスがフィニッシュに向けて独走。十分なリードを稼ぎ出したルクセンブルクチャンピオンが、コントロールを失った集団を引き離しフィニッシュに飛び込んだ。
「この美しいコロンビアで今季初勝利を挙げることができて良かった。もともとスプリンター向けコースと聞いていたけれど、登りが険しい上に逃げグループが強力だったのでもっと難易度の高いレースになった。逃げには総合成績で危険な選手(ロペス)が入っていたけれど、チームメイトのパーフェクトな働きで引き戻すことができたんだ。最終盤にはスピードのある選手はあまり多く残っていなかったね」と、キャリア18勝目を挙げた26歳のユンゲルスは言う。

また、ユンゲルスはボーナスタイムを稼いだことで、ウランを4秒上回ってリーダージャージも獲得。ウランはステージ3着に入ったジュリアン・アラフィリップ(フランス)にも逆転され総合成績を3位に落としてしまった。ユンゲルスは「リーダージャージは特別ボーナス。ただし明日のクイーンステージは非常にタフで、ライバルは僕よりも強いクライマー揃いだ。かなり厳しい戦いになるけれど、総合成績を守るために全力で挑んでいきたい」と語っている。
また、このステージで中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は集団の4位に食い込み、5位でフィニッシュする健闘を見せた。以下は中根のコメント。
「唯一の平坦基調なステージかと思いきや、急勾配の上りからUターンして一気に下る区間が存在した厳しいコースレイアウト。 イメリオのスプリント勝負一択のオーダーだったので、毎周回彼のためにみんなで位置取りと補給を運び、中切れを埋めたりと動いた。 最終周回の上り区間で当然の如くペースが上がるがしっかり前方でクリア。先頭集団に残ったのはオゾリオ、アコスタ、自分の3人だった。ラスト5km切ってからオゾリオが勝つ為のアタックを連発。 彼が独走に持ち込み勝てるかと思ったがラスト1kmを切って吸収されてしまう。 自分はオゾリオが逃げているので集団の前方で待機。
今日の勝者ユンゲルスがアタックしたのには誰も付くことが出来ず、最終コーナーを10番手くらいで通過。 コーナーから立ち上がって集団が左に寄って微妙に速度が緩んだので、コーナーの立ち上がりで脚が攣りかけていたが、踏んだ勢いを殺さないようにそのまま右側からスプリント開始。 3位のアラフィリップには全く届かず、ゴールライン直前で1人に捲られてステージ5位だった。 標高が約1600mだったためか、今日は身体がしっかり動いた。 スプリントする位置とタイミングは今までの中では好感触だったが、最後はやはり脚が無かった。 勝者が、ポディウムが、目の前に見えていただけにこの順位はかなり悔しい。 残り2ステージも厳しいコースレイアウト。 また明日も頑張ってきます!」
ツアー・コロンビア2.1 2019第4ステージ結果
1位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 3h04'38" |
2位 | ミッケル・ライム(エストニア、イスラエルサイクリングアカデミー) | +02" |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
4位 | クリスティアン・ヴィラレアル(エクアドル、エクアドルナショナルチーム) | |
5位 | 中根英登(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ) | |
6位 | ディエゴ・オチョア(コロンビア、マンサナポストボン) | |
7位 | ウェイマール・ロールダン(コロンビア、メデジン) | |
8位 | エドウィン・アヴィラ(コロンビア、イスラエルサイクリングアカデミー) | |
9位 | ミゲル・フロレス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) | |
10位 | ダニエル・ムニョス(コロンビア、アンドローニジョカトリ・シデルメク) |
個人総合成績
1位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 10h24'13" |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | +02" |
3位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | +04" |
4位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | |
5位 | ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | |
6位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | +12" |
7位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームスカイ) | +13" |
8位 | イバン・ソーサ(コロンビア、チームスカイ) | +14" |
9位 | セバスティアン・エナオ(コロンビア、チームスカイ) | |
10位 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ) | +18" |
山岳賞
1位 | ウィリアム・ムニョス(コロンビア、コルデポルテス・ビチクレッタ・ストロングマン) | 6pts |
2位 | ホセ・ヘルナンデス(コロンビア) | 4pts |
3位 | ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、メデジン) | 4pts |
ポイント賞
1位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) | 25pts |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 22pts |
3位 | ミッケル・ライム(エストニア、イスラエルサイクリングアカデミー) | 20pts |
ヤングライダー賞
1位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファーストプロサイクリング) | 10h24'17" |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、チームスカイ) | +08" |
3位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、チームスカイ) | +09" |
チーム総合成績
1位 | EFエデュケーションファーストプロサイクリング | 30h42'41" |
2位 | チームスカイ | +10" |
3位 | アスタナ | +22" |
text:So.Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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